2024年4月期有価証券報告書より

リスク

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に対する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。当社のリスク管理体制に関しましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 市場動向について

① EdTech市場の動向について(発生可能性:中/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

当社の教育デジタル事業は、いわゆる「EdTech(Education(教育)×Technology(技術)の造語)」と呼ばれる市場に属しております。EdTech市場のうち、特に教科学習コンテンツの市場規模は、GIGAスクール構想等のユーザー環境変化もあり、今後も拡大していくものと見込んでおりますが、将来において教育環境及びユーザー環境が当社の見込みと著しく異なる場合や、市場規模が急激に縮小していった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 少子化による影響について(発生可能性:中/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

当社の教育デジタル事業は、主に中学・高校学習範囲を対象とした学習塾等教育関連事業者を主要顧客としております。教育産業全体は、長期にわたる出生率低下に伴う少子化により、学齢人口の減少という問題に直面しております。このような状況の下、当社は、当社のサービスを通じて、主要顧客の経営改善を目指して新たなサービスの拡充や機能追加を進める方針ではありますが、今後、少子化が急速に進行し、当社の顧客である学習塾に所属する生徒数の減少または学習塾の閉鎖の増加、また、教育関連事業者の業績が悪化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ インターネット利用者の動向について(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

当社の教育デジタル事業は、インターネットを介してサービスを提供しており、インターネットの活用を前提としていることから、インターネット利用が今後も継続・発展していくことが事業展開の基本条件であると考えております。インターネットの人口普及率は2010年頃から概ね8割程度(出所:総務省「令和6年版情報通信白書」、2024年7月公表)で推移しており、一般的に普及していると言えるなか、スマートフォン及びタブレット端末や高速通信手段の普及が急速に進むなど、インターネットの利用環境は年々改善されており、今後についても同様の傾向が続くと思われます。当社では、法改正などの早期情報収集、市場動向のモニタリングなどを行っておりますが、仮に新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ、利用料金の改訂を含む通信事業者の動向など、予期せぬ要因によりインターネットの利用が阻害される場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 教育制度の変化について(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

近年、教育分野においては、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)化の必要性や、デジタル教科書の導入、大学入試の新制度導入等の環境変化が進んでおり、今後も子どもや保護者の教育に対するニーズも急速に多様化、個別化していくことが予想されます。

このような状況の下、当社は、顧客ニーズに対応した商品・サービスを提供するよう、新技術の開発やノウハウの取得を推進しております。しかしながら、将来において教育環境及び顧客ニーズが当社における対応を上回る規模で急激に変化した場合、経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業に関するリスクについて

① 業績変動の季節性(発生可能性:高/発生時期:数年内/影響度:大)

当社が顧客に提供している各サービスは、導入企業において事業年度等に合わせて新規導入・追加発注される傾向にあります。「学びエイドforEnterprise」の伸長により当社の売上高は各導入企業における年度末、年度期首(3月・4月)に増加する傾向があり、第4四半期(2月~4月)に売上高が偏る傾向にあることから、期ずれなどにより翌期へ売上が計上されることがあります。

当社では、営業体制の強化により早期受注を獲得するとともに、コンテンツ制作、システム開発の強化によりリスク軽減に努めてまいります。

 

過去事業年度における四半期毎の売上高の推移は以下のとおりです。

 

2023年4月期

 第1四半期

2023年4月期

 第2四半期

2023年4月期

 第3四半期

2023年4月期

 第4四半期

売上高(千円)

97,640

95,314

105,155

203,223

 

 

 

2024年4月期

 第1四半期

2024年4月期

 第2四半期

2024年4月期

 第3四半期

2024年4月期

 第4四半期

売上高(千円)

99,655

84,349

204,425

240,291

 

 

 

② 売上計上の期ずれが業績に与える影響について(発生可能性:中/発生時期:数年内/影響度:大)

「学びエイドforEnterprise」においては、取引先の都合による検収時期の変動や、受注後の仕様変更等により納入時期が変更となり、売上高及び利益の計上について当初の予定から翌四半期あるいは翌事業年度にずれる場合があります。これらの期ずれが発生した場合には、各四半期あるいは会計年度における当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、コンテンツ生産体制の強化、プロジェクトマネジメント人材の育成等の対応を強化し、リスク軽減に努めてまいります。

 

③ システム障害について(発生可能性:中/発生時期:特定時期なし/影響度:大)

当社の主力サービスである「学びエイドマスター」「学びエイドマスター forSchool」「学びエイドforEnterprise」は、インターネット環境が十分に整備されていることを前提に運営しておりますため、システム障害や外部からの攻撃により通信ネットワークやシステムが切断された場合には、当社サービスの運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。何らかの理由によりシステムトラブルが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社ではサービスを安定的に運用するために、セキュリティ対策や外部機関による脆弱性調査を実施し、システムの安全性確保にむけた取り組みにより、リスクの軽減を図っております。

 

④ 競合について(発生可能性:中/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

当社は、各種サービスの提供にあたって、良質なコンテンツを網羅的かつタイムリーに調達するほか、主要顧客である学習塾の悩みを解決することができるようなサービスラインナップの充実や当社営業体制の強化等に継続的に取り組み、競争力の向上を図っております。しかしながら、当社と同様にEdTechを提供している企業や新規参入企業との競争激化による顧客の流出やコストの増加等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、日々変化する顧客のニーズに早期に対応できるよう、教育ビジネス、教育コンテンツの研修会を実施する等知見を深めており、さらにコンテンツ制作、システム開発の強化に努めてまいります。

 

⑤ コンテンツ開発について(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:大)

当社が顧客に提供する動画コンテンツの多くは、使用許諾を受けて利用しているものであります。当社が提供する動画コンテンツは、時代の変化による教育内容の陳腐化を避けるため、継続的に新たな動画コンテンツを開発・提供し続けることが必要となります。当社は、鉄人講師と長期安定的に良好な関係を築きながら、安定的な動画コンテンツの開発を行っておりますが、多数の鉄人講師から映像授業の許諾契約が終了した場合には、一時的に科目の網羅性を保つことができなくなることに加え、安定的な動画コンテンツの開発ができなくなった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、科目・鉄人講師毎に担当を配置し、綿密なコミュニケーションを図り良好な関係を築くことにより、リスクの軽減を図っております。

 

⑥ 新規顧客の獲得について(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:大)

当社の主要サービスである「学びエイドマスター」「学びエイドマスターforSchool」「学びエイドforEnterprise」について、営業活動を強化しております。しかしながら、学習塾等教育関連事業者への当社サービスの新規導入や事業連携が拡大しないことにより、契約教室数や契約法人数の新規獲得数が想定を下回る場合には、当社の経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、契約教室数、契約法人数の新規獲得にむけて広告宣伝活動、営業活動を強化することにより、新規顧客獲得に努めてまいります。

 

⑦ 既存顧客の継続率及び単価向上について(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:大)

「学びエイドマスター」「学びエイドマスターforSchool」「学びエイドforEnterprise」の継続的な成長には、新規学習塾等教育関連事業者の獲得のみならず、既存学習塾等教育関連事業者との取引継続及び単価向上が重要であると考えております。新規顧客の獲得、既存顧客との契約継続率、顧客単価向上のために、機能追加やコンテンツの質の向上を図っておりますが、学習塾等教育関連事業者の事業が成長しない、当社のコンテンツや管理機能に対する満足度の低下、顧客のニーズと合致しないこと等により、契約が継続しない、もしくは想定した顧客単価を得られない場合には、当社の経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、営業体制を強化し、顧客満足度を高めることでサービスの向上に努めてまいります。

 

⑧ 特定サービスへの依存(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:大)

当社の売上高に占める「学びエイドマスター」「学びエイドマスターforSchool」「学びエイドforEnterprise」のサービスの割合が高く(2024年4月期99.0%)、同サービスに依存しております。当該サービスに何らかの深刻な問題が生じた場合や、競合企業や新規参入企業との競争激化等が、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、主要サービスのサービス内容の充実を図るとともに、新たなサービス開発に努めてまいります。

 

⑨ 技術動向について(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

当社が事業を展開するインターネット業界においては、関連技術の進歩が著しく、また、それに応じた業界標準および利用者ニーズが急速に変化するため、新サービス・製品も相次いで登場しております。当社は、これらの変化に対応するため、提供するサービスの機能追加や性能向上等に努めておりますが、当社が想定する以上の技術革新により、当社の技術やサービスが競争力を失うような事態が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、急速な技術革新に対応すべく技術者の採用・育成等に取り組み、顧客ニーズの変化や規制の変更に迅速に対応できるよう努めております。

 

 

(3)法的規制等について(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

当社事業は、「電気通信事業法」、「個人情報の保護に関する法律」、「下請代金支払遅延等防止法」等による法的規制を受けております。当社では、社内管理体制の構築等により、これら法令を遵守する体制を整備・強化しておりますが、今後、新たに当社の事業に関する規制等の制定等又は改正が実施された場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、顧問弁護士と連携し関連する法令等の制定・改正についての情報の事前収集を実施するとともに、コンプライアンス徹底に向けて全社的な意識強化と定着に努めております。

 

(4)個人情報保護を含めた情報セキュリティ管理について(発生可能性:中/発生時期:特定時期なし/影響度:大)

当社は、提供するサービスに関連して得意先である塾、生徒等に関する個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため情報システム管理規程、個人情報保護規程を定め、これらに従って情報資産を適切に管理、保護しております。また、当社は2022年8月にプライバシーマークを取得しており、従業員への教育、アクセス権限の設定、アクセスログの管理等、情報漏洩のリスクの回避を図っております。このような対策にもかかわらず重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、当社の社会的信用に与える影響は大きく、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、情報セキュリティに関連する各種規程類を整備するとともに、外部からの不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入防止等についてシステム的な対策を講じて情報セキュリティ事故の未然防止に努めることにより、リスクの軽減を図っております。

また、個人情報保護法に関する定期的な研修を通じた啓蒙活動を継続的に行い、プライバシーマークを取得して安全管理に努めることにより、リスクの軽減を図っております。

 

(5)知的財産について(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

当社では、主力サービスである「学びエイドマスター」で公開している映像授業は鉄人講師が知的財産権を保有しており、当社は鉄人講師より映像授業の使用許諾を得ておりますが、映像授業の公開前にはコンテンツ部にて第三者の知的財産権を侵害していないか、適正に許諾を得ているかについて確認を行っております。当社または当社が確認した鉄人講師の映像授業による第三者の知的財産権侵害の可能性については、必要に応じて専門家と連携を取り可能な範囲で調査対応を行っておりますが、当社の事業に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せずに他社の知的財産等を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、損害賠償請求や使用差止請求等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、引き続きコンテンツ部門担当者に対する研修実施をするほか、全社的な啓蒙活動及び社内管理体制を強化するとともに、上記判明時には、事例に応じて顧問弁護士と連携し、解決に努めてまいります。

 

(6)人材の確保・育成について(発生可能性:中/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

当社は、今後の事業拡大のために教育業界経験者、営業や開発部門等に必要な優秀な人材の確保、育成を重要な課題であると認識しており、積極的に人材を採用していくとともに、研修の実施等により人材の育成に取り組んでいく方針であります。しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、必要な人材を確保できない可能性や育成した人材が当社の事業に十分に寄与できない可能性があります。そのような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、人材紹介会社等と連携しながら、継続的な採用活動を行い、優秀な人材確保に努めております。

 

(7)売掛金回収リスク(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

当社は、取引先各社との売掛取引に際しては、十分な与信管理の下で販売を行っておりますが、予期せぬ取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は提供するサービスに係る利用料金については、決済代行会社を通じて回収を行っております。したがって、決済代行会社との取引関係において取引解消を含む何らかの変化、もしくは決済代行会社のシステム不良等、何らかの事情によりサービス利用料金の決済に支障が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、決済代行会社のシステム不良等が起きた際には、銀行振込等の対応により売掛金回収ができるよう体制を図っております。

 

(8)中長期経営計画の達成に関するリスク(発生可能性:中/発生時期:3年以内/影響度:中)

当社が策定した中期経営計画では、「学びエイドサービスを通じてより高品質な教育デジタルサービスを多くの教わりたい人に提供し、安定的な収益を通じて持続的な企業価値向上を目指す」ことを目標に、主に売上高成長率を始めとしたKPIを掲げておりますが、当社がかかる目標を達成することができるか否かは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスクや課題の影響を受けます。したがって、これらリスクを回避できなかった場合、または課題を克服できなかった場合等には、当社の想定どおりの売上高成長率を達成することができず、結果として中期経営計画が達成できない可能性があります。

 

(9)大規模な自然災害・感染症について(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:大)

当社では、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害及び新型インフルエンザ等の感染症の流行が想定を大きく上回る規模で発生した場合には、当社又は当社の取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社では、新型コロナウイルス感染症の流行以降、リモートワークを導入する等、柔軟に事業を継続できる体制の整備を図っております。

 

(10)特定人物への依存について(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

当社の代表取締役社長である廣政愁一は、創業者であると同時に創業以来、当社の経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において、重要な役割を果たしております。当社では取締役会等において役員及び社員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、経営体制の整備を進めており、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの事情により、同氏に不測の事態が生じた場合、または、同氏が退任するような事態が生じた場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)小規模組織であることについて(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:小)

当社は小規模な組織であり、現在の人員構成における最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しておりますが、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針としております。また、現状において一部の取締役が部長職及び課長職を兼務しており、今後、社内人員の育成、採用の強化によって取締役の兼務解消に取り組む方針としております。これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、円滑な事業活動を行うことができず、結果として当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)社歴が浅いことについて(発生可能性:低/発生時期:数年以内/影響度:小)

当社は2015年5月に設立された社歴の浅い会社であるため、期間業績比較を行うために十分な期間の財務情報を得られず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報として不十分な可能性があります。

 

(13)大株主について(発生可能性:低/発生時期:特定時期なし/影響度:中)

当社の代表取締役社長である廣政愁一は、当社の大株主であり、本書提出日現在で発行済株式総数の36.0%を所有しております。同人は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同人は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:中/発生時期:数年以内/影響度:小)

当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権(以下「ストック・オプション」)を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与する可能性があります。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は131,400株であり、発行済株式総数2,248,100株の5.8%に相当します。

 

(15)ベンチャーキャピタル等の株式所有割合に伴うリスク(発生可能性:高/発生時期:数年以内/影響度:中)

本書提出日現在におけるベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が所有している株式数は548,300株であり、発行済株式総数2,248,100株に占める割合は24.4%となっております。一般的に、ベンチャーキャピタル等が未上場会社の株式を取得する場合、上場後には保有する株式を売却しキャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであり、当社におきましてもベンチャーキャピタル等により株式が売却されることが想定されます。そのような場合には、短期的に需要バランスが悪化し、当社株価の市場価格形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)配当政策について(発生可能性:中/発生時期:特定時期なし/影響度:小)

当社は、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、当社は現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(17)資金使途について(発生可能性:低/発生時期:数年以内/影響度:小)

当社の株式上場時の公募増資による調達資金の使途については、事務所拡張のための設備投資費、コンテンツ制作能力の向上、内部管理体制の強化等を企図しての採用費・人件費、学びエイドマスター及び学びエイドforEnterpriseの認知拡大、新規顧客獲得のための広告宣伝費に充当することを計画しております。しかしながら、事業環境が大きく変化した場合には、その変化に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途に充当する可能性があります。また、計画どおりに資金を使用した場合においても、期待どおりの効果を得られない可能性があります。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、企業価値を継続的に拡大し、株主に対する利益還元を行うことを重要な経営課題として認識しております。今後の配当政策につきましては、健全な財務体質の維持及び将来の事業拡大に備えるための内部留保のバランスを図りながら、各期の経営成績及び財政状態を勘案して、利益配当による株主に対する利益還元の実施を基本方針としております。内部留保資金につきましては、経営体質の強化と事業拡大を目的とした中長期的な事業原資として利用していく予定であります。

また、当事業年度の配当につきましては、今後の事業拡大に備えて内部留保の充実を図る観点から配当を実施しておりません。

剰余金の配当を行う場合、年1回の期末配当を基本方針としており、期末配当の決定機関は株主総会となっております。また、当社は基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨を定款に定めております。

なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。