2024年8月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)個人情報について

顕在化の可能性:高 時期:中長期 影響度:大

当社グループでは、自社サービスの顧客情報をはじめとした各種個人情報を保有しております。これらの個人情報の管理にあたっては、当社グループシステム上でのセキュリティ強化を随時実施するとともに、全ての役職員が「個人情報保護規程」を厳格に遵守し、徹底した管理体制のもと、個人情報流出の防止に取り組んでおります。具体的には、個人情報を保存するデータベースはアクセス制限をかけ業務に関連しない従業者は個人情報にアクセスできないように制御しております。また、当社では「プライバシーマーク制度(注)1」の認定を受けることで、同制度に基づいた適切な個人情報の保護措置を講じております。しかしながら、外部からの侵入者及び当社グループ関係者並びに業務委託先等より個人情報が流出し、不正利用された場合、当社グループの責任が問われるとともに、信頼性の低下を招き、当社グループの事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(注)1.プライバシーマーク制度とは、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が行う日本工業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備する事業者等として認定する制度のことです。認定された事業者には「プライバシーマーク(Pマーク)」の使用が認められます。

 

(2)人材の確保及び育成について

顕在化の可能性:低 時期:長期 影響度:小

当社グループは、今後における事業拡大を図るため、継続した人材の確保が必要であると考えており、事業の運営に必要な人材を適切に確保するとともに、人材の育成に努めていく方針であります。しかしながら、事業の運営に必要な人材の確保が計画どおり進捗しない又は在籍する人材の多くが流出する等の状況が生じた場合には、競争力の低下や計画どおりの事業拡大に影響が生じる可能性があり、当社グループの事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)法的規制について

 顕在化の可能性:低 時期:特定時期なし 影響度:中

当社グループは、電気事業法やガス事業法、電気通信事業法等に基づく法規制、その他電話勧誘等に関する法規制を受けております。当社グループではこれらの法令等を遵守するため、従業員に対して定期的にコンプライアンスに関する研修を行い法令遵守に対する意識向上に努めております。また、社内の法務チーム及び顧問弁護士等を通じて、法改正の情報を入手できる体制を整備しております。

しかしながら、当社グループがこれらの法規制に違反した場合には、監督行政機関からの行政処分を受ける等して、当社グループのブランドイメージが毀損され、その後の取引等に影響が出た場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)労務関連の法制改正のリスクについて

 顕在化の可能性:低 時期:特定時期なし 影響度:小

当社グループでは、正社員、アルバイト等働き方の異なる多くの従業員が従事しております。時間外労働の上限規制、年次有給休暇の取得義務化及び36協定特別条項の見直し、同一労働同一賃金における均等・均衡待遇に対する整備など、労働関連法規制への対応や労働環境の変化により、人件費が高騰し当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

(5)競合他社の影響について

 顕在化の可能性:低 時期:短期 影響度:中

当社グループが取り扱うサービスは電気、ガス、ウォーターサーバー、インターネット回線等を中心とした生活関連サービスであり、同様のサービスを提供する競合企業が複数存在しております。当社グループは、新生活マーケットを中心にサービス提供事業者、サービス販売事業者両方の立ち位置を有することを活かし、顧客が新生活を始めるにあたり必要となる電気、ガス、インターネット等の生活インフラサービスを、ワンストップで代行し、顧客の手間を削減できる唯一無二のブランド力の向上を図ってまいります。しかしながら、異業種からの新規参入者等を含め競合他社との競争激化による収益力の低下や、広告宣伝費の増加等により当社グループの事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

しかしながら、異業種からの新規参入者等を含め競合他社との競争激化による収益力の低下や、広告宣伝費の増加等により当社グループの事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)販売手数料について

 顕在化の可能性:高 時期:中長期 影響度:小

当社グループは、サービス提供事業者への契約取次等を行うことにより、当該サービスを提供する事業者又は上位代理店から契約取次の対価として手数料を収受しております。販売手数料の取引条件は、事業者により異なり、事業者の経営方針の変更等により、大幅な取引条件の変更が生じた場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)提携・協力関係について

 顕在化の可能性:中 時期:中長期 影響度:中

当社グループは、競争力を強化するために、販売代理店、協力企業等のビジネスパートナーと様々な提携・協力を行い、それらを通じて商品やサービスの販売・サービス体制の整備・拡充の展開を図っております。本報告書提出日現在においてビジネスパートナーとの関係性は良好ではありますが、期待する効果が得られない場合や何らかの事情により提携・協力関係が解消された場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)技術革新について

 顕在化の可能性:低 時期:特定時期なし 影響度:大

当社グループは、単一のサービスに依らないサービスの提供を行っており、技術革新への対応は可能であると考えておりますが、重要な新技術の利用権の取得、顧客ニーズに合ったサービス開発等ができない場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 顕在化の可能性:中 時期:中長期 影響度:中

当社は、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に従って、株主総会決議に基づき、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。本報告書提出日の前月末現在、新株予約権による潜在株式数は336,700株であり、同日現在の発行済株式総数3,231,470株の10.42%に相当します。

※当社は2016年12月15日付で普通株式1株につき10,000株、2017年5月31日付で普通株式1株につき10株の株式分割を行っております。

 

(10)自然災害、感染症等に関するリスクについて

 顕在化の可能性:中 時期:特定時期なし 影響度:大

当社グループでは、従業員の安全に配慮し、事業を継続できる体制の整備に努めております。しかしながら、今後、大規模な自然災害や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染症の発生・拡大等により、長期間にわたって事業活動が大幅に制限される状態となった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)システム障害について

 顕在化の可能性:低 時期:特定時期なし 影響度:大

当社グループでは、システムやサーバーをクラウド化し、通信回線等のインフラ設備を冗長化する等してリスクの分散を図るとともに、システムの管理に細心の注意を払い、システム障害が発生することのないように運営を行っております。しかしながら未知のコンピューターウイルス、ハッキング、サイバー攻撃等によりシステムに障害が発生し、当社サービスの運営に障害が生じる可能性があります。その場合には、当社グループの財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)特定の取引先等への依存度について

 顕在化の可能性:低 時期:中長期 影響度:小

当社グループの2024年8月期売上収益の12.6%はプレミアムウォーター株式会社に、11.7%は株式会社ライフイン24に対するものであります。当社グループでは、特定の取引先等への依存度を低下させる為に、新たな得意先の開拓、新たなサービスの導入等をしておりますが、計画通りに進まず特定の取引先等への依存度が高い状態が続いた場合には、取引条件の変更等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)内部管理体制について

 顕在化の可能性:低 時期:特定時期なし 影響度:大

当社グループは、今後の事業運営及び事業拡大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しており、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規程及び法令遵守を徹底してまいります。事業拡大に合わせ内部管理体制を充実、強化させていく方針でございますが、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)風評被害について

 顕在化の可能性:中 時期:特定時期なし 影響度:大

当社グループ及び当社グループの主要なサービスに対して、クレーム等の発生によりインターネット上の掲示板への書き込みや、それを起因とするマスコミ報道等によって、何らかの否定的な風評が広まった場合、その内容の正確性にかかわらず、企業イメージの毀損等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社グループは、財務体質の強化と事業拡大のための投資を優先し、さらなる企業価値の向上を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。

当社は、当連結会計年度末現在においても配当を実施しておりませんが、株主の皆様への利益還元についても重要な経営課題として認識しており、将来の持続的な成長に必要な設備投資等や経営基盤の強化に係る内部留保を確保しつつ、財政状況及び経営成績並びに経営全般を総合的に判断し、利益配当を行っていく方針であります。

当該方針に基づき社内で慎重に協議を重ねた結果、2025年8月期の中間配当(基準日2025年2月末日)から配当を開始する方針としました。1株当たりの配当金については中間配当10円、期末配当10円とさせて頂く予定であり、決議機関は取締役会であります。