リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)市場動向について
当社グループを取り巻くマーケット環境は、IoTやクラウドシフトの加速、生成AIの実用化、サイバーセキュリティ需要の拡大等、持続的な成長を支える構造的な変化が進展しています。これらの技術革新により、IT関連の需要は今後も堅調に推移するものと見込まれます。一方、国内経済においては、賃金引き上げ等による所得環境の改善が期待されるものの、原材料費の高騰等を伴う物価上昇の影響により、実質賃金の低下が続いており、個人消費は足踏み状態が続くことが予想されます。さらに、ウクライナ・中東・東アジアにおける地政学リスクや、米国の関税措置の影響等により、世界経済の不透明感は一層強まっております。このような外部環境の変化によって、お客様のIT投資における実行時期や規模が急激に変動した場合、または価格競争が激化した場合には、当社グループの売上高や利益率に悪影響を及ぼすことが懸念され、経営成績および事業展開にも支障をきたす可能性があります。
(2)人材の確保について
当社グループの事業は、ソフトウェア開発、組込みソフトウェア開発、LSI設計技術、ネットワーク技術等多くの先端技術に深く関連しています。変化の激しいIT業界では技術者に常に高いスキルが求められています。これら技術の知識と経験を兼ね備えた人材の確保を経営の最優先課題と捉えており、新卒・中途を問わず技術者の採用に努めております。しかしながら、少子高齢化の影響により中長期的には労働人口が減少する傾向にあり技術要員の確保が一層難しくなっております。DX化による新ニーズの出現や生成AI、ロボット等の技術革新によって必要とされる技術や能力のレベルが高まっており、人材の確保・育成が想定通りに進まない場合、お客様からの要求に対して必要な知識と経験をもった技術者を十分に提供できないことにより、受注機会を逸することが考えられ、当社グループの経営成績及び事業展開に悪影響を与える可能性があります。
(3)プロジェクトの運営について
開発案件等を請負契約で受注した際のプロジェクト運営においては、「要求の正確な把握」「適正な見積」「担当技術者のレベル」「スケジュールの妥当性」「完成品の品質」「テストの有効性」などといった要因が、プロジェクトの成否や採算性に大きな影響を与えます。プロジェクトマネジメントの巧拙や、作業の過程において仕様の変更や何らかのトラブルが発生することにより、予め見積もっていた費用を上回る大幅な超過コストの発生や納期遅延による損害金が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績及び事業展開に悪影響を与える可能性があります。
(4)個人情報や特定個人情報及び秘密情報の漏洩事故によるリスク
当社グループでは、個人情報や特定個人情報及び顧客情報などの秘密情報を取扱う場合があります。こうした情報資産を守るためにプライバシーマークやISMSの認証取得を通じた意識の改善や情報セキュリティ規程を整備するなど社員一人ひとりに対する教育・研修を行い、情報の重要性を理解させています。しかしながら、万が一個人情報や特定個人情報及び秘密情報が外部に漏れる事態になった場合、信用失墜による売上の減少など当社グループの経営成績や事業展開に悪影響を与える可能性があります。こうした事態に備え個人情報保護保険に加入しておりますが、状況によっては保険金を上回る損害賠償請求による費用の発生等が起こる可能性があります。
(5)サイバー攻撃に伴う情報漏洩リスクとシステムダウンリスク
サイバー攻撃が世界的に活発化しております。特定の組織内の情報を狙って「標的型攻撃」としてマルウェアなどの不正プログラムが送りつけられて情報が漏洩する、あるいは、身代金を要求するランサムウェアなどによってネットワークが暗号化されてシステムが利用不能となる可能性があります。こうしたサイバー攻撃への対応としては監視システムの導入やメール訓練を毎月実施するなど徹底したセキュリティ教育を実施しております。また、万が一サイバー攻撃に起因する損害を受けた場合に備え保険に加入しておりますが、保険金を上回る損害賠償請求による費用の発生等が起こる可能性があります。
(6)自然災害等のリスク
当社グループにおきましては、地震、津波、火山活動等の自然災害、パンデミックの発生、ならびに外国からの武力攻撃、テロ行為等の人為的事象による影響を想定し、従業員の安全確保および建物・設備・情報システム等の保全を目的として、事業継続計画(BCP)の見直しを適宜実施しております。しかしながら、かかる事象に起因する被害が甚大であった場合には、当社グループの事業活動が一時的に停止する等、業績および今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は株主の皆様への利益還元を経営の重要な課題であると位置付けており、配当決定に当たっては、連結業績を基準に、配当性向40%を目途に配当を行うことを基本方針としております。また、内部留保資金につきましては、経営環境の変化や技術革新に備えるとともに、パッケージソフトウェアの開発及び技術力向上のための人材育成投資、社内DX推進に向けたインフラの整備など、持続的成長に向けた投資を行ってまいります。
当社は、期末配当として年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
この剰余金の期末配当の決定機関は、株主総会であります。
上記方針に基づき、当期については、2025年4月30日「2025年3月期配当予想の修正に関するお知らせ」で開示いたしましたとおり、1株につき124円の普通配当といたします。この結果、連結ベースでの配当性向は40.1%となりました。
内部留保金につきましては、今後予想される経営環境の変化や技術革新に備えるとともに、パッケージソフトの開発及び技術力向上のための人材育成投資、社内DX推進に向けたインフラの整備など、持続的成長に向けた投資を行ってまいります。
なお、中期経営計画「Blue Wind ChapterⅡ」においても、「事業の強靭化」「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)への取組み」「人と組織の強靭化」を重点課題としており、資本効率向上及び各ステークホルダーとの関係強化を図ってまいります。配当性向に関しては、当期の配当性向40%を目途の基本方針から、中期経営計画の最終年度の目標を1年前倒しで2026年3月期には配当性向50%を目指してまいります。
当社は「取締役会の決議により、毎年9月30日の株主名簿に記載または記録された株主もしくは登録株式質権者に対し、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
(注)当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2025年6月27日 |
750 |
124 |
定時株主総会決議(予定) |