事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 10,334 | 100.0 | 2,272 | 100.0 | 22.0 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は創業以来「これまでのやり方や常識に全くとらわれず」、「良いもの面白いもの望まれるものを徹底的に追求していく」というミッションの下、インターネット時代の新エンターテインメントを創造することを目的とし、インターネット上で話題となっている小説・漫画等のコンテンツを書籍化する事業を営んでおります。
1.ビジネスモデル
当社は、Webサイト及びアプリ上において当社が運営する小説・漫画等の投稿サイトに投稿されたコンテンツの内から、サイト内でのユーザー評価を参考に、書籍として出版すべきコンテンツを調達しております。調達後は、編集部において、コンテンツの品質・商品力を向上させた後、書籍として出版することで収益をあげております。そのビジネスモデルのイメージは次のとおりです。
当社のビジネスモデルは既存の出版社と、①書籍となるコンテンツの調達元、及び、②書籍化すべきコンテンツの選定方法が異なっていることが特徴です。
①書籍となるコンテンツの調達元
インターネット環境が整備されることで、個人が作成したコンテンツをインターネット上に公開することが容易となり、インターネット上には多くのコンテンツが現れてきております。当社は、そのインターネット上からコンテンツを調達することにより安定的に多点数の書籍化が可能となっております。
②書籍化すべきコンテンツの選定方法
当社はインターネット上での多数のユーザー評価を参考に、一定以上の読者ニーズを見極めた上で、当社編集部内で当社刊行書籍のジャンルとの親和性や書籍市場の動向等もあわせ総合的に判断し、書籍化すべきコンテンツの選定を行っております。そのため、書籍刊行に要した費用を回収するだけの売上高が確保できないリスクの低減が可能となっており、また、そのような不用意な書籍化を回避することにより、限りある経営資産の有効活用が図れております。
一方で、当社のビジネスモデルは、インターネット上にて良質なコンテンツが数多く収集でき、かつ、多くのユーザーにより多角的に評価されることで出版時の成功率が事前に高められることを前提に成り立っておりますので、継続的な新規コンテンツ及びユーザーの確保が必要不可欠となっております。
そのため、当社投稿サイトでは、作家及びユーザーの双方にとって魅力的なサービスである「Webコンテンツ大賞(毎月、ジャンルを変えて最も読者に人気のあるコンテンツ及び当社編集部内で最も評価の高いコンテンツを選出し、賞金の贈呈に加えて受賞作として書籍化を検討。加えて、投票したユーザーに対しても抽選で賞金を贈呈。)」の実施や、書籍化を目指す作家の積極的なチャレンジを促す「出版申請制度(当社投稿サイト内で、一定以上の人気を博しているコンテンツの場合、その作家は当社に対して書籍化の検討を依頼することができる制度。)」及び「投稿インセンティブ(投稿作品の人気度に応じ、その作家に対して報酬(Amazon ギフト券など)をお支払いする制度。)」の実施等、作家にとって魅力的なサービスやイベントを開催することにより、コンテンツの拡充に努めております。
また、2017年2月からは、当社投稿サイト内において、これまで書籍化に伴い非公開処理又はダイジェスト化していたコンテンツを一定期間に限り閲覧することが出来る「レンタル」サービスを開始し、さらに2021年7月には海外向けの漫画アプリ「Alpha Manga」を配信してサービスのグローバル展開をしております。これらにより、当社投稿サイトは、コンテンツの調達機能だけでなく、販売サイトとしての機能が加わることで、調達から販売までの垂直の幹を太くすることも目指しております。
2.取扱書籍
当社が取り扱っている書籍は(1)ライトノベル(表紙や挿絵にアニメ調のイラストが用いられており、また一般の小説より軽妙な文体でストーリーが描かれている小説)、(2)漫画、(3)文庫、(4)その他、の4つのジャンルに分けられます。
(1) ライトノベル
ライトノベルは、売上高の約24%を占め、のちに漫画化される作品も数多く存在する重要なジャンルとなります。なお、当社ライトノベルは文庫本サイズではなく、単行本サイズ(文庫本より大きく、高価格)であることが特徴となっております。
当ジャンルに含まれる主力レーベル等は次のとおりです。
① 男性向けのライトノベル
10代向けの文庫ライトノベルを卒業したと言われる、20代後半から30代の男性をターゲットとした単行本書籍を刊行しております。代表作としては、シリーズ発行部数累計(注)700万部を超え、2015年7月にTVアニメ化された『ゲート』や、同累計404万部を突破し、2021年7月にTVアニメ第1期、2024年1月にTVアニメ第2期をそれぞれ放送開始した『月が導く異世界道中』が挙げられます。
② エタニティブックス
2009年9月に創刊したレーベルで、30代から40代の女性向け恋愛小説を刊行しております。代表作としては、シリーズ発行部数累計32万部の『152センチ62キロの恋人』、同累計29万部の『君が好きだから』、同累計27万部の『ナチュラルキス』が挙げられます。
③ レジーナブックス
2010年11月に創刊したレーベルで、20代から30代の女性向け新感覚ファンタジー小説を刊行しております。代表作としては、シリーズ発行部数累計215万部を突破した『異世界でカフェを開店しました。』、同累計212万部の『自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。』、同累計127万部の『詐騎士』が挙げられます。
④ ノーチェブックス
2014年2月に創刊したレーベルで、20代から30代の女性をターゲットとした煌びやかな世界で繰り広げられる甘く切ないラブロマンス小説を刊行しております。
⑤ アンダルシュノベルズ
2021年3月に創刊したレーベルで、ファンタジー世界を舞台としたボーイズラブ小説を刊行しております。
(2) 漫画
2012年から本格的に取り扱いを開始しているジャンルとなります。
漫画ジャンルでは、当社のライトノベルで人気を博した作品(『ゲート』、『月が導く異世界道中』、『異世界でカフェを開店しました。』、等)の漫画化(二次出版)を行っております。二次出版に至るまでには、原作であるライトノベルの人気を確認するだけではなく、漫画化された作品を当社Webサイト上で公開し、一定以上の人気があることを確認するプロセスを踏んでおりますので、出版時の成功率が事前に高められていることが特長といえます。また、漫画として二次出版することにより、原作であるライトノベルの売上高の増加が期待できることも特長といえます。
その一方で、漫画を更に成長させるためには「オリジナル漫画」の育成が必要であるとの考えから、当社ビジネスモデルを漫画にも適用することで、Web発となる次世代作家の発掘・育成にも積極的に取り組んでおります。
また、当ジャンルは電子書籍との親和性が非常に高く、加えて戦略的に電子書籍販売の体制強化を図っていることから、当事業年度においては、当社売上高の約74%を占めるジャンルに成長しております。
(3) 文庫
当ジャンルでは、市場において単行本ではなく文庫本での販売が主流となる「キャラ文芸」や「時代小説」等のジャンルに属する作品を文庫本として刊行しております。当社では更なる業績拡大及びポートフォリオ最適化の観点から、特定ジャンルに依存しないよう取扱いジャンルの拡大に注力しており、文庫において幅広いジャンルの書籍刊行を推進することで、新規ジャンルの開拓、強化に取り組んでおります。
さらに当ジャンルでは、ライトノベルやその他のジャンルから刊行された単行本の廉価版として、文庫本化を行っております。文庫本化することで、単行本の価格帯では躊躇していた読者層に対しても販売機会を逃さず、収益の最大化に努めております。
(4) その他
その他には、ライトノベルに属さない一般文芸書、ビジネス書、絵本等が含まれます。
一般文芸書の代表作としては、2014年5月に刊行した『居酒屋ぼったくり』(2018年4月にTVドラマ化。シリーズ発行部数累計144万部。)、絵本の代表作としては、「絵本・児童書大賞」に応募された文字のみのストーリーであったものに、人気イラストレーターの絵を付けることで誕生した『わたしのげぼく』(同6万部)が挙げられます。
(注)シリーズ発行部数累計:同作品の続編に加え同作品の漫画及び文庫を含み、部数は電子書籍販売数を含む。
3.他メディア展開作品
当社の作品のうち、他のメディアに展開した作品は以下のとおりです。なお、当社は作品の二次的利用に関する権利を有しており、他メディア展開の際にはそのメディア媒体と交渉する窓口となっております。
作品名 |
作家 |
ジャンル |
実績 |
Separation |
市川拓司 |
一般文芸書 |
日本テレビ系列にて 連続テレビドラマ化(2003年7月) 発行部数累計16万部 |
虹色ほたる |
川口雅幸 |
一般文芸書 ・漫画(児童書) |
東映アニメーションにより 映画化(2012年5月) シリーズ発行部数累計40万部 |
THE QUIZ |
椙本孝思 |
男性向けライト ノベル・漫画 |
日本テレビにてドラマ化(2012年9月) シリーズ発行部数累計7万部 |
ゲート |
柳内たくみ |
男性向けライト ノベル・漫画 |
TVアニメ化(2015年7月) シリーズ発行部数累計700万部 |
居酒屋ぼったくり |
秋川滝美 |
一般文芸書 ・漫画 |
BS12にてドラマ化(2018年4月) シリーズ発行部数累計144万部 |
とあるおっさんの VRMMO活動記 |
椎名ほわほわ |
男性向けライト ノベル・漫画 |
TVアニメ化(2023年10月) シリーズ発行部数累計180万部 |
月が導く異世界道中 |
あずみ圭 |
男性向けライト ノベル・漫画 |
TVアニメ化 第1期(2021年7月) TVアニメ化 第2期(2024年1月) シリーズ発行部数累計404万部 |
4.当社投稿サイトの総コンテンツ数
当社ビジネスモデルの基幹となる当社投稿サイトの総コンテンツ数は、タグ機能の追加や、新たなジャンル「ライト文芸」等の追加に代表される様々な施策を展開することで順調に推移しております。
当事業年度末時点において、当社Webサイト内のコンテンツ数累計は219,753点となっております。
5.紙書籍の販売物流業務
当社は、将来的にはコンテンツを活かした多角展開を見据えておりますので、限られた経営資源は編集等に注力すべきだとの考えから、紙書籍に関する書店と出版社をつなぐ流通業者(以下、「取次」という。)との取引業務は、仲介業者(以下、「中取次」という。)を介して行っております。
なお、各書店への販促活動、市場動向の調査を主な目的とした書店営業は、基本的には当社で実施しております。(首都圏以外の地方営業は効率性の観点から外部業者に委託しております。)
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する中で緩やかな回復が見られるものの、世界的な金融引締め等による海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響が懸念される等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社が属する出版業界におきましては、紙の出版物の市場は厳しい状況が続いているものの、一方で電子出版の市場は堅調な成長を続けております。公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所によると、2023年(1月から12月まで)の紙と電子を合算した推定販売金額は前年比2.1%減の1兆5,963億円となり、その内訳は、紙の出版物については同6.0%減の1兆612億円、電子出版については同6.7%増の5,351億円となっております。
こうした環境の中、インターネット発の出版の先駆者である当社は、「これまでのやり方や常識に全くとらわれず」、「良いもの面白いもの望まれるものを徹底的に追求していく」というミッションの下、インターネット時代の新しいエンターテインメントを創造することを目的とし、インターネット上で話題となっている小説・漫画等のコンテンツを書籍化する事業に取り組んでまいりました。
当事業年度における書籍のジャンル別の概況は以下の通りであります。
(ライトノベル)
当事業年度の刊行点数は前期を大きく上回る344点(前期比71点増)となりました。各書籍の売れ行きにつきましては、TVアニメ化タイトルである『Re:Monster』が、最新巻を刊行したことに加えて2024年4月からのアニメ放送にあわせた既刊の増刷及び出荷を行ったことにより、好調に推移いたしました。また、電子書籍販売につきましては、2024年1月からアニメ第2期の放送を開始した『月が導く異世界道中』の既刊がアニメの放送に伴って大きく販売数を伸ばし、売上を牽引いたしました。
結果、当事業年度の売上高は前期を上回る着地となりました。
(漫画)
当事業年度の刊行点数は前期を上回る187点(前期比26点増)となりました。各書籍の売れ行きにつきましては、2024年4月からアニメ放送を開始する『Re:Monster』や同じく4月からアニメ放送を開始する『THE NEW GATE』等の人気シリーズの続刊が引き続き好調に推移いたしました。また、漫画と親和性の高い電子書籍販売につきましては、新規配信点数の増加、各ストアにおける拡販施策の展開、アニメ放送による販売数の伸長等により、売上高は大幅に増加いたしました。
結果、当事業年度の売上高は前期を大幅に上回る着地となりました。
(文庫)
当事業年度の刊行点数は前期を上回る185点(前期比26点増)となりました。シリーズ累計144万部を超える人気シリーズ『居酒屋ぼったくり』の文庫版が堅調に推移し、当ジャンルの売上を牽引いたしました。また、日本歴史時代作家協会主催の「第11回日本歴史時代作家協会賞」において文庫書き下ろし新人賞を受賞した時代小説『谷中の用心棒 萩尾大楽』の続編を刊行する等、取扱いジャンルの拡大にも引き続き注力してまいりました。
しかし、開拓中のジャンルにおける刊行を強化した反面、刊行書籍1点あたりの発行部数は前期より減少したことから、当事業年度の売上高は前期を下回る金額で着地いたしました。
(その他)
当事業年度の刊行点数は4点(前期比3点減)となりました。当ジャンルにおいては、更なる業績拡大及びポートフォリオ最適化の観点から、特定ジャンルに依存しない幅広いジャンルにおける書籍の刊行に取り組んでまいりました。
しかしながら、刊行計画の都合上、刊行点数が前期から減少したことにより、当事業年度の売上高は前期を下回る金額で着地いたしました。
以上の活動の結果、当事業年度の売上高は10,334,097千円(前期比11.3%増)となり、過去最高を更新いたしました。利益面につきましては、増収効果はあったものの、期初に計画していた「印税率の改定」及び「人材・設備の拡充」といった事業基盤強化を目的とした成長投資を実施したことや紙書籍の製本コストが増加していること等から利益率が低下し、営業利益は2,272,181千円(同6.0%減)、経常利益は2,279,071千円(同6.1%減)、当期純利益は1,403,294千円(同6.8%減)となりました。
また、当事業年度末における資産合計は13,946,426千円(前事業年度末比12.1%増)、負債合計は2,257,409千円(同5.0%増)、純資産合計は11,689,017千円(同13.6%増)となりました。
(注)シリーズ累計部数:同作品の続編に加え、同作品の漫画及び文庫を含み、部数は電子書籍販売数を含む。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末より935,598千円増加し、9,707,339千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,248,069千円の収入(前事業年度は1,618,854千円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益の計上によるものであります。また、主な減少要因は、法人税等の支払によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは286,506千円の支出(前事業年度は25,848千円の収入)となりました。これは主に、出資金の払込による支出188,790千円及び有形固定資産の取得による支出64,043千円が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは25,963千円の支出(前事業年度は24,442千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出24,200千円が発生したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は出版事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
a.生産実績
事業区分 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
出版事業(千円) |
3,756,045 |
108.8 |
合計(千円) |
3,756,045 |
108.8 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
受注生産を行っておりませんので、受注状況に関する記載はしておりません。
c.販売実績
事業区分 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
出版事業(千円) |
10,334,097 |
111.3 |
合計(千円) |
10,334,097 |
111.3 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社メディアドゥ |
5,015,298 |
54.0 |
5,702,059 |
55.2 |
株式会社星雲社 |
2,002,111 |
21.6 |
1,893,698 |
18.3 |
株式会社カカオピッコマ |
1,219,446 |
13.1 |
1,386,258 |
13.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当事業年度末の流動資産は、前事業年度末に比べ1,188,331千円増加し、13,286,432千円となりました。これは主に、現金及び預金が増加(前事業年度末比935,598千円増)したこと並びに売掛金が増加(同171,092千円増)したことによるものであります。
固定資産は、前事業年度末に比べ322,094千円増加し、659,994千円となりました。これは主に、投資その他の資産が増加(同289,406千円増)したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末の流動負債は、前事業年度末に比べ113,559千円増加し、2,223,509千円となりました。これは主に、未払法人税等が減少(前事業年度末比165,499千円減)した一方で、未払金が増加(同129,719千円増)したこと、未払費用が増加(同73,920千円増)したこと、前受金が増加(同32,884千円増)したこと並びに返金負債が増加(同27,520千円増)したことによるものであります。
固定負債は、前事業年度末に比べ6,428千円減少し、33,900千円となりました。これは、リース債務が増加(同5,687千円増)した一方で、長期借入金が減少(同12,116千円減)したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ1,403,294千円増加し、11,689,017千円となりました。これは全て、利益剰余金の増加によるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は10,334,097千円となり、前事業年度に比べ1,045,517千円の増加となりました。これは主に、電子書籍の販売体制強化等により電子書籍売上が大幅に伸長したことによるものであります。
(営業利益)
当事業年度の営業利益は2,272,181千円となり、前事業年度に比べ145,079千円の減少となりました。これは主に、売上高の増収効果はあったものの、期初に計画していた「印税率の改定」及び「人材・設備の拡充」といった事業基盤強化を目的とした成長投資を実施したことや紙書籍の製本コストが増加していること等から利益率が低下したことによるものであります。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は1,403,294千円となり、前事業年度に比べ102,979千円の減少となりました。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性について
当社の運転資金需要のうち主なものは、出版事業に係わる製造費(印刷費、印税など含む。)、販売費及び一般管理費等の営業費であります。投資を目的とした資金需要は、当社ビジネスモデルの基幹となる投稿サイトに対する開発費となります。
当社は、運転資金及び投資を目的とした資金につきましては、内部資金または借り入れにより資金調達することとしております。
なお、当事業年度末における借入金の残高は、38,799千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、9,707,339千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。