事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 1,350 | 100.0 | 124 | 100.0 | 9.2 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。」というミッションを掲げ、人の創造性と生産性を最大化させる配置(労働市場におけるマッチングだけでなく、組織内における人員配置も含む概念)による新産業創出をとおして、新産業領域(注)1の人と組織の可能性が引き出され活気づく社会を目指しております。このようなミッションの下、少子高齢化・人口減少する日本社会において不可欠なイノベーションの源泉たる人材創出を中心とした新産業領域における人材創出事業として、「新産業領域における才能の最適配置を目指すプラットフォーム」を提供しております。本プラットフォームにおいては、キャリアサービス分野及びメディア・SaaS(注)2分野において事業を展開しており、主に年功序列や終身雇用を中心とした伝統的な雇用慣行による歪みや求職者のブランド選好の強さによる歪み、画一的な人事制度が支配する伝統的な企業文化による歪み、新産業領域における情報の非対称性と認知の歪みの解消により、成長分野への人材移動及び労働市場の健全な流動化を推進しております。
キャリアサービス分野においては、学生向けサービスとして、新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」及びコンサル就活サービス「FactLogic」、学生向け長期インターン(注)3紹介サービス「Intern Street」の3つのサービスを展開しており、社会人向けサービスとしてベンチャー・スタートアップ求人特化型エージェント「Goodfind Career」及び社会人3年目までのハイポテンシャル人材向けキャリア支援サービス「G3」を展開しております。メディア・SaaS分野においては、新産業領域に必要な情報インフラをつくる若手イノベーション人材向けビジネスメディア「FastGrow」及び入社後の組織課題にアプローチするSaaS型HRサービス「TeamUp」、動画×経験学習プラットフォーム「メタノビ」を展開しております。
なお、本書提出日現在、当社グループは当社及び連結子会社1社(チームアップ株式会社)並びに持分法適用関連会社2社によって構成されております。「Goodfind」、「FactLogic」、「Intern Street」、「Goodfind Career」、「G3」、「FastGrow」及び「メタノビ」は当社が、「TeamUp」はチームアップ株式会社が運営しております。また、報告セグメントは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであります。
(注)1.「新産業領域」とは、スタートアップ・ベンチャー企業における新規事業やイノベーションへの取り組みのみならず、大企業におけるビジネスモデル革新やイノベーション探索等のトランスフォーメーション及び中堅・中小企業における事業承継型の経営革新を含む領域として当社で定義しております。
2.「SaaS」とは、「Software as a Service」の略称で、インターネットを経由してソフトウエアを利用するサービスのことを言います。
3.「長期インターン」とは、正規雇用者に相当する実務を、学生が有給のパートタイムで経験することを言います。
(1)キャリアサービス分野
① 学生向けサービス
a.新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」
厳選就活メディア「Goodfind」を運営し、ベンチャー・スタートアップ企業を中心とした新産業領域の企業の新卒採用と挑戦意欲・成長志向の高い学生の就職活動を支援するプラットフォームを提供しております。
学生に対しては、ロジカルシンキングやグループディスカッション等のスキルアップセミナーや、厳選企業を集めたイベントやセミナー等の開催、厳選企業のインターンシップや説明会、選考会等の各種就活情報の提供、「Goodfind College」を通じた学習コンテンツの提供を行い、成長機会やキャリア構築に関する情報の提供を行っております。また、インキュベーションパートナー(「Goodfind」に登録された学生に対して個別面談を行い、学生のキャリア構築を支援する学生担当を言います。)による個別面談により、学生一人ひとりの成長を支援しております。本サービスは2006年6月から運営をスタートし、2025年卒業学生の総会員数は16,277人(2025年3月31日現在)となっております。
また、当該会員のうち、当社が注力する学校(以下「注力校」と言います。)の会員数は10,941人(総会員数の67.2%)となっております。直近5卒業年の総会員数、注力校会員数及びその割合は以下のとおりであります。
|
2021年卒 |
2022年卒 |
2023年卒 |
2024年卒 |
2025年卒 |
総会員数(人) |
18,105 |
19,864 |
14,953 |
13,257 |
16,277 |
注力校会員数(人) |
12,251 |
13,275 |
10,133 |
8,779 |
10,941 |
注力校会員割合(%) |
67.7 |
66.8 |
67.8 |
66.2 |
67.2 |
なお、2025年4月30日現在における2026年卒業予定学生の総会員数は14,866人、注力校会員数は10,510人(総会員数の70.7%)となっております。
「Goodfind」は学生であれば会員資格を有し、学校名による選別は行っておりませんが、顧客企業における過去の採用実績や学生動向等を考慮して注力校を定義し、注力校の会員数及びその割合をモニタリングしております。本書提出日現在における注力校は、東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学、東京工業大学、一橋大学、大阪大学、神戸大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学、上智大学、東京理科大学、青山学院大学、立教大学、明治大学、法政大学、中央大学、同志社大学、立命館大学、関西学院大学、関西大学、国際基督教大学、横浜国立大学、国際教養大学、立命館アジア太平洋大学と定義しております。
顧客企業に対しては、3つのサービスモデル(成功報酬型人材紹介サービス/人材紹介一体型コンサルティングサービス/メディアサービス)を顧客企業の採用課題やニーズに合わせてカスタマイズして提供することで、顧客企業の採用成功を支援しております。
サービスモデル |
内容 |
成功報酬型人材紹介サービス |
インキュベーションパートナー(「Goodfind」に登録された学生に対して個別面談を行い、学生のキャリア構築を支援する学生担当を言います。)による個別面談や、セミナー・イベント等への参加情報を通じて蓄積された学生のデータベースから、顧客企業の求人要件に合う学生を個別に紹介するサービスであります。 本サービスの料金体系は、初期費用に加えて、入社人数に応じた成功報酬が発生いたします。 |
人材紹介一体型コンサルティングサービス |
リクルーティングパートナー(顧客企業の採用成功のため、採用に関する進捗状況や選考状況に応じたアドバイスや、インキュベーションパートナーとの連携を行う企業担当を言います。)が、顧客企業の採用目標人数の達成に向けたコンサルティングを年間で提供するサービスです。採用像や求人要件へのアドバイス、学生に対する訴求ポイントの言語化、有望候補者の継続的なフォロー、定例ミーティングによるサポート等を提供します。 本サービスの料金体系は、顧客企業の採用目標人数に応じた年間基本料金を契約で定め、入社人数が当該採用目標人数以内の場合は年間基本料金のみとなり、超えた場合は入社人数に応じて成功報酬が発生いたします。 |
メディアサービス |
「Goodfind」へのメディア掲載、セミナーやイベントの企画・運営、顧客企業が実施する説明会や選考会への送客、採用ブランディング等の採用活動に必要となる各種支援を行うサービスであります。 本サービスの料金体系は、顧客企業のニーズに合わせた様々なサービスに応じた料金体系となります。 |
b.新卒学生向けコンサル就活サービス「FactLogic」
外資・日系コンサルティングファームに特化した就活対策及び選抜型コミュニティの形成等を行う就活サービスを提供しております。主に選抜型コミュニティの企画及び運営により学生に対して学びの機会を提供し、顧客企業に対しては、メディア掲載及び説明会・選考会の集客により挑戦意欲・成長志向の高い学生との出会いを提供しております。
c.学生向け長期インターン紹介サービス「Intern Street」
スタートアップ・ベンチャー企業の求人に特化した、長期インターン人材の紹介サービスを提供しております。学生に対しては、正規雇用者に相当する実務を、有給のパートタイムで経験することができる求人案件の紹介や、セミナーやイベントを通じて企業との出会いを提供しております。顧客企業に対しては、スタートアップ・ベンチャー企業において実務経験を積むことへの意欲が高い学生を紹介しております。
② 社会人向けサービス
a.ベンチャー・スタートアップ求人特化型エージェント「Goodfind Career」
「Goodfind Career」は、中途採用市場において社会人(求職者)と求人企業とのマッチングを行うサービスを提供しております。社会人(求職者)に対して、新規性の高いビジネスモデルや先端テクノロジーの活用等の影響でやや理解しにくい新産業領域のビジネスについて理解・精通したキャリアアドバイザーから、メディアだけでは伝えられない、求人企業の魅力を訴求することで、新産業領域への興味・関心を喚起し、挑戦意欲の高い社会人(求職者)と求人企業のマッチング支援を行っております。
b.社会人3年目までのハイポテンシャル人材向けキャリア支援サービス「G3」
「G3」は、社会人3年目までのハイポテンシャル人材を対象に、キャリア戦略の構築支援からオファー獲得までをサポートするキャリア支援サービスです。スタートアップ・ベンチャー企業やプロフェッショナルファーム等を厳選して掲載し、セミナーやイベント等のメディア展開を通じてマッチング機会の創出を行っております。
(2)メディア・SaaS分野
① 若手イノベーション人材向けビジネスメディア「FastGrow」
「FastGrow」は、新産業領域の情報を整理し、若手イノベーション人材に向けて発信していくメディアであります。新産業領域への挑戦を推進し、スタートアップ・ベンチャー企業を含む新産業領域の企業の採用広報やブランディング、サービス認知を支援するサービスを提供しております。
② 1on1(注)4の仕組みをつくるSaaS型HRサービス「TeamUp」
「TeamUp」は、1on1の仕組みで人が成長する組織をつくることを支援するSaaS型HRサービスであります。1on1ミーティングの設定から面談記録の蓄積・共有を通じて、現場と経営・人事の連携による人材育成のフォローアップを可能にします。「TeamUp」の利用により、適切な異動やキャリア支援が促進され、組織内における才能の最適配置を実現する環境づくりの支援を行っております。
③ 動画×経験学習プラットフォーム「メタノビ」
「メタノビ」は、バイアスや認知の偏りに着目した動画コンテンツを通じて、経験学習モデルに基づく継続的な学びを支援するプラットフォームであります。不確実性の高い環境においては、表層的なスキルだけでなく、思考の前提や認知の枠組み、すなわちメタ認知(注)5の育成が重要とされます。しかし、多くの組織では、こうした学習が個人の自助努力に委ねられており、当社はこの課題に対して、組織的な育成機会の提供を目指しております。
(注)4.「1on1」とは、社員の成長を促進することを目的として、上司と部下が定期的に行う1対1の面談のことを言います。1on1では、部下個人が中心となって仕事を通じて得た体験や課題、悩み等を上司と共有し、上司はその内容についての対話やフィードバックを通じて部下をサポートするものであります。
5.「メタ認知」とは、自分の認知活動を客観的に捉える、つまり、自らの認知(考える・感じる・記憶する・判断する等)を認知することを言います。
[サービス一覧]
分野 |
サービス名 |
サービス内容 |
|
キャリアサービス分野 |
|
新卒学生向け 厳選就活プラットフォーム 「Goodfind」 |
新産業領域の企業を厳選し、新卒学生に対してセミナーやイベント等のコンテンツを提供。企業に対しては、挑戦意欲・成長志向の高い人材の紹介を行います。 |
|
新卒学生向け コンサル就活サービス 「FactLogic」 |
外資・日系コンサルティングファームに特化した就活対策及び選抜型コミュニティの形成を行う就活サービスです。 |
|
|
学生向け長期インターン 紹介サービス 「Intern Street」 |
スタートアップ・ベンチャー企業の求人に特化した、長期インターン人材の紹介サービスです。 |
|
|
社会人向けベンチャー・スタートアップ求人特化型 エージェント 「Goodfind Career」 |
スタートアップ・ベンチャー企業の求人に特化した転職エージェントです。 |
|
|
社会人3年目までのハイポテンシャル人材向けキャリア支援サービス「G3」 |
キャリア戦略の構築からオファー獲得まで、社会人3年目までのハイポテンシャル人材向けキャリア支援サービスです。 |
|
メディア・SaaS分野 |
|
若手イノベーション人材向けビジネスメディア 「FastGrow」 |
新産業領域の情報を整理し、発信していくメディアです。新産業領域への挑戦を推進し、スタートアップ・ベンチャー企業の採用広報やブランディング、サービス認知を支援するビジネスメディアです。 |
|
1on1の仕組みをつくるSaaS型HRサービス 「TeamUp」 |
1on1ミーティング及び360度フィードバックシステム「TeamUp(チームアップ)」を提供。人材育成や組織活性化を通じた人と組織の成長支援を行います。 |
|
|
動画×経験学習 プラットフォーム 「メタノビ」 |
バイアスやモノの見方にフォーカスした独自の動画コンテンツにより、経験学習モデルを活用した継続的な学習機会の提供を行うプラットフォームです。 |
[事業系統図]
(注)1.会員登録は無料となりますが、一部有料で提供するコンテンツがあります。
2.SaaS型HRサービス「TeamUp」は当社子会社チームアップ株式会社で運営しております。なお、その他サービスについては、当社で運営しております。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は2,094,976千円となり、前連結会計年度末に比べ126,903千円増加いたしました。これは、流動資産が93,560千円、固定資産が33,342千円増加したことによるものであります。流動資産の増加は主に、現金及び預金が93,805千円増加したことによるものであります。固定資産の増加は主に、UT創業者の会投資事業有限責任組合への出資により、投資有価証券が18,660千円増加及び自社利用ソフトウエアの開発に伴い無形固定資産が9,092千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は589,664千円となり、前連結会計年度末に比べ60,532千円増加いたしました。これは主に、未払金が15,668千円減少した一方で、主に学生向けキャリアサービスに係る受注の増加により前受金が69,841千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,505,312千円となり、前連結会計年度末に比べ66,370千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益(純資産の増加)86,841千円を計上したことによるものであります。また、財政状態や株価動向を鑑みて、総合的な株主還元及び資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とするため、2024年1月12日開催の取締役会決議に基づき、自己株式の公開買付けによって、自己株式38,302千円の取得(純資産の減少)を実行いたしました。
この結果、自己資本比率は71.0%(前連結会計年度末は73.1%)となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、引き続き急速な円安や物価上昇の影響を受けながらも、政府による各種経済政策の推進や観光・インバウンド需要の回復などにより、緩やかな成長基調を維持いたしました。特に、個人消費はサービス分野を中心に回復傾向が見られ、労働市場においても企業の採用意欲が高い水準を保つ状況が続きました。一方で、世界的な地政学リスクの高まりや、各国の金融政策の引き締め継続、供給網の制約、資源価格の変動などが経済の不透明感を強める要因となっており、先行きには引き続き慎重な見極めが求められる状況が続いております。
人材関連ビジネス市場においては、リモートワークやオンライン採用の定着に加え、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、求職者と求人企業のマッチングの手法が多様化し、より柔軟な雇用形態が普及しております。これにより、従来の地理的・時間的な制約によって就業機会を得にくかった人材にとって新たな選択肢が広がり、企業側も多様な人材確保の手段を手にすることが可能となりました。また、企業の人材投資意欲が高まりを見せる中で、高度専門人材の確保やリスキリング(学び直し)支援のニーズが拡大し、労働市場の構造変化が加速しております。
当社グループの事業領域であるスタートアップ・ベンチャー企業をはじめとした新産業領域における人的資本を取り巻く環境についても、政府の「新しい資本主義」の下で、スタートアップの創出および人材投資が引き続き重点政策として位置づけられております。2022年に策定された「スタートアップ育成5カ年計画」に基づき、国内のスタートアップ・エコシステムの強化が進められており、今後も政府によるスタートアップ支援策のさらなる拡充が期待されております。また、経団連の「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して~」の方針に沿って、起業の促進や優秀な人材のスタートアップへの流動化を促す取り組みが進行しております。少子高齢化や労働人口の減少という社会課題に対応するため、スタートアップ・ベンチャー企業の活性化と人的資本の最大活用がますます重要視されており、当社グループの事業機会も引き続き拡大していくものと考えております。
このような経営環境の中、当社グループは、「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。」というミッションのもと、新産業領域における人材の最適配置を推進し、人的資本の価値を最大限に引き出すプラットフォームの提供を強化してまいりました。
また、2022年11月16日の取締役会において、代表取締役及び取締役の異動による新経営体制への移行を決定し、2023年3月1日から新経営体制へ移行し、当連結会計年度は当該移行後2年目の年となりました。本サクセッション(経営継承)により、第二創業期として「継続的な高収益・高成長を目指すための改革」を掲げ、最優先課題であるGoodfindの収益基盤強化に取り組むとともに、「組織・人材・カルチャー」及び「事業マネジメントシステム」という2つの重要テーマに取り組んでまいりました。
当連結会計年度においては、売上高は前期比4.8%の減少となりました。これは、キャリアサービス分野の売上高が前期比1.1%の増加となった一方で、メディア・SaaS分野の売上高が前期比27.8%の減少となったことによるものです。キャリアサービス分野の売上高としては前期比1.1%の増加となっておりますが、主に事業上の最優先課題として取り組んだ「Gooodfind」の収益基盤強化により学生向けサービスが前期比5.8%の増加となった一方で、厳しい競争環境にある社会人向けサービスにおいて、組織体制の不安定化や新規サービスの不確実性等の影響により入社決定数が減少し、前期比36.8%減の大幅な減収となりました。また、メディア・SaaS分野では、主に「FastGrow」において受注活動に苦戦したため受注高が減少した結果、売上高は前期比27.8%の減少となりました。販売費及び一般管理費については、概ね前期と同水準となり、前期比0.3%の減少となりました。
この結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高1,350,205千円(前期比4.8%減)、営業利益124,402千円(同19.9%減)、 経常利益119,052千円(同21.5%減)、 親会社株主に帰属する当期純利益86,841千円(同5.0%減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,743,841千円となり、前連結会計年度末に比べ93,805千円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は175,598千円(前年同期は115,716千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上119,052千円、法人税等の支払額39,673千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は34,313千円(前年同期は55,439千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出25,000千円、自社利用ソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出9,453千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は47,478千円(前年同期は67,003千円の使用)となりました。これは主に、自己株式取得のための預け金が9,075千円増加したこと及び自己株式の取得による支出38,759千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、事業部門別に記載しております。
事業部門 |
当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
||
金額(千円) |
前期比(%) |
||
|
キャリアサービス分野 |
1,141,893 |
101.1 |
|
学生向けサービス |
1,062,540 |
105.8 |
社会人向けサービス |
79,353 |
63.2 |
|
|
メディア・SaaS分野 |
208,312 |
72.2 |
|
合計 |
1,350,205 |
95.2 |
(注)1.上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人FRIQの監査は受けておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状、その他さまざまな要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、1,350,205千円(前期比95.2%)となりました。当社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、売上高については、キャリアサービス分野及びメディア・SaaS分野を事業部門として区分し、さらに、キャリアサービス分野は、学生向けサービス及び社会人向けサービスに細分化して分析しております。
事業部門 |
前連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
|||
金額(千円) |
前期比(%) |
金額(千円) |
前期比(%) |
||
キャリアサービス分野 |
1,129,676 |
98.0 |
1,141,893 |
101.1 |
|
|
学生向けサービス |
1,004,125 |
94.4 |
1,062,540 |
105.8 |
|
社会人向けサービス |
125,550 |
140.0 |
79,353 |
63.2 |
メディア・SaaS分野 |
288,719 |
90.7 |
208,312 |
72.2 |
|
合計 |
1,418,396 |
96.4 |
1,350,205 |
95.2 |
(注)上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人FRIQの監査は受けておりません。
当連結会計年度における売上高が1,350,205千円(前期比95.2%)となった主な要因は、キャリアサービス分野の売上高が前期比1.1%の増加となった一方で、メディア・SaaS分野の売上高が前期比27.8%の減少となったことによるものです。
「FastGrow」及び「TeamUp」で構成されるメディア・SaaS分野では、主に「FastGrow」において受注活動に苦戦したため受注高が減少した結果、売上高は前期比27.8%の減少となりました。
キャリアサービス分野が前期比1.1%の増加となった要因は、厳しい競争環境にある社会人向けサービスにおいて、組織体制の不安定化や新規サービスの不確実性等の影響により入社決定数が減少し、前期比36.8%の大幅な減収となった一方で、当社グループの主力サービスである新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」を含む学生向けサービスにおいては、前年同期比5.8%の増加となったことによるものです。なお、サービスモデルの詳細については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。
当社グループの主力事業である「Goodfind」及び「Intern Street」等で構成される学生向けサービスにおいては、2024年卒業学生会員の利用率低下に伴い顧客と学生のマッチングが伸び悩み、成功報酬型人材紹介サービスが前期比9.8%減少、人材紹介一体型コンサルティングサービスが前期比12.9%減少となりましたが、2025年、2026年卒業学生会員向けのメディアサービスが好調に推移し、前期比26.7%の増加となったことから、学生向けサービス全体で前期比5.8%の増加となりました。
学生向けサービスにおけるサービスモデル別売上高は次のとおりであります。
(単位:千円、%)
サービスモデル |
前連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
||||
金額 |
構成比 |
前期比 |
金額 |
構成比 |
前期比 |
|
成功報酬型 人材紹介サービス |
173,470 |
17.3 |
68.5 |
156,550 |
14.7 |
90.2 |
人材紹介一体型 コンサルティングサービス |
370,291 |
36.9 |
113.2 |
322,620 |
30.4 |
87.1 |
メディアサービス |
460,364 |
45.8 |
95.3 |
583,370 |
54.9 |
126.7 |
合計 |
1,004,125 |
100.0 |
94.4 |
1,062,540 |
100.0 |
105.8 |
(注)上記サービスモデル別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人FRIQの監査は受けておりません。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における売上原価は、30,771千円(前期比48.1%)となりました。これは主に、社会人向けキャリアサービスにおける入社決定数が減少したことなどにより、他社の候補者データベースを利用する費用が減少したことによるものであります。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,195,031千円(前期比99.7%)となりました。これは主に、一人当たり営業利益の向上及び収益性改善を目指し、主に外注費用の見直しなどを行ったことによるものであります。
この結果、営業利益は124,402千円(前期比80.1%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、1,718千円(前連結会計年度は1,185千円 533千円の増加)となりました。これは主に、受取利息965千円を計上したことによるものであります。営業外費用は、7,068千円(前連結会計年度は4,933千円 2,134千円の増加)となりました。これは主に、投資事業組合運用損4,433千円を計上したことによるものであります。
この結果、経常利益は119,052千円(前期比78.5%)となりました。
(特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は特別損失を計上いたしませんでした(前連結会計年度は12,460千円)。これは、前連結会計年度においてソフトウエアの減損損失を計上したことによるものであります。
法人税等合計は、32,211千円(前連結会計年度は47,748千円 15,537千円の減少)となりました。これは、課税所得が減少したこと及び法人税等調整額が減少したことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は86,841千円(前期比95.0%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要として主なものは、人件費、人材獲得のための採用費、業務委託費、新規顧客企業獲得や求職者獲得のための広告宣伝費であります。これらの必要資金については、営業活動により獲得した自己資金を充当することを基本方針としながら、今後の資金需要や金利動向等を勘案し、必要に応じて金融機関からの借入やエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定であります。なお、これらの資金調達方法の優先順位は、資金需要や資金使途等に合わせて最適な方法を検討・選択する予定であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,743,841千円であり、本書提出日現在における資金需要に対して必要な資金は確保されております。なお、当社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当座貸越極度額及び借入未実行残高は100,000千円であります。金融・資本市場の流動性が低下した状況下においては、当該当座貸越極度額を使用することによって流動性を確保いたします。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが目標とする経営指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当連結会計年度は、売上高、営業利益及び営業利益率を客観的な指標として掲げております。なお、当連結会計年度の経営方針に則った通期業績予想について、業績動向等を踏まえ、2024年4月12日に公表した各経営指標の予想値を修正し、2025年2月20日に改めて公表しました。
当連結会計年度の業績予想の達成状況は次のとおりであります。
指標 |
業績予想 |
実績 |
予想比 |
売上高(百万円) |
1,338 |
1,350 |
100.9% |
営業利益(百万円) |
110 |
124 |
112.6% |
営業利益率 |
8.3% |
9.2% |
+1.0ポイント |
2026年2月期においては、売上高1,515百万円(2025年2月期比12.2%増)、営業利益151百万円(同21.8%増)、営業利益率10.0%(同0.8ポイント増)を計画しております。なお、2025年4月11日に公表した「2025年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」における業績予想から変更はありません。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分を外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分を外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、該当事項はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
当社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
該当事項はありません。