リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)金利変動リスク
当社グループのコア事業である自動車リース関連事業における自動車リースにおいては、その取引の特性から有利子負債により多額の資金調達を行っているため、金利が上昇した場合、資金調達コストが増加し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループでは金利上昇リスク等について常に分析・検討を行い、その結果に基づき財務戦略を立案・執行し、金利動向を踏まえた最適な調達を行っております。
また、変化の激しい資金調達環境の中、内部留保の充実による企業体質の更なる強化を図り、格付の維持・向上に取り組んでおり、徹底したリスク管理の実践と資金調達コストの低減を図っております。
回次 |
第58期 (2020年3月期) |
第59期 (2021年3月期) |
第60期 (2022年3月期) |
第61期 (2023年3月期) |
第62期 (2024年3月期) |
|
売上高 |
(百万円) |
98,715 |
112,618 |
120,644 |
127,822 |
138,253 |
売上原価 |
(百万円) |
76,407 |
87,791 |
93,910 |
100,001 |
108,478 |
(資金原価) |
(百万円) |
(295) |
(308) |
(325) |
(328) |
(394) |
売上総利益 |
(百万円) |
22,307 |
24,827 |
26,733 |
27,820 |
29,775 |
営業利益 |
(百万円) |
6,877 |
7,516 |
8,623 |
8,861 |
9,045 |
経常利益 |
(百万円) |
6,948 |
7,513 |
8,728 |
9,102 |
9,460 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
(百万円) |
4,426 |
3,015 |
5,646 |
5,923 |
12,253 |
回次 |
第58期 (2020年3月期) |
第59期 (2021年3月期) |
第60期 (2022年3月期) |
第61期 (2023年3月期) |
第62期 (2024年3月期) |
|
短期借入金 |
(百万円) |
6,720 |
8,300 |
4,350 |
4,300 |
4,400 |
コマーシャル・ペーパー |
(百万円) |
3,000 |
3,500 |
3,500 |
3,500 |
2,000 |
1年内償還予定の社債 |
(百万円) |
260 |
5,260 |
260 |
5,260 |
5,230 |
1年内返済予定の長期借入金 |
(百万円) |
15,777 |
20,856 |
20,042 |
20,571 |
21,536 |
社債 |
(百万円) |
12,010 |
6,750 |
16,490 |
11,230 |
16,000 |
長期借入金 |
(百万円) |
47,955 |
51,991 |
52,386 |
51,568 |
58,381 |
小計<A> |
(百万円) |
85,722 |
96,657 |
97,029 |
96,429 |
107,547 |
総資産<B> |
(百万円) |
149,228 |
161,948 |
168,507 |
171,888 |
202,606 |
<A>/<B> |
(%) |
57.4 |
59.7 |
57.6 |
56.1 |
53.1 |
(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第60期の期首から適用しており、第60期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2)与信リスク
当社グループの自動車リース関連事業におけるリース取引では、リース期間が比較的長期(3~5年程度)にわたることから、景気変動やその他の事由によって取引先の業績悪化や倒産を招き、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これにつきましては、取引開始時等に厳格に審査を行い、取引先毎に与信限度額を設けるとともに、取引開始後についても随時業況を注視の上必要な対応を行う等、与信管理体制を整えており与信リスクの極小化を目指しております。
また、当社グループの他の取引におきましても、取引金額の大きな取引先の業績悪化や倒産などにより、当社グループの経営成績に影響を与える場合があります。
これらにつきましても、取引内容に即した与信管理規程を策定し、与信限度額を設けるなどの与信管理体制を整え、リスクの極小化に努めております。
(3)制度変更リスク
当社グループは、現行の法律・税務・会計等の制度や基準をもとに自動車リース関連事業を始めとする各事業を展開しております。これらの諸制度や基準が将来大幅に変更された場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、諸制度や基準の変更に備え、様々な情報収集及び検討を行っておりますが、その中でも国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)の適用が義務化された場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原油価格変動によるリスク
当社グループでは、原油の市況変動が以下の各事業の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
自動車リース関連事業のリース及び自動車メンテナンス受託においては、原油を主原料とするタイヤ・エンジンオイル等のメンテナンス消耗部品の仕入価格が上昇した場合に、メンテナンス原価が上昇することによって、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、同事業の燃料販売においては、ガソリン・重油等の仕入価格の上昇に対して販売価格の改善が図れなかった場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ケミカル事業においては、原油を主原料とする原材料等の仕入価格の上昇に対して、製品販売価格の改善が図れなかった場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ各事業においては、随時仕入価格の変動状況を注視して販売価格の決定を行っており、原油価格変動によるリスクを最小限に抑えるよう努めております。
(5)競合に関するリスク
当社グループの主要取引である自動車リースは、数多くの同業他社との競争下にあります。当社グループは他の大手オートリース会社の主要顧客とは異なり、中小口規模の企業を主なターゲットとしております。また、メンテナンスにおける強みを活かしたサービスにより、同業他社との差別化を図っております。
しかしながら、今後当社グループの顧客層への新規参入及び競合他社との過度な価格競争等が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)流動性及び資金調達に関するリスク
当社グループは、事業資金を主に金融機関からの借入や資本市場からの調達(社債、コマーシャル・ペーパー等)によって賄っております。当社グループではコミットメントライン枠の設定等適切な対応策を講じておりますが、金融市場に混乱が生じる、又は銀行の貸出姿勢の変化等により、資金の安定的な確保が難しくなる場合は、新規契約の縮小等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)残価リスク
当社グループのリースのほとんどは自動車リースであり、契約満了後の自動車については中古車市場で売却を行っております。契約当初の自動車の見積残価は、過去及び現在の中古車市場の動向を勘案し、適切でなおかつ保守的な見積残価を設定しております。しかし、中古車市場の状況によっては、実際の処分額と想定した価額との差が大きくなり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)遊技機業界に対する法的規制、自主規制について
当社グループの合成樹脂事業が行っている遊技機メーカーへの合成樹脂製品の販売は、直接的に法的規制を受けておりませんが、遊技機メーカーは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、「国家公安委員会規則」(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)による法的規制を受けています。また、当社の製品の最終ユーザーである遊技場は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の許認可及び「都道府県条例」の規制を受けています。さらに、過度な射幸性を抑制する目的から、遊技機メーカー、遊技場、販売業者に対して業界団体が自主規制を行う場合があります。
これら規制により遊技機の需要が変化することに伴い、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)為替リスク
当社グループのケミカル事業、機械工具販売事業及び農業関連事業におきましては、外貨建での輸入仕入取引があります。
当社グループは、為替予約等による為替リスクヘッジに努めておりますが、急激な為替レートの変動が、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)M&A及び新規事業への参入に係るリスク
当社グループは、コア事業の規模の拡大、又は現在のコア事業以外の分野で柱となる事業を育成すべく、新規事業への進出を含めたM&Aを推進しております。M&Aにあたっては、一定期間の収益の合計額がのれんの金額を上回ることが見込まれ、M&A実行の直後から当社グループの経営成績に寄与することが見込まれること等を事前に精査した上で対象先の選定を行っておりますが、当初想定した効果を生まない可能性があります。また、そのような場合はのれんの減損処理等が発生することで、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)海外への事業展開に係るリスク
当社グループは、海外において事業を展開しているため、海外子会社の進出国における政情、経済、法規制、租税制度及びビジネス慣習等の進出国固有の影響により、事業の遂行が継続困難になった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)品質に関するリスク
当社グループは、品質管理には万全を期しておりますが、万が一、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が発生した場合は、多額のコストが発生し、当社グループに対する評価に重大な影響を与え、それにより当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)気候変動リスク
当社グループでは、地球温暖化をはじめとした世界的な気候変動がもたらす大規模災害による被害や原材料・製商品等の物品調達への影響により、当社グループの事業活動に影響を及ぼされる可能性があります。また、気候変動に対する規制強化や制度変更により、原材料、エネルギー等様々なコストが上昇する可能性があり、これらが当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは、気候変動に伴うリスクに対しては、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会を中心に課題の抽出や対策の議論を行い、それらを取締役会が監視・評価・管理する体制を構築しており、当該リスクに適切に対応してまいります。
(14)その他
当社グループでは、事業運営上、事務処理ミス、不正行為、法令違反、システムダウン、システム障害、情報流出、災害の発生、風評の発生、テロや戦争など世界情勢の変化、人材の確保及び育成、労働安全衛生に係る問題、サプライチェーン上の人権等様々なリスクがあることを認識しております。当社グループは、それらのリスクに対しできる限り回避あるいは低減するよう適切な管理に努めております。しかしながら、当社グループが事業を遂行するに当たり、これらのリスクは、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営政策のひとつとして位置付けており、業績に裏付けられた成果の配分を安定的かつ継続的に行うことを基本方針としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
配当金につきましては連結業績を基本とする配当方針としております。配当性向は20%から30%程度とすることを目標として検討しております。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき1株当たり60円(うち中間配当30円)の配当を実施することといたしました。
内部留保資金につきましては、価格競争力の向上や市場ニーズに応えるサービスの更なる充実に必要な投資等に活用し、企業体質と企業競争力の強化に取り組んでまいります。
当社は「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2023年11月6日 |
721 |
30.00 |
取締役会決議 |
||
2024年6月18日 |
721 |
30.00 |
定時株主総会決議 |