2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    291名(単体) 7,654名(連結)
  • 平均年齢
    42.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    12.9年(単体)
  • 平均年収
    8,473,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    6.9%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

(企業戦略と関連付けた人材戦略)

 当社グループは、パーパス「社会を止めない。進化をつなぐ。」のもと、『中期経営計画2022』において「グループ総合力結集によるトップライン成長」「オペレーションの競争力強化」「深化を支える経営基盤の構築」を成長戦略の柱として掲げています。これらの経営戦略を実行し、新しい価値を創出する原動力として高度な専門性や現場の変革を牽引する力を持つ人材の確保・定着が不可欠であると考えています。労働人口の減少や人材獲得競争の激化を背景に、こうした経営戦略の実現に必要な人材を確保・育成できない場合、当社グループのサービス品質の低下や競争優位性の喪失を招き、事業の見通しに悪影響を及ぼすリスクがあります。一方で、経営戦略の実現に向けて中長期的に必要な人材要件を定義し、現状とのギャップを見極めた上で採用・育成や職場環境の整備といった戦略的な投資を実行し、多様な人材がその能力を最大限に発揮できる組織を構築できれば、他社には真似できない高付加価値な物流ソリューションの創出につながり、収益基盤を拡大する最大の機会となります。この基本認識のもと、当社グループは求める人材像を「未来を描き、動き動かし続ける人」と定義し、経営戦略と連動した人材戦略を実行しています。

 

<人材戦略の主要なテーマ>

①グループ総合力結集によるトップライン成長を牽引する人材戦略

 人材ポートフォリオの最重要テーマとして「経営人材の育成」を掲げ、グループ全体で経営人材候補者を選抜し、計画的な経営人材育成プログラムとして「三井倉庫カレッジ」を開講しています。また、「グループ総合力結集」を加速させるため、分散していたグループ会社の本社を創業の地である日本橋箱崎に集約し、組織や世代を超えた自然な交流を通して、グループ総合力の向上につなげています。また、再生医療等を含む高付加価値なヘルスケア分野における薬剤師等の事業戦略に直結する専門人材を積極的に採用・育成しています。さらに既存のお客様とそのサプライチェーンを多角的に分析して機会領域(当社が未だサービスを提供できていない領域)を特定し、その領域へ営業リソースを戦略的に投入するための組織の設置や活動を推進しております。

 

②オペレーションの競争力強化につなげる人材戦略

 デジタル化が進む中でも、最適な物流を構築し他社との差別化の源泉となるのは「人の知恵と工夫」です。当社グループの強みである「圧倒的な現場力」をさらに強化するため、物流オペレーションの事務と現場作業プロセス改善のための専門部隊の立ち上げや社内の業務プロセスを見直すために先進的な取り組みを推進する取引先等へ人材を派遣し、持ち帰った知見を現場で実践するなど、幅広く継続的な活動により生産性向上へつなげています。また、グループ全体で業務改善コンテストを定期的に開催し、現場での成果を称え、表彰することで現場力の底上げにつなげております。

 

③深化を支える経営基盤の構築

 多様な人材が活躍できる強い組織を目指し、タウンホールミーティングを通じた「グループ理念の浸透」を図るほか、管理職候補の女性社員を対象としたスポンサーシップ制度や女性管理職を支援するメンター制度等のダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。また、キャリア採用の強化に伴い、多彩な経験を持つ人材が早期に能力を発揮し定着できるよう、オンボーディング施策を新たに導入し、その充実を図っています。あわせて、タレントマネジメントシステムやオンライン学習プラットフォームの導入による育成体系の刷新、DX人材をモデル化した採用・育成プログラムや全社員へのリテラシー教育の実施等を通して、個の進化を促しています。さらに従業員エンゲージメントサーベイによる組織状態の把握や、健康経営の推進(健康経営優良法人の認定取得)、柔軟な働き方を支援する制度等を通して、持続的な進化と共創を支える職場環境を整備しています。

 

(従業員給与の決定方針)

 経営戦略と連動した人材戦略の実現を支える基盤として、以下の通り従業員給与等の決定方針を定めています。

 

1.月例給与:物価水準や外部労働市場の動向、労働組合との建設的な協議、公正な人事評価制度に基づき、客観的な基準によって決定しております。

第一に、持続的な人的資本投資の観点から、物価水準の変動をはじめとする外部の経済動向を適宜注視し、競争力のある給与水準の維持に努めております。

第二に労働組合との建設的な協議を定期的に行い、十分な合意形成を図っております。第三に、個人の給与決定においては、短期的な成果のみに偏るのではなく、各等級において求められる行動特性(コンピテンシー)の体現度の評価を反映しております。これにより、中長期的な能力開発と行動を正当に評価する仕組みを担保しております。

 

2.賞与  :会社の業績向上への貢献と、個人の目標達成度をダイレクトに反映させるため、業績連動型の賞与制度を採用しております。賞与の総原資は、当社の収益性の指標である「営業利益」に連動して決定し、全社一丸となった利益意識の醸成を図っております。個人の賞与額については、期初に設定した組織および個人の目標に対する達成度(目標管理制度)の結果に基づいて決定しております。個人の具体的な成果や貢献度を賞与に反映させることで、メリハリのある処遇とモチベーションの向上を実現しております。

 

(2)【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

物流事業

7,363

[3,036]

不動産事業

16

[1]

報告セグメント計

7,379

[3,037]

全社(共通)

275

[33]

 合計

7,654

[3,070]

 (注)1 従業員数は就業人員であり、嘱託等の臨時従業員は、[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。

2 全社(共通)として記載されている従業員数は、連結財務諸表提出会社の管理部門に所属しているものであります。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

291

[34]

42.3

12.9

8,473

6.9

 

セグメントの名称

従業員数(人)

不動産事業

16

[1]

全社(共通)

275

[33]

合計

291

[34]

 (注)1 従業員数は就業人員であり、嘱託等の臨時従業員は、[ ]内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。

2 上記の他、休職出向者(738名)が在籍しております。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります(単位未満切捨て)。

4 全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

③ 労働組合の状況

 当社(提出会社)の労働組合は、三井倉庫ホールディングス労働組合と称し、2026年3月31日現在の所属組合員数は785名であります。同組合は1946年12月に三井倉庫従業員組合として発足、2014年10月に現名称に改称しております。

 会社と同組合は、労働協約に基づき労使協議会を設置し、従業員の労働条件に関する事項、人事に関する基本的事項等について協議決定し、労使協調して円満に運営しております。

 2026年3月31日現在、同組合との間における特記事項等はありません。

 なお、同組合は、全日本倉庫運輸労働組合同盟に加入しております。

 

④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

ⅰ 提出会社及び連結子会社

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率

(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.3.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

(注)4.

提出会社

12.6

100.0

79.4

78.8

73.1

三井倉庫㈱

6.5

88.2

71.5

71.0

82.6

三井倉庫ビジネスパートナーズ㈱

10.8

100.0

68.3

82.4

78.9

三井倉庫エクスプレス㈱

13.7

100.0

77.2

76.6

100.9

三井倉庫ロジスティクス㈱

11.2

33.3

69.8

68.2

62.6

MSロジテクサービス㈱

4.2

100.0

57.7

83.1

75.6

三井倉庫サプライチェーンソリューション㈱

15.9

100.0

76.0

72.8

80.5

ロジスティックスオペレーションサービス㈱

22.4

85.7

75.1

81.0

80.3

丸協運輸㈱(大阪)

5.3

50.0

60.5

77.5

56.7

丸協運輸㈱(愛媛)

8.3

81.8

59.9

84.8

53.1

 (注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。管理的地位にある労働者の定義については、課長級(部下の有無に関わらない)の社員も含めており、当社基準で算出しています。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3 各会社の労働者の男女の賃金の額の差異が生じている事由につきましては、給与・賞与や昇格に男女差を設けてはおりませんが、管理職層等に男性が多いことにより生じたものであります。

4 労働者のパート・有期労働者の人員数については労働時間を基に換算し算出しております。

 

ⅱ 連結グループ

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

11.3

94.6

73.4

72.5

72.0

 (注)1 連結グループには、提出会社及び中核事業会社5社(三井倉庫㈱、三井倉庫エクスプレス㈱、三井倉庫ロジスティクス㈱、三井倉庫サプライチェーンソリューション㈱、三井倉庫トランスポート㈱)を対象範囲としております。

2 各指標の算出にあたっては、対象とした会社の労働者数を合算し、① 提出会社及び連結子会社と同様の方法により算出したものであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

<考え方>

 当社グループは、「物流」という重要な社会インフラを支える企業集団として新たな価値を創出することで、持続可能な社会の実現、企業価値の向上を目指しております。

 

1. 事業活動を通じて、人権、安全衛生、ダイバーシティ、環境負荷低減等の社会課題解決に取り組みます。

2. 社会から信頼される企業グループとしてあり続けるために透明性の高い経営を行います。

3. すべてのステークホルダーとの対話を通じ、健全な関係の維持、発展に努め信頼関係を構築します。

 

(1)ガバナンス

 サステナビリティに関する推進体制としては、取締役会の監督のもと、サステナビリティ委員会を中心として、経営会議、その他会議体や委員会が設置されており、各関係組織が執行を担うことによって、実効性の高いガバナンス体制を構築しています。

 サステナビリティ委員会は、サステナビリティに関する戦略・方針の検討(マテリアリティそのものの妥当性検証も含む)やリスクマネジメント、各取り組みの実行管理を担っております。加えて、サステナビリティ委員会の議論・決定内容をグループ全体に共有するサステナビリティ連絡会、サステナビリティにおけるリスク及び機会分析により新たに対応が必要なテーマの検討を行う新規検討会を設置しています。

 また、マテリアリティの推進体制に関しては、その性質に応じて担当機関を定めています。

 「企業価値・社会価値の創造」にかかるマテリアリティ「持続可能で強靭な物流インフラの提供」、「社会課題解決につながる共創を通じたサービス・事業の創出」については、経営会議にて議論を行い、営業施策等を通じて推進しています。

 「価値創造の基盤維持・強化」のうち成長基盤及び社会基盤にかかるマテリアリティ「人的資本経営の推進」、「DXの推進」、「安全・高品質な物流事業の追求」、「気候変動対応・資源循環の推進」、「人権の尊重」については、サステナビリティ委員会傘下の4つの常設部会(人事部会、DX部会、安全・品質部会、環境・人権部会)がそれぞれのKPIに関する施策の実行、モニタリング、改善を担っています。

 「価値創造の基盤維持・強化」のうち事業基盤にかかるマテリアリティ「ガバナンスの高度化」は、コーポレート・ガバナンスやコンプライアンス、情報セキュリティ等、ガバナンスに関する各テーマに応じた会議体や委員会にて推進しています。

 取締役会は各会議体や委員会からの報告を受け、監督の観点から意見や助言を行うことで、サステナビリティ推進体制を管理しています。

 

 なお、当社は国際連合が提唱する「国連グローバル・コンパクト(United Nations Global Compact)」に署名しており、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野から成る「国連グローバル・コンパクト10原則」に連結子会社を含むグループ全体で賛同し、グループCEO自らのコミットメントのもと、その実現に向けた努力を継続してまいります。

 

(2)戦略

 当社グループはグループ理念に基づき、企業と社会のサステナビリティを両輪で追求する経営を中長期的に実践していくため、マテリアリティを特定しています。「企業価値・社会価値の創造」、「価値創造の基盤維持・強化」という大きく2つの枠組みで計8項目のテーマをマテリアリティとして整理しており、経営の基盤を強化し(6つのマテリアリティ)、価値を創造する(2つのマテリアリティ)ことで、当社グループ、そしてお客様や社会の持続的成長に繋げてまいります。なお、マテリアリティについては中期経営計画2022と連動し、経営との一体化を図りながら取り組みを推進しています。

[マテリアリティの特定プロセス]

 不確実かつ複雑化する時代においても、中長期的な経営を実践していくため、2024年にマテリアリティを改定しています。外部有識者の意見を踏まえ、バックキャスト・フォアキャスト双方の観点を取り入れたうえで、2050年にありたい未来像を描き、その想定した未来を実現するため2035年に向けて取り組むべき重要な課題として再特定しました。特定プロセス及び短・中・長期それぞれの時間軸を考慮して抽出したリスクと機会は下記のとおりです。

 

項目

リスク

機会

2

0

3

5

サプライチェーンにおけるQCD+サステナビリティ

従来型の保管・輸送に留まることによる競争力低下

• 専門ノウハウに基づく提案力と現場力の競争力向上
• 社会課題解決やお客様のイノベーション創出につながる、高付加価値な物流サービスのニーズ拡大
• 物流を起点とし、DX等を活用した創造的事業の共創、展開の可能性

顧客のコア業務追求に伴う物流派生業務範囲の拡大

消費者ニーズや社会課題に対応した新たな価値・事業創出

現在の社会課題・要請

安全・レジリエントな物流事業の追求

対応できないことによる顧客や従業員の離反

中短

率先した取り組みや実績による顧客からの信頼向上、自社の事業継続性向上

長中短

気候変動対策の推進

対応できないことによる競争劣位・評価低下

長中短

• 自社も含めたサプライチェーンのレジリエンス向上
• 環境配慮に対応した物流サービス提供力向上

長中短

人的資本経営の推進

従業員の採用への影響、モチベーション低下

長中

優秀な人材確保、強い組織力によるサービス品質の向上

長中

人権の尊重

法令や顧客要請への対応が不十分なことによるレピュテーション低下・損害発生・対応コスト増加

中短

自社も含めたサプライチェーンのレジリエンス向上

中短

サプライチェーン上のサステナビリティ推進への貢献

対応できないことによる競争劣位・評価低下

中短

サステナビリティ推進サービスのニーズ拡大

長中短

情報・サイバーセキュリティの強化

顧客対応の遅れやセキュリティ事故による
信用、競争力喪失

中短

新サービス開発や生産性向上による
競合他社に対する差別化

中短

ガバナンス体制の強化

不十分な対応によるレピュテーション低下・損害発生・対応コスト増加、企業価値の毀損

中短

• 顧客やステークホルダーからの信頼維持・向上
• グループ経営の推進による企業価値向上

中短

※2035年の動向について“短期”は現状の経営に織り込んでいるため除外

※時間軸 短期:3~5年程度、中期:10年程度、長期:30年超

 

[マテリアリティの取り組みに関する事業活動]

 価値創造の基盤を強化し、企業価値・社会価値の創造に資する事業活動として、当社グループ独自のサービス「SustainaLink」を展開しております。本サービスはお客様のサプライチェーンを取り巻くリスクを「環境」、「労働力」、「自然災害」の3つの視点から分析し、「知る」、「可視化する」、「改善する」の3ステップでサプライチェーンの最適化を支援するものです。持株会社に専門部署を設け、事業会社と連携を図りながらグループ一体で推進しています。

 

(3)リスク管理

 当社グループの事業活動におけるリスクの認識とその管理については「リスク管理規程」に定め、リスクの種類ごとに体制を整備し、リスク管理を実施しています。サステナビリティに関するリスクについては、サステナビリティ委員会主導のもと、リスクへの対応と最小化を目指し、リスク・機会の特定や分析・評価、グループ内での情報共有や、関係部署への対応指示、取締役会への報告が行われます。なお、当社グループの横断的なリスク評価および対応の推進については、持株会社に設置したリスク管理部が行うものとしています。

 

(4)指標及び目標

 マテリアリティに対し主要な取り組みを評価するための経営指標として、以下の通りマテリアリティKPIと目標を設定しています。

マテリアリティ

推進体制

KPI

対象範囲

社企

会業

価価

値値

の・

持続可能で強靭な

物流インフラの提供

経営会議

• 中期経営計画2022営業収益・営業利益目標

•国内外

 連結対象会社

社会課題解決につながる共創を通じたサービス・事業の創出

経営会議

• 中期経営計画2022営業収益・営業利益目標

• 新規サービス・事業の創出と拡大に向けた取り組み推進

•国内外

 連結対象会社

価値創造の基盤維持・強化

成長基盤

人的資本経営の推進

サステナビリティ

委員会

(人事部会)

• 人材ポートフォリオの可視化
• 1人あたり平均研修時間 20時間/年
• 1人あたり平均研修費用 7万円/年
• 女性管理職比率 15%
• 男性育児休業取得率 100%

• グループ各社間交流の取り組み推進
• 理念浸透度スコア 71以上
• エンゲージメントスコア 71以上
• 有給休暇取得率 70%
※いずれも達成期限は2031年3月期

• MSH※1

• 中核事業会社5社※2

DXの推進

サステナビリティ

委員会

(DX部会)

• DX対応システム数
• RPA、ロボティクス導入拠点数
• 現場起点のDXプロジェクト数
• DX人材教育受講者数

• MSH※1

• 中核事業会社5社※2

安全・高品質な

物流事業の追求

サステナビリティ

委員会

(安全・品質部会)

• 労働災害発生度数率 前年度水準改善
• 品質事故PPM改善への取り組み推進

• MSH※1

• 中核事業会社5社※2

社会基盤

気候変動対応・

資源循環の推進

サステナビリティ

委員会

(環境・人権部会)

• CO2排出量:Scope1+2(2014年3月期比)
 2026年3月期 29%削減
 2031年3月期 50%削減
 2051年3月期 ネットゼロ

• CO2排出量:Scope3
 自社及びお客様のサプライチェーン全体

 での排出量削減への取り組み推進
• 廃棄物再資源化率
 前年度比1ポイント改善

• MSH※1

• 中核事業会社5社※2

•丸協運輸

(大阪・愛媛)

人権の尊重

• 当社グループにおける人権DD実施率 100%

• 教育研修実施率の向上

•国内外

 連結対象会社

事業基盤

ガバナンスの高度化

各会議体・委員会

-

-

 

 

 

 

 

 

 

※1 MSH:三井倉庫ホールディングス(株)

※2 中核事業会社5社:三井倉庫(株)、三井倉庫エクスプレス(株)、三井倉庫ロジスティクス(株)、三井倉庫サプライチェーンソリューション(株)、三井倉庫トランスポート(株)

 

 なお、各KPIの経年実績につきましては、当社コーポレートサイトのサステナビリティページや、統合報告書、サステナビリティデータブック等にて公開しております。

 

<個別テーマ>

(1) 気候変動・自然資本に関する対応事項

 当社グループは、グローバルに事業を展開し、多岐にわたる業界の顧客・取引先を有しています。そのため、バリューチェーン全体を通じてさまざまな自然がもたらす生態系サービスに深く依存しており、気候変動を含め環境にあらゆる影響を及ぼす可能性があると認識しています。このような背景から、当社グループは、社会の持続可能性なくして自身の持続的成長は実現できないと考えており、地球環境の保全を重要な経営課題の一つと捉え、「気候変動対応・資源循環の推進」をマテリアリティとして特定しています。

 当社は2021年9月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、気候関連リスク・機会の特定、各体制を含めた情報開示の強化・拡充に取り組んでいます。さらに2025年より、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく自然関連の依存・インパクトやリスク・機会の特定を実施し、情報開示を強化・拡充しています。

 

①ガバナンス

 サステナビリティ委員会では、取締役会の監督のもと気候変動を含む自然関連の依存・インパクト、リスク・機会の分析・評価・特定、当社グループの事業ヘ与える影響の把握や、その対応策に関する議論を行っております。

 また、自然資本に係る課題は人権課題とも関連すると認識しております。当社グループは「三井倉庫グループ人権方針」のもと、サステナビリティ委員会において人権尊重に関する対応を議論・実行管理しています。

 具体的な取り組みや管理指標の検討、詳細な議論については、サステナビリティ委員会のグループ横断的な下部組織である環境・人権部会において行い、責任者である管掌役員がサステナビリティ委員会に進捗状況の報告、提言を行う体制としています。

②戦略

気候変動に関する分析

 当社グループの事業に気候変動が与える影響について、複数の気候シナリオ(「1.5℃シナリオ」、「4℃シナリオ」)を用い、シナリオ分析を実施しております。バリューチェーン上で発生する気候変動の影響に関する想定をふまえ、リスク・機会の特定や分析・評価、対応策の検討をすることで、短期・中長期的な事業戦略に反映し、施策の推進をより効果的なものにしてまいります。

 

[1.5℃シナリオ]

2050年カーボンニュートラル実現のための政策・規制が強化され、炭素税等が導入される。また、消費者が脱炭素の動きを企業に対してより求めるようになり、B to B企業においてもCO2排出量削減等の気候変動への対応がより一層迫られる。

[4℃シナリオ]

炭素税等の導入はされず、自然災害が激甚化することで、より防災・BCPの対応が重視される。消費者の動向は現状と大きく変化せず、企業における気候変動対応についても現状の水準にとどまる。

 

気候関連のリスク・機会と財務影響

●:リスク 〇:機会

移行リスク・機会

財務影響

発現時期

対応策

1.5℃

4℃

政策・

法規制

CO2排出量削減に関する税等規制
・ カーボンプライシングの導入・強化による費用負担増加
  - 輸送・物流施設の燃料・電気使用等(委託先含む)

小-中

-

中期

・ 輸送の効率化

・ 車両のZEV化

・ 省エネ設備、施策の推進

・ 使用電力を抑えるオペレーションの推進

・ 再生可能エネルギーの導入促進

・ 委託先企業の選定

冷媒規制
・ 代替フロン等冷媒規制の強化による設備投資額増加
  - 物流施設の冷凍設備対応

中期

その他規制
省エネ規制等の導入・強化による費用負担増加
  - EV導入やガソリン車両販売禁止等、車両に関する規制
  - 建築物への断熱等省エネ基準
  - 再エネ調達・導入比率目標に関する規制 等

-

-

長期

市場・評判

委託先運送会社のエネルギー転換
・ 低炭素燃料や脱炭素燃料への転換等の進展による運送委託費用増加
  - SAF等の環境負荷の少ない燃料の導入

短中期


顧客動向(条件)
・ 環境配慮対応の拡大
  - CO2排出量把握・削減等が契約・発注条件

短期

・ 既存顧客・潜在顧客の気候変動に係るニーズを捉え、SustainaLinkをはじめとした社会課題起点の物流ソリューションサービスの開発・推進


顧客動向(取り扱い商品)
・ 顧客取り扱い商品の特性変化
  - 生産量・産地、部品構成等の変化
  - 新たなサステナブル商材の登場

中長期

 

 

 

 

 

 

 

物理リスク

財務影響

発現時期

対応策

1.5℃

4℃

急性

風水害激甚化(直接影響)
・ 激甚災害の頻発化・大規模化による保有資産への損害発生、保険料・修繕費用増加

中期

・風水害激甚化等の気候変動影響をリスクマネジメント項目に組み込み

・BCP、BCM対応の継続実施

・安全な労働環境の実現

評判(間接影響)
・ 風水害の影響把握やBCP対応が不十分であることによる信頼喪失

短中期

慢性

海面上昇
・ 浸水被害の増加による保有資産への損害発生、保険料・修繕費用増加

長期

気温上昇
・ 熱中症罹患リスクの上昇
  - 従業員の健康被害増加
  - 就業可能時間の減少
・ 平均気温上昇による空調費用増加

中期

[凡例]

大・中・小: 財務影響試算の結果をもとに定量及び定性評価

-    : 潜在リスクはあるが、現在の情報では2030年時点で顕在化可能性が高くないもの

短期   : 1~3年程度

中期   : 2030年

長期   : 2050年以降

 

 それぞれのシナリオにおいてバリューチェーン上で発生する気候変動の影響を「消費者」、「顧客」、「当社グループ」、当社グループのサプライヤーである「委託先企業」のそれぞれについて検討し、リスク・機会の発現時期と定量・定性的な影響の試算を実施いたしました。

 今回行った定量的な試算において、当社グループにとって最も影響が大きいのは1.5℃シナリオにおけるカーボンプライシング(炭素税の導入)ですが、総じて、気候変動による当社グループへの財務影響は小さく、当社グループは気候変動に対しレジリエントであると考えます。

 なお、カーボンプライシング(炭素税の導入)の影響が顕在化することへの対応策としては、自社での排出量削減施策に加え、顧客や委託先企業と協働した排出量削減施策が有効であるため、今後はこれらの施策を推進してまいります。また、定量分析項目だけでなく、定性分析項目についても情報のアップデート・モニタリングを実施し、事業への影響を確認してまいります。

 

自然資本に関する分析

 TNFD提言が推奨するLEAPアプローチ ※1 を用いて当社グループの主要なバリューチェーンにおける自然関連の依存・インパクト、リスク・機会の分析・評価・特定を行っています。

 

(1)自然関連の依存・インパクトの概要

バリューチェーン ※2 の直接操業・上流・下流ごとに自然への依存・インパクトを整理し、その重要性を5段階で評価しました。評価にあたってはまずバリューチェーンを通じて当社に関連する主なセクターを特定した上で、国連環境計画世界自然保護モニタリング・センター(UNEP-WCMC)等が開発したツールである「ENCORE」を参考に評価付けしました。

直接操業においては、自然への依存は総じて低い傾向にありますが、「港湾運送」は、港湾施設が高潮・津波等による直接的な物理的被害を受けるリスクに晒されており、生態系サービスが提供する「洪水・暴風緩和」の洪水制御機能に高く依存していることが確認されました。また、自然へのインパクトも総じて低い傾向にありますが、国際的な輸送である「海上輸送フォワーディング」及び「航空輸送フォワーディング」は、意図せず「侵略的外来種」を非自生地へ運搬・拡散させてしまう主要な経路となっているため、自然に高いインパクトを与える可能性があります。

 

※1 LEAPアプローチ:TNFDが開発した、事業における自然との接点や自然との依存関係、インパクト、リスク、機会など自然関連課題を評価するための統合的なアプローチ。「Locate:発見」「Evaluate:診断」「Assess:評価」「Prepare:準備」から構成される。

※2 当社グループにおけるバリューチェーン

• 直接操業…保管、港湾運送、フォワーディング、陸上貨物輸送、不動産賃貸

• 上流の事業活動…陸/海/空等の輸送関連、荷役機器等その他の調達関連、不動産建設関連

• 下流の事業活動…主要な顧客の業界関連(ヘルスケア、自動車、家電、精密機器・機械、食料・飲料、化学品 等)、不動産解体関連

 

直接操業における自然関連の依存・インパクト

当社グループの

主な事業活動

自然への依存

自然へのインパクト

供給サービス

維持・調整サービス

水資源

その他資源

汚染

浄化

水流

調整

気候

調整

洪水・暴風緩和

土壌・堆積物保持

生物学的制御

土地・淡水域・海洋利用変化

気候

変動

資源利用/回復

汚染/汚染除去

侵略的外来種

物流事業

倉庫保管

VL

-

VL

VL

L

L

M

VL

L

M

L

L

VL

港湾運送

L

-

VL

M

L

H

L

VL

M

M

L

M

-

海上輸送

フォワー

ディング

VL

-

VL

VL

L

L

L

VL

L

M

L

L

H

航空輸送

フォワー

ディング

VL

-

VL

VL

L

L

L

VL

L

M

L

L

H

陸上貨物

輸送

(自社)

VL

M

VL

L

M

M

L

-

M

M

L

M

L

陸上貨物

輸送

(委託)

VL

-

VL

VL

L

L

L

VL

L

M

L

L

L

不動産事業

不動産

賃貸

VL

-

VL

VL

L

L

M

-

L

VL

VL

L

-

 

依存・インパクトの度合い

H

:High(高い)

M

:Medium(中程度)

L

:Low(低い)

VL

:Very Low(とても低い)

 

 

(2)リスクと機会及び対応策

 依存・インパクトの分析・評価結果を踏まえ、現時点で考えられる自然関連のリスク・機会を、国際的な政策動向などの外部要因も加味して特定し、リスク・機会それぞれへの対応の方向性を整理しました。

 本内容をふまえ、従来の取り組みと合わせて各施策の推進に取り組んでまいります。

 

リスク・機会と対応策一覧

リスク/機会

分類

主な依存・インパクト

依存・インパクトによる環境変化

対応策

 

・当社グループにもたらしうる影響

物理

リスク

急性

水資源、水流調整、降雨パターンの調整

降雨・気象パターンの変化による水不足

・サプライチェーンに対する自然関連影響についての定期的なモニタリング

・物流量やリードタイム変更に柔軟に対応可能な物流ソリューションサービスの構築

・GHG削減目標に向けた取り組み推進

・熱中症対策の検討、推進

・BCP・BCM対策の強化

 

・海運等物流全体の停滞や、水資源に依存する顧客商品の物流量不安定化に伴う収益の低下

・サプライヤーの価格上昇に伴う支払輸送費の増加

気候調整、暴風雨緩和、気候変動

気候変動による異常気象の頻度や強度の増加

 

・物流全体の停滞や自然災害被災による顧客商品の物流量不安定化に伴う収益の低下

・修繕費用や保険料の増加

慢性

気候調整、気候変動

慢性的な気温上昇・海流等の変化

 

・顧客商品の収量や栽培適地の減少による収益の低下

・空調設備導入による設備の維持管理費の増加

・従業員の被災

移行

リスク

政策

土地・海洋利用、資源利用、汚染/汚染除去

国際、各国及び国内規制の強化

・国際動向やサプライチェーンに対する自然関連影響についての定期的なモニタリング

・物流量やリードタイム変更に柔軟に対応可能な物流ソリューションサービスの構築

・SustainaLinkをはじめとしたサステナブルな物流サービスの展開

・サステナブル基準を満たした施設の建設

・ステークホルダー(投資家・地域社会・サプライヤー等)との建設的な対話

 

・海運航行ルート変更等による物流全体の停滞や、規制強化による顧客商品の物流量不安定化に伴う収益の低下

・規制対応費用の増加

市場

全般

顧客・市場の選好の変化

 

・顧客ニーズに対応できないことによる収益の低下

・未対応なことによる資金調達環境の悪化

技術

全般

脱炭素や節水等の技術進化

 

・対応費用の増加

評判/賠償責任

外来種の導入、汚染/汚染除去

輸送に伴う外来種の流入、事故発生時の環境汚染

 

・レピュテーションリスクによる機会損失、資金調達環境の悪化

・防止策・事故発生時対応費用の増加、損害賠償の発生

ビジネス・サステナビリティパフォーマンス

市場/資源効率/製品とサービス/資金フローと資金調達/評判資本

全般

貨物需給地や貨物自体の変化

・サプライチェーンに対する自然関連影響についての定期的なモニタリング

・SustainaLinkをはじめとしたサステナブルな物流サービスの展開

・環境配慮型不動産への置き換え・更新、認証取得

 

・新たな事業機会の獲得や競争力向上に伴う収益の増加

ネイチャーポジティブな事業活動に対する顧客・市場の選好の変化、評判の向上

 

・高効率なサービス提供による炭素税等の環境コストの低減

・企業イメージ向上に伴う市場競争力強化、資金調達・人材確保環境の向上

自然資源の持続可能な利用

資源利用、回復

建物のリノベーションや再利用の推進による資源利用の削減

 

・所有設備の資産価値向上

・企業イメージ向上に伴う市場競争力強化、資金調達環境の向上

 

③リスク・インパクトの管理

 当社グループの事業活動におけるリスクの認識とその管理については「リスク管理規程」に定め、リスクの種類ごとに体制を整備し、リスク管理を実施しています。気候変動や自然資本に関するリスク・機会については、サステナビリティ委員会主導のもと、その特定や分析・評価、グループ内での情報共有を行うとともに、関係部署への対応指示や取締役会への報告を行い、リスクへの対応と最小化及びインパクトの低減を目指しています。KPIの管理やデータの分析については、サステナビリティ委員会のグループ横断的な下部組織である環境・人権部会で実施しています。

 

④指標と目標

 リスクと機会を適切に把握・管理し、マテリアリティである「気候変動対応・資源循環の推進」を実現するために、当社グループでは環境分野(CO2排出量・廃棄物再資源化率)のKPIを定め、進捗を管理しています。

対象

時期

目標

Scope 1 + 2

2026年3月期

CO2排出量 29%削減(2014年3月期比)

2031年3月期

CO2排出量 50%削減(2014年3月期比)

2051年3月期

ネットゼロ

Scope 3

-

自社及びお客様のサプライチェーン全体でのCO2排出量削減への取り組み推進

廃棄物再資源化率

-

前年度比1ポイント改善

 

 なお、温室効果ガス(GHG)排出量データに関する経年の実績や、他の環境に関連するKPIにつきましては、当社コーポレートサイトのサステナビリティページや、統合報告書、サステナビリティデータブック等にて公開しております。また、2026年3月期の実績につきましては2026年9月頃の公開を予定しております。

 

(2) 人的資本

<考え方>

 当社グループは、自らも進化しながら成長し、心豊かで持続可能な社会の実現を支える存在でありたいと考えています。その原動力となるのが人材であり、価値創造の源泉です。グループの多様な従業員が、それぞれ自らの強みと役割を認識し、組織や企業の成長を支えています。今後とも従業員一人ひとりが、誇りと責任を持って生き生きと働き続けられる企業風土を醸成するとともに、人と組織が一体となって持続的に成長する環境を構築してまいります。

 

<求める人材像>

 「未来を描き、動き動かし続ける人」

 私たちが考える「未来」とは、お客様の未来であり、当社グループの未来であり、私たちが生きている世界の未来までをイメージしています。不確実な時代においても、高い専門知識と深い思考力で未来を創造することを指します。「動き動かし続ける人」という言葉には、自ら主体的に動くことはもちろんのこと、他を巻き込んで動かし続けるという強い想いを込めています。仲間を動かし、物流を動かし、社会を動かす。そして、お客様の期待を超え、お客様の心までも動かす存在であり続けたいと考えています。

 

①ガバナンス

 人事領域における課題やリスク対応について、サステナビリティ委員会主導のもと、人的リスクが当社グループの事業に与える影響の把握や、その対応策に関する議論を行っております。その他人的資本に関連する取り組みや、詳細な議論についてはサステナビリティ委員会のグループ横断的な下部組織である人事部会において具体的な取り組みや管理指標の検討、実行管理を行い、責任者である人事管掌役員がサステナビリティ委員会に進捗状況の報告、提言を行う体制となっております。

 

②戦略

 当社グループは、マテリアリティ(重要課題)の1つとして「人的資本経営の推進」を掲げています。

この実現に向け、「人材育成方針」および「社内環境整備方針」を定め、これらの方針に関連する4つの重要テーマに沿って具体的な取り組みを推進しております。

 

◆人材育成方針

従業員一人ひとりが成長し、進化することがグループの持続的成長につながるという考えのもと、人材の育成及び成長支援を行います。

(1)グループ総合力を高める人材ポートフォリオマネジメントの強化

 経営戦略の実現に向けて中長期的にどのような人材が必要なのかを定義し、現状とのギャップを見極め、具体的かつ有効な人材施策につなげていくことが不可欠だと考えています。2026年3月期においては人材情報を可視化、一元化を目的として提出会社にタレントマネジメントシステムを導入しました。将来的には中核事業会社へ対象を拡大することでグループ全体における適材適所の配置と最適な人材活用を進める計画です。

(2)個の進化

 従業員一人ひとりの成長に向けて人材の育成及び成長支援を積極的に行っています。2026年3月期より、各従業員にどのような役割が求められるかを整理し、果たすべき行動をより明確化し、提出会社において育成体系の見直しを実施しました。これに伴い、グループ各社で個別に行っておりました階層別研修を一元化し、教育の効率化と高度化を図っております。また、全従業員向けに自律的な学習を促すオンライン学習プラットフォームを2026年3月期より提出会社および中核事業会社にて導入し、等級別に定められた必要能力を習得するコンテンツやDX等の必須プログラムに活用しております。

 

◆社内環境整備方針

個の進化や共創を推進するためには、これらを支える強固な基盤が必要不可欠であり、従業員が誇りと責任を持って生き生きと働き続けられる環境づくりと企業風土の醸成に取り組みます。

(3)共創力の強化

 共創力の強化は、年齢や性別、キャリアに関わらず、それぞれの強みを活かし、異なる意見や考えをぶつけ合うことで新たな価値を創出し、社会やお客様に貢献する強い組織を構築することを目的としています。そのため多様な社員を束ねる共通の指針としてグループ理念が極めて重要であると考えています。グループ全体で実施したグループ理念に関するアンケートでは理念そのものについて認知・共感は概ね進んでいるものの、行動への落とし込みに課題があることが分かりました。従業員がグループ理念を正しく理解・納得し、行動に移すことができるように、タウンホールミーティングの開催や理念の人事評価制度への組み込み等の取り組みを進めています。また、共創力の土台となるダイバーシティ&インクルージョンの取り組みとして、人材の多様性を確保し、それぞれの活躍推進を積極的に展開しています。具体的には、キャリア採用の強化に伴い、多彩な経験を持つ人材が組織へ早期に適応し、その能力を最大限に発揮して定着することを目的としたオンボーディング施策を提出会社にて実施し、体系的なプログラムやフォローアップ体制の構築を進めています。加えて、女性の持続的なリーダー輩出に向け、非管理職層から管理職への登用を強力に後押しする「スポンサーシップ制度」を実施しているほか、役員が女性管理職のさらなるキャリア開発を支援する「メンター制度」を展開するなど、対象層に応じた登用・育成支援体制を整えています。

 

(4)進化と共創の環境づくり

 進化と共創を推進するためには、これらを支える強固な基盤が必要であり、その基盤の現状を把握するためのツールが従業員エンゲージメントサーベイだと考えています。当社グループは本サーベイを定期的に実施することで、従業員の会社方針への理解や業務に対する熱意、会社への愛着度等を確認し、具体的な施策へと活かしています。また、これら全ての施策は、従業員が心身ともに健康であって初めて効果が発揮されるものと考え、積極的に健康経営の推進に注力しております。その取り組みの一環として、提出会社をはじめ、主要なグループ会社において健康経営優良法人の認定を継続的に受けております。今後も一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境整備に努めてまいります。

 

③リスク管理

 人的資本に関連するリスクや機会については、サステナビリティ委員会主導のもと、リスクへの対応と最小化を目指し、リスク・機会の特定や分析・評価、グループ内での情報共有や、関係部署への対応指示、取締役会へ報告を行っております。KPI管理やデータの分析については、サステナビリティ委員会のグループ横断的な下部組織である「人事部会」で実施しております。

 

④指標と目標

主要テーマ

KPI※1

25年3月期

実績

26年3月期

実績

目標

達成時期

(1)グループ総合力を高める人材ポートフォリオマネジメントの強化

人材ポートフォリオの

可視化

可視化

2031年3月期

(2)個の進化

1人平均研修時間

13.9時間

19.3時間

20時間

2031年3月期

1人平均研修費用

6.0万円

5.7万円 ※2

7万円

2031年3月期

(3)共創力の強化

女性管理職比率

10.4%

11.3% ※3

15%

2031年3月期

男性育児休業取得率

93.9%

94.6%

100%

2031年3月期

グループ各社間交流の

取り組み推進

取り組み

推進

2031年3月期

理念浸透度スコア

69

69  ※4

71以上

2031年3月期

(4)進化と共創の環境づくり

従業員エンゲージメントスコア

68

68 ※4

71以上

2031年3月期

有給休暇取得率

70.2%

73.5%

70%

2031年3月期

 

※1 提出会社及び中核事業会社5社(三井倉庫㈱、三井倉庫エクスプレス㈱、三井倉庫ロジスティクス㈱、三井倉庫サプライチェーンソリューション㈱、三井倉庫トランスポート㈱)を対象範囲としております。

※2 2026年3月期の年間の外部委託研修費から算出しております。

※3 2026年3月31日時点の数値です。

※4 2026年3月に調査・集計を行った結果に基づいております。エンゲージメント測定ツールを利用し、中央値(スコア56)をベースにスコアの改善を目指しております。

 

(3)人権

<考え方>

 当社グループは、社会におけるすべての人々の尊厳が守られ、権利が尊重されることが、すべての事業活動の基盤となる重要な要素と位置づけています。取り組みにあたっては、「国際人権章典」をはじめとする人権に関する国際規約を支持・尊重し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した「三井倉庫グループ人権方針」を策定し、それに基づき推進しております。

 

<推進体制>

 当社グループは、取締役会の監督のもと、リスク管理部が主管部署となり、人権デュー・ディリジェンスをはじめとして人権尊重に関する具体的な取り組みや管理指標の検討および進捗管理を行っています。取締役会はこうした人権尊重に関する取り組みについてサステナビリティ委員会を通じて報告を受け、監督を行っています。

 

<具体的な取り組み>

①人権課題の特定

 当社グループの事業活動によりステークホルダーの人権に及ぼす影響度を評価し、外部専門家と協議の上、重要な人権課題として「強制労働・児童労働の禁止」「あらゆる差別の禁止」「ハラスメントの禁止」「安全な労働環境の提供」「適正な労働時間管理」及び「外国人労働者の権利保障」を特定しております。

②人権デュー・ディリジェンスの実施

 特定した人権課題を中心にリスクアセスメントを進めています。リスクアセスメントにあたっては2023年3月期以降毎年国内・海外の連結子会社を対象に人権デュー・ディリジェンスを行っており、人権に関する対応に重大な課題を抱えている会社や現時点で直ちにステークホルダーの救済が必要となる事実がないかを確認しております。また、2025年からは当社グループ内に限らず、サプライチェーン上の企業に対しても人権問題を含むESGに関するデュー・ディリジェンスを開始致しました。

③是正・救済・相談窓口(グリーバンス・メカニズム)

 人権にかかわる是正・救済については、外部の第三者機関に窓口を設置しております。本窓口は、当社グループの従業員、お客様、ならびにお取引先企業をはじめとするサプライチェーンにおけるすべての皆様が利用可能です。人権に対する負の影響を引き起こしたこと、負の影響を助長したこと、その他負の影響に関与したことが明らかになった場合には、適切な手段を用いてその是正、救済に取り組んで参ります。

④教育・研修

 人権課題の発生を未然に回避・予防し、その影響を緩和させることを目的に、人権に関する教育・研修をリスク管理部が主導するコンプライアンス研修等を通じて行っております。