2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    792名(単体)
  • 平均年齢
    44.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    20.2年(単体)
  • 平均年収
    8,762,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

792

[80]

44.9

20.2

8,762,000

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

建築事業

298

[26]

土木事業

292

[10]

全社(共通)

202

[44]

合計

792

[80]

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.臨時従業員は、有期契約社員及び派遣社員であります。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(2) 労働組合の状況

当社には労働組合はありませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

補足説明

管理職に
占める
女性労働者
の割合(%)
(注)1

男性労働者の
育児休業取得率(%)(注)1

 労働者の男女の
賃金の差異(%)(注)1

総合職

一般職

 契約社員

全労働者

正規雇用
労働者

有期
労働者

4.1

65.4

48.6

51.0

78.0

(注)2

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.労働者の男女の賃金の差異が生じている要因は、全労働者の内89.1%を占める男性労働者の殆どが施工管理等を行う全国転勤型の総合職であることに対し、女性労働者の殆どは転居を伴う異動の無い事務補助に従事しているという職務内容の差異によるものであります。なお、当社では女性総合職の新卒採用に積極的に取り組んでおりますので長期的にこの差異は縮小していくものと予測しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2025年3月31日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社は、取締役会の監督に基づいてサステナビリティに係る課題の特定や対応方針等を審議・決定する機関として「サステナビリティ委員会」を設置しております。当委員会は、代表取締役を委員長、各事業部門長等を委員として構成され、年2回開催し、サステナビリティに係る基本的な方針や具体的な行動計画、関連課題への対応施策等を審議するとともに必要な事項を取締役会へ報告しております。また、当委員会の指示により活動を推進・フォローする部門横断的な組織としてサステナビリティ部会を設置しており、重要な事項等は事業部門及び各支店等に適宜共有されており、サステナビリティに係る全社的なガバナンス体制を構築しております。

当社のガバナンス体制の詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項」に記載のとおりであります。

 


 

(2) 戦略

① サステナビリティ全般

当社は、健全な建設事業の経営を持続することこそが大きな社会貢献であるとの基本的な認識に則り、中期経営計画(2024~2026年度)において、ESGに係るマテリアリティ(重要課題)と主な取り組み項目を設定し、ESG各分野における取り組みを通じて持続的な企業価値向上を目指してまいります。

 

当社が設定したESGに係るマテリアリティ及び主な取り組み項目は、以下のとおりであります。

 

テーマ

ESGのマテリアリティ

主な取り組み項目

SDGsとの関連性

(環境)

CO2削減の環境負荷低減

への取り組み

・藻場再生事業への参画

・発注者に対する自ら利用の提案

・建設発生土の有効利用の促進

・混合廃棄物発生量の低減(分別の推進)

・環境配慮設計の促進(CASBEE他)

・施工におけるCO2排出量の削減

・ZEBの推進


再生可能エネルギー事業

・再生可能エネルギー事業の受注促進

・太陽光発電事業の展開

・再生可能エネルギーの利用


リニューアル技術による

ライフサイクルの長期化

・既存建物の耐震改修技術の提供

・インフラ老朽化対策工事の受注促進

・長寿命化設計によるライフサイクルの

 長期化


環境マネジメントシステムの

効果的運用

・受注・施工段階でのリスク評価及び対応

・解体・改修工事における有害物質の適切な

 調査及び処理

・事業に伴う環境影響評価と対策の実施

・省エネルギー、自然エネルギー利用設備

 及びグリーン調達

・施工中の周辺環境への配慮

・現地伐採材の有効活用


(社会)

人的資本経営の推進

・働き方改革の推進

・DE&Iなど多様な人材の採用や育成

・社員エンゲージメントの向上

・ハラスメント教育の実施

・適切なプロジェクト工期と人員の確保

・施工管理資格取得支援、各種資格取得

 支援制度


暮らしを守る防災・減災

インフラの整備

・免震・制震構法の取り組み

・建物の長寿命化、ストック型社会への貢献

・事業継続計画(BCP、災害協定)


建設DXの活用による生産性

向上と働き方改革の推進

・施工の遠隔化・自動化

・BIM/CIMを活用した施工の

 プレファブ化

・作業のロボティックス化

・デジタルを活用したスマート現場管理

・バックオフィスの活用


社会貢献活動の推進

・独自奨学金制度による教育支援

・現場見学会等の開催

・地域イベントや環境保全活動への参加

・ステークホルダーからの評価

・サプライヤー等とのパートナーシップに

 よる協働


(企業統治)

コンプライアンスとCG体制の

継続的強化

・取締役会の実効性評価の実施

・コンプライアンス研修の実施

・コンプライアンスマニュアルの展開

・IT全般統制の整備・運用・評価

 プロセスの展開

・情報セキュリティ管理の徹底


法令違反・重大災害ゼロの実現

・災害リスクの高い作業の確実な計画と実施

・幹部による特別安全パトロールの定期開催

・技能労働者の育成・技能継承施策の展開

・多様化する作業員の知識・意識の向上教育



適切なIR活動によるステーク

ホルダーとの対話

・CGコードへの適応

・適正なIR情報開示の実施

・IRミーティング等の投資家対応

・英文開示への対応


 

 

 

② 気候変動

当社は「地球環境保全の重要性を認識し、サステナビリティへの取組みを推進するとともに、健全な建設事業の経営を通じて、持続可能な社会の実現に向けて環境課題の解決に貢献する」ことを基本的な環境方針に定めています。また、環境への影響を適切に考慮し、環境保全活動及び環境負荷低減活動を推進するとともに、環境に関する法規制等及び利害関係者の要求事項を順守することとしております。具体的な環境管理活動につきましては、CO2削減等の地球環境への負荷低減、廃棄物の発生抑制とリサイクル推進、資源とエネルギー使用の効率化、環境配慮設計、技術開発の推進を主な管理活動として、それぞれの取組みを推進しております。また、気候変動につきましては、サステナビリティ委員会及び部会を中心として気候変動に関連するリスクや機会が当社に与える影響について情報収集、分析及び検討を行った上で必要な対応を実施するとともに、TCFDもしくはそれらと同等の枠組みに基づき情報開示の充実に努めてまいります。

 

③ 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

 a. 人材の育成に関する方針

当社は経営方針の中で、社員の人間成長と福祉の増進を定めており、有能で活力ある人材の確保・育成を経営基本方針のひとつとしております。また「長期ビジョン2036」及び「中期経営計画(2024~2026年度)」において、「人的資本経営の推進」を重要施策と位置付け、社員エンゲージメントの向上を図るとともに、人材の育成、知識・技術の普及への寄与並びに働き方改革の推進を含む従業員の働きやすい環境の整備を主な取組み項目として推進しております。

当社の営む建設業においては、建設現場の移動性という特性があり、永年蓄積された知見や技術の習得には、日々の業務を通じた人材育成が有効であることから、職場での「OJT(職場内研修)」を主体としております。加えて、それらを集合研修で補完するため、入社時をはじめとした職務遂行能力に応じた階層ごとの研修、各職種に求められる専門的な知識の習得を目的とした職種別研修や安全衛生教育など、より実践に近い社員教育の実施により理解度の向上を図っております。また、各種コンプライアンス研修やハラスメント教育、人事評価制度に係る評価者研修など、多面的な人材育成を実施しております。

また当社は、女性や中途採用者の管理職への登用を積極的に推進しており、特に女性につきましては女性活躍推進法に基づき、2016年から2019年までの3年間で女性管理職比率を0.5%から3.0%に引き上げる目標を達成し、その後も同水準を維持しております。2026年度までに女性管理職比率4.0%以上の目標を定めており、2024年度の女性管理職比率は4.1%と目標を上回っております。引き続き、女性が活躍しやすい環境を整備すること等を通じて、女性管理職比率の維持・向上に努めてまいります。

なお、外国人の登用につきましては、建設工事現場における言葉の壁や能力、技術面において不安材料が払拭できないことから見送っております。

多様性の確保につきましては、当社は異なる経験・技能・属性を持つ人材が活躍し、多様な視点や価値観が存在することが会社の持続的な成長を確保するうえで重要であるとの認識のもと、女性、中途採用等を含む多様性の確保を推進しております。

 b. 社内環境整備に関する方針

当社は、安全第一を経営方針に掲げて、全ての関係者に対する「安全」と「健康」の確保を実現し、快適な職場環境の形成を目指すことを安全衛生方針として定めており、心身の健康の保持増進及び快適な職場環境形成に努めることを行動指針のひとつに定めております。また、公正な雇用システム、人事システム、人材育成プログラム等を構築・改善し、社員が主体性や創造性を最大限に発揮できる企業風土の醸成に努めております。加えて、仕事と子育ての両立がしやすい環境整備、労働時間の短縮、有給休暇の取得促進等に継続的に取り組み、メンタルヘルス活動指針を示した上で、従業員のこころの健康の保持・増進に向けて組織的な活動に取り組むとともに、活力ある職場の形成に努めております。

当社の持続的な企業価値増大に向け、従業員の経営参画意識の向上ならびに業務に対する意欲を一層高めることを目的に、人的資本経営の一環として2024年度より株式付与ESOP信託を導入しております。また、当社は2025年4月にエンゲージメントサーベイを導入しております。今後、人的経営課題を組織単位に可視化することで、課題の抽出や改善施策に活用し、社員エンゲージメントの向上を目指してまいります。

今後も、当社は株式付与ESOP信託をはじめとした従業員インセンティブの充実、各種福利厚生制度の拡充など、多様な人材が健康で、やりがいをもって働くことができるよう環境整備に取り組んでまいります。

 

 

 

(3) リスク管理

リスク管理体制につきましては、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 b.リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおりであります。

気候変動を含むサステナビリティ領域におけるリスク管理につきましては、ISO14001に準拠した環境マネジメントシステムにおけるリスク及び機会の管理により、当社の事業活動等に与える影響や必要な対応等についてのデータ収集と分析及び見直しを実施しております。また、サステナビリティ委員会においてリスクの特定や目標及び戦略の設定等を行い、取締役会との連携を含めてリスク管理に係るガバナンスの実効性向上を目指してまいります。

自然災害等の発生に係るリスク管理につきましては、災害発生時における社員の安全と経営の存続を確保するとともに、建設業の社会的使命として被災地域の救援活動及び復旧・復興への支援を可能とするべく、「事業継続計画(BCP)」を策定しております。BCPでは、災害発生時に設置する組織及び実施事項を定め、平常時の管理・改善を継続的に実施し社内に浸透させることにより、事業継続力を維持していくこととしております。

情報セキュリティに係るリスクにつきましては、「情報セキュリティ規程」を制定しており、保有する情報資産を不正アクセス、盗難、漏洩、改ざん、紛失や人為災害、自然災害などのその他の脅威から保護するための対策を行っております。情報セキュリティ対策マニュアルの策定、標的型攻撃メールに備えた疑似メールによる対応訓練、サイバー攻撃による注意喚起など、制度の定期的な見直しを行うとともに、従業員への周知を徹底し、定期的な対策訓練を実施するなど、意識の向上を図っております。

 

(4) 指標及び目標

① 気候変動

当社は、中長期的な指標及び目標として、温室効果ガス排出量削減目標を設定しており、再生可能エネルギーの積極的な導入や施工等で使用する化石燃料の削減、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の普及促進などの具体的な取り組みを推進してまいります。なお、中期的な2030年度に向けた温室効果ガス排出量削減目標(1.5℃水準)につきまして、2025年4月7日付でSBTi(Science Based Targets Initiative)より認定を取得しております。

 

SBT認定された当社の温室効果ガス排出量削減目標

 

2022年度実績

2030年度目標削減率

Scope1+2

16,396t-CO2

42%(2022年度比)

Scope3

812,922t-CO2

25%(2022年度比)

 

Scope1:自ら使用による温室効果ガスの直接排出

Scope2:他社から供給された電力等の使用による間接排出

Scope3:Scope1、2 以外の間接排出(事業活動に関連する他社の排出)

 

② 人的資本

人的資本関連の指標及び目標につきましては、以下のとおりであります。

指標

2024年度実績

目標

女性管理職比率

4.1%

2026年度  4.0%以上

男性育児休業取得率

65.4%

2027年度  30.0%以上

 

上記以外の指標につきましては、定期的にモニタリングを行い、多様性の確保について明確な目標数値や達成までのスケジュールを検討してまいります。