2025年8月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 5,748 100.0 1,203 100.0 20.9

 

3 【事業の内容】

当社は「世界で自由に活躍できる人を増やす」というミッションを掲げ、お客様一人ひとりを専任のコンサルタントが担当し、12週間プランを中心とした短期間で英語力を伸ばす英語コーチングサービスを主に提供しております。また、リスニング力向上、スピーキング力向上、アウトプット練習、など英語学習者の個別のニーズに合わせたサブスクリプション型英語学習サービスも提供しております。

なお、当社は英語コーチング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

■英語コーチングサービス

当社の提供する英語コーチングサービス「プログリット(PROGRIT)」のサービス内容は以下の通りです。

(1) お客様ごとにカウンセリングが行われ、現在の英語力、目指す英語力、解決すべき課題、学習可能時間、等を確認の上、目指す英語力の獲得に向けたオーダーメイドカリキュラムの提案が受けられます。

 

(2) 作成されたカリキュラムを基に、お客様ごとの専任コンサルタントから、受講期間中の学習効果最大化のためのサポートが受けられます。サポートの内容は大きく以下の3つに分けられます。

(ア)英語学習を習慣化し、学習時間を最大化するためのスケジュール管理のサポートが受けられます。お客様それぞれにおいて異なる生活習慣がある中で、いつ、どこで、何をすべきなのかを週の始めに計画し、実際の学習実績と共に当社独自開発した学習管理アプリを利用して記録・管理することが出来ます。

(イ)毎週1回の面談を通じて、効果的な学習を進めるために必要な問題解決セッションを受けられます。具体的には、一週間の学習成果の振り返りによる学習内容及びタイムマネジメントの改善点の洗い出し、一週間の学習範囲の確認テストの実施、学習に限らず不安や懸念の解消を通じたモチベーションの維持・向上、速読やチャンクリーディング(注1)等の新たなトレーニングに取り組む際のトレーニング方法の説明、等のサービスが受けられます。面談は、専任コンサルタントが所属する校舎での対面による実施と、オンラインでの実施を選択することが出来ます。(注2)

(ウ)毎日チャットを通じて学習相談による疑問、不安解消や、コンサルタントからの声掛けによるモチベーションマネジメントに加え、シャドーイング(注3)音声添削を通じたフィードバック等が受けられます。また、英文法や語彙の用法などに関する英語の疑問については、生成AIを活用した「プログリット先生」を活用して24時間いつでも解消が出来ます。

 

(3) 日々の学習は24,000名を超えるお客様の学習をサポートしてきた経験を基に開発した当社の学習アプリを活用し、英語力の課題解決に必要なコンテンツで学習を進めることが出来ます。当社の学習アプリ以外に市販の教材がより適していると専任コンサルタントが判断した場合には、当該教材を当社から受け取り学習カリキュラムに取り入れることが出来ます。

 

(4) 受講期間の前後において、スピーキング力を測るVERSANT®(注4)やTOEIC®(注5)等、目的に合わせた試験を受験し、定量的に英語力の伸びを測定することが出来ます。

 

(5) 「プログリット(PROGRIT)」修了後も継続的に同様のサービスを受講希望の場合は継続コース「NEXT」を、シャドーイングの添削のみを受講希望の場合は「シャドーイング添削コース」を選択出来ます。「シャドーイング添削コース」は、「プログリット(PROGRIT)」のサービスの中でも特に英語力の向上に有効なシャドーイング添削サービスであり、お客様からの継続利用ニーズも強く、2018年5月より卒業されたお客様向けに提供を開始しております。2024年8月期第4四半期において、初めて「プログリット(PROGRIT)」を修了されたお客様の約69%が、「NEXT」又は「シャドーイング添削コース」による学習継続をされております。

 

 

上記の「プログリット(PROGRIT)」を支える仕組みについては、以下のような特徴があります。

(1) 自学自習の成果を高める仕組み

英語力の向上は、授業やレッスンの時間内ではなく、それ以外の自学自習の質と量をどれだけ高められるかに依存していると考えております。従って、従来の英語教室のように「英語を教える」ことに重点を置くのではなく、お客様の英語力を科学的な理論に基づき分析し一人ひとりの目標を最短で達成するために必要なオーダーメイドカリキュラムを提案すると同時に、毎日のコーチングを通じて学習継続が達成されることに重点を置いております。また、「継続する力」、「やり遂げる力」を身に付けるための生活習慣の見直しを含めたサポートを行うため、修了後もお客様自身の力で成長し続けることが出来ます。

 

(2) サービスの質を継続的に向上させる仕組み

コーチングサービスである「プログリット(PROGRIT)」の品質向上のためには、個々のお客様の学習データの蓄積・分析を基にした断続的なトレーニング方法やカリキュラム設計の見直し、そして直接お客様と接するコンサルタントの質の向上が重要であると考えております。前者においては、学習管理機能を備えた学習アプリを自社開発することで学習データ、学習時間データの蓄積が可能な体制を構築しております。後者においては、コンサルタントを全員正社員採用しエンゲージメントを高めることに注力しております。結果、当社は組織エンゲージメントについて複数の第三者から継続的に高い評価(注6)を受けており、採用市場におけるブランド力からコンサルタント職への応募が継続的にあり、その中から厳選した優秀なコンサルタントを獲得しております。また、綿密な研修プログラムを受け、当社の基準を満たした者のみがコンサルタントとしてデビューし、その後もお客様やコンサルタント同士のフィードバックを基に継続的な質の向上に努めております。

当社サービスの中心は個人のお客様ですが、継続的な需要の見込める法人研修市場にも参入し、法人顧客の拡大に取り組んでおります。法人顧客の従業員様向けに提供される英語コーチングサービスの内容は、基本的に個人向けと同様です。一方で法人向けには、英語での会議音声・資料等を基にAIを用いて対象領域で利用頻度の高い単語や表現を解析し、専門的な事業領域に特化したオリジナル教材を作成する等、個々のニーズに合わせたサービスも提供しております。また、足許では研修の進捗状況を一元管理可能な「PROGRIT Learning Studio」を開発・提供開始しております。これにより、従来以上に早期のフォローアップや個別対応が可能となり、研修の効果を高めることが出来ます。2025年8月末時点で、合計340社に「プログリット(PROGRIT)」またはサブスクリプション型英語学習サービスを提供しております。

 

英語コーチングサービス「プログリット(PROGRIT)」は、現在「ビジネス英会話コース」「TOEIC® L&R TESTコース」「初級者コース」「TOEFL iBT®TEST/IELTSコース」の4つのコースを提供しております。「初級者コース」においては、その後の目的別の英語力向上に必要な単語・文法を始めとした基礎力の構築を中心に取り組みます。それぞれのプラン(期間)別の税込み料金は下図の通りです。

 


 

 

■サブスクリプション型英語学習サービス

英語コーチングサービスの他に、サブスクリプション型英語学習サービスである「シャドテン」「スピフル」「ディアトーク」を提供しております。

 

□シャドテン

シャドテンはリスニング力の向上に特化したサービスです。「プログリット(PROGRIT)」を卒業されたお客様向けに当初提供していた継続コース「シャドーイング添削コース」を2020年6月より一般向けに提供を始めたサービスであり、月額プラン(月21,780円(税込))を提供しております。シャドテンのサービス内容は以下の通りです。

(1) 最初にレベルと目的に合わせた学習課題の選択をします。課題は、モチベーション理論、政治、マーケティング等ビジネスパーソンにとって学びのあるコンテンツが2025年8月末時点で1,191課題用意されており、豊富なコンテンツから選択が出来ます。

 

(2) トレーニング説明動画でトレーニングのやり方を理解した上で、専用アプリを用いて30秒から1分程度の英語の会話やスピーチを1日30分程度シャドーイングします。

 

(3) 学習の最後に、シャドーイングした音声をアプリ上で提出すると、当社と契約しているシャドーイングアドバイザーから24時間以内に詳細なフィードバックが受けられます。トレーニング動画閲覧、課題の音声やスクリプト確認、シャドーイング音声録音、課題提出、添削結果確認まで全てをシャドテン専用アプリ上で行うことが出来ます。

 

「プログリット(PROGRIT)」の受講を修了されたお客様向けのシャドーイング添削コース同様、一般公開したシャドーイング添削サービス「シャドテン」も急成長しており、2025年8月末時点でシャドーイング添削コースと合わせて有料課金ユーザー(注7)は10,000名を超え、2025年8月の月間売上高(注8)は約188百万円となりました。

 

□スピフル

「スピフル」は、スピーキング力の向上に特化した「トレーニング」ができるアプリケーションです。1ヶ月プラン(5,478円(税込))、12ヶ月プラン(45,980円(税込))の2つのプランを展開しております。

 

サービス内では、英語コーチングの「プログリット」にて公式カリキュラムとして採用している、「口頭英作文」「独り言英会話」のトレーニングが可能です。

 

「口頭英作文」では、文法、シーン別の例文を瞬時に発話することで、発話の瞬発力を向上できます。ビジネスシーンを中心とした6,000以上の例文が収録されており、学習者のレベルやニーズに沿った例文で学習できる上、AIによる正誤判定、復習機能の搭載などを通じて、効率よく学習を行えます。

 

「独り言英会話」では、テーマに沿って英語を数十秒から1分程度で発話することで、言いたいことを英語で表現する力を鍛えます。発話内容についてAIを通じて判定・添削することで、文法や表現、発話の内容の構成の自然さを瞬時に確認できる点が特徴です。

 

□ディアトーク

ディアトークは英会話練習(アウトプット練習)に特化したサービスです。学習者に最適化された環境におけるAIとの自然な英会話を実践することができます。2024年7月より提供を開始したサービスであり、1ヶ月プラン(月 4,380円(税込))、12ヶ月プラン(39,400円(税込))を提供しております。ディアトークのサービス内容は以下の通りです。

 

(1) 最初に、お客様のレベルや目的などに関するアンケートに回答いただき、その後すぐに会話を体験いただけます。お客様の趣味嗜好、プライベートやビジネスシーンなどに合わせて、あらゆるトピックでのリアルな英会話が可能です。

 

(2) ディアトークのレッスンは15分で構成され、最初の10分でフリートークベースの英会話を、残りの5分で振り返りを行なっていただきます。英会話では、4ヶ国語からのアクセント選択、AIの速度や会話のテンポを調整する機能、わからない表現を日本語で質問する機能など、英会話を無理なく続けていただくための機能が備わっています。会話のモードとして、「フリートーク」「シーン別トーク」が選択可能です。

 

(3) 英会話終了後はレッスン中のすべての会話履歴を確認することができ、学習者の発話に対してより良い表現をフィードバックしたり、覚えたい表現をストックする機能を利用したりすることができます。累積レッスン回数や累積発話単語数などを確認することで、英会話学習の目標管理を行なっていくことができます。

 

(注) 1.チャンクリーディングとは、文章を短い塊(チャンク)ごとに分け、チャンクごとに意味を訳す学習方法です。チャンクごとに要点を捉えることで、文章全体の意味を理解しやすくなる効果が期待されます。

2.2025年8月末時点で、関東8校舎、東海1校舎、関西3校舎の計12校舎から選択可能です。

3.シャドーイングとは、ネイティブ英語話者の会話やスピーチを聞き、ワンテンポ遅れて聞こえた音を口から発するトレーニングです。主に、英語の音の変化を正確に捉えられるようになることを通じてリスニング力の向上に寄与します。

4.VERSANT®とは、ロンドンに本部を置く教育サービス会社Pearson PLCが運営する英語力診断テストです。音読、復唱など6種類の試験をオンラインで20分弱で受験可能であり、受験後数分で自動採点された結果が10点から90点のスコアで評価されます。

5.TOEIC®とは、米国ニュージャージー州プリンストンに拠点を置く世界最大の非営利テスト開発機関であるEducational Testing Service(ETS)が開発・制作している英語コミュニケーション能力の測定テストです。

6.Great Place to Work® Institute Japan社による2019年版「働きがいのある会社」ランキングの小規模部門及び同2020年版、2021年版「働きがいのある会社」ランキング中規模部門におけるベストカンパニーに3年連続で選出されております。

株式会社リンクアンドモチベーション社による「ベストモチベーションカンパニーアワード2020 中堅・成長ベンチャー企業部門」、同2021、2023、2024並びに2025を受賞しております。

株式会社リンクアンドモチベーション社による「モチベーションクラウド」において、2017年12月の初回実施から2025年8月までの期間において、29回中27回の総合評価AAAを獲得しております。

7.有料課金ユーザーとは、サービス利用開始後7日間の無料体験期間終了後も継続利用する人を指します。

8.月間売上高とは、有料課金ユーザーへのサービス提供期間に応じて認識した月あたりの収益の金額を指します。

 

 

[事業系統図]

 


 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における総資産は4,486,002千円となり、前事業年度末に比べ599,583千円増加しました。これは主に、現金及び預金が373,683千円、本社移転及び校舎の新設により敷金が97,118千円、工具、器具及び備品(純額)が35,493千円、英語コーチングサービスの法人売上及びサブスクリプション型サービスの売上増加により売掛金が31,789千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債合計は2,205,269千円となり、前事業年度末に比べ115,333千円増加しました。これは主に、本社移転及び校舎新設による銀行融資を受けたことによる長期借入金が80,334千円、当期純利益の増加により未払法人税等が54,684千円、人件費の増加により未払費用が33,276千円の増加、前期引当実行した決算賞与の支払実行により賞与引当金が89,408千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は2,280,733千円となり、前事業年度末に比べ484,250千円増加しました。これは主に新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ23,396千円、当期純利益により利益剰余金が888,763千円増加し、配当金の支払いにより利益剰余金が162,241千円減少し、自己株式の市場買い付けにより自己株式が299,877千円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は50.4%(前事業年度末は46.0%)となりました。

 

② 経営成績の状況

当社が事業展開しております英語学習市場におきましては、少子高齢化による国内市場の先行き不安がある中で企業の海外進出意欲は依然として高く、グローバル人材の育成・確保に向けた英語教育への関心は根強いものがあります。さらに、福利厚生の一環として英語学習を導入する企業も増加傾向にあり、個人の学習意欲もグローバル化の進展に伴い高水準を維持しております。これらの背景から、英語学習市場全体は今後も堅調な成長が見込まれます。

生成AIの発展に伴い、英語教育業界にも変革が予想されますが、当社といたしましては英会話市場が縮小することはないと見込んでおります。特にビジネス領域では、人と人との対話が不可欠であり、英語力向上へのニーズは今後も継続すると考えております。そのため、AIを活用して学習効率や体験価値を高めることが、今後の競争力強化の鍵となります。

当社が参入いたしましたAI英会話サービス領域におきましては、AIの精度による差別化が難しい一方で、UI/UXの洗練が競争優位性を左右すると認識しております。また、テクノロジーの進化に関わらず、成果を出すためには学習時間の最大化が欠かせない要素であり、コンサルタントによる伴走型支援の重要性は今後も変わらないと考えております。

 このような市場環境の中、英語コーチングサービス「プログリット」では、短期間で英語力を飛躍的に向上させるために、①英語学習を継続させる習慣を身につけるためのコンサルタントによるサポート、②顧客ごとにカスタマイズしたカリキュラムの設計、③利便性の高い学習アプリによる学習環境、という主に3つの特徴において、継続的な品質向上と改善に取り組んでおります。

 また、リスニング力強化に効果的なシャドーイングに特化したサブスクリプション型サービス「シャドテン」では、コンテンツの拡充やアプリの顧客体験改善等を通じて平均継続期間が延びており、有料課金ユーザー数も堅調に推移しております。これにより、当社の収益基盤として順調に成長を遂げております。

 前事業年度にローンチいたしましたスピーキング特化型サービス「スピフル」及びAI英会話サービス「ディアトーク」も順調に事業を展開しております。スピフルは、スピーキング力向上に不可欠な口頭英作文(注1)と独り言英会話(注2)を実践し、AIによる添削で振り返りを行うサブスク型サービスとして、ユーザー数を着実に拡大しております。ディアトークは、AI講師が学習者の興味関心や近況を分析・記憶し、最適な英会話実践の場を提供するサービスで、現在は機能改善や新規開発を進めており、今後の成長に向けた展開を図っております。

以上の結果、当事業年度の売上高は5,747,514千円(前事業年度比29.1%増)、営業利益は1,202,969千円(前事業年度比45.9%増)、経常利益は1,207,798千円(前事業年度比47.8%増)、当期純利益は888,763千円(前事業年度比45.7%増)となりました。

なお、当社は英語コーチング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりません。

(注)1.口頭英作文:日本語の文章を瞬時に変換し、発話するトレーニングです。

    2.独り言英会話:自身で選んだお題について1分間英語でスピーチを行うトレーニングです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末より373,683千円増加し、3,415,606千円となりました。当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた現金及び現金同等物は、907,116千円(前事業年度は1,077,384千円の収入)となりました。主な要因といたしましては、税引前当期純利益1,207,798千円の計上、決算賞与の支払いによる賞与引当金の減少89,408千円、法人税等の支払額295,974千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した現金及び現金同等物は、189,347千円(前事業年度は82,873千円の支出)となりました。主な要因といたしましては、本社移転及び校舎新設での敷金の差入による支出146,905千円、有形固定資産の取得による支出60,755千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した現金及び現金同等物は、344,085千円(前事業年度は71,768千円の収入)となりました。要因といたしましては、自己株式の取得による支払額302,536千円、配当金の支払額161,988千円、長期借入れによる収入170,000千円等によるものであります。

 

 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は、個人向けに英語コーチングサービス等を提供しており、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

当社は、個人向けに英語コーチングサービス等を提供しており、受注生産を行っていないため、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

当社は、英語コーチング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、当事業年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次の通りであります。

 

サービス区分

当事業年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

外部顧客への売上高(千円)

前事業年度比(%)

英語コーチングサービス

3,554,332

119.1

サブスクリプション型英語学習サービス

2,193,182

149.3

合計

5,747,514

129.1

 

(注) 英語コーチング事業は英語コーチングサービスとサブスクリプション型英語学習サービスの2つにより構成されております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態

財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載の通りであります。

 

b 経営成績

経営成績の状況の概要につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載の通りであります。

 

(売上高)

当事業年度の売上高は5,747,514千円(前年同期比129.1%)となりました。これは、英語コーチングサービスの役務提供を行うコンサルタントの採用が進みサービス供給力が増強されたこと、及びサブスクリプション型サービスのシャドテンの売上が拡大していることが影響とみております。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度において、売上原価は英語コーチングサービスのコンサルタントの採用増加による人件費増加及びサブスクリプション型英語学習サービス拡大における添削業務委託の報酬増加に加え、当期よりアプリ開発費用を販売費及び一般管理費から売上原価へ計上区分を変更したことに伴い、1,492,186千円(前年同期比119.0%)となりました。

この結果、売上総利益は4,255,327千円(前年同期比133.0%)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は、前年と比較し認知拡大のためのプロモーション広告等の投資等を実行したことにより3,052,357千円(前年同期比128.5%)となりました。

この結果、営業利益は1,202,969千円(前年同期比145.9%)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当事業年度における営業外収益は、9,565千円(前年同期比194.6%)となりました。これは、受取利息の増加及び法人クレジットカードの利用額増加によるポイント還元額の増加によります。営業外費用は、4,736千円(前年同期比39.2%)となりました。これは、主に前年は令和6年能登半島地震による被害への支援として寄付金10,000千円を計上し、一時的に増加していたためです。

この結果、経常利益は1,207,798千円(前年同期比は147.8%)となりました。

 

(特別利益、特別損失、当期純利益)

当期純利益は888,763千円(前年同期比は145.7%)となりました。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の資金の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。具体的には、運転資金は自己資金、校舎開設等の設備投資は金融機関からの借入、M&A等の大型資金ニーズが発生した場合にはエクイティファイナンス等も含めた資金調達を行う方針であります。これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

a.固定資産の減損処理

当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上いたします。

減損の兆候の把握、回収可能価額の算定に当たっては、将来キャッシュ・フロー、割引率等の前提条件を慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合は、固定資産の減損を実施し、当社の業績を悪化させる可能性があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

b.繰延税金資産の回収可能性

当社は、繰延税金資産の回収可能性を定期的に検討しております。その判断に際して将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しておりますが、その見積りの前提となる条件や仮定に変更が生じ、回収が困難と判断した場合には、評価性引当額を計上することで、当社の業績を悪化させる可能性があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、売上高、営業利益及び継続コース入会率を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。