2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    954名(単体) 1,651名(連結)
  • 平均年齢
    40.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.7年(単体)
  • 平均年収
    6,374,921円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

(2024年3月31日現在)

事業部門別

従業員数(人)

情報サービス事業

1,519

(228)

全社(共通)

132

 

合計

1,651

(228)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.全社(共通)として、記載されている従業員数は、特定の事業部門に区分できない管理部門に所属しているものであります。

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

(2024年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年令(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

954

(228)

40.3

16.7

6,374,921

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、従業員に対する税込支払給与額であり、基準外賃金及び賞与を含んでおります。

(3)労働組合の状況

 労働組合はありませんが、労使関係は極めて良好に推移しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

8.7

70.6

71.1

79.3

56.5

パート・有期労働者については、女性よりも男性に相対的に賃金が高い嘱託社員が多い、一方、男性よりも女性に相対的に賃金が低いパート社員が多いため格差が生じていると考えられる。

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

   2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

   3.パート労働者については、フルタイム労働者の所定労働時間(7.5時間/日)で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しております。

 

 

②連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合

 (%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率

 (%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

株式会社ISTソフトウェア

8.3

100.0

84.3

84.5

パート・有期雇用労働者は男性のみが在籍

株式会社ソフトウェアコントロール

14.8

100.0

82.6

82.6

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第46号)の規定に基づき算出したものであります。

   2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは「情報技術で新しい仕組みや価値を創造し、豊かで幸せな社会の実現に貢献する」という企業理念のもと、創業者がガソリンスタンド(SS、サービスステーション)の事務効率化の課題を解決するために設立されました。以来、顧客の課題を情報技術で解決することにより、事業を通した社会づくりを行ってまいりました。

 1971年の創立以来、神奈川県横浜市に本社を置き、地元の顧客やパートナー企業様に支えていただきました。これまでの感謝の気持ちを込め、社会貢献活動の一環として、2009年4月には障がい者雇用促進のための特例子会社を設立、NPO法人やボランティア団体等を支援する公益財団へのサポートをする等、様々な活動に取り組んでおります。

 当社グループは、事業活動から環境に与える影響を最小化させていく活動にも取り組んでおります。ESG経営を推進するため、当社は2022年4月にSDGs推進室を新設しました。また、グループ全体でSDGsに取り組んでいくため、2022年度から、当社代表取締役兼社長執行役員を委員長とするSDGs推進委員会を設置し、年2回開催をしております。

 SDGs推進委員会における審議、報告内容は速やかに取締役会に報告がなされており、取締役会は同委員会の活動状況の報告を受け、その運営状況や審議内容を監督しております。また、SDGs推進に係る重要なテーマや方針に関しては、取締役会にて審議の上、最終的な意思決定を行っております。監査役会、及び内部監査室は、これらの報告、意思決定プロセスが適切に運用されるよう、監督を行っています。

 

 当社グループは、経営環境の変化に迅速に対応できるガバナンスの強化、社員の健康増進を支援する取り組み、多様化する社員のニーズを的確に対応するダイバーシティ推進の強化を通じて、社員一人一人の働きやすいビジネス環境づくりを、積極的に進めております。人材投資に係る各種施策は、主に総務人事本部に設置している人事部が従業員代表や各事業部門、外部機関と連携して行っております。人材投資に係る重要な事項については、取締役会にて審議の上、最終的な意思決定を行っております。内部監査室は、これらの報告、意思決定プロセスが適切に運用されるよう、監督を行っております。

 

 今後もさらに成長を続ける企業であり続けるために、多彩な人材と情報技術やサービスを通じて、経済価値、社会価値、環境価値を創出し、様々なステークホルダーの皆様と共に豊かな社会づくりに尽力してまいります。

 

 

(1)気候変動に関する取り組み

①ガバナンス(気候変動マネジメント体制)

 当社グループは、気候変動を含む環境課題への対応を重要な経営課題の一つと認識しており、ガバナンス方針と実行体制を整え、気候変動への対応に関する重要な方針や施策について審議・決定するとともに、改善や新たな取り組みにつなげています。

 SDGs推進委員会では、気候変動に関連する取り組み、リスク・機会、対応方針、情報開示等につき、協議・決議します。進捗状況をモニタリングし、決議事項や進捗状況を取締役会に報告します。SDGs推進室は、SDGs推進委員会を運営するとともに、全社的な取り組み、リスク・機会、対応方針、情報開示等につき具体的な検討を行い、決議事項について各事業部門を通じ事業活動へ展開し、フォローを行います。

 

②戦略

イ.シナリオ分析(期間)

 当社グループでは、気候変動による社会の変革、政策や規制の変更、市場の変化等が自社グループに与える影響を調べるために、中期、長期の期間に分けて、シナリオ分析を実施しました。

 

区分

期間

目標年

背景

中期

~10年

2030年

2020年パリ協定が求める目標年2030年までの期間、社会がカーボンニュートラルに移行することが可能となるかどうかがポイントとなる時期に相当すると考えられる。特に認識すべきリスクは、移行リスク(低炭素経済への移行に関するリスク)。

長期

10~30年

2040年

日本を含むほぼすべての先進国、多くの国際機関、主要な企業がカーボンニュートラルを実現する目標として掲げている2050年までの長期的な視野に立った期間。当社は、2040年を目標年と定めて、前倒しで達成する。特に認識すべきリスクは、物理的リスク(気候変動による物理的変化に関するリスク)。

 

ロ.シナリオ分析(設定)

 シナリオ分析を実施するに際しては、TCFD提言を踏まえ、国際エネルギー機関(IEA)等が公表するデータ等参照し、「2℃シナリオ」と「4℃シナリオ」の2パターンで検討を行いました。

 2030年までは、「2℃シナリオ」、「4℃シナリオ」でほぼ同様の気温変化で推移しますが、2030年以降はシナリオ間の差が拡大するものと見込まれています。各シナリオにおいては、2030年に顕在化すると見込まれる移行リスク(低炭素経済への移行に関するリスク)と2040年時点での物理的リスク(気候変動による物理的変化に関するリスク)の観点から、分析を実施します。

 

 

ハ.シナリオ分析(前提)

 

項目

期間

2℃シナリオ

4℃シナリオ

移行リスク

カーボンプライシング(炭素税)付加・上昇

中期

高額な炭素税が導入されて、商品・サービス価格が上昇、施設利用に関する費用が増加。排出権取引も活発になる。

現状程度のカーボンプライシングに留まり、炭素税付加の動きは低調。排出権取引も現状並みを維持。

再生可能エネルギー導入

中期

再生可能エネルギー利用が一般的となり、導入コストが大幅に上昇する。

再生可能エネルギーと化石燃料を併用。

気候変動に対応するシステムやサービス提供の遅延

中期

環境対応、環境性能がサービス利用の基準となり、非対応は衰退する。

環境対応がサービス利用における重要な判断材料となり、競争上優位を保つ。

対応の遅れによる評判低下

中期

~長期

機関投資家による投資の対象外となり、金融機関からの資金調達にも支障が出る恐れ。

機関投資家による投資の判断材料の一つとなる。金融機関からの調達コストが上昇する恐れ。

物理的リスク

自然災害増加

~長期

異常気象による災害が発生、稀に激甚化するものの、頻発ではない。

激甚災害が多発、集中豪雨や大型台風が頻発する。被災による復旧費用が大幅に増加、防災が重要課題。

気温上昇

~長期

平均気温が上昇するものの、4℃シナリオほどではない。省エネ対応がさらに進む。

平均気温が上昇することで、猛暑日が大幅増、空調の利用頻度が大幅に増えて、コスト負担が増加する。

 

 

二.シナリオ分析(対象事業)

 当社グループが展開する事業は「情報処理サービス」と「システム開発サービス」で売上高の約96%を占めています。

 2023年度は、気候変動の影響を受けやすいデータセンター運営を抱える情報処理サービスを対象にTCFD提言に基づく「2℃、及び4℃の気温上昇」にてシナリオ分析を行いました。

 当社グループの電力使用の99%がデータセンター由来であることから、「情報処理サービス」のみを分析対象としております。

 

 

2℃シナリオ

4℃シナリオ

影響

財務インパクト

影響

財務インパクト

情報処理

サービス

・多額の炭素税が課されることにより、化石燃料由来の電気料金は大幅上昇。電力使用による原価コストが嵩み、データセンター("DC")運営コストが上昇する。

・省エネ対応機器、空調機器、環境対応等の設備投資コストが増加する。

・激甚災害、気温の上昇等の影響により、DCの運営コストが嵩むと共に、DCの運営そのものが出来なくなる懸念あり。

・省エネ対応機器、空調機器、環境対応等の設備投資コストが増加する。

システム開発サービス

・電気料金の高騰により、開発現場の電気料金等の費用増加が見込まれる。

・但し、同サービスにおける使用電力は、DCが消費する電力量と比較すると極僅かであることから、電気料金によるコスト増の影響は相対的に大きくない。

・電気料金の高騰により、開発現場の電気料金等の費用増加が見込まれる。

・但し、同サービスにおける使用電力は、DCが消費する電力量と比較すると極僅かであることから、電気料金によるコスト増の影響は相対的に大きくない。

 

ホ.リスク分析(情報処理サービス)

項目

リスクファクター

2℃シナリオ

4℃シナリオ

概要

財務インパクト

概要

財務インパクト

移行

リスク

(2030年)

カーボンプライシング(炭素税)付加・上昇

サーバーや機器の価格上昇、電気料金上昇を価格転嫁できないリスク

サーバーや機器の価格上昇、電気料金上昇を価格転嫁できないリスク

再生可能エネルギー導入

調達がままならずバリューチェーンから締め出されるリスク

調達がままならずバリューチェーンから締め出されるリスク

気候変動に対応するシステムやサービス提供の遅延

技術の変化や新たなサービス領域への進出が遅れるリスク

技術の変化や新たなサービス領域への進出が遅れるリスク

対応の遅れによる評判低下

企業価値低下、バリューチェーンから締め出されるリスク

企業価値低下、バリューチェーンから締め出されるリスク

物理的

リスク

(2040年)

自然災害増加

停電増加、停電時の燃料供給が滞りDCが停止するリスク

異常気象によりDCが被災するリスク

停電増加、停電時の燃料供給が滞りDCが停止するリスク

気温上昇

空調コスト等の増加に設備投資が追い付かず価格競争力が低下するリスク

空調コスト等の増加に設備投資が追い付かずDCの維持が困難になるリスク

移行リスク:低炭素経済への移行に関するリスク、 物理的リスク:気候変動による物理的変化に関するリスク

 

ヘ.機会分析(情報処理サービス)

側面

概要

財務インパクト

2℃

シナリオ

4℃

シナリオ

資源の効率性

データセンター("DC")は大量の電力と冷却システムを必要としますが、エネルギー効率を高めることでコスト削減や環境への負荷軽減が図れます。省エネルギーシステムや冷却技術の開発や導入により、DCの運営効率を向上させることが可能となり、このような技術の提供やコンサルティングサービス等、エネルギー効率化に関連するビジネスチャンスが期待できます。

エネルギー源

再生可能エネルギーの利用が求められる中、DCは再生可能エネルギーへの移行を促進する役割を果たすことができます。再生可能エネルギー発電所との提携や、再生可能エネルギーを導入することで、クリーンエネルギーを利用したDCとしてサービス提供が可能となります。さらに、エネルギー供給業者との連携や電力取引プラットフォームの構築により、DCがエネルギー市場に参入するチャンスも期待されます。

製品/サービス

DCは企業や組織のデータ管理やクラウドサービスを提供する役割を果たしています。気候変動リスクの高まりにより、DCを利用した災害対策やビジネス継続性プランの重要性が高まります。強力な災害復旧サービスやデータバックアップソリューションの提供、セキュリティ対策の強化等、気候変動によるリスクに対応するサービスへの需要の増加が期待できます。

市場

気候変動対策が企業や組織の重要な課題となる中で、企業は持続可能なビジネスモデルへの進化が求められています。DC事業者は、クライアントに対してエネルギー効率や持続可能性に関するデータやレポートを提供することで、環境負荷の削減や持続可能なビジネス戦略の支援を行うことが可能です。また、持続可能性指標に関するデータの収集・分析、報告ツールの提供等、市場における環境関連サービスの需要も拡大することが想定されます。

強靭性(レジリエンス)

企業は気候変動による自然災害に対する強靭性(レジリエンス)の向上が求められます。DC事業者は、DCの設計や運営を通じて、地震や洪水等の災害リスクに対する対策を講じることができます。強固なインフラストラクチャの構築や災害対応プランの策定、バックアップ施設の提供等、強靭性を高めるためのサービスやソリューションへのニーズが高まることが想定されます。

 

 

ト.対応

想定されるリスク

時間軸

リスクに対する対応策

カーボンプライシング
(炭素税)付加・上昇

中期

2023年度から再生可能エネルギー由来の電力をデータセンター("DC")に導入しました。引き続き再生可能エネルギー由来の電力への依存度を高めて、化石燃料への依存度を低下させることで、炭素税の影響を低減する方針です。

再生可能エネルギー導入

中期

2023年度から再生可能エネルギー由来の電力をDCに導入しました。2024年度は、DCに太陽光発電等の導入を進め、グリーン対応を促進します。将来的には、再生可能エネルギー源が枯渇する恐れがあることから、オフサイト電源の導入は、長期契約で安定的な調達を目指します。

気候変動に対応するシステムやサービス提供の遅延

中期

DCのグリーン化を早期に実現することで、環境対応のシステム導入やサービス展開を早期に実現、リスク低減を図ります。

対応の遅れによる評判低下

中期~長期

DCのグリーン化を前倒しで実現することで、対応の遅れによる評判の低下の可能性を低減させます。

自然災害増加

~長期

DCバックアップ電源の強化(発電機追加、燃料タンク増強等)を実施すること等の施策により、自然災害への抵抗力を高めて、影響を軽減化します。

気温上昇

~長期

DCの冷房能力増強を図ること、及び機器メンテナンス、更新を定期的に実施することで、気温上昇への対応能力を増強します。

 

 

③リスク管理

イ.リスクの特定・評価プロセス

 当社グループでは、TCFD宣言に基づくシナリオ分析を通して、気候変動関連の重要なリスクと機会について、特定を行い、状況の把握と評価を実施しております。また、毎月定例で開催される、業務リスク管理を行うリスク管理委員会において、SDGs推進室が担当部署として気候変動関連リスクと関連性の高いオペレーショナルリスクの評価・判定も行っております。

 

ロ.リスクの管理プロセス

 年2回開催されるSDGs推進委員会において、全体リスクの見直し、実施状況を把握して、グループ全体の環境戦略に反映をしております。また、SDGs推進室は、SDGs推進委員会で把握したリスクに対して、関連部門、関連部署との連携を図り、対処していきます。

 

ハ.経営におけるリスクコントロール

 発生したリスクや課題について、SDGsを担当する役員、SDGs推進室が内容を把握し、速やかに経営陣に報告をいたします。経営陣及び取締役会は、報告に対して管理監督を行い、必要に応じて、指示、命令を行うことでリスクや課題に対応しています。

 

 

④指標及び目標

 

2030年度

2040年度

指標と目標

当社グループによる温室効果ガスの排出量(Scope1,2)を2022年度対比で50%以上削減する。

当社グループのバリューチェーン全体の温室効果ガスの排出量を100%削減する。

具体的な対応

(1)自社データセンター("DC")で使用する電力の一部を再生可能エネルギー由来の電力に切り替える(KPI:2025年度は2022年度比で30%以上削減)。
(2)太陽光発電等のオンサイトPPAを導入する(2024年度)。
(3)省エネ化、機器の発熱抑制等(PUE*1.40を達成する水準)。

(1)当社グループとして、効果的な戦略を立て、再生可能エネルギーの利用を更に推し進める(追加で再生可能エネルギーの導入を進める)。
(2)自社DCで使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力に切り替える。

Scope3の対応:当社グループ全体のバリューチェーンからの排出量を調査して、2040年度中に対応方針を決定する予定。

*)PUE(Power Usage Effectiveness): データセンターの電力使用効率を示す指標。 データセンター全体の消費電力を、サーバ等のICT機器の消費電力で割った数値。

 

 

⑤温室効果ガスの排出(過去データ)

 

⑥再生可能エネルギーの導入計画

 

(2)人的資本・多様性に関する取り組み

 前述のとおり、当社は今後もさらに成長を続ける企業であり続けるために多彩な人材と情報技術やサービスを通じて、経済価値、社会価値、環境価値を創出し、豊かな社会づくりに尽力してまいります。実現のための当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下の通りであります。なお、内容についてはグループにおける記載が困難であるため、提出会社における内容を記載しております。

 

 当社は、「情報技術で新しい仕組みや価値を創造し、豊かで幸せな社会の実現に貢献する」という企業理念に基づいた人材投資戦略に取り組みます。

 

 

 当社の人材投資戦略では、上述の企業理念のもと、「社員は経営における最大の財産である」と捉えています。社員が常に挑戦し、変化に対応できる環境を整えるため、「人材開発」「多様性の確保」「社内環境整備」に取り組み、これを人材確保と生産性向上に繋げて、業績規模の持続的な成長拡大を目指します。

 

 

①人材開発

 人材開発においては、常に挑戦、変化し、顧客の利便性を追求する高い技術を有し、高度な専門知識をもって課題解決にあたることができる人材を育成することを方針として以下の各種施策に取り組んでおります。

 

イ.積極的・効果的な採用(新卒・中途)

 お客様からのニーズに応え続けるために長期的な労働力の確保及び優秀な人材の定着は、重要な経営課題であると考えています。激化する人材獲得競争の中、優秀な人材を採用するための採用活動の強化を進めてまいります。また、新卒採用に加えて、即戦力として活躍する人材を迎え入れる中途採用も積極的に実施しています。当連結会計年度においては、社員が知人や友人を紹介できるリファラル採用制度を取り入れ、既に多くの採用実績が出ています。今後も、様々な採用チャネルを活用し、積極的・効果的な採用活動をおこなってまいります。

 

ロ. 充実した研修制度及びキャリア支援

 新入社員研修に始まり、年次別研修・幹部育成研修等の階層別研修や、技術研修まで多岐にわたる研修を実施しています。社員に対し、網羅的に充実した研修を用意し、若手からシニアまですべての世代が活躍できることを目指しています。

 また、社員の自律的なキャリアアップを支援する制度として、他部門や他職種へのキャリアチェンジを希望する社員が自ら手を挙げて挑戦することができるキャリアチャレンジ制度や社内のキャリアカウンセラーが全社員と年1回のキャリア面談を行うキャリアカウンセラー制度を導入し、キャリア相談の機会を設けています。

 「社員が安心感を得て、それにより挑戦が促される。」心理的安全性を高める環境を社員に提供することで定着率を向上させることができると考えています。定着率の向上に繋がる取り組みを今後も積極的に導入・実施してまいります。

 

 

ハ.成長を促す資格取得奨励金制度

 社員の技術力向上は企業の成長に欠かすことができません。そのため、当社では新入社員研修内での基本情報技術者試験実施を手始めに、各種資格取得奨励金制度を導入し、社員の自己研鑽を全面的にバックアップし、スキルアップをサポートしています。

 

 

二.社員の働きがいにつながる人事評価制度

 当社は、会社の成長に向け「公正」かつ「社員の働きがいにつながる」人事制度の構築と運用を目指し、2022年4月に評価制度を刷新しました。新制度では、会社への貢献度をより重視し、若手社員の定期更改額の増加に加え、メリハリのある評価制度による賞与・定期更改額の決定の仕組みを導入し、従来以上に貢献度を重視し、成果に正しく報いる人事評価制度としています。

 また、継続的な賃上げにも取り組んでいます。従業員の能力開発やスキル向上等を通じて生み出した収益・成果に基づいて、「賃金決定の大原則」に則り、自社の状況を踏まえた適切な方法による賃金の引上げを行い、持続的な還元を目指しています。

 

②多様性の確保

 女性や外国人材等多様な価値観を持つ社員が生み出すシナジーに大きな期待を寄せています。ダイバーシティ推進室を設置し、性別・年齢・国籍・障がい・性的指向・性自認・価値観・結婚や子供の有無、働き方に関わらず多様な人材の能力や個性を戦略的に活かすことで、当社が50年以上かけて培ってきたデータセンター事業等の情報処理サービスやシステム開発サービス等の多種多様なビジネスを更に発展させることを目指しています。

 

イ.女性活躍

 前連結会計年度に掲げた、2026年3月末までに女性管理職比率を12.0%とする目標を達成すべく、女性人材の育成を実施し、当連結会計年度においては8.7%(前期比2.4%増)となりました。これは、新卒採用時の女性採用比率40%維持や、管理職候補である女性リーダー層の育成、選抜型の次世代管理職育成研修において性別を問わない人選の実施等を積極的に行ってきたことによるものです。今後も、公平な人材採用・登用を行い、女性管理職の割合を向上してまいります。

 

役職別女性比率の目標と推移

 

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2026年3月

(目標)

管理職

4.9%

4.8%

6.3%

8.7%

12.0%

リーダー層

23.6%

25.4%

26.7%

22.4%

一般職

34.4%

37.4%

37.7%

35.4%

新人

45.3%

50.0%

48.9%

33.3%

40.0%

全社員

25.5%

26.8%

27.0%

25,4%

(注)グループにおける記載が困難であるため、提出会社における状況を記載しております。

 

 また、労働者の男女の賃金の差異については、2026年3月末までに労働者の男女の賃金の差異を75.0%とすることを前連結会計年度に目標として掲げており、当連結会計年度においては、71.1%となりました。

 

(注)グループにおける記載が困難であるため、提出会社における状況を記載しております。

 

 前連結会計年度より微減しておりますが、これは、当社全体の女性の人数を増やすことができたものの、若年層が多いことから賃金差異がやや広がったものと考えています。前述の女性管理職比率の向上は、男女の賃金の差異にも大きな影響を及ぼすことが期待できるため、過渡期として捉えております。

 

ロ.仕事と生活の両立支援

 多様な人材が、それぞれのライフステージに応じた働き方を選択できるよう、社内環境を整備しています。育児との両立支援においては、性別に捉われない育児休業取得推進を目指し、前連結会計年度に掲げた目標である男性の育児休暇取得率70%を達成すべく、環境整備を実施し、当連結会計年度においては70.6%(前期比15.0%増)となりました。これは、本人や家族、上司の心構えや当社の支援制度等を網羅したガイドブック「育児と仕事の両立ガイドブック」の作成、周知や、希望する社員に育児休業を取得させることを義務とした制度の実施等によるものです。また、介護や育児を目的に利用が可能な時差勤務制度を創設し、仕事と生活の両立の支援により一層取り組みました。各種の取組が評価され、改正次世代育成支援対策推進法に基づく特例認定企業として、『プラチナくるみん』の認定を取得しております。

 

(注)グループにおける記載が困難であるため、提出会社における状況を記載しております。

 

 当連結会計年度において、男性労働者の育児休業取得率の目標を達成することができたため、目標の見直しも含め、今後は更なる取得率向上のための施策を検討してまいります。

 

ハ.障がい者雇用

 当社は、2009年に特例子会社の株式会社アイネット・データサービスを設立し、障がいのある方が、その能力と適正に応じた職業に就労し、自律した生活を送ることができる社会の実現に向けた支援を行っています。同社では、障がいを持つ方々を正社員として雇用し、データ入力やスキャニング等、アイネットグループの本業である情報サービス業に従事していただいている点が大きな特徴です。

 障害者雇用促進法で定められている民間企業の法定雇用率は当連結会計年度においては2.3%であり、2024年4月に2.5%に引き上げられています。アイネットグループの障がい者雇用率は2024年3月時点において2.6%となっており、法定雇用率を充分に上回る基準を満たしています。引き続き、より多くの障がい者の方を雇用するため、そして障がい者の方が働きやすい環境を作るための取組みを進めてまいります。

 

ニ.外国人活躍

 当社では、外国人人材が活躍しています。今後、新卒採用・中途採用において外国人人材をさらに積極的に採用すること、そして管理職向けのダイバーシティ研修や外国人人材同士の交流の場を提供する等、外国人人材の定着化に向けて効果的な施策を実施してまいります。

 

ホ.LGBTQ

 LGBTQの理解促進は、多様化が加速する次世代人材の確保に欠かせない取り組みの一つであると捉えています。当社は、従業員の同性パートナーを配偶者とみなすパートナーシップ制度の導入や、セクシュアリティに関する相談窓口の設置、当事者への支援についての対応ガイドラインの策定、LGBTQに関する基礎知識の習得を目的とする社員研修、新卒採用のエントリーシートの性別記入欄に「無回答」の選択肢を追加、性別や慣習によらない服装を選べるオフィスカジュアル等を実施しています。各種の取組が評価され、LGBTQ等の性的マイノリティに関する取組みに関する指標であるPRIDE指標において、最高評価である「ゴールド」を2年連続で受賞しました。

 

ヘ.人権

 当社は、法令遵守・基本的人権を尊重し、差別的な取り扱いを行わない、セクハラ・パワハラ等の各種ハラスメントによる人格を無視する行為をしないことを定め、人権尊重に関する指針としています。

 

③社内環境整備方針

 当社は、多様な人材が最大限に力を発揮し、生産性を上げて働くことができる環境・制度の整備を行います。

 なお、当社の人事部門は人材投資に係る各種リスクについて、定期的に取締役会及びリスク管理委員会に報告し、適切に管理しております。

 

イ.働き方改革

 当社は、社員が居場所を感じながら安心して働くことができる心理的安全性の高い労働環境をつくるため、ワークスタイルの変革を推進しています。

a.テレワーク

ワークライフバランスの観点からテレワーク制度を取り入れています。テレワーク実施のための取り組みとして、在宅勤務手当の支給、ガイドラインの制定を行っています。

b.有給休暇取得

当社では、全社員が有給休暇を10日取得することを目標として掲げており、有給休暇取得平均日数は当連結会計年度において16.7日となりました。当社は今後も法定時間外労働時間の短縮に取り組み、働き方改革に積極的に取り組んでまいります。

 

ロ.健康経営

 当社は、社員が心身ともに健康であることが、持続的な企業価値向上の源泉であると考え、社員の健康増進を支援する健康経営を積極的に推進しています。経営課題である「社員ひとりひとりの生産性向上」、「サービス力の向上」の解決につながる健康課題を特定し、その課題解決を健康の保持・増進に関する取り組みに落としこんだ、「戦略マップ」を策定しています。戦略マップに則り、プレゼンティーズムの低減、アブセンティーズムの低減、ワークエンゲージメントの向上を目標指標と掲げて健康経営を進めています。各種の取り組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で選出する「健康経営優良法人2024~ホワイト500~」に6年連続で認定されています。

 

ハ.福利厚生を含む待遇の充実

 当社の持続的成長に基づく、賃金以外の総合的な還元施策として、従業員のエンゲージメント向上に資する福利厚生の充実を図っています。福利厚生は、社員の属性やライフスタイルによらない公平な提供に心がけ、選択型の福利厚生サービス中心の運営としています。

 また、当社は、従業員持株会制度の充実にも取り組んでいます。従業員持株会は社員の経営への参画意識を高め、株主の皆様と中長期的な企業価値を共有することに繋がる制度であると捉えています。全社員の8割以上が従業員持株会に加入しております。

 福利厚生における各種の取り組みが評価され、福利厚生充実に取り組む法人を表彰する、株式会社労務研究所が主催する「ハタラクエール」最優秀賞を2年連続で受賞しています。

 

 

④指標及び目標

 当社では上記において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。

 

当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性管理職の割合

2026年3月までに12%

8.7%

男性労働者の育児休業取得率

2026年3月までに70%

70.6%

労働者の男女の賃金の差異

2026年3月までに75%

71.1%

(注)指標及び目標については、グループにおける記載が困難であるため、提出会社における状況を記載しております。