2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,903名(単体) 5,392名(連結)
  • 平均年齢
    46.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    21.0年(単体)
  • 平均年収
    8,933,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

(2025年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数 (人)

土木工事、建築工事

5,392

〔2,112〕

その他

0

〔    0〕

合計

5,392

〔2,112〕

 

(注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は〔  〕内に年間の平均人員を外数で記載しています。

 

(2) 提出会社の状況

(2025年3月31日現在)

従業員数 (人)

平均年齢 (歳)

平均勤続年数 (年)

平均年間給与 (千円)

2,903

〔1,318〕

46.2

21.0

8,933

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

土木工事、建築工事、その他

2,903

〔1,318〕

 

(注) 1  従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は〔  〕内に年間の平均人員を外数で記載しています。

2  平均年齢及び平均勤続年数は、それぞれ小数点第1位未満を切り捨てて表示しています。

3  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループでは、当社、三井住建道路㈱、三井住友建設鉄構エンジニアリング㈱及びSMCプレコンクリート㈱が労働組合を結成しています。

なお、各社とも労使関係は円滑に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1、2)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注3、4)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

3.0

107.6

59.9

65.1

66.7

(注5)

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.管理職は、2025年3月31日現在における「部下を持つ職務以上の者及び部下を持たなくてもそれと同等の地位にある者」の数より算出しています。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

4.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号に規定される算出方法は以下のとおりです。

2024年度において、育児休業を取得した男性社員数

2024年度において、配偶者が出産した男性社員数

 

5.男女の賃金格差について、男性社員の平均勤続年数22.5年に対し、女性社員の平均勤続年数は13.5年と開きがあり、管理職候補となる層及び給与水準の高い全国転勤有の区分の社員が男性に比べ女性は少ない状況です。当社の総合職において、女性不在の職群及び等級を除いた賃金の平均は以下のとおりです。

 

女性平均賃金/男性平均賃金

管理職

95.1%

主任格

91.6%

係 員

94.4%

 

 

 

 ② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注2、3)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注4)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注2)

全労働者

正規労働者

パート・

有期労働者

三井住建道路株式会社

0.0

66.7

58.8

61.5

78.9

(注1、5)

三井住友建設鉄構エンジニアリング株式会社

100.0

65.0

63.6

68.4

(注1、6)

株式会社西和工務店

3.0

0.0

(注1、7)

 

(注) 1.国内連結子会社のうち、常時雇用する労働者が301人以上の子会社を記載しています。株式会社西和工務店については、常時雇用する労働者が101人未満ですが、「管理職に占める女性労働者の割合」及び「男性労働者の育児休業取得率」を公表しているため記載しています。なお、常時雇用する労働者が101人以上301人未満の子会社については、厚生労働省令に基づく「女性の活躍に関する情報公表項目」から下記項目を選択し公表しています。

ドーピー建設工業株式会社

採用した労働者に占める女性労働者の割合 38.9%

SMCプレコンクリート株式会社

採用した労働者に占める女性労働者の割合  0.0%
(当事業年度において女性労働者の採用はありません。)

株式会社SMCR

有給休暇取得率  36.3%

SMCシビルテクノス株式会社

有給休暇取得率  74.5%

 

 

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

3.管理職は、2025年3月31日現在における「部下を持つ職務以上の者及び部下を持たなくてもそれと同等の地位にあるもの」の数より算出しています。

4.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

5.三井住建道路株式会社におけるダイバーシティ推進は、持続的に成長するための経営戦略の一つであり、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる会社を目指しています。なかでも女性活躍推進を最大の課題と認識しており、「女性活躍推進法」に基づいて、積極的な女性採用及び管理職登用を行い、女性が働きやすい職場づくりに取り組んでいます。また、採用においては中途採用に門戸を開き、同社が目指す「選ばれる企業へ」に向けた人材基盤の強化を図り、中核人材に育成していきます。なお、当事業年度における管理職に占める女性労働者はいません。また、労働者の男女の賃金の差異については、賃金制度・体系において性別による差異はなく、主に等級別人数構成の差異によるものです。

6.三井住友建設鉄構エンジニアリング株式会社は、「管理職に占める女性労働者の割合」については公表しておりません。なお、労働者の男女の賃金の差異については、賃金制度・体系において性別による差異はなく、勤続年数及び資格等級の差異によるものです。
同社では、女性が活躍できる職場づくりを目指しており、新卒・中途採用者における積極的な女性採用及び女性管理職の登用に取り組んでいます。また、人事制度において人材育成の基本理念としている「機会均等」「競争原理」「公正評価」を徹底し、人材基盤の強化を図っています。

7.株式会社西和工務店は、「労働者の男女の賃金の差異」については公表しておりません。女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画において、男女ともに働きやすい環境をつくることによってすべての社員がその能力を十分に発揮できる職場作りを目指しており、女性従業員の増員に取り組んでいます。なお、当事業年度における育児休業取得の対象となる男性労働者はいません。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、環境・社会・経済的価値を同時に創出し、サステナブル社会への貢献と当社グループの持続的な成長の好循環の実現に向けて「環境」や「社会」の取り組みを強化しています。

サステナビリティに関する基本的な考え方を纏めた「サステナビリティ基本方針」(2021年12月制定)を、企業グループ全体で共有する「三井住友建設グループサステナビリティ基本方針」に改訂し(2024年2月)、同様に、人権尊重に関する基本的な考え方を纏めた「人権方針」(2021年11月制定)を、企業グループ全体で共有する「三井住友建設グループ人権方針」に改訂しました(2024年2月)。

また、多様な人材が活躍できる企業風土を実現するため「三井住友建設グループD&Iポリシー」を制定しました(2023年1月)。

 


 

三井住友建設グループサステナビリティ基本方針
                https://www.smcon.co.jp/company/company-policy/sustainability-policy/
2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ  https://www.smcon.co.jp/csr/carbon-neutral/
三井住友建設グループ人権方針  https://www.smcon.co.jp/company/company-policy/human-rights-policy/
三井住友建設グループD&Iポリシー   https://www.smcon.co.jp/company/company-policy/di-policy/

 

①環境、②社会(人権)

環境(気候変動、生物多様性、資源循環)、人権などのサステナビリティ施策は、取締役会による監督の下、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ推進委員会で審議し、重要な事項については経営会議での審議を経て、取締役会で決議します。

2024年度は開催された取締役会 24回の内、11回でサステナビリティ関連の内容を含む議題(環境、社会(人権等)が付議、報告されました。

気候変動、生物多様性、資源循環や人権に関する取り組みを全社で推進するため、各本部にサステナビリティ推進組織を設置し、又は担当者を配置し、経営企画本部長(取締役常務執行役員)がリーダーを務める組織横断のSX推進プロジェクトを設置し、サステナビリティ施策の立案、展開、進捗管理を行う体制を整えています。

 

 

③社会(人的資本、④ダイバーシティ&インクルージョン(D&I))

人的資本の整備については、人事部、D&I推進部、グローバル人材開発センターが中心となり、計画に基づき採用や育成を推進してまいりました。国内における外国籍人材の採用、海外大学からの直接採用、女性経営幹部候補育成プログラム、若手の育成を目的としたコア人材育成研修、グローバル人材の確保・育成、外国籍人材の定着支援などとともに、社内公募制度、ワークライフバランスの推進と育児休業取得推進などにより、多様な人材が活躍できる環境づくりに取り組んでいます。なお、人材部門の統合を図るとともに戦略的な採用・育成をしながら働きやすさを追求するため、2025年4月に組織改編をしました。

ダイバーシティ&インクルージョンについては、代表取締役社長を委員長とするD&I推進委員会で審議し、重要な事項については経営会議での審議を経て、取締役会で決議します。経営トップの強いコミットメントと社員の意識改革の下、女性、外国人、シニア、障がい者等の積極的な登用を図るとともに、LGBTQ+の理解と配慮についても注力し、多様な人材が活躍できる企業風土づくりの実現に取り組んでいます。

 

(2025年3月31日時点における各会議体)


 


 

各会議体の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 現状のコーポレート・ガバナンス体制を採用している理由及び当該体制の概要」をご参照下さい。

 

⑤スキル・マトリックス

取締役及び監査役が備えるスキルの詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況 ②取締役及び監査役のスキル・マトリックス」をご参照下さい。

 

 

(2) 戦略

①環境(気候変動)

環境方針“Green Challenge 2030”において「脱炭素社会への貢献」を掲げ、事業活動におけるCO2排出量の削減を目指した取り組みを推進しています。

2020年からCDP(気候変動)への回答を開始し、2021年にはTCFDへの賛同表明、脱炭素に向けた目標設定(カーボンニュートラルロードマップ策定)を行いました。2022年には気候変動によるリスクと機会が及ぼす財務影響を定量化し、2023年には1.5℃水準でのSBT認定を取得しました。

気候変動が当社に与えるリスクと機会を把握し、その影響を検討するために、サステナビリティ推進部会でシナリオ分析を実施しました。シナリオは、移行リスクが最大化する「1.5℃シナリオ」と、物理リスクが最大化する「4℃シナリオ」のふたつを想定しました。

(主なシナリオの情報源)


 

リスクと機会が影響を及ぼすと考えられる期間は、短期、中期、長期の3つの時間軸を想定しました。

(3つの時間軸)


 

 

 

シナリオ分析に基づき、重要な気候変動に関するリスクと機会の要因、そこから想定される財務的影響の概要を整理しました。1.5℃シナリオではZEB/ZEH建築の普及等による利益増加が見込めることから、営業利益が増加

するという結果になりました。また4℃シナリオにおいても、現在既に進めている対応策を踏まえると、大きな財務影響は見られないという結果になりました。

 


 

 

(気候変動によるリスク)

 


 

 

(気候変動による機会)

 


 

(2030年の営業利益に与える影響評価結果(1.5℃シナリオ))

 


 

②環境(生物多様性)

環境方針“Green Challenge 2030”において「自然共生社会への貢献」を掲げ、事業活動における「生物多様性に及ぼす影響の『回避、最小化』」を目指した取り組みを推進しています。2024年度はTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)開示推奨ガイドラインを参考にLEAP(Locate、Evaluate、Assess、Prepare)アプローチによる依存、影響の分析とリスク、機会の検討に取り組んでいます。2025年度に、TNFDに賛同表明し、TNFD開示を通してステークホルダーの皆様に当社の取り組みを報告する予定です。

 

③環境(資源循環)

環境方針“Green Challenge 2030”において「循環型社会への貢献」を掲げ、建設廃棄物のリサイクル率の目標を定め、取り組みを推進しています。2024年度はLCA(Life Cycle assessment)の手法による環境負荷の検討に取り組んでいます。

 

 

④人権

2021年度から人権尊重に関する取り組みを推進しています。

人権方針は2021年度に当社として制定し、2024年2月にはグループ全体で共有する方針として改訂しました。人権方針の策定にあたっては、国際規範やガイドライン、評価機関やイニシアチブ、先行他社事例等を参考に、当社の理念体系や人権関連の取り組みとの整合や業界特性等を考慮しました。

人権方針に基づき、事業活動における人権への負の影響を特定・評価し、リスクの回避・軽減に向けた対策を講じるため、世界人権宣言をはじめとする国際規範等を参考に、事業活動において重要と考えられる各人権課題に関する影響深刻度・発生可能性を評価する人権デュー・ディリジェンスに取り組んでいます。人権デュー・ディリジェンスは調査対象を当社、国内外関係会社、国内協力会社と順次拡大しながら継続的に実施しています。

苦情処理の仕組み(グリーバンスメカニズム)の構築として、ホームページに人権に関するご相談や苦情などを受け付ける窓口を設置し、当社グループの役員・従業員、お客様、サプライチェーンで働く方、地域コミュニティの方など、あらゆるステークホルダーの方からのご意見を受け付けています。寄せられたご意見等は、皆様の匿名性や保護に配慮し、適切かつ必要な対応を行います。また、当社グループの事業活動が人権への負の影響を引き起こした、あるいはこれに助長や加担したことが明らかになった場合には、社内外の手続きを通じてその是正や救済に努めます。

役員・従業員の人権尊重に対する理解を深めるための教育を行っています。「ビジネスと人権」をテーマに、すべての役員と従業員向けにe-ラーニングによる教育を行うとともに、同コンテンツを英文に翻訳し、海外ローカルスタッフ向けにも教材として提供しています。そのほか、入社年次毎の集合教育、全社員を対象としたコンプライアンス教育やハラスメント教育を定期的に実施しています。今後はグループ会社にも展開し、継続的な教育と啓発を通して、人権方針や人権尊重の考え方を当社に浸透させていきます。

 


 

人権尊重への取り組み

https://www.smcon.co.jp/csr/human-rights/

 

 

⑤人的資本、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)

当社グループの「2030年の将来像」の実現や「社会から選ばれる企業」の実現を支えるのは「人材」であり、社員一人ひとりが「期待し、満足し、誇りをもって働く」ことができる企業になるため、(1.採用強化、2.リテンション強化、3.人材の質向上)を人材戦略の三本柱とし、基本方針を実現する諸施策を着実に実行することにより、持続的な企業価値の向上につなげてまいります。「適正な人材の獲得・配置」と「能力開発」の具体化を起点に、多様な職場環境において「成長が実感できるキャリア形成」の実現により、「個人の意欲」を高めることで、エンゲージメント向上につながる価値循環が生まれるように取り組んでまいります。

 

(人材戦略骨子・施策概要)


 

(3) リスク管理

①環境(気候変動)

2020年度に、当社が取り組むべきサステナビリティに関するマテリアリティの特定を行い、気候変動課題は当社が優先的に取り組むべき課題の一つであるとの結論に至りました。

気候変動に関するリスクの特定は、サステナビリティ推進委員会が行います。気候変動に関するリスクの評価は、各事業における気候変動要因を特定した上で、1.5℃シナリオ、4℃シナリオそれぞれにおける将来の規制・社会・技術・気象条件等の変化を把握し、財務への影響度を検討し対応策へ反映させます。また、気候変動に関するリスクについては、全社のリスク管理プロセスに統合しています。自然災害などの物理リスク、環境規制の強化に係る移行リスクについても管理の対象として設定しています。

 

②人権

2020年度に、当社が取り組むべきサステナビリティに関するマテリアリティの特定を行い、人権課題は当社が優先的に取り組むべき課題の一つであるとの結論に至りました。

人権に関するリスクの特定は、人権デュー・ディリジェンスによって行います。自社の国内外拠点、関係会社、協力会社を含むサプライチェーン全体の人権侵害リスクを特定し、当社にとって重要な人権課題から優先順位を付けて是正措置を講じるなど、人権への取り組みをマネジメントシステムとして構築していきます。

 

③人的資本

2020年度に、当社が取り組むべきサステナビリティに関するマテリアリティの特定を行い、若手担い手の確保・育成、ワークライフバランスの推進、グローバル人材の確保・育成、社員のエンゲージメントの向上は当社が優先的に取り組むべき課題の一つであるとの結論に至りました。特に、採用競争力の低下により人材確保が計画的に進められなくなることや、社員の離職による人材流出の増加等により、長期的な視点から業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに的確に対処するため、多様な人材を受け入れ、活躍しやすい環境を整えることで、社員のやりがいと成長を実感できる仕組みを構築してまいります。

 

④ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)

2020年度に、当社が取り組むべきサステナビリティに関するマテリアリティの特定を行い、ダイバーシティ&インクルージョンの実現は当社が優先的に取り組むべき課題の一つであるとの結論に至りました。

企業を取り巻く環境が複雑かつ不確実性を増すなか、多様な人材が活躍するためには人それぞれの違いを理解し自然に受け入れる意識を持つことが重要です。様々な観点での多様性がある事の啓発と、理解を促進し誤解によるトラブルの回避を行い、ダイバーシティ&インクルージョンの実現を憚るリスクについて、適切に管理していきます。

 

(4) 指標及び目標

①環境(気候変動)

環境方針"Green Challenge 2030"の脱炭素関連の目標を、2021年度に策定した「2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ」に合わせて見直しました。

CO2排出量削減目標はSBT(Science Based Targets)イニシアチブの基準「1.5℃目標」に沿ってScope1+2、Scope3に対する目標値を設定し、2023年12月にSBT認定を取得しました。

Scope1削減策として、作業所で使用する一部の建設機械にB5等のCO2排出量の少ない軽油代替燃料を採用しています。また能登川工場に水素ボイラ、水素製造装置、貯蔵設備を導入し、プレキャストコンクリート(PCa)部材製造時のCO2排出量の削減に取り組んでいます。

Scope2削減策として、国内作業所及び常設事業所(本支店オフィス、能登川工場)の電力をグリーン電力に切り替えています。2024年度は国内作業所で使用する仮設電力の約75%をグリーン電力としました。

Scope3に占める割合が大きいCategory11削減策として、ZEB、ZEH案件の建設に取り組んでいます。ZEBプランナー、ZEHデベロッパーに登録し、2024年度はZEB案件4件、ZEH案件11件が竣工しました。

カーボンニュートラルロードマップについては、CO2排出量算定精度向上に伴い、ロードマップを改訂しました。これに伴い、2023年12月に取得したScience Based Targets(SBT)認定は、新たな目標に基づいて再取得する予定です。

 

(2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ(改訂前))


 

 

(カーボンニュートラルロードマップ改訂後)

 


 


 


 

 


 

(CO2排出量の指標及び目標、当事業年度実績(単体))

Scope1+2 CO2排出量実績(t-CO2
(単体)

基準年

事業年度

2020年

2022年

2023年

2024年

 

①Scope1(国内)

50,328

54,844

39,734

31,704

 

②Scope1(海外推計)

6,251

9,769

5,937

4,488

 

③Scope2(国内)

12,491

7,855

5,633

3,265

 

④Scope2(海外推計)

1,696

1,399

842

462

Scope1+2(①+②+③+④、基準年比較)

70,766

73,867

52,146

39,918

削減目標(%)

0.0%

▲10.0%

▲15.0%

▲20.0%

削減推計(基準年比較)(%)

0.0%

4.4%

▲26.3%

▲43.6%

 

⑤Scope1(海外実績)

45,732

15,595

6,261

 

⑥Scope1(①+⑤)

50,328

100,576

55,329

37,965

 

⑦Scope2(海外実績)

3,682

2,475

3,708

 

⑧Scope2(③+⑦)

12,491

11,537

8,108

6,973

⑨Scope1+2(⑥+⑧、実績)

62,819

112,113

63,437

44,938

 

※ 削減目標はScope1+2の合計に対して設定しています。

※ Scope1(海外推計)及びScope2(海外推計)は、基準年(2020年)との比較のため、海外工事によるCO2排出量を国内外の完工高割合に基づいて推計した値です。Scope1(海外実績)及びScope2(海外実績)は、海外工事によるCO2排出量を活動量の実績に基づいて算定した値です。

※  2023年度の数値は、2024年8月30日に取得した第三者保証の数値に基づいた数値です。

 

2024年度の単体のCO2排出量は、Scope1が37,965 (t-CO2)、Scope2が6,973 (t-CO2)、合計44,938 (t-CO2)となりました。Scope1は施工機械の稼働が多い工事の割合が減少したことにより、Scope2は仮設電力をグリーン電力とする取り組みが進捗したことにより、CO2排出量が減少しています。

 

 

Scope3 CO2排出量実績(t-CO2)
(単体)

基準年

事業年度

2020年

2022年

2023年

2024年

 

⑩Category1(国内)

242,619

283,290

462,323

346,612

 

⑪Category1(海外)

75,912

40,538

 

⑫Category1(⑩+⑪)

242,619

283,290

538,236

387,150

 

⑬Category11(国内)

1,147,446

871,087

736,380

728,715

 

⑭Category11(海外)

83,018

0

308,616

 

⑮Category11(⑬+⑭)

1,147,446

954,105

736,380

1,037,331

 

その他のCategory(国内)

82,531

90,911

77,852

45,154

 

その他のCategory(海外)

7,199

6,158

4,827

 

⑱その他のCategory(⑯+⑰)

82,531

98,111

84,009

49,981

⑲Scope3(⑫+⑮+⑱)

1,472,596

1,335,506

1,358,625

1,474,463

削減目標(%)

0.0%

▲5.0%

▲7.5%

▲10.0%

削減実績(%)

0.0%

▲9.3%

▲7.7%

0.1%

Scope1+2+3(⑨+⑲)

1,535,415

1,447,619

1,442,062

1,519,401

 

※  2023年度の数値は、2024年8月30日に取得した第三者保証の数値に基づいた数値です。

※ 2020年度、2022年度の⑯その他のCategory(国内)の数値は、2023年12月のSBT認定取得に際する指摘事項等により、計算方法を見直しました。

※ 2022年度のその他のCategory(海外)の数値は、再算定により見直しました。

 

Scope3はCategory1が387,150 (t-CO2)、Category11が1,037,331 (t-CO2)、その他のCategoryが49,981 (t-CO2)、合計1,474,463 (t-CO2)となりました。Category1は海外の算定精度向上のため減少しました。Category11は海外の竣工物件により増加しています。Scope3合計では基準年に比べて 0.1%増加しています。

 

 

(CO2排出量の指標及び目標、当事業年度実績(連結))

CO2排出量実績(t-CO2)
(連結)

基準年

事業年度

2020年

2022年

2023年

2024年

 

①Scope1(国内)

93,416

97,155

81,097

69,044

 

②Scope1(海外)

50,818

33,828

24,844

 

③Scope1(①+②)

93,416

147,973

114,925

93,888

 

④Scope2(国内)

19,356

16,268

12,039

6,247

 

⑤Scope2(海外)

4,836

3,776

5,489

 

⑥Scope2(④+⑤)

19,356

21,104

15,815

11,736

 

⑦Scope1+2(③+⑥)

112,772

169,077

130,740

105,624

 

Category1(国内)

361,092

390,962

556,525

447,035

 

Category1(海外)

683,006

220,395

 

⑩Category1(⑧+⑨)

361,092

390,962

1,239,530

667,430

 

Category11(国内)

1,174,252

892,439

738,604

735,935

 

Category11(海外)

370,419

573,499

1,936,186

 

⑬Category11(⑪+⑫)

1,174,252

1,262,858

1,312,103

2,672,121

 

その他のCategory(国内)

96,444

126,364

111,278

71,286

 

その他のCategory(海外)

8,593

17,399

278,224

 

⑯その他のCategory(⑭+⑮)

96,444

134,957

128,677

349,510

⑰Scope3(⑩+⑬+⑯)

1,631,788

1,788,777

2,680,310

3,689,061

Scope1+2+3(⑦+⑰)

1,744,560

1,957,854

2,811,050

3,794,685

 

※  2023年度の数値は、2024年8月30日に取得した第三者保証の数値に基づいた数値です。

※  2020年度、2022年度の⑭その他のCategory(国内)の数値は、2023年12月のSBT認定取得に際する指摘事項等により、計算方法を見直しました。

※ 2022年度の⑮その他のCategory(海外)の数値は、再算定により見直しました。

 

2024年度の連結CO2は、Scope1が93,888 (t-CO2)、Scope2が11,736 (t-CO2)、合計105,624 (t-CO2)となりました。Scope1は国内、海外とも施工機械の稼働が多い工事が減少したことにより、Scope2は国内の電力をグリーン化が進んだこと、及び海外の電力使用量が減少したことにより、CO2排出量が減少しています。

Scope3はCategory1が667,430 (t-CO2)、Category11が2,672,121 (t-CO2)、その他のCategoryが349,510 (t-CO2)、合計3,689,061 (t-CO2)となりました。海外竣工工事の大規模化に伴い、Category11が増加したことにより、Scope3合計が増加しています。また、今後、海外工事のCategory11については、生産施設用途が多い実態を考慮した算定方法を検討します。

 

 

当社グループは、社会のカーボンニュートラル実現に寄与する取り組みとして、再生可能エネルギー事業を推進しています。再生可能エネルギー設備容量(MW)及び年間発電量(MWh)の実績・目標は以下の通りです。

 

(再生可能エネルギー事業の実績と目標)


 

2024年度は、FIP制度活用型PPAモデル事業の水上太陽光発電所が兵庫県加東市に完成しました。2025年5月より発電事業を開始します。本事業の開始により、当社の自社運営する太陽光発電所は10件(水上8件(本事業、稼働中7件)、陸上2件)となります。これにより、累積設備容量は15.9(MW)、年間発電量は18,191(MWh)となりました。この発電量によるCO2削減効果は、7,968(t-CO2)と算定されます。

※ 電力の排出係数は「電気事業者別排出係数(2024年7月19日、環境省・経済産業省公表による)」における一般送配電事業者の調整後排出係数としています。

 

人権

人権デュー・ディリジェンスの結果は、人権課題に対する発生可能性と影響深刻度によるヒートマトリクスと、管理体制等の脆弱性評価の結果として纏めました。

これまでに実施した当社、国内外関係会社、協力会社を対象としたヒートマトリクスでは、⑨先住民族・地域住民の権利、⑦労働安全衛生、⑩消費者利益、⑧労働時間、④ハラスメントと虐待、の5項目が高リスクと評価されました。一方、管理体制等の脆弱性評価では、⑤児童労働(教育を受ける権利の尊重)、⑥強制労働、⑨先住民族・地域住民の権利、の3項目が高リスクと評価されました。

 

(ヒートマップによるマトリクス分析結果)



 

 

2024年度は協力会社を対象としてサプライチェーンの人権侵害リスクを特定するとともに、調査結果を分析し、当社にとって重要な人権課題から優先順位を付けて是正措置を講じました。引き続き、人権への取り組みをマネジメントシステムとして構築していきます。

 

 

(管理体制等の脆弱性評価)

 


 

 

③人的資本、④ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)

No.

指標

目標

実績

社員エンゲージメントの向上(注1)

3.9以上

未実施

労働時間の短縮

 

 

 

・社員の時間外・休日労働時間年間720時間以内(達成率:%)

全社員(100%)

99.0%

 

・週休二日(新規着工現場の4週8休以上)(実施率:%)

90.0%以上

91.9%

D&Iの推進

 

 

 

・女性部長比率(%)

2.0%以上

1.9%

 

・総合職の定期採用における女性比率(%)

20.0%以上

28.4%

 

・キャリア採用(中途採用)における女性比率(%)

20.0%以上

36.4

 

・障がい者雇用率(%)(注2)

2.3%以上

2.6

 

・定年再雇用率・継続雇用率(%)

90.0以上

88.7

ワークライフバランスの推進

 

 

 

・社員(管理監督者を除く)の法定時間外・休日労働時間数
(月平均時間)

45時間未満

17時間

 

・年次有給休暇の平均取得率(%)

50.0%以上

51.3

 

(注) 1 「組織診断サーベイ」におけるワークエンゲージメントに関する指標

 2 月次雇用率の平均