2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

リスクは業績にプラスの影響を及ぼす可能性がある「アップサイドリスク」と業績にマイナスの影響を及ぼす可能性がある「ダウンサイドリスク」から分類をしております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) アップサイドリスク(業績にプラスの影響を及ぼすリスク)

① M&Aによる成長
■リスクの内容

当社グループは2021年2月にゲームステーション事業の事業譲受、2021年7月に株式会社ホビーサーチを株式取得によりM&Aを行いました。これらM&A対象は、当社のスキル・ノウハウの導入によりバリューアップを達成し当社グループの成長に寄与しており、今後も継続的に既存事業の運営基盤の強化や新事業への進出及び国内外地域への効率的な進出に向け、中長期的にM&A等を検討していく方針です。この様に将来実施するM&Aにより、当社グループの中期的な企業価値が向上および業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

一方、M&A等の実行に際しては、M&A対象の財務リスク、人事リスク、のれんを含む各種無形固定資産が計上された場合、減損処理や想定外の償却発生等、当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスクにつきましては、投資案件毎に、投資規模、シナジーの程度、将来投資収益などさまざまな見積を行いますが、「オーガニック領域と明確なシナジーが創出可能である」または「既存のスキルおよびノウハウで確実なバリューアップが図れる」ことを判断基準としております。

■リスクの最大化に向けた対策

投資判断基準の中でも「既存のスキルおよびノウハウで確実なバリューアップが図れる」を重視し、該当する案件のみを対象とします。

体制面においては、社外取締役としてM&Aのスペシャリストを配置し、アップサイドリスク面のガバナンスを発揮します。また、案件発生時はIMO(Integration Management Office)として親会社の経営陣が直接案件に関与し、ハード面(組織・人事諸制度)及びソフト面(企業文化)のPMI(Post Merger Integration)において強力なリーダーシップを発揮することで、主たるシナジー創出の確度を高めることを想定しております。またPMI強化のため、M&A意思決定時点より統合計画を策定し、M&A後は計画進捗報告プロセスを明確化し、機動的な統合計画運用を進めます。

② 海外事業の成長
■リスクの内容

当社グループは、2019年5月にタイ王国にて現地子会社を設立し、同年7月より同国にてリユース事業を運営しております。海外リユース事業の運営に際しては、相手国の政治・社会・経済等の環境変化に起因した様々なダウンサイドリスクが発生する恐れがありますが、一方でリユース性向は高いものの市場は成熟しておらず、当社グループがビジネスモデルを確立し、事業を拡大する機会がある国や地域も存在すると考えております。そのような機会を効果的にとらえ海外事業が順調に成長した場合、当社グループの業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスクにつきましては、タイ王国においては、倉庫型店舗の1店舗当たり年間売上高、出店初期コスト、出店投資額は、既存店過去実績と同水準と仮定しております。これらの回収のためにオープン後、早期の単月黒字化を目標としております。

■リスクの最大化に向けた対策

海外事業の成長に際しては、意思決定の質とスピードを確保することが肝要であると考えております。当社グループは、親会社経営陣が機動的に現地に赴き、案件に直接関与することで、非効率な多段階決裁や社内の関係者調整を排し、海外事業における意思決定の質とスピードの最大化を図っております。特に当社でコントロール可能なコスト・投資額につきましては親会社マネジメントが、直接意思決定に関与しております。

③ ネット型リユースの成長
■リスクの内容

当社グループは、インターネットを通じて、ロードバイク等を中心にリユース品の買取・販売を行う、ネット型リユース事業を営んでおります。

ネット型リユース事業につきましては、既存事業(総合リユース事業)の取扱商材のうち、ネットと親和性の高い大商圏・高額商材を業態として独立させることで、専門性を向上させ、買取・販売の強化を図り、成長させることを企図しております。

そのような成長傾向を踏襲し、ネット型リユース事業の成長が順調に進捗した場合、当社グループの業績や財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、商材のネット型リユースへの適合性につき評価を行っております。

適合性の判断基準として、当該商材のEC市場規模、商品回転率、市場競争の程度(競合数/競合の総合的ブランド力)を用いております。

■リスクの最大化に向けた対策

中期的な拡大成長に向け、短期的には基盤構築を図っております。

ECサイトへの出品点数増加のため、出品作業計画の策定と実施を行い作業効率化を行っております。

 

(2) ダウンサイドリスク(業績にマイナスの影響を及ぼすリスク)

①重要人材のリテンション低下
■リスクの内容

当社グループは、2022年3月期の期中より、既存の経営基盤に基づくオーガニック成長と併せて、M&Aや新規事業投資による「インオーガニック成長戦略」を展開しております。成長戦略遂行に際しては、戦略の遂行に必要なポジションとその要件を明確化したうえで、ポジション要件と現有人材のスキルギャップを明らかにし、人材マネジメント(採用/育成/評価/配置)にてギャップを埋めております。ポジションによっては社内外でスキルマッチする人材が限られている場合もあり、そのような難度の高いポジションにて高いパフォーマンスを発揮できる人材(重要人材)のリテンションが低下した場合、当社グループの業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、部署別の離職率の集計結果や退職者に対する"Exit interview"から従業員の当社グループに対するエンゲージメント状況を見極め、評価しております。

■リスク最小化に向けた対策

当社グループは、重要人材のリテンションに関して、当該人材のエンゲージメントの維持・向上が非常に重要であると考えております。重要人材のエンゲージメント向上に向け、“PAY for VALUE"の原則から高い付加価値を提供する人材に高い報酬を支払う一方で、非金銭的ドライバーにも着目し、顧客への提供価値や自社の競争優位性、会社の存在意義、自社におけるキャリア形成等を社長が説明する場を定期的に設けております。

 

② 優秀人材の採用難化
■リスクの内容

当社グループは、2022年3月期の期中より、既存の経営基盤に基づくオーガニック成長と併せて、M&Aや新規事業投資による「インオーガニック成長戦略」を展開しております。「インオーガニック成長戦略」に際しては、それまでの「基盤構築フェーズ」と同様に、戦略の遂行に必要なポジションとその要件を明確化したうえで、ポジション要件と現有人材のスキルギャップを明らかにし、人材マネジメント(採用/育成/評価/配置)にてギャップを埋めております。特に採用は、自社にマッチする人材がいないポジションを充足するための手段として重要視しております。雇用環境等により採用が難化した場合、戦略の遂行が滞り、当社グループの業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、各採用チャネル(エージェント経由、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用等)における母集団の形成状況や採用プロセスの進捗状況、内定辞退率等を集計し、当社グループの採用力を評価しております。

■リスク最小化に向けた対策

当社グループは、優秀人材の採用に向けて、企業文化及び求めるポジションとのマッチングを最重要視しております。マッチングを効果的かつ効率的に見極めるために会社の現状や将来計画等を客観的な根拠とともに示した「evidence book」を活用し、優秀である可能性が高い人材に対しては、採用当初段階から社長を含めた経営陣がマッチングプロセスに積極的に関与することで、プロセスからの離脱を防ぐ等の採用戦略を進めております。

また、当社グループは、報酬・処遇において“PAY for VALUE"を原則としており、ポジションの難易度・重要性・需給状況から、年齢に関係なく高い報酬を支払うポジションも存在します。

③ 競合との競争激化
■リスクの内容

当社グループの取り扱う商品はリユース品であり、新品と異なり一般顧客からの買取が仕入の9割以上を占めております。そのため、当社グループの店舗商圏内に競合企業の出店があった場合やネット型リユースの競合企業が買取価格アップ等の大々的なキャンペーンを実施した場合、またスマートフォンによるフリマアプリの活用が当社グループの店舗商圏における顧客に顕著に浸透した場合など、商品の仕入に不足を生じる可能性があります。そのような事態が発生した場合、顧客への販売の機会損失が生じるおそれがあり、当社グループの業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、毎月個人別、店舗別の買取件数・買取金額を集計し評価しております。また、四半期に一度覆面調査による買取接客の良否を店舗ごとに数値化し、ネット型リユース、フリマアプリを含む競合他社との相対的な競争力を見積っております。

■リスク最小化に向けた対策

当社グループは、一般顧客からの買取仕入において「トコトン買取」を掲げて、多種多様な商材の買取を行っております。この「トコトン買取」は二つの観点から行っております。一つは買取商品の種類に可能な限り制約を設けない、「商品の幅」に関するトコトン買取、もう一つは、ノーブランド服であっても、一部壊れた家電であっても可能な限り1点1点値段をつけて買取を行う、「商品の深さ」に関するトコトン買取です。

「トコトン買取」を実現するために、店舗において仕入れた商材を効率的に商品化するためのオペレーションを構築しております。また、国内でのリユースが難しい商材に関してはニーズのある海外で再リユースすることにより国内店舗の「トコトン買取」の強化に繋げております。

「トコトン買取」により、当社グループは競合他社にて買取ることが難しい商材等の仕入を行うことを可能とし、競合他社との競争リスクの最小化及び仕入機会の最大化を図っております。

 

④ 海外事業のカントリーリスク
■リスクの内容

当社グループは、2019年5月にタイ王国にて現地子会社を設立し、同年7月より同国にてリユース事業を運営しております。海外事業の運営に際しては、為替の動向による円換算での仕入価格の上昇又は販売価格の低下、現地調達の什器等費用や人件費等の高騰、また各国における政治・経済状況の変化、法律・税制の改正、貿易摩擦の発生、大規模な自然災害の発生、戦争・紛争・テロの勃発といったカントリーリスクが想定されます。そのような事態が発生した場合、当社グループの業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスクにつきましては、アップサイドリスク ②海外事業の成長、に記載の通り、店舗の売上高、初期コスト、出店初期投資を仮定し、それらの回収のために早期の単月黒字化が可能であればリスクテイク可能と判断しております。

■リスク最小化に向けた対策

当社グループは、海外事業の成長に向け、一定のカントリーリスクに関してはリスクテイクしていくことを基本方針としておりますが、一方で想定の範囲を超える不測の事態が生じた場合の損害を最小化するために、契約に一定の柔軟性を持たせる、新規出店時のイニシャルコストの低減を図る等、"Small Start, Quick Win”を念頭に置き、海外事業展開を進めております。

⑤ 国内新規出店コストの高騰

■リスクの内容

新店の開店には商品、人員等の経営資源が短期集中的に必要となります。これらの経営資源は主に既存店から供給しますが、これにより業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、新規出店が重なった場合または比較的大規模な出店があった場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

そのほか、当社グループは小売業であるため、店舗面積1,000㎡を超える物件に関しては「大規模小売店舗立地法」の規制を受けることとなります。大型店の出店については出店調整等の影響を受ける可能性があるため、当該規制によって出店計画に変更が生じた場合には、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

新規出店は候補物件の広さ、立地、交通、賃料等の条件を総合的に判断する必要がありますが、これらの条件を満たす物件検索には不確実な要素があります。これにより出店計画に変更が生じた場合には、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、商圏人口、出店候補地の交通量、店舗面積、家賃単価、競合他社の出店状況等に基づき評価しております。

出店初期コスト、出店初期投資につきましては案件毎の見積を行いますが、これらの回収のためオープン後早期の単月本社費配賦前黒字化を前提としております。

■リスク最小化に向けた対策

国内新規出店コストの低減に向け、新規出店時のイニシャルコストの低減及び応援人員等のオペレーションの効率化に努めております。

 

⑥ ハザードリスク

■リスクの内容

当社グループは、2024年3月期末時点で、国内全57店舗を神奈川県にドミナント展開しています。ドミナント展開により、管理コスト・物流コストの低減等のコスト低減効果や新規出店時の認知度向上効果等のメリットを享受しておりますが、一方で冷夏・猛暑・暖冬などの天候要因、地震や台風等の大規模な自然災害の発生、重篤な感染症の大流行等、各種ハザードが発生した場合、リスクが十分に分散できず、当社グループの業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、最大2ヶ月間営業活動に支障が出ることを前提に評価しております。

■リスク最小化に向けた対策

大規模自然災害の発生時や重篤な感染症の大流行時は、社長をトップとする対策本部を直ちに設置し、ハザードに対するスピーディな対応体制を構築しております。また災害発生による損害が発生した場合に備え、同業他社水準を上回る月商の約2ヶ月分の現預金を保有しております。

⑦ 配送遅延

■リスクの内容

当社グループは、「収益認識に関する会計基準」等を第46期の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点(契約義務の充足時)で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することとしております。新品EC事業の海外売上につきましては、顧客の商品検収時点が契約義務充足時期となります。コロナウイルス感染症の流行を始めとする様々な要因により配送期間が長期化した場合、契約義務の充足時期に影響し同事業セグメントの売上計上時期及び商品残高に影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、四半期毎に地域別・配送方法別に測定した商品発送から顧客検収までの期間に基づき、航空便が6~15日、船便が50~100日と仮定し収益認識額を計上します。

■リスク最小化に向けた対策

販売を特定地域に集中せず多様化する事によりリスク分散を図ります。

⑧ 古物営業法の法的規制

■リスクの内容

当社の事業の中心となるリユース事業は、古物営業法の規制の対象となっており、店舗の所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可の取得が必要となっております。古物営業法または古物営業法に関する他の法令に抵触するような事由が発生し、営業の停止及び許可の取消しが行われた場合には、当社の事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、古物営業法遵守を前提に公安委員会、都道府県警が公表している古物営業に関する各種ガイドライン等を参照し、当社の古物営業法適合性を評価しております。

■リスク最小化に向けた対策

現状において、古物営業法または古物営業法に関する他の法令に抵触するような事由は発生しておりません。引き続き、古物台帳の管理徹底や盗品被害者に対する無償回復を適法に行うことができる体制の整備等、古物営業法及び古物営業法に関する他の法令の遵守に最大限努めてまいります。

 

⑨ 税務リスク

■リスクの内容

近年、本邦を含む各国の間接税税制においてECビジネスに対する課税強化が進んでおります。将来の税制改正により、新品EC事業セグメントの売上高、課税額及び事務費用等に影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

間接税の顧客転嫁による売上高への影響は軽微と仮定しています。また、潜在的な税負担額については平均的な税率によって見積っています。

■リスク最小化に向けた対策

当社グループは、リスクの程度に応じて大手税理士法人及びEC事業の間接税算出専門事業者とアドバイザリー契約を締結し納税義務の判定、適切な申告納税手続きの支援を受けております。

⑩ 情報システムの障害

■リスクの内容

当社グループは、店舗業務・本社業務の多くにおいて、効率的なオペレーションを実現するために、情報システム・通信ネットワークを活用しております。そのため、予想範囲を超える大規模な停電・災害・ソフトウェアや機器の欠陥・コンピュータウイルスへの感染・不正アクセス等により、情報システムの停止・情報の消失・漏洩・改ざん等の事態が発生した場合には営業活動に支障をきたし、当社グループの業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、システムの事業継続に対する影響度、現行システムの障害発生間隔、対策の費用対効果などに基づき評価しております。

■リスク最小化に向けた対策

当社グループは、店舗業務・本社業務の安定的な運用に向け、外部のシステム事業者と連携し、システム強化や内外からの不正アクセス・攻撃に対する対策を講じております。また、システム障害が長期間に渡った場合、顧客接点業務に支障が出ないよう、買取伝票等の紙帳票を用いたレガシーオペレーションでバックアップを行います。万が一大規模な情報システム障害や通信ネットワーク障害等が発生した場合は、社長をトップとする対策本部を直ちに設置し、情報システム障害・ネットワーク障害に対する迅速な回復体制を構築いたします。

⑪ 個人情報の漏洩

■リスクの内容

当社グループは個人情報保護法に定められた個人情報を取扱っております。万が一、個人情報が漏洩した場合は社会的信用の失墜、訴訟の提起による損害賠償等により、業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、当社で取扱っている個人情報の量、日本における情報漏えい発生事例での対応状況などに基づき評価しております。

■リスク最小化に向けた対策

当社グループは、個人情報保護法等の法令及び社内規程に基づき顧客情報の取扱いに細心の注意を払っております。特に個人情報へのアクセス制限や社員の情報管理リテラシー向上等、個人情報漏洩防止の対策を講じております。

 

⑫ 人件費の増加

■リスクの内容

当社グループは、多数のパートタイム従業員を雇用しております。今後、社会保険、労働条件などに係る諸制度、法改正等により、人件費の増加が予想され、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、労働法制強化を前提に労働分配率の一定水準(約40%)での維持可能性に基づいて評価しております。

■リスク最小化に向けた対策

当社グループは、一定の人件費増加は人材確保に向けリスクテイクしていく方針です。一方で当社グループにおける人材活用の原則である“PAY for VALUE"に則り、付加価値増加を伴わない人件費増加とならないよう、多種多様な工夫を図っております。

⑬ 固定資産の減損会計適用

■リスクの内容

当社グループは資産のグルーピングを事業所または「のれん」につきましては該当会社単位で行っております。このうち営業活動を通じて発生する損益が継続してマイナスになると見込まれた場合、減損会計の適用により損失を計上する可能性があります。そのような事態が発生した場合、当社グループの業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、出店時に、商圏人口、出店候補地の交通量、店舗面積、家賃単価、競合他社の出店状況等に基づき評価し、出店後は、リユース市場の動向等に基づき見積もった各事業所の将来売上予想、売上総利益率及び売上成長率を見積って評価しております。

出店初期コスト、出店初期投資につきましては案件毎の見積を行いますが、これらの回収のためオープン後早期の単月本社費配賦前利益黒字化を目標としております。

新規事業投資に係る「のれん」につきましては、投資時に、対象事業の直近の経営実績、市場成長性等に基づき事業計画を策定し、のれんの回収可能性を評価しております。投資後は回収可能性の前提となった利益計画の達成状況を検討しのれんの未償却残高の回収可能性を評価しております。

■リスク最小化に向けた対策

国内新規出店コストの低減に向け、新規出店時のイニシャルコストの低減及び応援人員等のオペレーションの効率化に努めております。

新規事業投資に係る「のれん」につきましてはアップサイドリスク①M&Aによる成長に記載の通りです。

⑭ 差入敷金及び保証金等の未回収

■リスクの内容

当社グループにおける出店は賃借による方法を基本としており、店舗用物件の契約時に賃貸人に対し敷金及び保証金等を差し入れております。敷金及び保証金等に相当する残高は、2024年3月期末において414百万円(総資産に対して8.4%)です。当該敷金及び保証金等は期間満了等による契約解消時に契約に従い返還されることになっておりますが、賃貸人の経済的破綻等によりその一部または全額が回収できなくなる可能性があります。また、契約満了前に中途解約した場合には契約内容に従って契約違約金の支払が必要となる場合があります。そのような事態が発生した場合、当社グループの業績または財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

■リスクの見積りに用いた仮定

当該リスク判断につきましては、保証金の金額に応じて、調査会社による調査、賃借物件の登記簿謄本閲覧を行い賃貸者の信用力を評価しております。

また、賃貸者の信用力に応じた差入保証金の割引計算を行い額面との差額を金融資産の時価情報として開示するとともに、潜在的なリスク指標としております。

 

■リスク最小化に向けた対策

当社グループは、店舗用物件の契約時に、賃貸人の経済的状況を可能な限り調査・分析することで、差入敷金及び保証金等の未回収リスクの最小化を図っております。また、中途解約が発生した場合に契約違約金の支払が最小化されるよう、契約内容に一定の柔軟性を持たせております。

配当政策

 

3 【配当政策】

株主への配当は「安定配当に加えて基盤構築の進捗に合わせた増配」を配当の基本方針とし、基盤構築の進捗は「既存事業 営業利益」の創出状況にて判断しております。

当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。

当事業年度の剰余金の配当につきましては、1株当たり20円としております。

内部留保金の使途につきましては、今後の事業展開への備えと設備投資資金として投入していくこととしております。

なお、当社は中間配当を行うことが出来る旨を定款に定めております。

 

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額
(千円)

1株当たり配当額
(円)

2024年6月27日

定時株主総会決議

174,980

20.00