2025年10月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に関するリスクについて、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を記載しております。当社グループはこれらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び万が一発生した場合には適切な対応に努め、事業活動に支障をきたさないよう努力してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループの事業環境及び固有の法的規制に関わるリスクについて

① インターネット事業に関する一般的なリスク

当社グループは、インターネット関連事業を主たる事業対象としているため、インターネットの活用シーンの多様化、利用可能な端末の増加等のインターネットのさらなる普及が成長のための基本的な条件と考えております。インターネットの普及は引き続き進んでいるものの、今後どのように進展していくかについては不透明な部分もあります。また、生成AI等の新たな技術の急速な普及により、コンテンツ生成やマーケティング手法、競争環境が大きく変化する可能性もあります。当社グループは、法改正などの早期情報収集、市場動向や技術トレンドのモニタリングを行っておりますが、インターネットに関する何らかの弊害の発生、利用等に関する新たな規制の導入、技術環境の急激な変化その他予期せぬ要因によって、今後の普及や事業環境に大きな変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

② 技術革新について

当社グループが事業を展開するインターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それに基づく新サービスの導入が相次いで行われております。特に、生成AIの進展や主要SNSプラットフォームの機能拡張・仕様変更等により、マーケティング手法やサービス提供の在り方が短期間で変化する状況にあります。当社グループは、これらの変化に対応するため、技術者の確保や研修活動、サービス開発への投資を行っておりますが、想定どおりに進まない場合や、新技術への対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下し、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 

③ システム障害について

当社グループでは事業の安定的な運営のためのシステム強化及びセキュリティ対策を行っておりますが、サイトへのアクセスの急増等の一時的な過負荷や電力供給の停止、当社グループソフトウエアの不具合、コンピューターウイルスや外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、自然災害、事故等、当社グループの予測不可能な様々な要因によって、当社グループの事業活動に支障が生ずる可能性があります。また、サーバーの作動不能や欠陥に起因して、当社グループの信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、当社グループに対する損害賠償請求が発生する場合も想定され、このような場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 

④ 個人情報管理によるリスク

当社グループはサービス提供にあたり、顧客、サービス利用会員等の個人に関連する情報を取得しております。これらの情報の取り扱いには、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐため、セキュリティ環境の強化、従業員に対する個人情報の取り扱いに対する教育等、十分な対策を行うと同時に、個人情報として管理すべき情報の範囲についても厳密な判断が必要であると考えております。しかし、今後何らかの理由により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

 

⑤ 知的財産権に係る方針等について

当社グループによる第三者の知的財産権等を侵害する可能性については、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業分野において、当社グループが認識していない知的財産権等が既に成立している可能性、又は新たに第三者により知的財産権等が成立する可能性があります。また、近年では生成AIを活用したコンテンツ制作や業務支援が進展しており、著作権や肖像権、商標権等の権利関係に関する法的解釈や実務対応について不確実性が存在しております。かかる場合において、当社グループが第三者の知的財産権等を侵害することによる損害賠償請求や差止請求、又はロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

 

⑥ ソーシャルメディアデータの法整備について

ソーシャルメディアが益々浸透し、クチコミが日々大量に生成されるようになりました。このような状況において、ソーシャルメディアデータに関する法整備においては、2010年1月に施行された改正著作権法でインターネット上の検索サービスを提供する事業者がその検索サービスに必要な情報を収集する行為が一定の条件下で認められるようになりました。しかしながら、今後の新たな法律の制定や既存の法律の改正により、自主規制が求められるようになる可能性があります。当社グループでは、これらの動向に関する情報収集を行っておりますが、当社グループのサービスを提供する上での情報収集やサービスの提供の仕方自体に何らかの制約を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

⑦ マーケティング業務のアウトソーシングについて

当社グループは、顧客に対して、MOS(Marketing Operating Service)を事業コンセプトに、マーケティングの運用領域の支援サービスを提供しております。専門性を有する人材育成や確保の限界、外部のファシリティを使うことでの費用と効果の明確化、繁忙期、閑散期の雇用継続不要によるコストダウンなどの理由から、近年においてアウトソーシングが進んでいるものと考え、今後もマーケティング業務のアウトソーシング需要が拡大するものと認識しております。当社グループは、マーケティングオペレーションの重要性や専門知識の必要性を発信し認知されるように努力しておりますが、今後経済状況や顧客の経営方針の変化にて社内リソースでマーケティング業務を行う内製化へ進んだ場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

⑧ 主要SNSのユーザーの利用動向やプラットフォームの規制変更等について

当社グループのサービスは、Instagram、Facebook、X(旧Twitter)等の主要SNSプラットフォーム上でのマーケティング手法を中心としております。これらのSNSにおけるユーザーの利用動向の変化、新たなSNSの台頭、既存SNSのアルゴリズム変更や広告関連規約・API提供方針の変更等により、従来可能であったマーケティング手法が制限される可能性があります。また、プラットフォーム側のセキュリティ問題や信頼性の低下、規制強化等が生じた場合、当社グループの提供するサービスの有効性や競争力に影響を及ぼす可能性があり、これらへの対応が遅れた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

⑨ サービスの陳腐化について

インターネット広告市場は、日々新たな技術革新やサービスが創出される市場であり、競合他社よりも有益な価値を顧客に提供し続ける必要があります。特に、生成AIの普及により、コンテンツ制作や運用支援の自動化・高度化が進展する中、当社グループのサービスや技術が市場の変化に適応できない場合、陳腐化する可能性があります。当社グループでは、新技術の導入やサービス機能の強化、人材確保に努めておりますが、変化への対応が十分に行えなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

⑩ インターネット広告市場について

マーケティング支援事業及び広告事業が対象とするインターネット広告市場は拡大傾向にあり、今後も当該市場は拡大していくものと想定されます。当社グループでは、これらの動向に関する情報収集を行っておりますが、景況感の変化や新たなイノベーションの創出により、インターネット広告市場が拡大傾向の鈍化あるいは縮小傾向に転じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

⑪ 法的規制について

当連結会計年度末現在で、当社グループの主力事業において直接的な法的規制又は業界の自主規制はありませんが、広告主の広告内容により、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」等の規制を受ける可能性があります。当社グループでは、顧客の広告が各種法的規制に抵触することを避けるため、事例も含めた勉強会の実施、コンテンツ制作において判断に迷うものは法務部門へ問い合わせるなどして当社従業員の意識を高めるよう努めております。今後、法令等の改正や新たな法令等の制定、また生成AIやデジタル広告を取り巻く法的解釈の変更等により、業界の自主規制が制定され、その遵守を要請される場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

 

(2)経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスク要因について

① 景気動向及び顧客企業の広告マーケティング予算の影響について

当社グループの取引はクライアントの広告マーケティング予算に強く影響を受けます。景気低迷時には広報・広告宣伝予算が相対的に削減されやすく、企業の業績や投資判断の変化が、当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、景気動向や市場環境の変化に関する情報収集を行っておりますが、想定を超える経済状況の悪化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

② 特定販売先への依存について

当社グループは、企業のデジタルマーケティング支援を行っておりますが、企業はマーケティング施策全般を大手広告代理店に委託するケースも多く、当社グループは一部業務を代理店経由で受注する構造となっております。取引先上位会社の定期的なモニタリングを実施するとともに、直接取引の拡大も推進しておりますが、特定代理店からの発注が減少した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

 

③ 特定事業への依存について

当社グループは、現在「マーケティング事業」単一セグメントで事業を展開しており、その中心はSNSマーケティング事業が占めております。WEB制作領域の拡充や、インバウンドマーケティング、インフルエンサー領域への展開を進めておりますが、売上構成上SNSマーケティングへの依存は依然高い状況にあります。この中核事業の成長鈍化や市場構造の変化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

④ 競合について

SNSマーケティング領域は市場成長が続く一方で、新規参入やサービスの多様化も活発に進んでおります。当社グループは、黎明期からの運用実績、自社開発ツール、運用支援体制、リスクマネジメント等を強みに差別化を図っておりますが、今後競合他社がより高機能なツールや価格競争力のあるサービスを展開した場合、当社グループの競争優位性が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

⑤ 生成AI活用の急速な進展による市場構造変化

近年、生成AI技術の進展は急速に進んでおり、コンテンツ制作、マーケティング自動化、チャットボットによる顧客対応等、さまざまな業務領域に影響を与えつつあります。これに伴い、生成AIを活用した新たなマーケティング支援ツールや、AI主導の自動運用サービスの市場参入が活発化しており、当社グループの主要事業と競合する可能性があります。

当社グループは、生成AIを活用したプロダクト、社内業務の効率化を推進しておりますが、技術革新のスピードや市場動向への適切な対応が遅れた場合、当社グループの提供価値や収益モデルに影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 

(3)当社グループの事業運営体制に関わるリスクについて

① 人材の確保及び育成について

当社グループの事業展開においては、マーケティングの運用支援を担う高度な専門スキルや、SNSをはじめとするデジタル領域への深い理解を持つ人材が不可欠であり、これらの人材を適切に確保し、継続的な育成を行う必要があります。特に近年では、生成AIなどの新技術が急速に普及しており、それらを活用できるリテラシーや変化対応力を備えた人材の重要性が高まっております。

また、今後の事業拡大により受注機会が増加した場合には、規模に応じた人員の確保も必要となります。当社グループでは、社内研修やナレッジ共有の仕組みを通じて人材育成を進めているほか、リモートワークやフレックスタイム制等の柔軟な勤務制度の整備にも取り組んでおりますが、必要な人材の確保が計画どおり進まなかった場合や、既存人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

② ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について

当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:権利行使期間内、影響度:大

 

 

③ 配当政策について

当社の利益配分につきましては、業績の推移を見据え、将来の事業の発展と経営基盤の強化のための内部留保を意識しつつ、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を維持することを基本方針としております。しかしながら当社グループは、繰越欠損金の未解消かつ成長過程にあり、今後の事業発展及び経営基盤強化といった、内部留保の充実を図るため、配当を行っておりません。

現在におきましても、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財務状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。ただし、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。

発生可能性:事業計画の進捗状況による、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 

④ 他社との業務・資本提携等について

当社グループは、他社との業務提携、資本提携等を通じて事業の拡大、スピードアップに取り組んでいく方針であります。当社グループと提携先の持つ技術やノウハウ等を融合することにより、事業シナジーを発揮することを目指します。当社グループでは、対象企業の属する業界の市場規模、業界環境や対象企業を調査し、事前に収益性などについて慎重に検討することとしておりますが、当初見込んだ効果が発揮されない場合、またこれらの提携等が何らかの理由で解消された場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

⑤ 借入金、金利の変動について

当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し借入を行っており、2025年10月期における借入金残高が総資産に占める割合は54.02%となっております。今後の金利情勢の変動によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 

⑥ 代表取締役への依存について

当社代表取締役は2008年11月の株式会社コムニコを設立以来、事業を牽引し、2014年には当社を設立しグループを大きく成長をさせてまいりました。現在も当社グループの経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会等における経営層への情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない体制の確立に努めておりますが、何らかの理由により、同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

⑦ 自然災害、事故、パンデミック等について

当社グループでは自然災害、事故等発生時には、速やかに対策本部を設置し、事業継続に向けて対応をするよう準備を行っております。また、当社では従来からリモートワークやフレックスタイム制による時差出勤制度を導入しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、リモートワークの環境整備支援やリモート会議システムを導入する等、従業員の安全を確保するとともに安定したサービス提供ができる環境作りを推進しております。しかしながら、本社所在地である関東圏において、大地震、台風等の自然災害や事故等により設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生した場合、当社グループ従業員の勤務が困難となり当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 

 

⑧ 経営管理体制の複雑化について

当社グループでは、M&A戦略の推進により連結子会社が増加し、事業領域や地域の拡張が進んでおります。それに伴い、グループ全体の経営管理体制が複雑化しており、業績管理やガバナンス、内部統制体制の維持・強化に向けた体制整備が求められております。

当社では、M&A専門チームの設置や管理部門の体制強化、子会社管理の標準化等を進めておりますが、これらの対応が計画通りに進まなかった場合や、買収先企業との統合(PMI)が円滑に進まない場合には、当社グループの事業及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、剰余金の配当につきましては、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。

しかしながら、現在は成長過程にあると考えていることから、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体制の強化のための投資などに充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期につきましては、現時点において未定であります。

なお、当社は剰余金の配当を行う場合には、期末配当の年1回を基本的な方針としており、配当の決定機関は株主総会であります。また、当社は、「取締役会の決議によって、毎年4月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。