事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 観光HR事業 | 12,973 | 94.1 | 1,273 | 103.8 | 9.8 |
| 地方創生事業 | 792 | 5.7 | 6 | 0.5 | 0.7 |
| その他 | 16 | 0.1 | -52 | -4.3 | -323.0 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、報告セグメントを観光HR事業、地方創生事業に区分しております。
「観光HR事業」は、リゾートバイト(注1)に特化した人材サービスを提供しており、日本全国のリゾートホテルや旅館、飲食店・テーマパーク・レジャー施設・スキー場等の観光施設(以下、「観光施設等」という。)に対して、人材派遣及び有料職業紹介を行っております。「地方創生事業」は全国8ヶ所(2025年9月現在)でグランピング(注2)施設やホテル施設等の宿泊施設を運営しております。
当社は「一生モノの『あの日』を創り出す」というミッションと、「誰もがジブンの人生を愛せる世界へ」というビジョンを掲げており、いずれの事業もミッション及びビジョンに紐づいた事業となっております。
主力事業である観光HR事業は、創業当初よりリゾートバイトという手段を通して日本の多くの若者(注3)を全国のリゾート地へ送り出しており、「初めて訪れる土地で、初めて出会う人たちに囲まれ、初めての仕事を体験する」という特異な経験が若者のメンタルをタフに育て、多様な価値観と豊かな人間性を育む瞬間を目の当たりにしてまいりました。また、彼らが未知の体験の中から今まで知り得なかった選択肢と出逢い、それがその後の人生に大きな影響を与える体験となっていることも実感しております。リゾートバイト体験を通して、新しい世界へ飛び込む若者を支援し、自分の人生に誇りを持ち、自分の人生を愛せるきっかけとなる『あの日』を多く創り出しております。
さらに、ライフスタイルや価値観が多様化していく中で、働き方も多種多様な形態を選び取ることが可能になった現在、当社での経験が社会に認められ、「履歴書には書かれていないその人の価値」が評価される社会を創りたいと考えております。
地方創生事業では、グランピング施設やグランピング施設以外の宿泊施設、飲食店・温浴施設等(以下、「グランピング施設等」という。)の企画開発・経営・運営を行っておりますが、既に観光地化されたリゾート地ではなく、まだ地域の魅力が知られていない非観光地(注4)を中心に出店しております。地元の方々が気付かなかったその地域の魅力を発掘し発信することで多くの人流(宿泊客)を生み出しており、地元の方が地域の活性化を感じる『あの日』を提供しております。また、その地域を訪れる宿泊客にとっては、その地域の魅力に触れる体験を通して、自分や大切な誰かにとってかけがえのない思い出となる『あの日』を提供しております。
各事業の内容は次のとおりであります。
なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(1) 観光HR事業
当社の主力事業である観光HR事業は、リゾートバイトに特化した人材派遣業及び有料職業紹介業を行っており、北は北海道から南は沖縄県まで日本全国の観光施設等に人材を供給しております。
当社が主に人材サービスを提供している観光産業は、我が国の力強い経済を取り戻すための重要な成長分野と期待されており、観光立国の実現に向け特に訪日外国人旅行者の誘致を推進する様々な施策や試みが観光庁主導で行われてきました。2020年度に新型コロナウイルス感染症流行による影響で訪日外国人旅行者数が減少しましたが、順調に回復しており、2024年度には新型コロナウイルス感染症流行以前の記録を大幅に更新し、3,600万人(注5)を突破しました。現在においても政府は2030年に6,000万人(注6)の訪日外国人旅行者数目標を継続して掲げております。
また、2024年5月に世界経済フォーラム(World Economic Forum)が発表した、「2024年旅行・観光開発指数レポート」において日本は世界三位を獲得しており、次に訪れたい旅行先として日本に対する注目や期待はより一層高まっているものと考えております。
なお、このような訪日外国人旅行者の増加を背景とした宿泊需要の高まりもあり、全国の宿泊施設の平均客室稼働率は、2019年には62.7%(注7)にまで向上しました。新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年には34.3%(注8)まで減少しましたが、2025年5月には61.8%(注9)にまで力強く回復いたしました。
また、2013年年度末時点で1,562,482室(注10)であった客室数は、2023年年度末時点には1,776,994室(注11)まで増加いたしました。このように宿泊需要が高まる一方で、生産年齢人口の減少や都市部への人口一極集中を背景に、地方圏に位置する観光施設等の人手不足感は加速度的に深刻化しており、2024年9月時点の調査(注12)でも旅館やホテルの人手不足割合は72.7%と高い水準が続いております。
当社は、宿泊業や地方圏における人手不足は観光立国を目指す我が国にとって大きな社会課題であると認識しており、この課題解決につなげるべく、リゾートバイトに特化した人材サービスを提供し、主に都市部の若手人材と、地方圏の求人企業である観光施設等との人材マッチングをサポートしております。
なお、生産年齢人口の減少や都市部への人口一極集中といった背景は、当社がリゾートバイト希望者である人材を募集するにあたっても大きな課題となりますが、リゾートバイトならではの体験価値を求める層に広く支持され、スタッフ登録者数は増加しております。具体的な事業内容としては、営業担当者が、当社と労働者派遣(紹介)基本契約を締結している観光施設等より求人情報を入手し、当社が運営する「リゾートバイトダイブ」や各種求人媒体に当該求人情報を掲載いたします。
求人情報を閲覧し、リゾートバイトに興味を持った人材は、「リゾートバイトダイブ」や各種求人媒体よりスタッフ登録の手続きを行います。登録に際しては、当社担当者が人材に対して面談を行います。希望のエリアや職種、勤務期間といった定量的な情報と、志望動機や求める体験等といった定性的な情報とを掛け合わせ、最適な勤務先を当社のデータベースより検索します。リゾートバイトは従業員寮で生活しながら勤務するという性質上、仕事と生活が一体となるため、一般的な求人情報だけではなく、従業員寮の間取りや設備といった住環境についても提案を行います。
また、勤務地である観光施設等は国立公園や国定公園内に位置することも多く、自然を満喫できる反面、生活環境については都市部と全く異なり、コンビニエンスストアや商店、銀行等の生活インフラが徒歩圏内に整っていない地域や、都市部と比較して交通の便が発達していない地域も多くあります。当社のデータベースには、観光施設等の担当者から提供された基本情報に加えて、当社営業担当者が現地に通うことで収集した情報、過去に勤務実績のある当社スタッフより収集したアンケート及び体験談に基づく実体験ベースの情報等、インターネットでは検索できない数多くの情報が蓄積されております。担当者がこのデータベースを面談に活用することで、人材の顕在ニーズを満たすことは勿論のこと、人材が自身では気付くことが難しい潜在ニーズを引き出す事が可能となり、満足度向上や競争優位性の源泉に繋がっていると考えております。
面談後、勤務先が決定すると、当社と観光施設等との間で労働者派遣(紹介)個別契約を、人材派遣の場合は当社と人材との間で雇用契約を締結し、派遣スタッフ等として就業していただきます。
契約勤務期間の期限が近くなると、派遣スタッフ等と観光施設等、当社の3者間で契約期間延長の可否等を協議し決定します。赴任した勤務地に愛着を感じ延長を希望するケースも多くある一方で、より多くの地域に訪れてみたいとの希望から、例えば、夏は沖縄のビーチリゾートで勤務し、秋は紅葉で賑わう栃木県の日光で勤務し、冬のスキーシーズンには北海道のニセコで勤務するというケースもあり、場所に縛られず1年を通して複数の地域で勤務することにより、「初めて訪れる土地で、初めて出会う人たちに囲まれ、初めての仕事を体験する」といったリゾートバイトならではの体験を実現する方も多くおります。
また、派遣スタッフ等が複数箇所の勤務地で就業するため、派遣スタッフ等が勤務地に到着するまでの事務作業や複数回にわたる連絡等の高頻度の事務手続きが当社に発生する事となります。その高頻度の事務手続きを基幹システムや公式LINE等を用いてIT化することで業務の効率化を実現しており、高い参入障壁を構築していると考えております。
なお、派遣スタッフ等の就業にあたっては、①自宅から観光施設等への往復交通費を当社及び観光施設等がその一部又は全額を支給、②住居として観光施設等の保有する従業員寮や当社の用意する住まいを観光施設等及び当社が一部又は全額の費用負担をしており、派遣スタッフ等にとっては経済的なメリットも大きいため、これによって生まれた余裕資金が、その地域での観光や体験に充てられることにより地域の経済活性化にも繋がっていると考えております。
リゾートバイトの特性からも見て取れますように、当社は都市部の若者を地方圏へ移動させることを得意としており、創業当初より「旅行以上 移住未満」のリゾートバイト期間に、その地域と関わることとなる多くの方々を全国に送り出し、いわゆる関係人口(注13)の創出を行ってまいりました。また、近年では、地方移住及び地方創生に興味があり、より長期的に地方と関わりたいという方々が、リゾートバイトをきっかけに、その地域に移住した事例も生まれており、地域活性化に繋がっていると考えております。当社の派遣スタッフ等の平均年齢は29.6歳(2024年1月1日から2024年12月31日の1年間に採用及び紹介等をした派遣スタッフ等の平均年齢)となっており、デジタルネイティブ(注14)世代と言えますが、関係人口となった当社の派遣スタッフ等のなかには、自身のSNS(注15)等でその地域の魅力を発信するアンバサダー(注16)となり、地元の方々に期待されている方もおります。
リゾートバイトに特化した観光HR事業が地域の観光振興を支援し、また関係人口拡大に繋がることは、地方創生に資すると考えております。このことから、当社が地方創生に貢献できる余地は大きく、引き続き地域の期待に応えられるよう事業に邁進いたします。
本セグメントにおける収益の内容は以下のとおりであります。
(人材派遣)
人材派遣とは、派遣会社(当社)と雇用契約を締結した社員を、労働者派遣契約を締結した企業(派遣先)に派遣することをいいます。当社は、労働者派遣契約に基づき派遣先から派遣料金を受領することで収益を計上しており、派遣社員に給与の支払いを行った後の差額が当社の利益となります。
なお、観光HR事業の売上高のうち、98.0%(2025年6月期の当社実績)が人材派遣業によるものであります。
(有料職業紹介)
有料職業紹介とは、企業(求人者)の求人依頼を受け、依頼に基づいた人材(求職者)を企業に紹介することをいいます。当社においては、紹介を受けた企業から受領した紹介手数料が収益となります。
(2) 地方創生事業
地方創生事業は、グランピング施設等を北海道芦別市(ザランタン芦別)・栃木県鹿沼市(ザランタン鹿沼)・茨城県常陸大宮市(ザランタンひたち大宮)・岡山県津山市(ザランタンあば村)・佐賀県佐賀市(ザランタン三瀬高原)・香川県東かがわ市(ザランタン東かがわ)の全国6ヶ所(2025年9月現在)で運営しており、グランピング施設のブランド名を「ザランタン」としております。また、新業態である滞在型アウトドアホテル(注17)を2024年3月に香川県東かがわ市(クラフトホテル瀬戸内)、同年4月に岡山県津山市(クラフトホテルあば村)で開業をいたしました。
グランピングは、キャンプに出かける際に煩わしく感じることが多いキャンプ道具の持ち運びや、テントの設営・撤収、食事の準備・片付け等の大部分を宿泊施設側で行うことで、手軽に大自然の中での宿泊体験が可能となり、世界規模で注目を集めております。日本においても、キャンプやサウナなどのブームに伴い、アウトドアへの関心は高まっており、手軽にアウトドアを楽しめるグランピングは初心者やファミリー層に加えて、女性グループなどでも人気となっております。しかしながら人気が高まる一方で、1泊3万円/人を超える高価格帯のグランピング施設も多いため、グランピングでの宿泊体験を希望するユーザーの中には、予算が合わず断念する層も多く存在すると認識しております。当社は比較的低い価格帯で楽しめるグランピング施設等を運営することで、カジュアルにグランピングを楽しみたいというニーズを取り込んでおります。
また、当社のグランピング施設等は、主に地方公共団体が所有管理する公共施設や、観光地としての開発がまだなされていない非観光地の遊休施設及び遊休地を活用して行っており、その地域に訪れる人を増やし、また雇用を創出することで地域の活性化に貢献しております。
事業内容としては、グランピング施設等の企画開発・経営・運営を一気通貫で行っており、具体的には、用地開拓や市場調査、コンセプト策定、施設や設備の企画、販売戦略の立案、施設の運営等となります。特に、観光HR事業と連携したスタッフ採用や人員数の最適化等といった人材活用面と、自社運営メディアを活用した集客面に強みを持っております。
その他に、一部のグランピング施設の運営体制について、ザランタン三瀬高原及びザランタンひたち大宮については、当社と協働で施設運営を行うパートナー企業が存在し、当該企業が宿泊者に提供する料理の仕入れや調理を行っております。また、ザランタンあば村については、パートナー企業と共同事業体として指定管理業務を実施しており、当社が宿泊客への食事の調理及び提供を含めたサービスを行い、パートナー企業が宿泊客からの利用料金の徴収を行っております。
当社が運営するグランピング施設の宿泊単価は、1泊2食体験付きの宿泊プランの場合でも大人1人当たり1.3万円前後(2025年6月期の当社実績)に設定されており、以下の特徴によりリーズナブルな価格設定を可能としております。
① 開発コストの優位性
用地については、主に地方公共団体が所有管理する公共施設や、観光地としての開発がまだなされていない非観光地の遊休施設及び遊休地を活用しており、安価な賃料や提携料であると考えられること。
施設については、既存の施設を利活用するため、新たに入浴設備や上下水道等を整備する必要が無い場合が多く、初期投資の大幅な抑制を可能としていると考えられること。
② 集客コストの優位性
グランピング施設であるザランタンの集客については、当社が運営するグランピング施設等の専門サイト「GLAMPICKS」(注18)を活用して、いわゆるD2C(注19)での集客を行っているため、広告宣伝費率は売上の2.7%(2025年6月期の当社実績)と他社施設と比べて大幅に抑制できること。
③ 運営コストの優位性
グランピング施設等の運営スタッフの採用については、当社の主力サービスである観光HR事業からのスタッフ紹介を活用することにより、通常人材採用時に必要となる人材募集費用を要せず、人員数についても、グランピング施設の繁忙期・閑散期に合わせた、最適な人員数での運営が容易であること。また、経営の合理化を目的として、最閑散期である冬季にグランピング施設等を一時休業させ、その後春季に営業再開を図る場合にも、観光HR事業と連携することで、余剰人員を抱えることなく最適な人員数での運営が容易となり、人件費を最適化できること。
地方創生事業の進出エリアに関する方針は、前述のとおり観光地としての開発がまだなされていない非観光地を主なターゲットとしております。非観光地を既に観光地化されたリゾート地と比較した場合、非観光地は競合となる宿泊施設が多くないことや、土地及び建物等の物件を好条件で獲得できること等、進出の余地は非常に大きいと考えております。その一方で、非観光地は知名度の低さから集客面には課題があり、また人口減少が進む地方圏であることから働き手の確保にも難しさがあります。当社はこれらの課題を、自社運営メディア「GLAMPICKS」の集客力を活用し、また観光HR事業と連携することで人手不足の解消を図り、非観光地でのグランピング施設等の運営を順調に行ってまいりました。このような実績から、地方公共団体等を中心とした地方圏からのお問い合わせも増加しており、観光HR事業同様に当社が地方創生に貢献できる余地は大きいと感じております。引き続き、各地の地方公共団体等や出店地域で生活する皆さま、出店地域で事業パートナーとなり得る事業者様等の期待に応えられるよう事業に邁進いたします。
本セグメントにおける収益の内容は以下のとおりであります。
(パートナー決済の場合)
宿泊施設を管理する企業(パートナー企業)が宿泊客より宿泊料金を受領した後、当社とパートナー企業が締結した契約内容に基づき、当社がパートナー企業に対して業務提携料を請求しております。当該請求及び契約内容に基づき当社の収益を計上しております。
(当社決済の場合)
当社が宿泊客より受領する宿泊料金が収益となります。また、当社と宿泊施設を管理する企業(パートナー企業)が締結した契約内容に基づき、パートナー企業に当社が業務提携料を支払い、宿泊料金との差額が当社の利益となります。
(メディアサービス)
当社が運営するグランピング施設等の専門サイト「GLAMPICKS」に、宿泊施設等を掲載する企業(広告主)より受領した掲載料等が当社の収益となります。
(注) 1.リゾートバイトとは、日本全国のリゾートホテルや旅館、飲食店・テーマパーク・レジャー施設・スキー場等に短期間移住し、従業員寮で生活しながら、勤務する働き方です。労働の対価として収入を得るだけではなく、海外でのワーキングホリデーに近い体験価値を国内でも得られる手段として当社では主に25歳から44歳までの社会人を中心に支持されております。なお、ワーキングホリデーとは、二国・地域間の取決め等に基づき、各々が相手国・地域の青少年に対し、休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度であります。
2.グランピングとは、グラマラス(魅力的な)とキャンピングを組み合わせた造語で、大自然の中で手軽に楽しめるキャンプであります。
3.当社では「若者」の定義を、年齢の大小ではなく、好奇心や冒険心が旺盛で積極的に行動する人としております。
4.当社では、観光の対象が未開発である、又は存在するものの知られていないがために、観光客が少なく交通機関や宿泊施設等が十分に整備されていない地域のことを「非観光地」と定義しております。
5.出典:日本政府観光局(JNTO)「国籍/月別 訪日外客数(2003年〜2025年)」。
6.出典:観光庁「観光を取り巻く現状及び課題等について」(令和3年11月)。
7.出典:観光庁 宿泊旅行統計調査報告(平成31年1~令和元年12月)。
8.出典:観光庁 宿泊旅行統計調査報告(令和2年1〜12月)。
9.出典:観光庁 宿泊旅行統計調査報告(令和7年5月分(第2次速報))
10.出典:政府統計の総合窓口(e-stat)平成25年度(2013年度)衛生行政報告例
11.出典:政府統計の総合窓口(e-stat)令和5年度(2023年度)衛生行政報告例
12.出典:日本・東京商工会議所「人手不足の状況及び多様な人材の活躍等に関する調査」(令和6年9月5日)
13.関係人口とは、移住した「定住人口」ではなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面しておりますが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されております。(総務省ホームページより抜粋)
14.デジタルネイティブとは、生まれた時、又は物心がついた時からインターネットやパソコン、スマートフォンがある環境で育ってきた世代を指します。インターネットの活用方法として、インターネット検索で情報を取得するだけではなく、自らインターネットで情報を積極的に発信する世代だと言われております。
15.SNSとは、Social Networking Serviceの略であり、インターネット上に自分の生活上の出来事や趣味、意見等を公開して、世界中の人との交流が可能となるサービスです。(例:Facebook、X「旧Twitter」、TikTok、Instagram等)
16.アンバサダーとは、日本語で「大使」や「使節」等に訳され、観光大使のことを観光アンバサダー、又は単にアンバサダーと呼ぶ場合もあります。当社では、その地域や施設等のファンであり、自ら積極的に好意的な発信活動をする方を指します。
17.滞在型アウトドアホテルとは、当社が現在計画している宿泊施設の一業態であります。アウトドアの要素を取りいれた宿泊施設であり、その施設を起点に飲食、アクティビティ、土産等他の観光機能は地域全体の事業者と連携し、分散させることで地域全体の活性化を図る施設です。
18.GLAMPICKS(https://glampicks.jp)は、当社が2019年8月より運営するグランピング施設等の専門サイトです。
19.D2Cとは、Direct-To-Consumerの略であり、中間流通業者を通さずに、自社のECサイト等を通じて製品を顧客に直接販売することを意味し、直接販売の一形態であります。
〔事業系統図〕
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
(観光HR事業)
(地方創生事業)
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度における我が国の経済は、訪日外国人旅行者と旅行消費額の増加や個人消費の拡大等、社会・経済活動の正常化に向け緩やかな回復傾向が続いた一方で、米国におけるトランプ政権の経済政策動向に対する先行きの不確実性や、為替の変動及びエネルギー・原材料価格の高騰に加えて、不安定な世界情勢を背景とした景気後退懸念等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
観光業界におきましては、観光庁「インバウンド消費動向調査」(2025年4-6月期の調査結果(1次速報))によりますと、訪日外国人旅行消費額は2兆5,250億円(前期比18.0%増)となり、消費内訳の構成比を見ますと、宿泊費が38.5%と最も高くなっております。また、訪日外客数は、6月として過去最高を記録し、過去最速となる6か月で2,000万人を突破しました(出典:JNTO 日本政府観光局「訪日外客数(2025 年6月推計値)」)。
このような状況のもと、当社は国内観光業における人材需要の増加に対応するため、継続的な広告宣伝投資を行い、公式LINEの友だち数が18万人(前期比44.7%増)を突破し競争優位性の維持に努めました。また、観光業界特化型SaaSをリリースし、宿泊施設における人材管理の効率化を支援することで顧客とのリレーション強化に取り組みました。
以上の結果として、基幹事業である観光HR事業を中心に当社の業績は堅調に推移し、当事業年度における売上高は13,781,848千円(前期比11.5%増)、営業利益は755,966千円(前期比39.4%増)、経常利益は769,087千円(前期比40.7%増)、当期純利益は454,620千円(前期比41.6%増)となりました。
セグメントごとの業績は、以下のとおりであります。
なお、当事業年度より報告セグメントの区分を変更しており、「情報システム事業」については量的な重要性が減少したため、「その他」に含めて記載しております。また、報告セグメントごとの業績をより適切に評価するため、各事業に配分していた費用のうち一部については、全社費用として「調整額」に含めて開示する方法に変更しております。
(観光HR事業)
当事業年度においては、引き続き宿泊業等を中心としたインバウンド市場が活況を呈し、当社取引先である宿泊施設等の人材需要が堅調に推移いたしました。
当事業年度においては、国内人材に加えてワーキングホリデー外国人人材の確保に向けた広告宣伝投資が奏功し、就業者数は14,555名(前期比24.3%増)と過去最高を更新しました。また、就業期間の延伸やマッチング精度の向上等により就業者1人あたりの売上高が前期比で8.0%上昇し、期末時点の過去最高水準を更新しました。
以上の結果として、当セグメントの売上高は12,973,477千円(前期比10.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は1,273,363千円(前期比1.6%増)となりました。
(地方創生事業)
当事業年度は、先行投資フェーズから収益化フェーズへの転換期となりました。既存グランピング施設の認知度向上や、オペレーションの最適化といった取り組みを推進した結果、売上高は前期比で61.2%の増加となりました。
一方で、当社が保有・運営する「クラフトホテル瀬戸内」に関しては、当初計画から見た実績の進行状況に乖離が生じており、今後の収益性の見通しを慎重に検討した結果、減損の兆候が認められると判断し、減損損失109,871千円を特別損失に計上いたしました。また、将来の使用見込みがなくなった東かがわ市にて使用する固定資産の除却に伴い、固定資産除却損23,841千円を特別損失に計上いたしました。
以上の結果として、当セグメントの売上高は792,118千円(前期比61.2%増)となり、セグメント利益(営業利益)は5,772千円(前期は260,980千円の営業損失)となりました。
(その他)
当事業年度より報告セグメントの区分を変更している情報システム事業等で構成されるその他の事業においては、売上高は16,252千円(前期比80.6%減)となり、セグメント損失(営業損失)は52,498千円(前期は2,760千円の営業損失)となりました。
② 当期の財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末に比べ125,468千円増加し、3,371,461千円となりました。これは主に、自己株式の取得にかかる買い付け代金を証券会社に先払いしたことによるものであります。
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ1,046千円減少し、1,067,906千円となりました。これは主に、地方創生事業における宿泊施設の新規開業に伴い有形固定資産が75,870千円増加した一方で、クラフトホテル瀬戸内で保有している固定資産に対し減損損失を109,871千円を計上したことによるものであります。
この結果、総資産は4,439,368千円となり、前事業年度末に比べ124,422千円増加しました。
(負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ278,646千円減少し、1,897,467千円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金の返済が進んだことや、前事業年度末が銀行休業日であった影響で当事業年度の支払額が増加し、未払金や預り金が減少したことによるものです。
当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末に比べ26,761千円増加し、269,603千円となりました。これは主に、長期借入金の返済を進めた一方で、新規の借入を実行したことにより、前事業年度に比べ13,828千円増加しました。また、地方創生事業の新施設の開業や、オフィス移転等に伴い、資産除去債務が前事業年度に比べ12,933千円増加しました。
この結果、負債合計は2,167,071千円となり、前事業年度末に比べ251,885千円減少しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ376,307千円増加し、2,272,297千円となりました。これは、当期純利益の計上により利益剰余金が454,620千円増加した一方で、自己株式の取得により自己株式が100,075千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、期初に比べ27,498千円増加し、2,065,504千円(前期末2,038,006千円)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は268,439千円となりました。これは主に、増加要因として税引前当期純利益が631,873千円あった一方で、減少要因として法人税等の支払いが290,818千円、前渡金の増加が100,593千円、未払消費税等の減少が111,100千円あったことに加え、前事業年度末が銀行休業日であった影響で当事業年度の支払額が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は210,495千円となりました。これは主に、地方創生事業における宿泊施設の新規開業や増設等に伴い、有形固定資産の取得による支出が89,920千円、システム開発に伴い無形固定資産の取得による支出が92,023千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は30,446千円となりました。これは主に、増加要因として短期借入による収入が101,668千円、長期借入れによる収入が100,000千円あった一方で、減少要因として長期借入金の返済による支出が153,575千円、自己株式の取得による支出が100,975千円あったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
2.従来、報告セグメントとしていた「情報システム事業」については、当事業年度より量的な重要性が減少したため、「その他」に含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社の経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、当事業年度において重要なものは「第5 〔経理の状況〕 1 〔財務諸表等〕 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は13,781,848千円(前期比11.5%増)となりました。これは主に観光HR事業において、当社の取引先である観光施設の人材需要が旺盛であり、当社への人材オーダーも増加したことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、10,314,540千円(前期比9.6%増)となりました。これは主に観光HR事業における派遣スタッフの増加により、派遣人件費が増加したことによるものです。この結果、売上総利益は3,467,307千円(前期比17.4%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、2,711,340千円(前期比12.5%増)となりました。これは主に売上規模の拡大に伴い従業員が増加し、給料手当が増加したことや、継続的な広告宣伝投資を行い、広告宣伝費が増加しました。その結果、営業利益は755,966千円(前期比39.4%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度における営業外収益は派遣スタッフの前払いによる手数料収入等を計上し19,047千円(前期比12.1%減)となり、営業外費用は支払利息及び自己株式取得費用等を計上し5,926千円(前期比65.9%減)となりました。その結果、経常利益は769,087千円(前期比40.7%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度において、特別利益は助成金収入等の計上により46,908千円となりました。
当事業年度における特別損失は固定資産の減損損失による損失を109,871千円、固定資産の除却による損失を30,839千円、固定資産の圧縮記帳による損失を43,411千円計上し、184,122千円(前期比21倍)となりました。また、当事業年度の法人税等調整額を含めた税効果計算後の法人税等合計は、177,253千円(前期比18.4%減)となりました。その結果当期純利益は454,620千円(前期比41.6%増)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資金の流動性については、経理部が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに手許流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。当社の運転資金需要のうち主なものは、事業規模の拡大による人件費や、観光HR事業における認知度向上・登録者増加に必要な広告宣伝費、地方創生事業における宿泊施設の新規開業費用であります。これらの資金需要につきましては、「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び内部資金にて賄う方針であります。今後は、資金需要の必要性に応じて、外部も含めた資金調達等柔軟に対応する方針であります。なお、突発的な資金需要に対しては、迅速且つ確実に資金を調達できるように当座貸越契約を締結し、流動性リスクに備えております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2〔事業の状況〕 1 〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 〔事業の状況〕 3 〔事業等のリスク〕」に記載のとおりであります。