リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①当社グループが事業を行う上で根幹となる事業用資産が価値を毀損するリスクについて
(データベースに関するリスク)
当社グループにおいては、市販出版物事業をはじめ多くの事業において地図及びガイドデータベースを根幹に事業を営んでおります。大地震や洪水、台風による水害をはじめとする大規模な自然災害等の予期せぬ事態が発生し、当該データベースが消失した場合や使用不可能となった場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、当社グループでは当該データベースの保管について複数箇所で保管するなどバックアップ体制等を整備しております。
(データベース強化・充実のための投資費用の回収不能リスク)
当社グループにおいては、コア・コンピタンスである地図及びガイドデータベースは、最新で正確な情報への更新を要し、かつ新たな時代のニーズに合わせて収集する情報の項目や内容の追加を要するものであります。そのため、当該データベースの継続的な整備拡充を行っております。この整備拡充は当社グループ事業の維持拡大のため不可欠であり、これまで多くの経営資源を投入して参りましたが、今後も引き続き継続して投入していく必要があります。そのデータベースが、技術革新により急速に陳腐化する等の事態が発生し、投入した資源に見合うだけの充分な収益を計上できない場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、当社グループでは、データベースの更新や情報の追加等について、毎年期初に年間整備計画を策定しております。そしてこの際、当社グループ内における最新のニーズをヒアリングし、ニーズが不透明な項目については見直すなど、常に必要十分な整備範囲において実施し、かつ原則としてグループ会社にて内製化することで、急な方針変更等にも柔軟に対応できる体制を整えております。
(システムに関するリスク)
当社グループが運営する配信システムに障害が発生した場合(システムのダウンや地図が正常に配信できない等)には、当社グループにおいてはシステムが復旧するまでの間の収益機会を喪失するだけでなく、取引先等から当社グループのシステムに対する信用を失い、取引先等に損害が発生した場合には損害賠償を求められる可能性があります。
また、損害が重大なものであった場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、近年巧妙化するサイバー攻撃(ランサムウェア等)によるシステム停止やデータ暗号化のリスクも高まっております。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、当社グループでは、リリースまでに複数の検査ステップを設定する等慎重にシステム開発を行い、完成後においても適切な監視運用体制を確保しております。また同時に、客観的なシステム審査ができるようにするための品質管理体制を整えております。サイバーセキュリティ面においては、セキュリティ専門組織との連携や従業員への訓練、検知システムの導入を進めております。
②当社グループを取り巻く事業環境に変化が生じることで当社グループの業績が影響を受けるリスクについて
(技術革新に関するリスク)
情報を取り扱う事業環境においては、日々、様々な技術革新が進行しております。新たな情報技術が普及したり情報媒体が台頭したりし、それに応じて消費者ニーズやビジネスニーズに急激な変化が生じることにより当社が従来の製品・サービスを製造販売するために投入した資源に見合うだけの十分な収益を計上できない場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、当社グループにおいても常に研究開発を行っており、生成AIをはじめとする最新の技術を自社コンテンツの制作コスト削減や、新たな付加価値サービスの創出に有効活用すべく、社内ガイドラインの策定、専門組織の設置、および業務プロセスの見直しを常に行う体制を整えております。
また、生成AIの利用に伴う著作権侵害や情報漏洩等のリスクに対しても、法務部門と連携し適切なガバナンス体制を構築しております。
(返品制度に関するリスク)
出版事業における取次・書店取引においては、出版業界における取引慣行として返品制度があります。この制度に基づき当社グループにおいては、取次・書店に対し一旦商品を出庫し対価を請求したものについても、後日取引先より同条件にて返品を受ける約束となっております。よって特殊要因等により出版物の価値が減少した場合には、書店店頭にある在庫分については、取引先との取引時期にかかわらず返品を受けることとなります。このため、過去の返品実績から返品率を予測し、毎月の売上に対する返品見込高として見積り、この見積額をあらかじめ売上から除外して返金負債として計上し、実際に返品が生じた際にここから取り崩す会計処理を行うことといたしますが、通常の返品率を超える返品が発生した場合には、売上原価に対する売上高の割合が減少する状態となり、売上総利益率の減少率が売上高の減少率を上回る可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、当社グループにおいては、個別の商品単位にて流通在庫を適正な数量に維持すべく営業担当が主要な店舗を巡回し、在庫をチェックしております。また同時に、より返品リスクの少ないネット販売チャネルを利用したり、そもそも返品リスクのない電子書籍を発売したりと、様々な方法を組み合わせることで当該リスクに対処しております。
(法的規制に関するリスク)
当社グループの事業活動においては、知的財産権を始めとする様々な法令または公的規制の下、事業活動を行っております。これらの法令等に重大な変更や当社グループの事業に関係する重大な法令等の新設がある場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、当社グループの持株会社である昭文社ホールディングスに法務の専任担当を置き、当社グループ全体の製品・サービスにおいて当該リスクが生じぬよう適宜チェックする体制を整えております。
(地政学リスク・国際情勢の緊迫化等に伴うリスク)
近年、世界各地における地政学的緊張の高まりや局地的な軍事紛争の長期化、これらに伴う主要国間の経済対立は、エネルギー資源や紙・インキなどの原材料価格の高騰、物流コストの上昇をもたらしており、わが国および当社グループを取り巻く経済環境に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、円安の進行など為替相場の変動が長期化した場合、原材料調達コストがさらに上昇し、出版事業の採算性を悪化させるリスクがあります。
こうした状況に対しては、少なくともそのような事態が起きうることを予め想定し、常に最新の地政学的情報についての情報収集を行い、有事の現実的な可能性が認められる場合には、グループの事業領域や事業内容、グループ従業員の活動領域について見直すなど、当該リスクを最小限にするための行動をとる体制を整えております。
(自然災害に関するリスク)
当社グループの主たる事業拠点は首都圏に集中しており、この地区において地震や台風等による大規模災害が発生した場合には、設備被害による生産停止や物流体制の混乱等による出庫遅延等が発生する可能性があり、また、商品を保管している商品センターが災害に遭い、商品の焼失等があった場合には、一時的に商品の出庫ができず、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、主力事業である出版事業においては編集から製本作業までを外注先に委託していることから、当社グループの設備が被害を免れた場合においても、外注先の被害状況によっては、上記同様のリスクが発生する可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、当社保有の建物や設備、商品についてはそれぞれ保険をかけ、万が一の事態に備えており、また、①に記載の通り、当社グループ事業の根幹となるデータベースの保管について複数箇所で保管するなどバックアップ体制等を整備しております。
(気候変動に関するリスク)
当該リスクに関しては、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方および取組 (3)リスク管理」をご参照ください。
③当社グループと取引を行う相手先等との関係に関連して生じるリスクについて
(特定の取引先への依存に関するリスク)
従来、当社グループにおいては、地図、ガイドブックを中心とした出版事業を営んできましたが、その事業の成果である地図及びガイドデータの構築に伴い、そのデータベースを活用した電子事業を当社グループの事業の2本目の柱とすべく、その発展・拡大を目指しておりました。しかしながら現状においては、いまだ売上高の約53.4%を市販出版物売上に依存している状況にあります。
その市販出版物売上における中心的販路である書店との取引においては、日本全国に及ぶ中小書店への物流システムの確保及び信用リスク回避のため2大取次と言われる㈱トーハン及び日本出版販売㈱を通した取引が市販出版物売上全体の約81.5%を占めております。近年、出版物輸送の効率化や物流2024年問題等に起因する配送コストの上昇、出版流通構造の変革が進んでおり、取次各社の経営環境の変化や配送体制の見直しは、当社グループの製品流通および業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、新規事業等の発展・拡大を目指し、また、出版事業においても電子書籍やアプリ事業、WEB事業、ブランドライセンス事業等、出版物やその版権から派生する事業の拡大を推進しております。
こうした新規事業や出版事業から派生する周辺事業の拡大が、結果として市販出版物の事業への依存度及び特定取引先への依存度を引き下げることにつながるものと考えております。
(国土地理院の動向に関するリスク)
当社グループの地図データについては、その基本部分について国土地理院が発行している地形図等の情報を基に構築・更新を行っております。国土地理院が今後その使用を認めなくなった場合や当社グループの事業の根幹に係る事項について制約が設けられる場合、また、国土地理院において当社同様の地図データの制作及び無償提供等が行われた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、国土地理院の動向については、常に情報収集に努めております。また、一般的なニーズに対応する無料の地図は、すでにWEBサービスやスマホアプリにおいて提供されており、当社グループとしてはニーズに合わせてカスタマイズできる地図の製品化や市販地図においても独自の付加価値を添えた商品開発を行うなど、こうした状況に対応するための様々な施策を講じております。
(取引先の信用に関するリスク)
当社グループにおいては、取引先などの信用リスクに備えておりますが、取引先の不正行為や経営の悪化等による予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、損失の追加計上や貸倒引当金の計上が発生する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、新規取引先については原則信用調査を行い、過年度の財務諸表を提出していただく等、取引先の信用につながる情報収集に努めております。また既存の取引先においては、毎月の売掛金回収状況をチェックし、かつ担当者を通じて随時相手先の情報を共有する等、取引先の信用状況について確認できる体制を整えております。
(海外企業との提携に関するリスク)
当社グループの新規事業である「訪日観光客向けインバウンド事業」においては、海外企業との事業提携等が特に重要となります。これにより事業が大きく拡大する可能性がある半面、取引習慣や法律等の違いによる損失の可能性もあるため、慎重な事業推進が必要となってきます。この影響により当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、海外進出に際しては、まず当社グループ社員の現地への派遣や定期的な出張を通じて現地における政治的、法規制的、商慣習的リスクを十分に調査し、現地企業との提携においては、M&A手法を含めどのような形の提携が望ましいかについて様々な選択肢を検討した上で実施するものとしております。
④当社グループが販売、提供する製品、サービスなどに関連して生じるリスクについて
(新商品及び新サービス開発に関するリスク)
当社グループの事業継続においては、社会環境や顧客ニーズの変化に伴う新商品及び新サービスの提供が不可欠であります。このため現在、時代に即した新商品及び新サービスの投入を積極的に展開しておりますが、開発の遅延やコストの増大、開発の継続が出来ない場合や技術革新に伴う想定外の第三者の競合商品及びサービスの台頭や利用者ニーズの変化等の影響により売上計画が達成できない場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、新商品や新サービスの企画開発においては、必ず企画予算書を作成し、その商品・サービスがライフタイムに獲得しうる販売数量、金額をできる限り正確に見積り、また投入する予定の開発費、製造費、販売促進費、宣伝費等の直接的な費用を回収し利益を計上できる目処を立てたうえで計画に沿って実施し、かつその進捗を定期的にチェックする体制を整えております。
(品質問題に関するリスク)
当社グループにおいては、品質の確保を図るため最善の努力を払っておりますが、予想し得ない欠陥が生じる可能性は否定できません。欠陥が生じた場合には、回収コストや損害賠償・訴訟費用の発生、信用の失墜、売上の減少等により、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、商品の発売またはサービスの提供を開始する前に十分な品質検査を行える体制を確保しており、かつ商品の発売後やサービスの提供後に何らかの重大な瑕疵等が発見された場合においては、商品の出荷停止及び市場流通分の回収またはサービスの提供停止等の必要な措置を迅速に行うなど、万が一の場合の費用や損失を極力抑制するための体制を整えております。
(知的財産権に関するリスク)
日本国内におきまして、第三者によるデジタル地図やインターネット事業関連の特許出願を多数確認しておりますが、当社グループの現在の事業に重要な問題をもたらすものではないと認識しております。しかしながら、今後新たな特許出願がなされ、または出願中のものに対して特許権が認可されるなど、当社グループの事業関連技術等について何らかの特許侵害が問題となった場合、当社グループが損害賠償義務を負う場合や抵触する特許権について使用を継続することができなくなる場合、当社グループによる第三者保有特許権の使用が認められた場合においても当該使用料の支払い等が発生する場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、上記のほか、当社グループにおいては、著作権を含む知的財産権について第三者の権利を侵害しないように充分に注意を払っておりますが、当社グループが認識していない範囲において第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。何らかの知的財産権侵害となった場合、当社グループが損害賠償義務を負う場合や抵触する知的財産権について使用を継続することができなくなる場合、当社グループによる第三者保有知的財産権の使用が認められた場合においても当該使用料の支払い等が発生する場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、新商品や新サービスの企画開発においては、知的財産権に関する様々なリスクを洗い出し、当該リスクが生じぬよう適宜チェックする体制を整えております。また、既に市場に投入済みの商品・サービスにおいて万が一当社グループの製品・サービスによる第三者の知的財産権の侵害等の可能性がある旨の報告があった場合には、上記(法的規制のリスク)に記載の当社グループ法務の専任担当が、委託先の専門家(弁護士等)とともに当該問題に対応する体制を整えております。
⑤特に当社グループが推進する新規事業等の投資に関連して生じるリスクについて
(新規事業における投資費用の回収不能リスク)
当社グループにおいては、「訪日観光客向けインバウンド事業」等、特に発展可能性の高い分野であると判断する新規事業に参入し、多くの経営資源を投入してまいりました。こうした新規事業が事業計画を達成できず、投入した資源に見合うだけの十分な収益を計上できない場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑥当社グループの組織体制、各種規程、会計制度等に関連して生じるリスクについて
(内部管理体制に関するリスク)
当社グループにおいては、従業員等が遵守すべき倫理憲章・行動規範・コンプライアンスガイドラインを定めた倫理綱領を制定し、内部統制システムの体制整備を行っております。しかしながら内部統制システムには限界があり、内部管理に関するリスクを全て解決できる保証はなく、法令違反等が発生する可能性を否定できません。法令違反等が発生した場合には、行政指導や信用の失墜、訴訟費用の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、従業員等が常に確認できる社内のグループウェア掲示板等を通じて上記の倫理綱領・行動規範等について周知及び遵守徹底を図るとともに、内部通報制度等、万が一法令違反等が発生した場合には迅速に対応するための体制を整えております。
(人材の確保に関するリスク)
当社グループにおいては、優秀な人材の採用及び育成が事業成長に不可欠であると認識しております。実際に優秀な人材の確保ができない場合や優秀な人材の流出があった場合には、今後の事業展開に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、社員のモチベーションを高めるための各種手当や成果に応じた報酬制度を整備し、また、各社員がその業務内容に応じてフレックスタイム制やリモートワーク制を活用できるなど、働き方に応じた柔軟な制度や仕組みを用意しております。
(財務に関するリスク)
・減損会計
当社グループにおいては、当連結会計年度及び過去の連結会計年度において、ソフトウエア等の減損処理を行い、減損損失を計上しております。将来においても、保有する固定資産等の回収可能性や使用状況により更に減損損失を計上する可能性があり、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
・退職給付債務
当社グループにおいては、割引率・給与水準・退職率・年金資産の長期期待運用収益率等によって算出される退職給付費用及び退職給付債務を負担しております。この数理計算においては各種見積りに基づき算出しておりますが、実際の結果はその見積りと大きな差異が発生する可能性があり、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
こうした(財務に関するリスク)においては、変動の要因となるパラメータが多く複雑な計算を要する場合がありますが、予想数値が計算可能なものについては、極力年度計画において当該リスクを織り込み、そうした予想が困難なものにおいては、リスクが顕在化し業績予想に影響することが明らかとなった段階で、できる限り早期に見積り、開示することとしております。
(個人情報の取扱いに関するリスク)
当社グループの顧客等の個人情報、およびお取引先様等の機密情報につきまして、万一、当社グループや業務提携・委託先などにおいて、ランサムウェア、標的型攻撃、フィッシング等のサイバー攻撃や不適切な取り扱いによって情報漏洩等のセキュリティインシデントが発生した場合には、当社グループの業績及び社会的信用に重大な影響を及ぼすとともに、多額の損害賠償や制約を課される可能性があります。
こうしたリスクをできる限り抑制すべく、個人情報管理規程や社内ネットワーク管理規程等を設け社内の管理体制の充実を図る等、情報漏洩防止に努めると同時に、業務提携先・委託先においても同様の取扱いを行っていただけるよう契約において定める対応を行っております。
⑦WHO(世界保健機構)にパンデミック(世界的流行)と認定されるレベルの新たな感染症の流行に関連して生じるリスクについて
新型コロナウイルス感染症は、感染症法上の位置づけが5類に移行して以降、社会経済活動の正常化が進んだことで、経済環境および当社グループの業績に及ぼす直接的な影響は限定的なものとなっております。しかしながら、新たな感染症(パンデミック)の発生による流行の懸念は完全に払しょくされたわけではなく、依然として潜在的なリスクとして認識しております。
当社グループの事業に及ぼす影響については、主な事業セグメントごとに以下の通り整理しております。
・メディア事業
メディア事業セグメントの市販出版物事業において、当社グループの出版物は地図、雑誌、ガイドブック、実用書の4ジャンルに分類しております。このうち地図、雑誌、ガイドブックにつきましては、一般消費者の移動や観光・お出かけを前提に企画・販売されているため、今後、新たな感染症の流行等により人々の移動や外出マインドが再び抑制された場合、または観光地やレジャー施設等の営業活動に制限が生じた場合には、これら出版物の需要が減少し、販売に影響が及ぶ可能性があります。
同セグメントの広告事業においては、広告主(クライアント)に旅行・宿泊施設、観光・レジャー施設等が多く含まれております。そのため、感染症の再流行等によりこれら施設への訪問客数が減少した場合、または施設側の広告宣伝活動の縮小・自粛が長期化した場合には、広告収入の減少につながる可能性があります。
・ソリューション事業
ソリューション事業セグメントにおいては、地図や旅行ガイド情報とともにデータソリューションを提供しておりますが、その主要な顧客には地方自治体が含まれております。感染症の流行状況によっては、自治体の施策方針が「地域活性化・観光誘客」から「公衆衛生・感染拡大防止対策」へとシフトする可能性があり、当社グループが得意とする地域活性化や都市部から地方への誘客を主眼とした提案・ソリューションの需要が一時的に停滞し、事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、インバウンド(訪日外国人観光)関連事業においては、国内外の出入国規制や渡航制限の動向に大きく左右されるため、これらが再強化された場合には、業績に多大な影響を受ける可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置づけておりますが、従来の「株主への安定的な配当方針」から「中長期的な利益成長に伴う増配」への転換を目指しております。
また、内部留保につきましては、将来の持続的な成長に向けて、成長可能性が高いと判断される新規事業分野におけるシステム開発や設備投資などに積極的に活用してまいります。さらに、急速に変化する経営環境に柔軟かつ迅速に対応するため、他企業との提携等も視野に入れながら、長期的視点に基づく投資効率の向上に努めてまいります。
当社は中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うべく定款に定めております。
これらの剰余金の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
また内部留保につきましては、今後の事業展開上、特に発展可能性の高い分野であると判断する新規事業のためのシステム開発や設備投資等へと積極的に有効活用していくとともに、急速な経営環境の変化にもすばやく対応すべく他企業との提携を図る等、長期的な視点で投資効率を考え活用して参ります。
当期の配当金につきましては、当連結会計年度を含め4期連続で本業の成果である営業利益を計上することができましたので、この成果を株主の皆さまに還元したいと考えておりますが、当連結会計年度に減資関連の会計処理を行っておりますので、今後の財務基盤拡充とのバランスを考慮しつつ、普通株式1株につき5円の期末配当を実施すべく、第67期定時株主総会に提案させていただく予定です。
当社は、「取締役会の決議により、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当を行うことができる。」旨定款に定めております。
なお、基準日が当事業年度に係る剰余金の配当金は以下のとおりであり、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の決議事項となっております。
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決議日付 |
配当金の総額(千円) |
1株当たり配当額(円) |
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令和8年6月26日 |
90,107 |
5 |
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定時株主総会決議(予定) |