2023年9月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1) 少子化の進行

学習塾は、少子社会の影響を直接受ける業界です。当社が事業展開する神奈川県においても今後10年余りを取り出すと、15歳人口は現状の約7.8万人から約7.2万人(2030年)へと減少することが予想されています。高品質の授業と合理的で柔軟なシステムにますます磨きをかけて、縮小するマーケットの中で継続的なシェア拡大に努めますが、長期的には学習塾に通塾する生徒数が全体として減少する可能性があります。

 

(2) 人材の確保に関するリスク

当社は原則として教師は正社員として雇用し、自社で育成する方針です。したがって、人材確保又は教師の育成が計画通りに進まない場合、教師が大量に離職した場合等は、当社の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 教育制度の変更に関するリスク

入試制度や学習指導要領は時代と共に変わっていきます。直近では、2020年に大学入試制度が大きく変わりました。当社では、専門の教材開発部門を設け、オリジナル教材の作成等によってこれらの制度変更に柔軟に対応していますが、制度変更に対して柔軟な対応ができなかった場合は、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 競合に関する影響

当社では、小中学生及び現役高校生を対象とした学習塾を展開していますが、高校受験、大学受験共に、多くの競合先があります。もしも、当社の合格実績が大きく低下した場合、もしくは競合先の合格実績が相対的に大きく上昇した場合は、新規入会塾生の減少や通塾生の減少等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 塾生の安全管理

当社では、公益社団法人全国学習塾協会の定める「学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン」に準拠した「ステップに通う子どもの安全確保ガイドライン」を作成し、安全・安心な学習環境の整備、通塾状況の改善に努めています。

しかしながら、何らかの事情により当社の管理責任が問われる事態が発生し、当社の評価の低下に繋がり、これらに関する費用が増加した場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 個人情報の保護管理

当社は、社員、取引先、株主等にとどまらず、在籍生徒及びそのご家庭に関する膨大な個人情報を保有しています。これは事業の性格上、必要不可欠のものであり、従来からその収集、管理、利用に関して厳格なルールを設け、細心の注意を払ってきました。

実際、個人情報が社外に流出したり不当に利用されるといったトラブルは、現状のセキュリティー体制のもとでは、今まで一度も発生していませんが、IT技術の目覚しい進化とその悪用によって不測の事態が起こりうる可能性があります。

 

(7) 自然災害等が発生した場合のリスク

当社が教室展開している神奈川県及びその周辺地域において、大規模な地震や津波等の自然災害が発生した場合、当社の一部または全部の業務遂行が困難となったり、新規入会者が大幅に減ったりする可能性があります。

 

(8) 感染症の影響について

新型コロナウイルス等による感染症の流行、拡大により、学校が休校になる等の事態が発生した場合は、Zoomなどを活用した双方向の授業やホームルーム等、オンラインに切り替えることになります。長期にわたり対面での授業が実施できなくなった場合、生徒募集に遅れが生じるなど、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(9) 法令関連

学習塾の運営に関連する主な関連法令は、特定商取引法、消費者契約法、個人情報保護法、景品表示法、不正競争防止法、著作権法等があります。また、働き方改革の流れの中で、各種労働法令等の厳格化にも対応していく必要があり、意識的な取り組みを進めているところです。当社では、例えば特定商取引法において禁止されている誇大・虚偽広告や、不当な勧誘行為等を行わないための組織的な予防体制の構築に努めているほか、著作権法については各教師がこれを十分に理解し、著作権者の許諾をとるための作業マニュアル等の整備を行っています。しかしながら、関連する法令等に基づいて損害賠償請求等に係る訴訟等を将来において提訴される可能性を否定することは出来ず、万が一、訴訟等が起きた場合は、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社の利益配分政策は、株主還元強化のため、2023年9月期より配当性向30%を目安から配当性向50%を目安に引き上げています。

当社の利益剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としています。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会です。

当事業年度の剰余金の配当については、1株当たり72円(うち中間配当金24円)としています。この結果、当期の配当性向は49.4%となりました。

内部留保資金は、今後予想される経営環境の変化に迅速、的確に対応しながら、積極的に営業地盤を拡大、強化するために有効に投資したいと考えています。

なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定めています。

(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりです。

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

 

2023年4月27日

取締役会決議

398,771

24.00

2023年12月16日

定時株主総会決議

783,027

48.00