2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    8,720名(単体) 16,285名(連結)
  • 平均年齢
    42.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.9年(単体)
  • 平均年収
    10,246,769円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

報告セグメント等の名称

従業員数(人)

土木事業

5,472

904

建築事業

8,804

1,500

開発事業

1,875

1,793

その他

134

89

合計

16,285

4,286

 

(注)  従業員数は就業人員数であり、〔  〕内は臨時従業員の年間平均人員数を外書きで記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

8,720

1,348

42.9

17.9

10,246,769

 

 

報告セグメント等の名称

従業員数(人)

土木事業

2,354

401

建築事業

6,188

913

開発事業

178

34

合計

8,720

1,348

 

(注) 1  従業員数は就業人員数であり、〔  〕内は臨時従業員の年間平均人員数を外書きで記載しております。

2  出向者等を含めた在籍者数は、8,830人であります。

3  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)2

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注)1

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

6.7

130.9

57.6

58.0

57.9

(注)3

 

(注) 1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号、以下「女性活躍推進法」という。)の規定に基づき算出したものであります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号、以下「育児・介護休業法」という。)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号、以下「育児・介護休業法施行規則」という。)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3  労働者の男女の賃金の差異については、性別に関係なく同一の制度を適用しておりますが、在籍者の平均年齢、人数の差等により生じております。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注)1

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

大成ロテック㈱

0.9

105.3

(注)3

55.3

56.4

53.6

(注)4

大成有楽不動産㈱

1.1

59.3

(注)2

68.6

78.6

54.4

(注)4

㈱ピーエス三菱

0.9

133.3

(注)3

51.5

51.2

54.8

(注)4

大成ユーレック㈱

 

77.2

74.5

76.4

(注)4

大成設備㈱

 

63.0

63.6

54.7

(注)4

㈱ジェイファスト

 

71.4

70.7

74.2

(注)4

大成有楽不動産販売㈱

2.1

18.2

(注)3

45.8

63.6

28.9

(注)4

大成建設ハウジング㈱

10.5

 

73.7

72.9

65.6

(注)4

㈱佐藤秀

2.2

 

75.2

72.0

81.0

(注)4

 

(注) 1  女性活躍推進法の規定に基づき算出したものであります。

2  育児・介護休業法の規定に基づき、育児・介護休業法施行規則第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3  育児・介護休業法の規定に基づき、育児・介護休業法施行規則第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

4  労働者の男女の賃金の差異については、性別に関係なく同一の制度を適用しておりますが、在籍者の平均年齢、人数の差等により生じております。

5  「*」は、女性活躍推進法又は育児・介護休業法による公表義務がないため、記載を省略していることを示しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項については、「(1)共通 ①ガバナンス」に記載の推進体制のもと、取締役会等において合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。

 

(1) 共通

当社グループは、「人がいきいきとする環境を創造する」というグループ理念、及びグループ理念を追求するための自由闊達・価値創造・伝統進化という3つの“大成スピリット”のもと、建設業を中核とした事業を通じてサステナビリティ課題の解決を図るというサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)を実現し、人々が豊かで文化的に暮らせるレジリエントな社会づくりに貢献することをサステナビリティの基本方針としております。サステナビリティ課題の解決にあたっては、それがリスクの減少のみならず、新たな収益機会にもつながることを認識し、積極的・能動的に取り組むこととしております。

この方針のもと、当社グループは、サステナビリティ課題のうち、特に重要なものをマテリアリティ(重要課題)としており、2024年5月に見直し、改めて5つを特定しました。それぞれのマテリアリティについて、併せて策定した[TAISEI VISION 2030]達成計画の施策に織り込んだ上で、中期経営計画(2024-2026)においてKPI(重要業績評価指標)を定め、事業戦略と一体化して取り組みを進めております
 

 ①ガバナンス

当社及び当社グループ全体のサステナビリティ経営の強化・推進を目的として、取締役会委員会である「サステナビリティ委員会」を設置しております。多様な視点を取り入れるために社外取締役を委員長とし、代表取締役社長を含む取締役5名(うち社外取締役2名)を委員として構成しており、サステナビリティ経営に関する重要な方針や施策の策定、運用等に関する事項を審議の上、取締役会に上程しております。

執行サイドでは、重要な環境・社会課題を審議し、サステナビリティ経営への取り組みに関する情報の共有、経営会議への提言を目的として、業務委員会である「サステナビリティ推進委員会」を設置しております

また、サステナビリティ課題に一元化して対応する業務執行部門として、2022年度よりサステナビリティ総本部を設置しております。サステナビリティ全般及びカーボンニュートラルに向けた課題解決に関する戦略機能を担う「サステナビリティ経営推進本部」と、クリーンエネルギー・環境関連の事業推進機能を担う「クリーンエネルギー・環境事業推進本部」の2つの本部が一体となって取り組みを推進しており、同総本部長を最高サステナビリティ責任者(CSuO)に選任し、業務執行の責任を明確化しております。
 環境や人権等に関連する重要事項については、サステナビリティ推進委員会における審議を経て、定期的に経営会議、サステナビリティ委員会及び取締役会に付議しており、取締役会が適切な監督機能を果たすことにより、実効性を確保しております。取締役会で審議・決定された議案は、当社の各事業部門及びグループ各社に伝達され、それぞれの経営計画・事業運営に反映しております。 
 


 

 

  ●当社グループのサステナビリティにおける主な議論

*:取締役会上程議題

年度

経営会議の主な議題

区分

2022年度

環境方針等の改定

*

環境

大成建設生物多様性宣言の改定

*

環境戦略の構築      

*

年度環境目標の策定

*

環境デュー・ディリジェンスの導入

*

TCFD提言に基づく開示情報の更新

 

TNFDフォーラムへの参加

 

再生エネルギー事業への参画(個別プロジェクト)

 

エンゲージメント向上への取り組みについて 

*

人的資本

[TAISEI VISION 2030] 「人事政策」KPIの設定について

 

マルチステークホルダー方針の策定について

 

人権デュー・ディリジェンスの改定

*

人権

内部通報制度の運用状況報告

*

共通

ESG外部評価の状況報告

 

サステナビリティ経営啓発活動報告

 

2023年度

環境デュー・ディリジェンス 優先対応リスクの選定

*

環境

2026年・2030年CO削減目標

*

TNFD提言への賛同(早期登録)

 

再生エネルギー事業への参画(個別プロジェクト)

 

経営の基本方針(人的資本)

*

人的資本

人権デュー・ディリジェンス実施報告

*

人権

[TAISEI VISION 2030] サステナビリティ戦略

*

共通

持続可能な社会づくりに向けて当社グループが取り組む重要課題「マテリアリティ」の見直しについて

*

[TAISEI VISION 2030]の達成に向けた新たなビジネスモデル(地域連携戦略)

*

内部通報制度の運用状況報告

*

ESG外部評価の状況報告

 

 

 

②戦略

当社グループは、以下の戦略に基づき、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指すサステナビリティ経営を推進しております。

 

  ●マテリアリティ

サステナビリティ基本方針に基づき、サステナビリティ課題のうち、特に重要なものをマテリアリティとして特定し、経営会議で審議の上、取締役会で決定しております。
 [TAISEI VISION 2030]達成計画及び中期経営計画(2024-2026)の策定に合わせて、マテリアリティを事業活動を行うにあたっての基本姿勢として中長期の経営計画の上位概念に位置づけるとともに、最新のサステナビリティ課題を踏まえ、「環境・社会(ステークホルダー)が企業活動・企業財務に及ぼす影響(リスクと機会)」と「企業活動が環境・社会に及ぼす影響(リスクと機会)」の2つの側面から検討の上、2024年5月に見直しました。

 

<マテリアリティの特定プロセス>
  マテリアリティの特定は、以下のプロセスで行いました。

1)経営企画部門とサステナビリティ部門に社外専門家を加えたワーキンググループにより、SDGsやSASB業種別マテリアリティマップ等から482項目のサステナビリティ課題を抽出し、類似項目を123項目に集約

2)ワーキンググループにより、自社及び社会にとってのリスクと機会の観点から、当社グループに重要となりうる検討課題を15項目に絞り込み

3)経営者インタビュー、当社及びグループ会社の社員へのアンケート、当社の基幹取引先へのアンケート、企業風土改革ワーキンググループの意見等の結果を踏まえ、全課題を包含するマテリアリティとして、以下の5項目を特定

4)経営会議における事前審議の上、取締役会において審議・決定

特定した各マテリアリティについては、[TAISEI VISION 2030]達成計画の施策に織り込んだ上で、中期経営計画(2024-2026)においてKPIを定め、事業戦略と一体化して取り組んでおります。 

1.  豊かな暮らしを実現する新たな価値の共創

2.  持続可能な環境配慮型社会の実現

3.  一人ひとりがいきいきと活躍できる社会・職場環境の実現

4.  ものづくりへの矜持 ~安全・品質・技術~

5.  信頼を支える公正な企業活動 ~コンプライアンス・ガバナンス~ 

 

 

  ●[TAISEI VISION 2030]達成計画

当社グループは、2021年5月、グループ理念等に基づき、中長期的に目指す姿として[TAISEI VISION 2030]「進化し続けるThe CDE(キューブ)カンパニー~人々が豊かで文化的に暮らせるレジリエントな社会づくりに貢献する先駆的な企業グループ~」を策定しました。

今般、[TAISEI VISION 2030]の第2フェーズとなる中期経営計画(2024-2026)のスタートに先立ち、[TAISEI VISION 2030]達成計画を新たに定め、2030年までの7年間で取り組むことを「経営の基本方針」、「事業基盤の整備方針」、「中長期事業戦略」、「新たなビジネスモデル」、「事業変革の進め方」に整理しました。

中期経営計画(2024-2026)では[TAISEI VISION 2030]達成計画に基づき、利益重視の数値目標を設定しております。

 

  ●リスクと機会

環境・エネルギー、人的資本、人権に関する「リスクと機会」については、後述の「(2)気候変動をはじめとした環境課題への対応」、「(3)人的資本関係」、「(4)人権尊重」をご参照ください。

 

③リスク管理

  ●全社的リスクマネジメントの推進

当社グループは、リスクマネジメント方針、リスクマネジメント基本規程のもと、全社的に体系化されたリスクマネジメントシステムを確立しております。社長を「最高責任者」、管理本部長を「CRO(チーフ・リスクマネジメント・オフィサー)」としたリスクマネジメント体制を敷き、事業運営に伴うリスクの適切な把握、管理及び対応に努めております。

全社的に重要なリスクの選定、対策の審議及びリスクマネジメント実施状況の確認を目的として、業務委員会のひとつに、CROを委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置しております。リスクマネジメント委員会において、経営に重大な影響を及ぼす可能性があるリスクについて、その対処方針を総合的に検討・審議の上、経営会議及び取締役会に付議しております。

後述の「3 事業等のリスク」に記載のとおり、「労働環境リスク」、「気候変動等環境課題に関するリスク」、「人権課題に関するリスク」をはじめとするサステナビリティ関連リスクを投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があるリスクと認識し、発生の回避及び発生した場合の影響の軽減に努めるとともに、その実施状況をリスクマネジメント委員会で確認の上、定期的に取締役会に運用状況を報告して監督を受けることにより、実効性を確保しております。

 

 <全社的リスクマネジメント推進体制図>

 


 

  ●KPIの進捗管理

マテリアリティのKPIの進捗状況については、経営企画部門とサステナビリティ部門が確認の上、サステナビリティ推進委員会、経営会議、サステナビリティ委員会で事前審議を行い、定期的に取締役会に報告して監督を受けております。KPIに対する未達が見込まれる場合には、原因を分析し、対策を講じた上で、必要に応じて取締役会に報告しており、その達成に努めております。

 

 

④指標及び目標

各マテリアリティに関するKPIは以下のとおりです。

 

マテリアリティ

サステナビリティ課題

主要KPI

現状値

2026年度

目標

顧客・社会に対する課題

 

豊かな暮らしを実現する

新たな価値の共創

●自然災害

●まちづくり・インフラ

●新興国の経済成長・インフラ需要拡大

地域連携PJ件数

9件

15件

設計施工案件のZEB化率

(面積比)※1

36%

70%

お客様満足度

建築 82.8%

土木 98.3%

100%

100%

環境に対する課題

 

持続可能な

環境配慮型社会の実現

●自然災害

●カーボンニュートラル

(脱炭素社会)

・気候変動

・再生可能エネルギーへの移行

●サーキュラーエコノミー

(循環型社会)

●ネイチャーポジティブ

(自然共生社会)

CO総排出量・削減率

(スコープ1+2) (G)

 29万t-CO

※5

22年比

▲18%

再エネ発電量 (G)

123 GWh ※6

170 GWh

建設廃棄物の最終処分率 (G)

2.8%

3.0%

ネイチャーポジティブに貢献する

PJ件数 (G)

50件

50件

社員・取引先に対する課題

 

一人ひとりが

いきいきと活躍できる

社会・職場環境の実現

●多様な人財の確保・活用

●サプライチェーンマネジメント

●生産性・労働環境・ウェルビーイング

エンゲージメントスコア

B 50.2

BBB 55

新卒女性採用比率

22%

27%

サプライヤーのサステナビリティ

活動状況確認率

54%

100%

4週8閉所実施率

建築 39.0%

土木 69.6%

建築 100%

土木 100%

ものづくりへの矜持

~安全・品質・技術~

●労働安全衛生

●品質

●技術開発・DX

死亡災害・重大事故件数 ※2

0件

0件

重大品質関連トラブル件数 ※2

0件

0件

主要社外表彰件数 ※3

建築 11件 ※5

土木 11件 ※5

建築 12件
土木 6件

特許出願件数

837件

(3ヶ年計)

840件

(3ヶ年計)

デジタル高度利用作業所数(累計)

 ※4

290作業所

650作業所

信頼を支える

公正な企業活動

~コンプライアンス

・ガバナンス~

●ガバナンス・コンプライアンス・リスクマネジメント

重大なコンプライアンス違反件数

 ※2

1件

0件

重大なセキュリティ事故件数 ※2

0件

0件

 

※1 持続可能な環境配慮型社会の実現との共通KPI

※2 会社の事業活動において発生する事件・事故のうち、当社及びグループ会社の経営に重大な損失を生じる可能性のある事件・事故

※3 建築:BCS賞、日本建築学会 作品選奨、日本建築学会 作品選集、BELCA賞、日本建築構造技術者協会賞、電気設備学会賞技術部門、日本照明賞、カーボンニュートラル賞

土木:土木学会賞(技術賞、技術開発賞、田中賞)、日建連土木賞

※4 T-BasisX®及びT-iDigital® Fieldの累計導入作業所数

※5 数値は2022年度

※6 投資決定済含む

※7 (G)はグループ全体のKPI、その他は当社単体のKPI

 

 

このうち、建設工事作業所の「4週8閉所実施率」については、2024年5月の見直し以前のKPIとしても設定しており、「2023年度:100%実施」という高い目標を掲げて取り組みを進めてまいりましたが、大幅な未達となりました。かかる状況ではありますが、長時間労働の是正と休日の確保は当社グループのみならず、サプライチェーンを含む建設業界全体の喫緊の課題であり、4週8閉所の実施は、最も有効な対策のひとつであると認識しております。

今後も引き続き、100%実施という目標を掲げ、サプライチェーンと協働して生産性の向上及び機械化・自動化を含めた効率的な施工に努め、業界団体と連携してお客様にご理解をいただきながら、その達成に努めてまいります。

また、「2.持続可能な環境配慮型社会の実現」については、以下の「(2)気候変動をはじめとした環境課題への対応」に記載のとおり、グループ長期環境目標「TAISEI Green Target 2050」において詳細な目標を定め、その達成に向けた取り組みを進めております。

 

なお、マテリアリティに関して、以下「(2)気候変動をはじめとした環境課題への対応」、「(3)人的資本関係」、「(4)人権尊重」に詳細を記載しております。

 

(2) 気候変動をはじめとした環境課題への対応

当社グループは「人がいきいきとする環境を創造する」を経営理念とする企業グループとして、気候変動をはじめとした環境課題への対応を重要な経営課題と捉え、マテリアリティ及び環境方針に「持続可能な環境配慮型社会の実現」を掲げ、その達成を目指しております。

 

  ●TAISEI Green Target 2050

2050年に向けて、グループ長期環境目標「TAISEI Green Target 2050」を定め、「3つの社会(脱炭素社会、循環型社会、自然共生社会)」の実現と「2つの個別課題(森林資源・森林環境、水資源・水環境)」の解決に向けた取り組みを進めております。それぞれについての目標は以下のとおりです。

 

 <3つの社会>

 

2030年目標

2050年目標

脱炭素社会


CO排出量(2022年度比)

·スコープ1+2 ▲42%

·スコープ3   ▲25%

CN|カーボンニュートラルの実現・深化

·スコープ1+2             CO排出量0

·スコープ3 サプライチェーンCO排出量0

循環型社会


·グリーン調達の推進

·建設廃棄物の最終処分率3.0%以下

CE|サーキュラーエコノミーの実現・深化

·グリーン調達率100%

·建設副産物の最終処分率0%

 

自然共生社会


ネイチャーポジティブに貢献する、

·プロジェクトの推進 50PJ/年以上

·評価手法の展開
 設計施工PJのうち30%に適用

·海洋課題への対応

NP|ネイチャーポジティブの実現・深化

·建設事業に伴う負の影響の最小化

·自然と共生する事業による正の影響の最大化

 

 
 <2つの個別課題>

 

目標

森林資源・森林環境


·森林破壊ゼロを前提とした木材調達により、森林資源・森林環境への負の影響を最小化

·保全と再生に取り組み、森林資源・森林環境への正の影響を最大化

水資源・水環境


·適切な管理の徹底と使用量の削減により、水資源・水環境への負の影響を最小化

·保全と再生に取り組み、水資源・水環境への正の影響を最大化

 

 

●統合的な環境経営情報の開示(TCFD、TNFDを含む)

当社グループは、2024年5月より「統合的な環境経営情報の開示」として、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの柱について、環境経営に関する情報を統合的に開示しております。

なお、脱炭素社会については「TCFDフレームワーク」など、循環型社会については経済産業省の「サーキュラーエコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス」など、自然共生社会については「TNFDフレームワーク」などを参照しております。

    詳細は当社ウェブサイトをご覧ください。

https://www.taisei-sx.jp/esg_guide_line/tcfd/

①ガバナンス

前述の「(1)共通 ①ガバナンス」をご参照ください。

 

②戦略

「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」に関する「リスクと機会」には、気温上昇や自然資本の棄損、資源の枯渇を避けるための規制の強化や市場の変化といった「移行」に起因するものと、気温上昇や自然資本の棄損、資源の枯渇の結果として生じる急性・慢性的な異常気象や海面上昇といった「物理的変化」に起因するものが考えられます。

この環境・社会の変化に柔軟に対応した経営戦略を立案するため、2030年を想定して「リスクと機会」を抽出し、当社グループの事業への影響を評価しました。そこから取り組み方針及び対応策を立案し、[TAISEI VISION 2030]達成計画及び中期経営計画等に反映しております。

 

 

  ●リスクと機会

「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」に関するリスクと機会及び対応策は以下のとおりです。

脱炭素社会

循環型社会

自然共生社会

2030年の想定

リスク・機会

影響度

対応策

 

 

・CO排出規制強化、炭素賦課金・炭素税等の導入による事業者の負担増加

(リスク)

・CO排出規制強化、炭素価格導入による建設投資減少

・事業活動で発生するCOに対する炭素価格適用による事業コスト増加

・建材や電力料金の上昇に起因する建設コスト増による収益悪化

・自社グループが使用する電力を賄う再生可能エネルギー電源の保有

・TSA*重点実施項目・政策的実施項目の確実な実施

・CO算定システムの性能向上

*TAISEI Sustainable Action®

グループ全社員が参加する環境負荷低減活動

 

 

・社会からのカーボンニュートラルへの要請拡大、規制強化

・省エネ・再エネ関連需要の増加

・ZEB基準義務化とそれに伴う太陽光発電の一般化

(リスク)

・対応の遅れによる信用失墜、受注機会の喪失、コスト増による収益悪化

(機会)

・低炭素設計や低炭素建材の需要増加

・ゼロカーボンビル、ZEB、リニューアルによるZEB化、スマートシティの需要増加

・洋上風力等、再生可能エネルギー関連工事の需要増加、CCSの事業化

・ゼロカーボンビル、ZEBの技術開発と普及促進

・T-eConcrete®など低炭素建材の開発促進、関連企業との連携強化、採用促進と供給体制の確立

・再エネ、創エネ、省エネ関連技術の開発と普及促進

・洋上風力等再エネ関連施設施工技術の開発促進

・CCSの技術開発促進、事業への参画

 

 

・水素・アンモニア等、次世代エネルギーの活用拡大

・原子力発電再稼働の進展、次世代革新炉のニーズ拡大

(リスク)

・対応の遅れによる、受注・事業参画機会の喪失

(機会)

・水素・アンモニア関連施設工事や、輸配送・貯蔵等の関連ビジネスの増加

・原発再稼働関連事業の増加や次世代革新炉の計画進展

・次世代エネルギー関連の実証事業への参画、関連技術の開発促進

・原発再稼働関連事業等への参画、次世代革新炉に関する技術開発促進と関連企業との関係強化

 

 

 

・地球温暖化を含む気候変動の進行による自然災害の甚大化・頻発化、海面上昇の進行

(リスク)

・建設作業所等の被災による作業停止、工程遅延、人件費・仮設費の増加

・取引先の被災による調達コストの増加や工程遅延

・夏季の平均気温上昇による生産性の低下、労働環境悪化に伴う担い手減少の加速

(機会)

・災害後の復旧・復興対応、高リスク地域からの移転需要の増加

・都市浸水対策、治山治水など国土強靭化事業の増加

・熱中症対策の徹底等、作業所の更なる環境改善

・省人化・省力化施工技術の開発と普及促進

・グリーンインフラ関連技術、防災・減災技術の開発と積極的な提案による普及拡大

・社会からのサーキュラーエコノミーへの要請拡大、環境規制の強化

・省資源化、廃棄時の分別徹底、再生資源使用拡大等の義務化

・プラスチック資源循環に関する法規制強化

(リスク)

・対応の遅れによる信用失墜、受注機会の喪失、コスト増による収益悪化

(機会)

・プラスチックをはじめとした資源の再生施設の新造・更新需要の増加

・処分場再生や建設発生土有効利用需要の増加

・再資源化可能な建材を使用した建物、水資源を有効活用した建物の需要の増加

・バイオマスエネルギープラントの需要増加

・PFAS等の今後規制が見込まれる物質に対する土壌・地下水浄化技術の需要の増加

 

・動脈産業、静脈産業との連携強化による資源再生・資源循環の促進

・T-eConcrete®、T-ニアゼロスチール等、資源循環に配慮した材料や工法の開発と普及促進

・ゼロウォータービル、木造・木質建築等、資源循環に配慮した設計・提案の推進

・プラスチックをはじめとした建設廃棄物の削減とグリーン調達の推進

・バイオマス利用エネルギー関連技術の開発促進

・今後規制が見込まれる物質対応・自然環境に対して低負荷な土壌・地下水の原位置浄化技術の高度化

 

 

 

 

脱炭素社会

循環型社会

自然共生社会

2030年の想定

リスク・機会

影響度

対応策

・木造建物の基準が整備され高層木造建築が普及

・木材輸出国での森林資源の減少、国産木材市場の拡大

・資源循環・自然共生が不動産価値の構成要素化

(リスク)

・対応の遅れによる受注機会の喪失

・木造・木質関連技術開発の遅れ、人財不足による受注機会喪失

・認証木材の需要増加による調達ルート確保困難化、コスト増

(機会)

・木造・木質建築の需要の増加

・不動産価値向上に資する資源循環・自然共生に配慮した設計・開発の需要増加

・木造・木質関連技術の高度化、差別化、技術者確保の推進

・サーキュラーエコノミー・ネイチャーポジティブに配慮した木材調達ルートの確保による適切な木材調達の推進

・BIM/CIMと連携したサーキュラープラットフォームの構築による、建設物のライフサイクルでの資源循環及び見える化の推進

・資源循環・自然共生に十分配慮した開発計画の推進

 

 

・社会からのネイチャーポジティブへの要請拡大

・自然資本保全のための規制強化

(リスク)

・対応の遅れによる信用失墜、受注機会の喪失、コスト増による収益悪化

・立地選定の困難化、規制強化等による建設投資減少

(機会)

・自然共生に配慮した建物需要や、グリーンインフラ技術を用いた事業の増加

・ネイチャーポジティブに貢献する技術の活用機会の増加

・ネイチャーポジティブ評価手法の開発とプロジェクトへの適用

・グリーンインフラ関連技術の開発と提案推進

・大規模再開発に伴う都市における自然の創出や生態系保護の提案の推進

 

 

 

・資源の枯渇等による原材料の調達困難化

・水不足による施工への悪影響

(リスク)

・資源不足等による事業コスト増加、事業規模縮小

・水資源の不足による工事中断や遅延

(機会)

・節水型の建物、施設や水資源関連施設の需要増加

・資源循環利用に配慮した設計・資材・工法の需要拡大

・建設ライフサイクルにおける資源循環システムの構築

・ゼロウォータービルの技術開発と普及促進

・強固なサプライヤー網の構築

・工事施工における水リスク管理の徹底

 

 

ネイチャーポジティブの未達成による生態系、水質、土壌、大気の劣化 

(リスク)

・木材資源などの自然資本の減少による建設資材調達の困難化

(機会)

・自然を回復させる事業の増加、受注機会の拡大

・ネイチャーポジティブに貢献する技術の需要拡大

・持続可能な木材利用を進める・森林資源を再生する・良質な森林を保全する取り組みの促進(つかう・つくる・まもる)

・グリーンインフラ関連技術、ネイチャーポジティブに貢献する技術開発と積極的な提案による普及拡大

・ネイチャーポジティブ評価手法の開発とプロジェクトへの適用

・サステナブル調達ガイドラインに基づくサプライヤーエンゲージメントの推進、グリーン調達の推進

 

 

  ●環境・エネルギー関連投資

中期経営計画(2021-2023)においては、3ヵ年の環境関連投資額を600億円、そのうち420億円を、経済と環境の好循環により成長が期待される産業分野に貢献する技術開発及び競争優位性のある技術開発に投資することとしておりましたが、環境関連技術開発投資を拡充したため、期間中に約520億円の投資を実行しました。

中期経営計画(2024-2026)においては、3ヵ年の環境・エネルギー関連投資額を750億円、そのうち600億円を、社会・環境課題に対応する技術開発に投資することとしております。

 

 

③リスク管理

前述の「(1)共通 ③リスク管理」をご参照ください。

また、当社グループでは、「持続可能な環境配慮型社会の実現」に向けて、環境方針に基づく「環境デュー・ディリジェンス」の仕組みを構築し、継続的に実施しております。

当社グループの事業活動が環境に及ぼす影響について、「負の影響の特定・評価」、「負の影響の予防・軽減」、「対応の実効性の追跡調査」、「情報開示」といったPDCAサイクルを回し、適宜見直し・改善を図っております。その実施状況については、サステナビリティ推進委員会、経営会議、サステナビリティ委員会で事前審議の上、取締役会に報告して監督を受けております。

当社グループが負の影響の原因となった、あるいは助長したことが判明した場合には、適切な手段により速やかにその是正に取り組みます。

環境デュー・ディリジェンスの取り組みの詳細については、当社ウェブサイトをご覧ください。  

                   (https://www.taisei-sx.jp/environment/duediligence.html

 

 <環境デュー・ディリジエンスの実施フロー>

 


 

 

④指標及び目標

当社グループでは[TAISEI VISION 2030]達成計画において、グループCO排出量削減目標として、2026年度目標を新たに設定するとともに、これまでの2030年度目標を改訂いたしました。SBT(Science Based Targets)が求める1.5℃目標に則り、2022年度比で2030年度にスコープ1+2を42%削減、スコープ3(カテゴリ1+11)を25%削減することを目標としております。

 

  ●グループCO排出量削減目標(2022年度比)

(原単位:t-CO/億円|総排出量:千t-CO

 

基準年

グループ長期環境目標

TAISEI Green Target 2050

2022年度

2026年度

2030年度

2050年度

スコープ1+2

総排出量

削減率

291

240

▲18%

169

▲42%

排出量 0

スコープ1+2

排出量原単位

削減率

18.4

13.5

▲6%

スコープ3

カテゴリ1+11

総排出量

削減率

6,594

4,945

▲25%

 

 なお、2023年度の実績値は、当社ウェブサイトに掲載いたします(2024年7月予定)。

 

  ●TNFDの中核開示指標

TNFD提言によると、まず自社にとっての優先地域を特定し、そのうえで当該特定地域に関する指標を開示することが求められています。当社は提言に則って優先地域の特定を進め、TNFDが求める指標の開示を検討してまいります。

なお、当社ウェブサイト内で以下の項目を含む環境データを開示しております。

https://www.taisei-sx.jp/environment/material_flow.html

マテリアルフロー

INPUT

エネルギー、主要建材・資材、水

OUTPUT

CO(スコープ1・2・3)、NOx、SOx、フロン、建設副産物、水

建設副産物排出量(廃棄物・有価物)

建設副産物排出量、種類別排出量、最終処分量、リサイクル量・率

有害物質の管理

有害廃棄物、PCB廃棄物、揮発性有機化合物

 

 

(3) 人的資本関係

①ガバナンス

当社グループは、人材活用方針(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン方針)を定め、ダイバーシティ経営の実現に向けて、多様な能力を有する人財を採用するとともに、その能力が最大限発揮できる職場環境を一層整備すべく取り組んでおります。

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン、働き方改革、健康経営、エンゲージメント等に関わる重要事項については、業務委員会である人事委員会での事前審議を経て、経営会議及び取締役会で審議・決定しております。

 

②戦略

  ●[TAISEI VISION 2030]達成計画及び中期経営計画(2024-2026)

「人的資本」を経営の基本方針の一つとして定め、社員の能力を最大限に発揮できる魅力的な環境の整備、人的資本投資の拡充、社員の健康と幸福感、多様なキャリアパスの実現に取り組んでおります。

 

 

 <基本方針>

人財が競争力の源泉であることを認識し、必要な施策をスピーディーに実行する

  ・社員のエンゲージメント向上のために、能力を最大限に発揮できる環境を整備

  ・当社グループの持続的成長を支えるための人的資本投資を拡充

  ・身体的・精神的・社会的な健康と幸福感(ウェルビーイング)、多様なキャリアパスの実現

 

 

  ●人財の採用

新卒採用、キャリア採用(中途採用)のいかんを問わず、性別、年齢、人種や国籍、障がいの有無、性的指向・性自認、宗教・信条、価値観だけでなく、キャリアや経験、働き方などを含めて、多様な能力を有する人財を採用しております。

 

  ●社内環境整備

多様性を尊重し、社員一人ひとりが高いエンゲージメントを維持して活躍できるよう、社内環境の整備に取り組んでおります。

・人財育成

多様な人財が、ライフステージや能力、意欲に応じた活躍ができるよう、キャリア形成やスキルアップ、リスキリングを後押しする仕組みを構築する。

・人財配置

スキルの向上度合いや社員のキャリア志向・適性を把握し、計画的・効率的な配置を実施する。

・処遇

社員のキャリアパス、評価制度と連動した魅力的な報酬水準の確保に向けた給与制度の見直しを実施する。

・シニア活性化

シニア世代の社員の活性化のため、処遇改善・リスキリング・定年制度の見直しを実施する。

・職場環境

安心して持てる能力を最大限に発揮できるよう、多様な意見や働き方を受け入れ、自由闊達で風通しがよく、違いを認め合い、偏見のない、働きやすい職場環境を整備する。

 

  ●エンゲージメント

2022年度より当社及び主要グループ会社において、エンゲージメントサーベイを開始しました。過去3回のサーベイ結果より、全社的な課題として、経営層と社員の間においてエンゲージメントの状態に差が生じていることが認められました。相互の意思疎通を図ることを目的とした意見交換会を数多く実施し、経営方針の伝達や現場課題の共有を図るとともに、社員から寄せられた意見を会社施策に生かす取り組みを行っております。

また、組織毎にエンゲージメントの状態が大きく異なるため、各組織のサーベイ結果を読み解き、改善に向けた施策の立案と実行を行うことにより、「働きがい」「働きやすさ」を兼ね備えたエンゲージメントの高い組織を目指しております。
 

  ●リスクと機会

国内の少子高齢化により生産年齢人口は減少しており、働き手を確保し、企業の持続的成長を図るためには、女性や高齢者、外国籍人財等の活用が欠かせない状況になっております。女性をはじめとする多様な属性の社員の活躍を推進するための取り組みや、子育て・介護と仕事の両立支援など多様な働き方を推進する取り組みを経営に活かすことは、個人と組織のパフォーマンスを向上させ、事業の成長と企業価値向上につながります。

 

③リスク管理

前述の「(1)共通 ③リスク管理」をご参照ください。

 

 

④指標及び目標

「一人ひとりがいきいきと活躍できる社会・職場環境の実現」をマテリアリティとして掲げ、以下のKPIを設定しております。

指標

対象

2023年度実績

2026年度目標

エンゲージメントスコア ※1

当社

B 50.2

BBB 55

新卒女性採用比率

22

27

 

※1 ㈱リンクアンドモチベーションのエンゲージメントサーベイを実施。指標は同社算定評価を採用(評価はAAA~DDの11段階としております)。

AAA

AA

A

BBB

BB

B

CCC

CC

C

DDD

DD

67

以上

67

未満

61

未満

58

未満

55

未満

52

未満

48

未満

45

未満

42

未満

39

未満

33

未満

 

 

※2 上記KPIは、当社グループの主要な会社である当社の目標を掲げております。

なお、主要グループ会社の「管理職に占める女性労働者の割合」、「男性労働者の育児休業取得率」、「労働者の男女の賃金の差異」は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。

 

(4) 人権尊重

当社グループは、人権方針において、事業活動に関連して人権への負の影響を生じさせないよう、自主的・積極的・能動的に企業としての責任を果たすことにより、包摂的な社会の実現に貢献することを基本姿勢とし、人権尊重の取り組みを推進しております。

 

①ガバナンス

前述の「(1)共通 ①ガバナンス」をご参照ください。

 

②戦略

●マテリアリティ

当社グループ及び取引先の社員など、当社グループの仕事に携わる全ての人の人権を尊重し、自らのキャリアプランに合わせて最大限に能力を発揮できる環境をつくることを目指して、「一人ひとりがいきいきと活躍できる社会・職場環境の実現」をマテリアリティの一つに定めております。

 

●[TAISEI VISION 2030]達成計画

[TAISEI VISION 2030]の達成に向け、2024年5月に「事業基盤の整備方針」の一つとして「サステナビリティ戦略」を定め、人権については「当社グループの事業に携わる一人ひとりの人権を尊重する」を基本方針として取り組んでおります。

中長期においては企業活動に伴う人権尊重責任が高度化・厳格化されるとともに、働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)やエシカル消費の一層の高まりが想定されることから、2030年に向けて、以下の事項に重点的に取り組んでおります。

 ・人権デュー・ディリジェンスの継続的実施による啓発・浸透

 ・ステークホルダーとの対話の充実

 ・誰もが働きやすい快適な作業環境の確保、エシカル消費への対応

 

 

リスクと機会

人権尊重のための取り組みが不十分な場合には、社員の健康障害、エンゲージメントの低下、被害者からの損害賠償請求等のリスクが生じます。

また、情報開示が不十分な場合には、競争力・ステークホルダーからの評価の低下や受注機会の減少といったリスクにつながります。

一方、人権尊重のための取り組みの推進は、社員のエンゲージメントの向上や組織の活性化につながります。それに伴い、競争優位性の確保、企業価値向上、ステークホルダーからの評価向上が見込まれます。

 

③リスク管理

前述の「(1)共通 ③リスク管理」をご参照ください。

また、人権尊重の責任を果たすため、「人権方針」に基づく「人権デュー・ディリジェンス」の仕組みを構築し、継続的に実施しております。

当社グループの事業活動が人権に及ぼす影響について、「負の影響の特定・評価」、「負の影響の予防・軽減」、「対応の実効性の追跡調査」、「情報開示」といったPDCAサイクルを回し、適宜見直し・改善を図っております。その実施状況については、サステナビリティ推進委員会、経営会議、サステナビリティ委員会で事前審議の上、取締役会に報告して監督を受けております。

当社グループが負の影響の原因となった、あるいは助長したことが判明した場合には、適切な手段により速やかにその救済・是正に取り組みます。また、救済・是正の実効性を高めるために、各種相談窓口を設けて社内外に周知し、対応体制を整備しております。

人権デュー・ディリジェンスの取り組みの詳細については、当社ウェブサイトをご覧ください。

https://www.taisei-sx.jp/social/human_rights/duediligence.html

 


 

④指標及び目標

「当社グループのサプライチェーンにおける人権侵害ゼロ」を長期目標として掲げるとともに、以下のKPIを設定しております。

指標

対象

2023年度実績

2026年度目標

サプライヤーのサステナビリティ活動状況確認率

(契約社数ベース)

当社

54%

100%

 

 

(5) その他のサステナビリティ課題に関する考え方及び取り組み

その他のサステナビリティ課題に関する考え方及び取り組みについては、当社ウェブサイトをご覧ください。

    (https://www.taisei-sx.jp/