2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)燃料の仕入価格の変動について

 わが国のLPガスは、調達のほとんどを輸入に頼っている状況であります。そのため、当社グループの仕入価格は、国際的な政治・経済情勢等の変化による商品取引価格及び為替変動による影響を受けます。また、国内での燃料取引の需給関係によって仕入価格は変動します。仕入価格の変動は販売価格に完全に転嫁できない場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 LPガス以外の取扱商品やサービス等、事業ポートフォリオの最適化を図ります。

 

(2)他エネルギーとの競合について

 当社グループを取り巻く事業環境は非常に競争が厳しく、主力商品であるLPガスはオール電化や都市ガス等の攻勢が考えられます。そのため、当社グループのLPガスユーザーが他エネルギーへの転換により減少した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 災害時のバックアップエネルギーとしての優位性等、提案力を高めてまいります。

 

(3)季節的な変動要因について

 当社グループの主力商品であるLPガスの消費量は、気温や水温の影響を受ける(気温・水温が低いほどLPガスの消費量は増加する)ため、LPガスの販売量は夏季に減少し、冬季に増加します。そのため、当社グループの売上高及び利益は、需要期である下期に偏重する傾向を有しております。また、特異な季節変動によってもLPガスの販売量が影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 LPガス以外の取扱商品やサービス等、事業ポートフォリオの最適化を図ります。

 

 

(4)法的規制等について

 リビング事業につきましては、LPガス販売において「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」及び「高圧ガス保安法」等の規制を受けております。

 なお、2024年4月2日に「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令」が公布されました。本省令は、LPガスの商慣行の是正により取引の適正化・料金の透明化を図るための新たな規律を設けるものであり、主な改正事項として、「過大な営業行為の制限」「三部料金制の徹底」「LPガス料金等の情報提供」について規定されています。

 また、灯油等石油類の貯蔵及び設備につきましては「消防法」等の規制を受けております。アクア事業につきましては、ミネラルウォーターの製造において「食品衛生法」等の規制を受けております。医療・産業ガス事業につきましては、医療ガス及び産業ガス販売において「高圧ガス保安法」、「薬事法」等の規制を受けております。

 これらの法令の改正、規制や薬価の改定等に伴い、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 各種資格取得の奨励や社内コンプライアンス研修等による啓蒙を行っております。また、現行法改正についても対応策を検討し対処いたします。

 

(5)保安について

 当社グループが供給する高圧ガスには、可燃性・支燃性・毒性を有するものも含まれております。これらの供給においては保安の確保に万全を期しておりますが、ガスそのものの危険性を解消することは難しく、万が一、漏洩・発火・爆発等により人身や設備に多大の損害が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 各種資格取得の奨励や防災訓練、配送コンテスト等、保安に係る研修を行っております。

 

(6)品質管理について

 アクア事業につきましては、「HACCP(食品自主衛生管理認証制度)」に準じた品質管理体制により「エフィールウォーター」及び「スーパーバナジウム富士」を製造しておりますが、放射能汚染等の外的要因により品質上の問題が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 外的要因による品質上の諸問題については、その都度、専門家のアドバイスを受け対処いたします。

 

(7)固定資産の減損について

 当社グループが保有する固定資産について、経営環境の悪化による収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合は、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することになるため、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 設備投資の意思決定にあたり、利益計画に基づく設備投資の経済性計算等により十分に検討するとともに、月次での経営実績の予実管理を徹底し対処いたします。

 

(8)M&Aについて

 当社グループは、事業の拡大を図るために、M&Aを重要な経営戦略の一つとしております。M&Aの実施にあたっては、対象企業の財務内容や契約関係等についてデューデリジェンスを実施すること等により、各種リスクの低減に努めております。

 しかしながら、買収後における事業環境の変化等により、想定したシナジーや事業拡大の成果が得られなかった場合は、のれんの減損損失の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 M&Aにおけるノウハウの蓄積や専門家のアドバイス等によりデューデリジェンスの精度を上げるとともに、月次での経営実績の予実管理を徹底し対処いたします。

 

(9)BCPについて

 当社グループは、プロパンガスや医療ガス等、危険性のある高圧ガスを取り扱っております。これまで、災害・事故対策マニュアルを策定し、教育・訓練を行っておりますが、新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症の発生により対策が機能せず、当社グループの経営状況に影響を及ぼす可能性があります。

 こうした機能不全を回避すべく、IT化やリモートワーク等、BCP体制を整備いたします。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社はLPガスを主軸に産業用ガス、医療用ガス等のガス関連事業を中心とする公共性の高い業種でありますので、安定的な経営基盤の確立を図るとともに、株主へ継続的に安定した配当を行うことが重要と考えております。また、営業の展開や業績の進展に応じ適宜、記念ないし特別配当等を行って株主への利益還元に努める方針であります。

 当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。

 当社は、会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨、また、会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当等について取締役会の決議によって行うことができる旨、定款に定めております。

 当事業年度の1株当たり配当につきましては、継続的な安定配当の基本方針のもと、中間12円、期末13円、年間25円の配当を実施いたしました。

 当事業年度の内部留保資金につきましては、引き続き将来の収益安定に備えてLPガス、産業用ガス、医療用ガス等の需要増に対応した安定供給体制確立並びに保安設備充実のための投資資金に充当してまいりたいと存じます。

 なお、当事業年度の剰余金の配当は以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2023年10月26日

91,687

12.0

取締役会決議

2024年5月14日

99,328

13.0

取締役会決議