リスク
3 【事業等のリスク】
以下において、当社の事業、経営の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)食の安全性について
当社シェアショップ事業ではお客様にお買い上げいただいた商品について、生産者が所有権を有したままであるため、出品商品の安全性についての責任は最終的に生産者が担うこととなっておりますが、店舗における温度管理、納品後の商品管理は当社従業員が行っております。
生産者に対する指導や、当社従業員による商品チェック及び売場の温度管理等、食の安全性には十分な配慮を行っておりますが、万が一、当社に出品している生産者の商品が原因となり食中毒や健康被害が発生した場合、当社の信用の低下等を招き、店舗売上が減少する可能性があります。当社では生産者へは食品の生産・製造に関する各種法令及び衛生管理等を徹底する様に指導しており、また売場管理マニュアルの作成や従業員への教育等により売場管理の徹底を図っておりますが、健康被害等が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)農産物の市況変動について
当社の店舗で販売している主力商品の一つである野菜については、産直野菜という付加価値を持ちますが、気候変動や天災といった要因により、一般的な野菜市況の価格変動の影響を受けます。当社では消化仕入方式を採用しておりますので、野菜市況の変動による野菜単価の変動は、販売数量が変わらなければ、営業収益及び利益に直接影響を及ぼすことになります。こうしたリスクに対応するため、当社では農産物以外の商品の流通構成比を高めるべく当該商品の生産者開拓に力を入れておりますが、当社の施策が十分に効果を発揮せず、かつ、野菜市況が低迷した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)天災による影響について
台風や風水害、地震等といった重大な天災が生じた場合、当社が保有する店舗設備や当社が出店するショッピングセンター等に被害が生じ、施設の運営が行えなくなり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、こうした天災によって生産者に被害が生じる可能性があります。当社では店舗展開のエリアを特定地域に限定することなく全国展開をすることでこうしたリスクを分散してまいりますが、天災が生じた場合、該当地域においては当社店舗への納品が減り、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)類似業種との競争について
農産物をはじめとする直売ビジネスは、当社以外にも事業展開を行っている運営団体が各種あり、生産者は当社以外にもこれらの他の直売拠点への出品を自由に行うことが可能です。また、農産物以外でも飲食店にとってのフードデリバリーサービスや加工品生産者にとっての登録型ECサイトなど、出品に際しての選択肢は増えてきております。そのため、常に新たな生産者を新規に開拓し続け、店頭の商品の健全な入れ替えを進めております。当社は単店しか持たない直売所ビジネスと比較して直売所をネットワーク化することにより、本来供給が不安定になりがちな直売所ビジネスを安定させてきた点において競争優位性を有していると考えており、また、消費者に対しては、当社の店舗に実際に足を運ばないと買うことができない商品を揃えるデスティネーションストアを目指すことで、ナショナルブランドを中心とした品ぞろえの食品スーパーやネットスーパー、さらにはフードデリバリーサービスとの差別化を図っておりますが、当社の店舗が販売力や採算性の面で他の類似業種との差別化が十分に出来ない場合、生産者の流出や店舗売上の減少等を招き、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)出店立地の選定について
リアルな店舗を持つプラットフォーム型のビジネスモデルの展開にあたっては、通常のリアル店舗型のビジネスモデル同様、出店立地の選定はその後の営業収益及び利益に大きな影響を持ちます。当社では、周辺の農地面積、農作物以外の食品生産者の分布状況、商圏人口、賃料等を総合的に分析・勘案した上で新規出店しておりますが、条件に合う物件が限られた場合や事前の分析と実際の状況に大きな乖離がある場合には当初の計画を達成できなくなり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)生産者の獲得、出品量、品目の偏り、価格決定権について
当社は販売機会を生産者に提供するプラットフォーム型のビジネスモデルを展開していることから、生産者が「いつ・何を・いくつ・いくらで」出品するかを決定しており、商品の調達及び価格決定を当社が自らの責任と権限で全て行っているわけではありません。そのため、商品を出品したいと考える生産者を継続的に開拓しておりますが、登録生産者数が順調に伸びない場合や、生産者に十分な量の商品を出品して頂けない場合、適切な値付けがなされない場合、または、出品できる品目に偏りが発生する場合には、店頭に魅力的な商品を揃えることが難しくなり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)出店スピードと人財確保について
当社では、直売ビジネスへのニーズは高いものと判断しており、引き続き継続的な出店を計画しておりますが、出店計画のスピードに、出店に必要な人財の確保が十分に追いつかない場合、当初の計画を達成できなくなる可能性があります。当社では、「地元の人の商品を、地元の人が、地元の人に売る」ことを目指し、地元のパートタイム従業員から契約社員・地域限定正社員への登用を推進することで優秀な人財確保を図っておりますが、十分な人財の確保が行えない場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報システムの障害について
当社の情報システムが、不正侵入やコンピュータウィルスへの感染、または、自然災害・事故等による設備の損壊や通信回線のトラブル等による停止もしくは大規模なデータ破壊などの被害を受ける可能性があります。社内の各端末に最新のアンチウィルスソフトウェアを適用させるとともに、設備の堅牢性及びセキュリティレベルの高い外部ベンダーのデータセンターを利用するなど、各種対策を講じておりますが、情報システムに予期し難い不具合や障害が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)個人情報の取り扱いについて
当社では、生産者、取引先及び従業員の個人情報を保有しております。特定個人情報管理規程及び個人情報管理規程を定め、個人情報漏洩防止に関して個人情報保護に関する法令を遵守すると共に、個人情報の管理に十分留意しております。しかしながら、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社への損害賠償請求や当社の信用の低下により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)会計処理に関するリスク
① 減損会計の適用について
当社が所有する固定資産について、店舗利益の継続的な低迷、急激な経済情勢の変化や金融情勢の悪化等により事業の恒常的なキャッシュ・フローの将来にわたる低下や保有資産の時価の著しい下落が認識された場合、減損損失を計上することがあり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性について
当社では、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っておりますが、当社の業績が事業計画に比して低調に推移した場合には、繰延税金資産の回収可能性を見直すことになり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)消費動向の変化について
当社へ登録している生産者が出品する商品の多くに弁当、惣菜、和菓子等があり、お客様の中食需要に応える形で出品数が増加傾向にあり、これに伴い流通総額も増加傾向にあります。このような環境の中、当社は生産者の獲得拡大に努め、商品毎に生産者の特徴をお客様に訴求し、豊富な商品数を揃えて他社との差別化を図っておりますが、今後お客様の嗜好の変化や社会情勢の変動に伴い中食に対する需要が低下した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)「わくわく広場」の信用及びブランド価値について
当社へ登録している生産者が出品する商品は生産者が所有権を有したまま消費者へ販売される仕組みであるため、商品の味・価格については生産者が決定権を有しており、消費者の嗜好と異なる商品が店頭に出品される可能性があります。この様な状態が続いた場合、当社の運営する店舗を利用するお客様からの信頼を失い、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、当社事業は未だ成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、それらを企業体質の強化、事業の効率向上と拡大のための投資に充てていくことが株主に対する最大の利益還元につながるとの考えから、本書提出日現在では配当を行っておりません。
今後の配当方針について、経営成績の進展等を勘案しながら利益還元に努めることを検討しておりますが、まずは財務体質の強化と今後の事業展開に備えて内部留保を充実させ、機会をとらえた投資を積極的に行うことで、持続的な成長による企業価値向上を実現してまいります。
なお、剰余金の配当を行う場合、年1回の期末配当を基本方針としておりますが、期末配当の基準日を9月30日、中間配当の基準日を3月31日としており、会社法第459条第1項各号に掲げる事項については、株主総会の決議によらず、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めております。