2026年4月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 5,941 100.0 -9,975 - -167.9

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社並びに連結子会社である株式会社アストロスケール(日本)、Astroscale Ltd(英国)、Astroscale U.S. Inc.(米国)、Astroscale France SAS(フランス)、Astroscale Israel Ltd.(イスラエル)及びAstroscale Singapore Pte. Ltd.(シンガポール)(注1)で構成されております。

当社グループは、宇宙空間における軌道上サービス(注2)を通じて、人工衛星運用者やロケット事業者の事業価値の向上及び宇宙の持続的な利用に貢献してまいります。技術面では、コア技術である「宇宙空間の非協力物体(注3)に対するRPO技術(注4)」及び関連技術の研究開発並びに宇宙空間で提供されるサービスの開発を行っております。RPO技術は、人工衛星やデブリの除去、軌道変更・軌道維持、燃料補給、観測・点検、再利用・交換、製造・修理といった様々な軌道上サービスを実現可能にするものです(注5)。

事業面では、非協力物体に対するRPO技術の実証ミッションである、「ELSA-d(後述)」及び「ADRAS-J(後述)」による成果をもとに、2030年までに観測・点検、寿命延長・燃料補給、並びにデブリ除去をそれぞれ複数ミッション打ち上げることで軌道上サービスを日常的なものにすべく、日本、英国、欧州、米国等において、調査研究・研究開発・宇宙空間での実証・サービス等購入に関する契約の締結や補助金の獲得等に取り組んでおります。2035年までにさらに部品交換・修理といったサービス分野にまで広げ、政府機関・防衛機関からの需要獲得を継続・拡大しつつ、民間事業者からの需要獲得拡大によりさらに成長することを目指しております。

 


図1 当社グループが取り組む軌道上サービスと時間軸

 

(注) 1.本書提出日現在において、Astroscale Singapore Pte. Ltd.は休眠状態にあります。

2.人工衛星やデブリ等に対して軌道上において提供するサービスのことをいいます。

3.「宇宙空間の非協力物体」とは、デブリなど、位置情報を発信せず自由運動(回転など)をして宇宙空間を飛翔している物体を指します。

4.Rendezvous and Proximity Operations(ランデブ・近傍運用)技術の略です。

5.現時点で構想段階にあり、提供が開始されていないサービスも含みます。

6.以下、本「3 事業の内容」においては、個別に明記している場合を除き、1米ドル=155円、1ユーロ=180円、1英ポンド=205円の円換算レートを使用しております。

 

 

 1 宇宙環境と軌道上サービスの必要性

1.1 軌道について

人工衛星が通る道筋を「軌道」といい、衛星は、1つの決まった平面の中で地球を周回しています。この平面は「軌道面」と呼ばれ、人工衛星が地球を回る軌道面には、必ず地球の中心が含まれます。地球を回る軌道のうち、高度2,000km以下の軌道を低軌道(low Earth orbit、以下「LEO」)、高度約36,000kmの軌道を静止軌道(geostationary orbit、以下「GEO」)といいます。

低軌道は地表に近いため、高精度観測を必要とする観測衛星に多用されます。国際宇宙ステーションも低軌道を飛行しています。静止軌道は、同軌道上の衛星が地球の自転周期と同じ時間(約24時間)で地球を一周し、地上の観測者から相対的に静止しているように見えることから「静止軌道」と呼ばれております。静止軌道上の衛星からは地球の片半球全体を常に俯瞰できるため、気象衛星や通信・放送衛星に適します。当社グループは、低軌道及び静止軌道の双方において軌道上サービスを提供すべく、研究開発を行っております。

 


図2 人工衛星が通る道筋である「軌道」

 

1.2 衛星データ利用の活発化

グローバル経済は人工衛星から受け取るデータに大きく依存しています。自動車、船舶及び飛行機の交通管制、天気予報、衛星放送並びに災害監視のほか、農業や漁業にも衛星データがリアルタイムに活用されています。その他にも、物流、金融市場、インターネット、安全保障等の地球上の社会基盤インフラサービスが、宇宙技術と密接不可分に様々な形で提供されています。

国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)の実現にも、衛星は大きく貢献しています。SDGsは17の目標とそれに因んだ169のターゲットによって構成されていますが、国連宇宙部等の共同研究によれば、そのうち65個のターゲットは地球観測や位置情報といった衛星技術を直接的に必要としており、通信衛星を含めればさらに衛星技術を必要とするターゲットの数は増えると考えられています(注1)。

例えば、1番目の目標である「貧困をなくそう」については、インターネット網が行き届かない貧困地域において、通信衛星が宇宙からデータ通信サービスを提供することで、モバイルバンキングシステムを実現しています。また、13番目の目標である「気候変動に具体的な対策を」については、大気、海洋及び地表における気候データの5割以上は衛星の観測データによるものであり、気候変動予測などに役立てられています。これらは一例であり、様々なSDGs目標の実現のために、衛星データの多様な活用がなされています。

 


図3 地球上の社会基盤インフラサービスは宇宙技術に大きく依存

 

(注) 1.国連宇宙部: https://sdgs.un.org/un-system-sdg-implementation/united-nations-office-outer-space-affairs-unoosa-24523

 

1.3 宇宙環境の悪化(これまで)

宇宙空間においては、運用終了や故障により役目を終えた人工衛星、人工衛星の打上げに使われたロケットの上段、それらの爆発や衝突で生じた破片などが、デブリとなり地球の周囲を秒速約7〜8kmという非常に速い速度で飛翔しています。その数は年々増加し続けており、大きさが10cm以上の観測可能なデブリは約54,000個となり、大きさが数cm級のものも含めると約120万個にのぼります(2026年6月現在、注1)。また、大型のデブリは質量数トン、大きさ数十m級のサイズになります。稼働中の人工衛星の数も増加しており、約15,800機となっています(2026年6月現在、注1)。これらの人工衛星も、運用終了や故障等により将来のデブリになる可能性があります。

 

(注) 1.欧州宇宙機関(European Space Agency、以下「ESA」)"Space debris by the numbers (Information last updated on 25 June 2026)"

 


図4 デブリによる宇宙環境の悪化(イメージ図)(注2)

 

(注) 2.左:アメリカ航空宇宙局(the National Aeronautics and Space Administration(以下「NASA」)ゴダード宇宙飛行センター、右:ESAの公表資料をもとに当社作成

 


図5 地球周回軌道上における物体数の推移(注3)

 

(注) 3.NASA Orbital Debris Program Office(https://orbitaldebris.jsc.nasa.gov/quarterly-news/pdfs/odqnv29i1.pdf

 

宇宙空間の物体(衛星やデブリ)の数は、図5が示すように、増加傾向にあります。特に、2020年以降は、コンステレーション衛星を含む人工衛星の打上げなどにより増加のペースが速まっています。宇宙空間における物体の数は既に危機的な水準にまで達しており、低軌道における衛星の他物体との1km以内のニアミスの数は、2020年以降、加速度的に増加しています(図6)。実際に物体同士の衝突も起きており、小さな破片が多数発生しております。これらの破片は、大きさわずか数mmであっても、衛星やロケットなどの宇宙機に衝突すれば壊滅的な被害を生じさせることが想定されます。宇宙空間の物体の連鎖反応的な衝突はいつ起きてもおかしくない状態であり、速やかに対策を講じなければ、やがて宇宙空間は利用できなくなり、交通管制、通信、放送、測位といった宇宙技術の恩恵を受けられなくなると考えます。したがって、デブリの増加防止及び(衝突や爆発をする前の)既存デブリの除去が、宇宙の持続利用のために急務となっています。

 


 図6 低軌道(LEO)における人工衛星の他物体との1km以内のニアミス数(月次)(注4)

 

(注) 4.The Center for Space Standards & Innovation at COMSPOC, with the Space Data Association, “Evaluation of LEO Conjunction Rates Using Historical Flight Safety Systems and Analytical Algorithms” (2021) をもとに当社作成

 

1.4 宇宙環境の悪化(これから)

宇宙利用は拡大基調にあります。数十機から数千機という多数の小型衛星を一体的に運用する「衛星コンステレーション」という新たな運用形態により、観測衛星による観測頻度を大幅に向上させたり、静止軌道以外での衛星通信を可能にしたりする新たなサービスが生まれています。加えて、ビッグデータ処理や、AI解析、IoTなどの宇宙分野以外における変革により、新たな宇宙利用サービスの創造が起きています。

さらに、従来は国が主体となって宇宙開発を行うことが一般的でしたが、宇宙の事業主体が官から民へ移行しつつあります。米国を始めとする先進国では、商業ベースで、衛星の開発・運用や打上げサービス等を提供できるベンチャー企業等を政策的に育成・強化し、国はこれらの事業者からサービスを調達する方式が徐々に採用され始めています。

このような、新たなサービスの創造並びに衛星の製造、打上げ及び運用に伴う宇宙利用コストの大幅な低下が、宇宙利用を加速させています。その結果、2030年までに、宇宙空間における宇宙機及びデブリがともに大幅に増加すると予見されており、宇宙環境は今にも増して加速度的に悪化すると考えられています。

 

1.5 軌道上サービス

自動車・船舶・航空業界等には販売後のアフターサービスがあり、点検・保守、修理・延命、移動・廃棄といったバリューチェーンを用意することで、利用環境を持続可能にするとともに、利用者のコストを最適化しています。宇宙環境が持続利用不可能な状態に向かっているのは、そのようなバリューチェーンが存在せず、いわゆる使い捨て文化のまま今日に至ったためです。役目を終えたり故障したりした衛星やロケット上段は、そのまま軌道上に滞在し続けデブリと化しています。

すなわち、これまでの宇宙業界は、Reduce(削減)、Reuse(再使用)、Refuel(燃料補給)、Repair(修理)、Relocation(移動)、Remove(除去)、Recycle(再利用)などができない状態であり、それを可能にするのが当社グループの軌道上サービスです。

 


図7 軌道上サービスは宇宙業界のバリューチェーンを拡大

(イメージ図。現時点で構想段階にあり、提供が開始されていないサービスも含む)

 

実際に、宇宙環境の急速な悪化を受け、自動車・船舶・航空業界に交通管理の仕組みがあるように、宇宙機の円滑かつ安全な運行のために、いわゆる「宇宙交通管理(Space Traffic Management、以下「STM」)」が必要との議論が、2018年頃から米国や欧州等の宇宙先進国や国際連合等で行われています。

例えば、日本における自動車の交通管理に関しては、道路交通法やその他の交通管制に係る法律があり、また、公益財団法人日本道路交通情報センターのように、国内の交通状態を一元的に把握する仕組みがあります。さらに、故障車や事故車によって交通を妨げず、円滑で適切な運用を実施できるよう、一般社団法人日本自動車連盟(JAF)等が提供するロードサービスが存在します。

このような仕組みを宇宙空間にも整備しようとするSTMの議論が世界で活発になっており、現時点で、そのルールは、各国の法規制や国際的ガイドライン、行動規範、ベストプラクティス事例、業界指針などの集合体になると考えられています。STMのうち、宇宙空間状況を把握することをSSA(Space Situational Awareness)、軌道上サービスをOOS(On-Orbit Servicing)と呼び、安全な宇宙航行のための必要な要素と考えられています。

2024年9月には、国連本部において全会一致で「未来のための協定」が採択され、国連宇宙空間平和利用委員会(UN COPUOS)を通じて、スペースデブリ、宇宙交通管理・調整、宇宙資源に関する新たな枠組みの構築について議論することが合意されました。

 

1.6 RPO技術

当社グループの軌道上サービスにとって特に重要な技術は「安全に接近・捕獲し、何らかのサービスを提供する技術」であり、RPO技術と呼ばれます。RPO技術は、複数のプロセスとそれに必要な技術要素の組み合わせになります。例えば、デブリ除去には、(1)対象物体(デブリなど)の軌道要素の推定及び打上時刻の決定、(2)対象物体の絶対位置を推定して接近する遠方域接近(絶対航法)、(3)対象物体の姿を捉えて様々なセンサを用いながら接近する近接接近(相対航法)、(4)対象物体の運動推定、回転を合わせることによる相対運動量の除去、(5)捕獲とその後の合体重心の推定や姿勢の安定化、(6)軌道上サービスの提供、といった各ステップで高度な技術が必要になります。また、必要に応じて制御落下(対象物体が大気圏に突入する際に燃え残った場合の地上への落下災害リスクを低減するため、安全な海域に落下させること)といった技術の開発も求められます。過酷な宇宙環境を想定した試験や、故障が起きた場合の対応、安全性を担保するための高性能なシミュレーション、複雑な衛星運用のための管制センターや運用手順書など、各ステップで必要となる技術の開発やその運用を支える基盤技術やノウハウも、RPO技術を支える重要な構成要素になります。

 


図8 コア技術であるRPO技術

(上図⑥には、現時点で構想段階にあり、提供が開始されていないサービスも含む)

 

 2 事業の内容

2.1 グローバル体制図

宇宙環境問題の解決には全世界的に取り組む必要があるため、当社グループは、日本に本社を置き積極的なグローバル展開を実施しております。日本のほか、英国、米国及びフランスに現地拠点を有し、世界の政府宇宙予算トップ10か国に含まれる同盟国・同志国(注1)全てにアクセス可能な体制としております。また、当社グループ従業員の約7割を占めるエンジニアは各国に所在しており、現地で研究開発を行っている他、現地の経営陣や営業部隊、生産設備等も有しており、現地企業として直接現地政府から受注可能な体制を整備しております。

 


図9 当社グループのグローバル体制(注2)

 

(注) 1.Novaspace “Government Space Programs 25th Edition”

2.本書提出日現在において、図に記載の他、イスラエル及びシンガポールに連結子会社を有しております。なお、シンガポールの連結子会社であるAstroscale Singapore Pte. Ltd.は休眠状態にあります。

 

2.2 軌道上サービス市場

軌道上サービスは、宇宙業界でも新しい分野ですが、市場規模拡大が期待されており、2023年から2033年の累計売上収益は182億ドル(約2.8兆円)(注1)と推計されています。これまでは政府機関(非防衛)が需要を牽引しており、当社グループとしては、政府機関からの需要は今後も引き続き拡大していくと見込んでいます。

また、2024年4月期中に、地政学的な変化と防衛における宇宙領域の重要性認識の高まりにより、防衛機関からの需要が顕在化し始めました。防衛機関からの需要はこの市場の当面の成長ドライバーになると期待されています。現在、特に静止軌道上では敵国衛星が安全保障上重要な衛星に対して異常に接近するといった脅威が観測されており、重要な衛星を防護する衛星に対するニーズが高まっています。防衛省が2025年7月に公表した宇宙領域防衛指針においては、重要宇宙アセットを脅威から守るために、①SDA(Space Domain Awareness、宇宙領域把握)衛星、②自律的かつ機動的な運用が可能な衛星、③防護能力を持つ衛星の3種類を明示しています。当社は2025年2月に、防衛省より②の衛星に相当する「機動対応宇宙システム実証機」の試作に係る契約を獲得しており、この分野での継続受注獲得を目指しています。また、日本国外でも同様の防護衛星に対するニーズが顕在化しています。この他、米国宇宙軍では次世代のSDA衛星には燃料補給能力を必須化する計画を明示しており、当社米国法人が米国宇宙軍から受注したAPS-Rミッションを通じて実施する燃料補給実証を経て、燃料補給ビジネスに対するニーズの増加も期待しています。

加えて、政府機関及び防衛機関からの需要の増加とそれに伴う技術進展並びに当社の寿命延長サービスの実証完了やデブリの低減に関する法規制の議論の前進(注2)などによって民間事業者からの需要の出現がさらなる市場拡大に寄与していくものと考えております。軌道上サービスを受けられるよう、事前にドッキング・インターフェース(例:ドッキングプレート(注3))を搭載した衛星の打上げも進められています。

 

(注) 1.Northern Sky Research In-Orbit Services Report (NSR IOSM) 3rd, 7th edition

2.詳細については、下記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境及び対処すべき課題」の「法規制作りへの働きかけ」をご参照ください。

3.あらかじめ識別マーカを備えた磁性体のプレート。衛星に当該プレートを搭載することで、捕獲機(サービサー)による捕獲対象衛星(クライアント)の識別、運動推定、接近、捕獲、軌道離脱を比較的容易にし、除去費用を抑えることが可能になります。

 

 

2.3 5つの軌道上サービス

当社グループでは、以下5つの軌道上サービスの開発を行いながら、政府機関、防衛機関及び民間事業者の需要獲得に取り組んでいます。

① 故障機や物体の観測・点検サービス(In-situ Space Situational Awareness、以下「ISSA」)

② 寿命延長・燃料補給サービス(Life Extension Service、以下「LEX」)

③ 衛星の修理・改修サービス

④ 既存デブリの除去サービス(Active Debris Removal、以下「ADR」)

⑤ 衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去サービス(End-of-Life Service、以下「EOL」)

 


図10 5つの軌道上サービスのイメージ図

 

各サービスの想定顧客と主な技術の比較は以下の通りです。

 


図11 各軌道上サービスの想定顧客と主な技術の違い

 

 

 

① ISSA(故障機や物体の観測・点検サービス)

概要:故障衛星やデブリといった非協力物体に対し、安全に至近距離に接近することは極めて難易度が高く、その理由は、非協力物体からは位置情報が発信されず、接近して観測・点検を行うことが困難であることにあります。この点、当社グループの故障機や物体の観測・点検サービス(ISSA)においては、観測用衛星を打ち上げ、非協力的物体に安全に近距離まで接近し、可視光カメラ及びその他のセンサ類を用いて、対象物体のデータを取得することで、故障の原因解析への活用や、相手物体の把握(例えば、大型デブリを除去する前に位置や回転状況、形状、表面状態などを確認すること)を可能にするサービスを提供します。ISSAにおける相手物体の把握は、ADRに必要なデータを事前取得する役割も果たします。また、防衛用途では、特に静止軌道上での宇宙領域把握(Space Domain Awareness、以下「SDA」)をはじめとする宇宙監視、情報収集による宇宙作戦能力の向上にも貢献します。

主な顧客:本サービスが想定する対象顧客は主に政府機関や防衛機関となります。

提供価値:概要に記した通りです。

技術:当社グループは、CRD2のフェーズIとして、2024年2月18日に打ち上げたサービサー衛星ADRAS-Jを用いて、非協力物体への近接、観測のための技術の宇宙実証を行い、フェーズIを完了しました。本ミッションの実証成果につきましては、下記「3.4 ADRAS-J(アドラス・ジェイ)」にて詳述しております。

事業上の取り組み:文部科学省の中小企業イノベーション創出推進基金(SBIR基金)における宇宙分野のテーマ「スペースデブリ低減に必要な技術開発・実証」において、当社グループが、2023年9月、「軌道上の衛星等除去技術・システムの開発・実証」という研究開発課題に採択されました。当社グループは、2023年10月から最長2028年3月までの期間、文部科学省からの補助を受け、大型の衛星を対象デブリとした近傍での撮像・診断ミッションにおいて、技術開発及びミッション遂行を担います。また、2025年1月に、英国政府プログラムの一環としてBAE Systems plc社から観測ミッションに関する契約(プロジェクト名:Orpheus(オルフェウス))を獲得しています。さらに、2025年2月に、防衛省より機動対応宇宙システム実証機の試作に係る契約を獲得しており、2028年3月末までに納品予定です。実際の打上げ、運用、実証に関しては別契約を予定しています。

 

② LEX(寿命延長・燃料補給サービス)

概要:当社グループの寿命延長サービス(LEX)は、燃料が枯渇した衛星や、想定外の燃料消費により予定より早く寿命を迎える衛星、あるいは軌道がずれてしまった衛星に対して、ドッキング(捕獲)を行い、当社グループのサービサー衛星の燃料を用いる、若しくは燃料補給を通じて、衛星の運用期間の延長や別の軌道への遷移などのサービスを提供するものです。

主な顧客:想定する対象顧客は、低軌道や静止軌道で衛星を運用する政府機関・防衛機関や民間事業者になります。特に、静止軌道では毎年20機以上の衛星が退役しております。

提供価値:静止衛星は、軌道上の特定の場所において、地上に対して相対的に静止し続ける必要がありますが、衛星には外力(月や太陽による引力等の様々な力)が働くため、ステーションキーピングと呼ばれる軌道を維持するための制御を随時行う必要があり、かかる軌道制御のために定常的に燃料を消費します。そのため、静止衛星は、燃料が枯渇すると運用ができなくなります。静止衛星は、軌道制御のほかにも、①軌道投入に失敗した場合の位置補正、②フリートマネジメント(静止衛星を別経度に移動させること)、③墓場軌道への移動(国際ガイドラインにより、運用を終了した静止衛星は高度を300kmほど上げ、墓場軌道と呼ばれる場所に退避することが勧告されています)などのために、燃料を消費します。静止衛星の運用者は、静止衛星の燃料枯渇の数年前から後継衛星の開発を開始しますが、静止衛星の大型化に伴い、打上げ費用を含めた数百億円の投資が必要となります。LEXサービスは、そうした衛星運用者の、既存の衛星を極力使用し続けたいというニーズに応えるものです。

技術:当社グループは、イスラエルに連結子会社であるAstroscale Israel Ltd.を設立し、2020年6月に、同国で寿命延長サービスを開発する、Effective Space Solutions社の知的財産権を取得し、同社のR&D拠点の従業員を承継しました。この事業譲受により、低軌道(LEO)から静止軌道(GEO)までを対象とした軌道上サービスに取り組むことが可能になりました。LEXサービスに用いるLEXI(レクシー)という名称のサービサーは、将来需要を鑑み、本書提出日現在、当社グループの自己資金で開発しております。LEXIの捕獲機構は、ペイロード・アダプター・リング(PAR)という、宇宙業界で幅広く採用されている、打上げ時のロケットと衛星のインターフェースとなる円形状の構造物を把持する設計で、軽量であり、様々なサイズのPARを把持できる特徴を持っています。

事業上の取り組み:当社の米国子会社であるAstroscale U.S. Inc.は、寿命延長サービスに興味を示している静止衛星を運用する民間事業者と協議を継続しております。当社では、2027年4月期から2031年4月期にかけて毎年約20~30基の静止衛星が退役し、寿命延長サービスに関する需要が生じると見込んでおります。その上で、当社は、LEXサービスのうち軌道修正に関して、毎年1~2社程度の各国の顧客に軌道修正サービスを提供することを目指しております。

LEXサービスのうち燃料補給に関しては、Astroscale U.S. Inc.が、2022年1月に米国Orbit Fab社との間で、静止軌道上の衛星への燃料補給に関する商業契約を締結したほか、2023年9月に米国宇宙軍より静止軌道における燃料補給衛星の開発を受注しております。その後、3回にわたり契約金額が増額され、燃料補給衛星のプロトタイプの開発から、静止軌道上での実証運用に契約範囲が拡大しています。国内では、内閣府主導のもと創設された「経済安全保障重要技術育成プログラム(以下「K Program」)において、国立研究開発法人科学技術振興機構(以下「JST」)が公募した「協力衛星を対象とした宇宙空間における燃料補給技術の確立」の研究開発の募集が行われ、2025年1月に、日本子会社である株式会社アストロスケールが委託先として採択されました。2025年9月には初年度の契約を締結し、衛星名をREFLEX-Jとしてプロジェクトが開始いたしました。その後初年度の契約額増額、2年目の契約締結を行っております。なお、燃料補給サービスに必要な衛星給油口接続システムについては、本田技術研究所と共同で開発し、本ミッションにおいて使用される予定です。

 

③ 衛星の修理・改修サービス

概要:衛星の修理・改修サービスは運用中の既存衛星に接近した上で安全に接続し、ロボティクス等の技術を用いて劣化・旧式化したシステムの交換等による衛星の修理や機能アップグレードを通じた寿命延長を計るサービスです。

主な顧客:本サービスが想定する対象顧客は政府機関、防衛機関や民間事業者です。

提供価値:軌道上での修理・改修を可能とすることにより、顧客は代替機を打ち上げることと比較して低廉な投資額で損傷した衛星を修理し、運用を継続できる他、運用中に機能アップグレードを施すことで獲得できる収益を増加させること等が期待できます。また、修理を前提とした衛星の設計を採用することにより、必要となる冗長性を減らし、当初必要となる設備投資額を緩和させる効果も期待できます。

技術:修理・改修サービスでは、ADRやEOLサービス同様、対象衛星に接近・ドッキングすることが求められます。その上で、ロボットアーム等の機構を用いて、部品の交換等を実施します。また、軌道上で精密な動きを求められるほど修理に係るコストが高くなることが想定されるため、対象となる衛星を容易に修理可能となるようモジュール化しておくことで、運用期間全体にわたるコストの低減を狙うことが可能となります。

事業上の取り組み:当社グループは英国で2025年12月に欧州宇宙機関から軌道上改修・アップグレードサービス(In-Orbit Refurbishment and Upgrading Service)の調査案件を受注いたしました。この調査案件においては、ロボット技術とサービス技術を用いて、軌道上の既存衛星に安全に接続し機能向上を図る方法を検討し、劣化・旧式化したシステムの交換等による衛星の機能アップグレードや寿命延長が、技術的及び商業的に実現可能か評価することを目的としています。また、米国では2026年1月に米国航空宇宙局(以下「NASA」)よりNASAのHabitable Worlds Observatory (以下「HWO」)への軌道上サービス提供の可能性を調査する新規案件に採択されました。本案件は、NASAと初めての直接契約です。HWO は、他の恒星を周回する惑星において生命の兆候を探すことを目的に設計された、初めての宇宙望遠鏡です。NASA は今回初めて、将来軌道上サービスを受けることを前提としたミッション設計を検討し、軌道上サービスを受けることで、HWO の運用を世代を超えて長期的に継続することを目指しています。本件では、ASUSの軌道上サービスの技術を取り入れることで、HWOの①プログラムリスクの低減、②科学的成果の向上、③資源利用の最適化、④観測停止期間の最小化、⑤メンテナンス及びアップグレード機会の最大化を実現する方法を調査します。

 

④ ADR(既存デブリの除去サービス)

概要:ADRサービスは、捕獲用アームを用いたデブリの除去サービスであり、当社グループのサービサーを打ち上げ、既存デブリを捕獲し、軌道を降下させ、大気圏で燃焼させて除去するサービスです。既存デブリのうち、特に質量数トン級の巨大なデブリは破砕すると宇宙環境に大きな影響を与えるため、早期の除去が必要です。

主な顧客:本サービスが想定する対象顧客は政府機関です(過去に排出されたデブリの大半が政府機関によるミッションに由来するものであることに加え、過去に民間事業者により排出されたデブリについては、その排出の責任を当該民間事業者に遡及的に問うことは困難であるため)。

提供価値:既存デブリを早期に除去することで、既存デブリが破砕し、捕捉も捕獲もできない小さなデブリとなることを防ぎます。宇宙環境を保全し、宇宙空間に配置されている衛星群を持続的に利用するためには、既存デブリの除去が必要です。

技術:ADRサービスにおいては、当社グループのサービサーが、既存デブリ(重量数トンまで)をクライアントとして、接近し、捕獲用アームで捕獲後、軌道を降下させることで、クライアントを混雑軌道から退避させて破砕による宇宙環境の悪化を防ぎます。EOLサービスと異なり、クライアントがドッキングプレートを搭載していないことから、捕獲に磁石ではなく捕獲用アームを使用するため、運動推定や捕獲の難易度はEOLサービスより高くなります。

事業上の取り組み:日本では、宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)が民間事業者と連携し、世界初の大型デブリ除去等の技術実証(CRD2:商業デブリ除去実証)を開始しました。当社グループは、2020年に同ミッションのフェーズIを受注しました。フェーズIは、サービサーが、非協力物体であり日本を登録国としているロケットの上段へ接近し、その運動や損傷・劣化状況を観測するものです。そのため、フェーズIで実証された技術の内容は、先述のISSAに相当します。当社グループは、CRD2のフェーズIを遂行する当社グループのサービサー衛星であるADRAS-Jを2024年2月18日に打ち上げ、JAXA要求ミッションを完了しました(後述の「3.4 ADRAS-J(アドラス・ジェイ)」参照)。また、フェーズII(ADRAS-J2)においては、当該ロケット上段に接近後、捕獲し軌道降下させる実証実験が計画されております。当社グループは、フェーズIIに係るフロントローディング技術検討を2022年8月に受注し、2023年12月に完了しており、フェーズII本体についても、2024年4月にJAXAから株式会社アストロスケールを選定企業として選定する旨の選定結果通知書を受領し、2024年8月に契約締結いたしました。

英国では、英国宇宙庁(United Kingdom Space Agency、以下「UKSA」)のデブリ除去プログラムCOSMICに関し、2021年10月にADRの概念設計(フェーズ0/A)を受注、2022年9月には基礎設計に該当するフェーズBを受注し、2024年4月にはフェーズBを完了しました。さらに、従前当社開示資料にてCOSMICフェーズCと呼称していた後続ミッションの初期段階を切り出したフェーズ2を2024年9月に受注し、2025年5月に完了しました。2025年7月に後続フェーズであるミッション契約の公募が公表され、Astroscale Ltdは入札に参加しています。

フランスでは、フランス国立宇宙研究センター(CNES)と、2023年6月に同国由来のデブリのうちいずれを優先的に除去すべきか検討するための共同研究契約を締結しました。

今後、日本での実証を経て技術が成熟化し、尚且つ世界の主要国で各国が排出したデブリを除去するためのサービス調達が始まることを想定して、当社グループは、世界主要国の政府機関や宇宙機関を主要顧客としてADRサービスを展開します。

 

⑤ EOL(衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去サービス)

概要:EOLサービスは、運用を終了した衛星のデブリ化を防止するための除去サービスです。具体的には、当社グループの捕獲機(サービサー)を打ち上げ、故障機や寿命を迎えた衛星を捕獲し、のちに軌道を降下させ、大気圏で燃焼させて除去するサービスです。ADRと異なり、打上げ前にドッキングプレートを潜在顧客衛星に取り付けておくことで、磁石を用いた捕獲機構で捕獲が可能となります。接近・捕獲の難易度を下げることに加え、1,000kg以下の故障衛星を対象とし、サービサー1機で複数の故障衛星を除去することを想定しており、ADRに比して安価な除去サービスが可能になります。

主な顧客:本サービスが想定する対象顧客は衛星コンステレーションの運用事業者です。衛星コンステレーションは、多数の衛星を一つの軌道面に配備し、その上で、複数の軌道面を用いることで、数十機から数千機の衛星を用いて地球全体をカバーする運用を行います。故障機等がデブリとして軌道上にそのまま放置され続けると、デブリと故障機の衝突により生じた微小デブリによる軌道面汚染、自社の他衛星との衝突によるサービス停止、及び衝突回避のための燃料消費による衛星の短命化等の危険性が高まり、かかるリスクによって収益が減少する恐れがあるため、速やかに故障機等を除去するニーズがあります。2020年前後より、数社が大型のコンステレーション衛星の打上げを開始し、現在、世界中で100以上の会社・組織がコンステレーション衛星の設計・開発又はその検討を進めています。

 


図12 コンステレーション衛星の配置イメージ

 

今後生まれるデブリの大半は、コンステレーション衛星から発生すると考えられています。各コンステレーション衛星は、ミッション終了後に軌道離脱(デオービット)する機構を保有しますが、故障した場合の軌道離脱のバックアップ手段を有しません。

国際機関間スペースデブリ調整委員会(以下「IADC」)によるデブリ低減ガイドライン及び国連デブリ低減ガイドラインでは、低軌道(LEO)においては、衛星の運用終了後25年以内に、大気圏に突入し燃焼することでの廃棄を行うこと(Post Mission Disposal、以下「PMD」)とされています。軌道上の衛星のうち、運用終了後25年以内に大気圏に落下させることによる廃棄の成功率(Post Mission Disposal Rate、以下「PMD率」。自然に25年以内に落下する軌道の物体は除く)は、2000年以降改善してきたものの、7割程度にとどまっており(注1)、全体の衛星数の増加を考えると、運用終了又は故障後の衛星の多くが宇宙空間に長期にわたり残存して宇宙環境を悪化させていることがうかがえます。

提供価値:上述のデブリと故障機の衝突により生じた微小デブリによる軌道面汚染、自社他衛星との衝突によるサービス停止、及び衝突回避のための燃料消費による衛星の短命化等、並びにこれらのリスクによってもたらされる収益減少のリスクを低減します。また、米国、欧州、日本等の各国・地域において進んでいるデブリ低減のための新たな法規制づくりの遵守を可能にします(注2)。さらに、EOLはコンステレーション衛星のエコノミクスを最適化します。コンステレーション衛星自らによる軌道離脱だけでPMD率を100%に近づけようとすると、全ての衛星に二系統の軌道離脱機能を持たせることなどが必要になりますが、その反面、重量や打上げ費用の増加等によりコストが大幅に上昇します。加えて、コンステレーション衛星は、寿命が近づくと次の新たな衛星群に世代交代しサービスを継続しますが、新たな衛星群の準備が間に合わない場合には、軌道離脱用の燃料を用いて運用寿命を延長し、自力で軌道離脱できなくなった衛星にEOLサービスを用いるという選択肢も提供します。

技術:EOLサービスは、コンステレーション衛星に、ドッキングプレートを搭載することを前提としています。故障機又は運用終了後の衛星である捕獲対象衛星(クライアント)を捕獲する際は、あらかじめドッキングプレートを付けたクライアント(主に重量100kg~1,000kg)に対し、捕獲機(サービサー)が磁石を用いた捕獲機構を駆使して捕獲・除去します。

事業上の取り組み:グローバルに衛星通信サービスを提供するNetwork Access Associates Ltd(以下「Eutelsat OneWeb社」)は、2019年12月には当社グループが設計に参画した、Altius Space Machines Inc.(以下「Altius社」)製ドッキングプレートを事前にEutelsat OneWeb社の衛星に搭載することを発表し、2020年12月以降に打ち上げられた同社の全ての衛星にドッキングプレートが搭載されています。また、ESAによる支援のもと、当社グループは、Eutelsat OneWeb社とSunriseプロジェクトを契約し、故障や運用終了により役目を終えたコンステレーション衛星を複数機除去可能なEOLサービサー「ELSA-M」(後述)を開発中です。Sunriseプロジェクトは、2024年7月、全部で4つのフェーズのうちの最終フェーズ(フェーズ4)の契約を獲得しました。また、他の衛星コンステレーション運用事業者も、ELSA-Mによる磁石捕獲が可能なインターフェースの事前の搭載を検討しております。Astro Digital US Inc.(以下「Astro Digital社」)は、同社が製造するコンステレーション衛星等向けのバスに当社グループ製のドッキングプレートを搭載することを発表し、2025年1月に搭載済み衛星が打上げられました。Airbus Constellations Satellites SAS社からは、2025年3月に100個以上のドッキングプレートを受注いたしました。また、上記以外の衛星コンステレーション運用事業者ともドッキングプレートの搭載について議論を続けており、2025年11月に公表した詳細非開示のドッキングプレートの受注をもって、将来ドッキングプレートを搭載した軌道上の衛星は1,000基を超える見込みです。本書提出日現在、ドッキングプレート(ELSA-Mと互換性のある第三者製造のドッキングプレートを含む)を搭載した衛星は軌道上に571機存在しております。

 

(注) 1.ESA's Annual Space Environment Report 2026

2.詳細については、下記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境及び対処すべき課題」の「法規制作りへの働きかけ」をご参照ください。

 


図13 ドッキングプレートについて

左:ELSA-Mがドッキングプレートを目標として故障衛星に接近する様子(イメージ図)

右:ドッキングプレート

 

 

2.4 事業系統図

当社グループは、軌道上サービサーの設計・開発及び製造から、サービス提供に至るまで一貫して自社で行います。当社のサービス提供領域は宇宙空間ですが、ミッション遂行時の取得データを地上で顧客に提供する場合もあります。5つの軌道上サービスのいずれも、対象物体(衛星やデブリなど)の保有者や運用者から依頼を受けてサービスを提供し、かかるサービス提供の対価を受領する仕組みです。サービサーの一部部品の調達や加工においてはサプライヤーと協業し、ロケットによる打上げは、打上げサービス業者に委託します。

 


図14 当社グループの事業系統図

 

当社グループが想定する収入形態は、政府機関・防衛機関等の需要に応じたプロジェクトか民間需要に応じたミッションかによって異なります。また、今後市場の成長・成熟化に伴い、想定される収入形態が変化する可能性もあります。

政府機関・防衛機関と締結する契約に基づく収入は、現時点においては、調査研究・研究開発・宇宙空間での実証のいずれについてもマイルストーン収入がメインとなっており、実証完了後のサービスの提供についてもマイルストーン収入がメインになると想定しております。マイルストーン収入は、後述する、宇宙業界特有の技術開発段階等に応じて設置された審査会の審査結果をもって支払われるケースが多く、ミッション完了まで複数回に分けて支払いを受けることになります。

なお、LEXサービスは、政府機関・防衛機関の顧客に対しては、当社グループが開発したサービサーを宇宙空間において顧客に引き渡し、以後の宇宙空間におけるサービサーの運用は政府機関顧客が行い、収入体系についてもサービサーの販売収入となることを見込んでおります。また、政府機関顧客との契約締結からサービサーの提供までには、約2〜3年を要すると見込んでおります。他方で、民間事業者を顧客とする場合は、契約時の少額の頭金と寿命延長期間のサービスフィー収入になることを見込んでおります。

民間コンステレーションを主な顧客と想定するEOLサービスについては、費用の大部分は衛星開発や打上げに関するものであり、打上げ時までに発生するため、打上げまでにかかる費用の大部分に対応する打上げ前のマイルストーン収入とミッション成功時の支払いの組み合わせを標準的な支払モデルとして想定しております。当社グループとしては、支払モデルの変更(定額払い等の採用)については顧客の要望に柔軟に対応しつつも、当社グループの事業運営上確保されるべき資金回収のタイミング及びマージンは堅持する方針です。

 


図15 収入形態(イメージ図)

 

当社グループへのマイルストーン収入の入金は、原則としてマイルストーンの達成に関する審査の完了後となります。また、顧客契約については、顧客セグメントによって支払形態や収益認識方法が異なります。

 


図16 顧客セグメントと契約形態及び収益認識の関係

 

 3 研究開発の状況

3.1 先進的技術

当社グループは、軌道上サービスを事業化させるために、先進的な技術開発を自社内で行っております。主なイノベーションとして、RPO技術、様々な宇宙機・物体を捕獲するための捕獲機構及び事前に衛星に取り付けるドッキングプレート、接近や捕獲動作等をアルゴリズムで自律的に判断することでより正確、安全、効率的な運用を可能にする自律化技術、複雑な運用を安全に実現するための地上局(アンテナ)網と管制局などがあります。

 


図17 イノベーションを支える革新技術

 

3.2 開発方針

品質、信頼性、安全性、コンフィギュレーション、スケジュール等のプロジェクト管理を含む品質保証体系については、航空宇宙業界のグローバルスタンダードとされる品質マネジメントシステム(QMS)要求規格である、AS/EN/JIS Q 9100に準拠した規定を制定し、実業務への浸透を行っております。

また、当社グループは、宇宙機のような大規模で複雑なシステムの開発アプローチ方法の基本である、システムズエンジニアリング手法の開発V字モデルを忠実に採用しています。このモデルは、NASA、ESA、JAXAのほか、多くの航空宇宙企業が採用しております。このモデルに沿った設計・試験を実施する場合、例えば、システム試験を行う段階では、下位のコンポーネントやサブシステムそのものにおける不具合は、全て洗い出し・修正が完了しているとみなせます。このため、システム試験では、システム設計とサブシステム間インターフェースの不具合を洗い出すことに専念でき、手戻りがありません。また、最終的な地上でのシステム試験が完了したということは、軌道上でのミッションの実現を担保するものになっていると考えられます。

他方で、軌道上サービスのような新規性の高いミッションでは、伝統的な開発プロセスではシステム要求を定義し難いことや、新規技術に対する耐環境性や機能の検証作業に要する時間が長くかかりすぎて問題の発見が遅れ、手戻りが発生するなどのリスクがあります。そこで、信頼性を担保しつつ、合理的な開発スケジュールと収益性を実現するために、開発アプローチ、試験検証単位の考え方、信頼性工学に基づく手法など、柔軟かつ効果的な方法を取り入れています。

 


図18 開発の基本となるシステムズエンジニアリングのV字モデル

 

MCR

Mission Concept Review

ミッション概念審査

ミッションのニーズを確認し、提案されたミッションの目的と、その目的を達成するための概念を審査

MDR

Mission Design Review

ミッション定義審査

ミッションを遂行するために必要なシステムの要求事項をまとめ、要求事項を実現するためのシステムを定義するための全体計画を策定

SRR

System Requirement Review

システム要求審査

必要なシステムに関する機能や性能の要求及び、その検証方針の妥当性を審査し、定義したミッションを満たすことを確認

PDR

Preliminary Design Review

基本設計審査

契約書やシステム仕様の各項目を満足する製品の実現性などを検討し、詳細設計に移行できることを確認する設計審査

CDR

Critical Design Review

詳細設計審査

フライトモデルの製造に先立ち、製品の詳細な設計内容が技術仕様書の要求事項を満足し、製造に移行できることを確認する設計審査

PSR

Pre-shipment Review

出荷前審査

衛星の出荷に際し、衛星や管制センターなど全体システムが契約書・技術仕様書の要求事項を満足し、出荷に問題がないことを確認する審査

ORR

Operational Readiness Review

運用準備審査

運用へ移行する準備が整っていること、あらゆる運用モード(正規、緊急、計画外)も考慮して運用の準備が整っていることを確認する審査

 

 

 

 

3.3 ELSA-d(エルサ・ディー)

ELSA-dは、EOLサービス(衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去サービス)に係る一連のコア技術の宇宙実証を目的として開発されました。ELSA-dの名称は、End-of-Life Service by Astroscale – demonstrationの略です。ELSA-dで培われた技術は、ADR、LEX、ISSA等他の軌道上サービスに必要な技術開発の基盤にもなります。

ELSA-dはサービサー衛星(捕獲機)とクライアント衛星(模擬デブリ)から成り立っており、デブリ除去に必要な一連の技術(上記RPO技術の重要な部分を包含します。)を搭載したend-to-endの世界初のデブリ除去実証です。当社グループの知る限り、非協力物体の捕獲、連続可視のない状況下での接近・捕獲を目的とする宇宙実証は世界初と認識しています。

 


 図19 宇宙空間航行中のイメージ図

左:サービサー(捕獲機)、右:クライアント衛星(模擬デブリ)

 


図20 デブリ除去技術実証衛星ELSA-d(エルサ・ディー)

左:打上げ直前のELSA-d最終確認の様子、右:英国オフィス管制センターと運用チーム

 

ELSA-dは、2021年3月に高度550kmの軌道へサービサーとクライアントを固定した状態で打ち上げられました。約1年をかけて、デブリ除去に必要な技術要素である、クライアントの捕獲・分離機構や、接近に必要なセンサ群やスラスタ機能及び航法誘導制御技術(サービサーの位置や速度等を把握し、目標地点へ到達するための軌道を生成し、サービサーを制御していく技術)、また、それらを実現する管制センターや運用技術等の実証を行いました。

ELSA-dミッションにて、以下を含むデブリ除去のためのコア技術を実証することができました。

・自律制御機能と航法誘導制御アルゴリズム

・航法センサ群を駆使した閉ループ制御(自律的に望ましい状態との差を縮めていく制御)

・スラスタによる自律的な接近マヌーバ及び姿勢制御

・絶対航法の技術(GPSと地上観測)を活用したサービサーの誘導航法(クライアントから約1,700kmの距離から約160mへの接近)

・絶対航法から相対航法への移行(サービサー搭載のLPRセンサを活用)

・2年以上にわたる軌道上でのミッション運用経験

・ドッキングプレートと磁石を用いた捕獲機構

 


図21  ELSA-dの宇宙実証の内容(*はサービサーとクライアントの距離)

 

ELSA-dは、2022年には、米宇宙業界誌Via Satelliteの「Satellite Technology of the Year」や内閣府主催第5回宇宙開発利用大賞の「内閣府特命担当大臣(宇宙政策)賞」を、2023年には、国際宇宙会議(International Astronautical Congress)において国際宇宙航行連盟(International Astronautical Federation)より「The IAF Excellence in Industry Award」を含む数々の賞を受賞しており、この先駆的な技術開発とその宇宙実証により宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)や軌道上サービスの実現への道を切り拓いたという観点で評価を得たものと考えております。

 

3.4 ADRAS-J(アドラス・ジェイ)

ADRAS-Jは世界で初めて、実際にデブリに至近距離まで接近し観測・点検を行った画期的な衛星です。

対象となるデブリへのRPOを実施し、接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行いました。具体的には、低軌道(LEO)にあるロケット上段(H-IIAロケット15号機の第2段(2009年1月打上げ))について、遠方域接近、近接接近、運動推定・回転などを行いました。

 


図22 宇宙空間航行中のイメージ図

左:サービサー(捕獲機)、右:クライアント衛星(H-IIAロケット上段)

 

ADRAS-Jは、Rocket Lab, Inc.のロケット「Electron」により、ニュージーランドのマヒア半島所在の同社第1発射施設(Launch Complex 1)より、2024年2月18日に打ち上げられました。打上げは、正確なタイミングで行われ、予定通りの軌道に投入されました。ADRAS-Jは、軌道投入後の4日間の初期運用を無事に終えた後、同年2月22日に接近フェーズへと移行しました。

同年4月16日に赤外線カメラによって取得するデブリの形や姿勢などの情報を用いる相対航法(Model Matching Navigation)を開始し、同年4月17日にデブリの後方数百mへの接近に成功しました。また、同年5月23日には、観測対象のデブリから約50mの距離へ接近に成功し、さらにその距離において定点観測に成功しました。これは、民間企業がRPO(ランデブ・近傍運用)を通じて実際のデブリに世界で最も近接した距離(注1)となります。加えて、同年6月19日にデブリの状態や動きを詳細に把握するために観測対象のデブリの周回観測も行い、その実施中に行われた自律的なアボート(クライアントに対する衝突を回避するためマヌーバを実施し安全な距離まで待避すること)により、安全運用のための衝突回避機能の有効性も実証いたしました。同年7月15日、16日には、観測対象のデブリの周回観測(デブリの周囲を約50mの距離を維持しつつ姿勢を制御しながら360度周回飛行する運用)に成功いたしました。本物のデブリの周囲を飛行する運用の成功は世界初となります(注1)。

さらに、同年11月30日には、最終接近を実施し、将来のデブリ除去としてその捕獲や軌道離脱も行うADRAS-J2のミッションで捕獲箇所として想定している衛星分離部(PAF)の下方に回り込んで接近し、約50mから約15mへとデブリとの距離をさらに縮めました。

2026年3月25日には、全実証を終了し、軌道上での運用終了に向け、軌道降下の運用を開始しました。今後は軌道降下運用を継続し、最終的には大気圏に再突入する予定です。

 

(注)1.過去の同様ミッション実施の有無に関する当社調査に基づき判断しています。

 

 

 


図23 ADRAS-Jの定点観測により撮影された観測対象のデブリ

 


図24 ADRAS-Jの周回観測により撮影された観測対象のデブリ

 

 

3.5 開発・製造体制の確保

現在、当社グループの衛星の設計・開発・製造は、日本、英国、米国、イスラエル、フランスの各オフィスにて分担し、日々連携しております。各国で開発・製造体制を整えることで、プロジェクトや従業員の採用を並行して進められることに加え、各国の政府機関・宇宙機関プロジェクトの受注にあたっては、その国での製造、雇用その他サプライチェーンの活用などが要件とされる場合があることなどから、複数地域で開発・製造体制を整備することは当社グループの成長に寄与します。開発・製造体制については、今後とも軌道上サービス市場の伸びに応じて、また、セキュリティ面で特段の配慮を必要とする防衛機関からの需要にも対応できるよう、拡張していく予定です。

 


図25 各国の拠点

 

業績状況

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

1 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度においては、当社グループが拠点を有する全ての地域において、宇宙防衛の強化を主な目的とした取り組みが多数見られました。

日本においては、7月に防衛省及び自衛隊により宇宙領域防衛指針が策定され、SDA能力の強化の必要性や、関連領域の民間企業への投資を後押しする方針が改めて明示されました。11月には日本成長戦略本部から、「航空・宇宙」、「防衛産業」及び「スタートアップ」等が重要なテーマとして挙げられております。また、2026年2月に発足した高市政権は新安保3文書の前倒し改定を目指しており、敵対国の衛星から自国衛星を防護するための衛星の開発等、衛星の監視・防護技術の実証がさらに推進される見込みです。米国においては、2025年4月に宇宙軍が「Space Force Doctrine Document 1」を発表し、宇宙を戦闘領域と定義し、宇宙能力の向上や民間企業との連携の重要性を明示しました。2025年9月には、宇宙軍の次世代SDA衛星プログラムにおいて、燃料補給能力を必須化する計画を発表しました。2026年1月には、将来直面するであろう宇宙の戦略的脅威及び技術的変化に対する長期的な指針を示した「Future Operating Environment (FOE) 2040」を宇宙軍が発表し、軌道上でのRPOや燃料補給能力は安全保障を支える核心的要素であると再確認しました。英国においては、2025年6月に国防省が政策文書「Strategic Defence Review 2025」を発表し、宇宙を「戦略的競争の最前線」と位置づけ、宇宙の防衛的利用の強化や宇宙産業との連携等を進める方針を示しました。さらに11月には、貴族院宇宙政策関与委員会(UK Engagement with Space Committee)が「The Space Economy: Act Now or Lose Out」を発表し、英国が宇宙における経済及び安全保障上の利益を享受するためには、国際協力による宇宙空間の安全と持続性の確保が重要であり、外交上の優先課題であるとの認識を示しました。2026年3月には、宇宙業界において軌道上サービスが、経済及び防衛文脈において特に重要なサブセクターのひとつであるとして、戦略的投資を強化していく方針を示しました。欧州においては、7月に欧州委員会(EC)が、次の7か年(2028~2034年)で、防衛及び宇宙分野の予算を前期(2021~2027年)の5倍にあたる1,310億ユーロ規模に増額する計画を提出しました。ECが10月に発表した総額8,000億ユーロ規模の戦略文書「Preserving Peace – Defence Readiness Roadmap 2030」においては、宇宙防衛を主要な4つの旗艦プロジェクトのひとつと位置づけ、宇宙領域把握(SDA:Space Domain Awareness)や軌道上運用の開発等を促進するとともに、スタートアップや中小企業を積極的に支援する方針を示しました。これは2026年4月以降に開始される予定で、欧州の自律的な宇宙防衛能力の確立を目指しています。フランスにおいては、2025年11月に、宇宙司令部(CDE)が初の実戦運用体制を発足させ、「国家宇宙戦略」を発表しました。当戦略において、パトロール・追跡衛星の配備や、軌道上での燃料補給・メンテナンス・組立て等を行うための技術開発、SDA能力強化の方針を示すとともに、スタートアップ支援や同盟国との国際協力の必要性も示しました。さらに4月には、高市総理大臣とともにエマニュエル・マクロン大統領が日本のアストロスケール本社に公式訪問され、軌道上サービスの重要性について言及されました。

このように2025年以降、当社グループが拠点を展開する主要国全てが宇宙防衛戦略の見直しを行い、当社の事業環境は転換点を迎えています。その結果として、防衛関連分野において、国際機関や各国政府による予算化の動きや、民間企業との連携強化の取り組みがさらに加速し、2026年以降は当社の案件受注につながることが期待されます。当社グループは、圧倒的な技術力、グローバルな展開力、そして市場創造力という競争優位性を活かし、事業のさらなる拡大を図っております。

 

当連結会計年度において、当社グループは、複数拠点で非防衛の政府機関、防衛機関及び民間企業と幅広く複数の契約を締結し、将来の事業成長に大いに貢献しうる重要な事業進捗を多数実現しました。

その結果、当連結会計年度における受注高は8,445百万円となりました。2026年4月期における主な受注案件及び既存案件の進捗等は以下の通りです。

(政府機関案件・民間案件)

・2025年5月、COSMICフェーズ2の契約を完了。

・2025年7月、複数デブリ除去と制御再突入に関する新たな特許を取得。

・2025年8月、10月及び11月、Xona Space Systems, Inc.等から第2世代ドッキングプレートの商業契約を複数獲得。これにより打上げ予定のドッキングプレートは累計1,000個超に。

・2025年9月、REFLEX-J(旧K Program)の契約を締結。

・2025年12月、回転する宇宙物体の捕獲とサービスに関する新たな特許を取得。

・2025年12月、欧州宇宙機関(ESA)の軌道上改修・アップグレードサービスに関する調査案件を受注。

・2026年1月、米国航空宇宙局(NASA)の軌道上改修・アップグレードサービスに関する調査案件を受注。

・2026年1月、燃料補給技術の開発に関するJAXA宇宙戦略基金の交付決定。

(防衛関連案件)

・2025年6月、新規防衛関連案件を受注。(詳細非開示)

・2025年7月、米空軍研究所より自律的なランデブ・近傍運用及びドッキングに関する新規防衛調査案件を受注。

・2025年12月、防衛省より軌道上での自国衛星の監視・防御技術に関する研究に係る案件を受注。

・2026年1月、米国ミサイル防衛局(MDA)のSHIELD(Scalable Homeland Innovative Enterprise Layered Defense)のIDIQ(Indefinite Delivery, Indefinite Quantity)の契約候補(Competitive Range)に選定。

 

既存案件や契約交渉中の案件についても、マイルストーン達成や受注に向けて着実に進捗しております。

ELSA-Mについては、2025年6月には詳細設計審査(CDR:Critical Design Review)を完了し、その後も外部施設を活用しながら順調に地上試験を進めています。2026年3月にはIsar Aerospace SEとの間で、打上げにおいてSpectrumロケットを使用する契約を締結しました。ISSA-J1については、2025年9月にインドのNewSpace India Limitedとの間で、打上げにおいて極軌道打上げロケット(PSLV:Polar Satellite Launch Vehicle)を使用する契約を締結しました。APS-Rについては、2027年4月期中に予定される打上げに向けて順調に地上試験を進めています。REFLEX-Jについては、2026年3月に初年度契約金額を増額し、4月には2年目契約を締結しました。Orpheusについては、2026年4月にCDRを完了しました。システム統合及びミッション準備に向けたプログラムの次段階へと移行し、2027年又は2028年4月期に予定されている打上げに向けて順調に進捗しています。

LEXI-Pについては、契約締結に向けて最終段階に入っています。また、2026年4月期から開発費用の資産化を開始したことで、前期と比較して研究開発費として計上される費用の大幅な削減を実現いたしました。COSMICについては、2025年5月に完了したフェーズ2の後続フェーズの公募が、2025年7月に英国において開始され、当社グループは受注獲得に向けて注力しております。CAT-IODの後続フェーズについても、2025年11月に開催されたESAのCM25(Council Meeting at Ministerial Level、閣僚級会合)において、当該分野への予算配分が決定されました。

さらに2026年1月には、フランスのExotrail社との戦略的パートナーシップを、4月には衛星の軌道離脱ミッションを開発する契約を締結しました。軌道上の安全確保やフランス及び欧州の宇宙安全保障強化に向けて、2030年までに商用衛星を対象とした初回ミッションを実施することを目指しています。

このように、世界的に宇宙関連支出や軌道上サービスに関する政府需要及び民間需要に繋がる政策推進等の機運が高まる中、当社グループは軌道上サービスの事業機会の拡大に向けて、事業や技術開発の強化に取り組んでおります。

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況は、以下の通りとなりました。

 

a.財政状態の状況

・資産

当連結会計年度における流動資産は18,031,516千円となり、前連結会計年度末に比べ8,193,196千円減少しました。これは主に、現金及び現金同等物が11,279,041千円減少したことによるものです。非流動資産は14,090,314千円となり、前連結会計年度末に比べ6,689,736千円増加しました。これは主に、有形固定資産が5,038,015千円増加し、無形資産が1,548,753千円増加したことによるものです。

この結果、資産合計は32,121,830千円となり、前連結会計年度末に比べ1,503,460千円減少しました。

・負債

当連結会計年度における流動負債は17,107,461千円となり、前連結会計年度末に比べ3,400,006千円減少しました。これは主に、繰延収益が847,533千円増加した一方で、借入金が3,149,000千円減少し、契約負債が640,852千円減少し、また、引当金が547,962千円減少したことによるものです。非流動負債は7,356,619千円となり、前連結会計年度末に比べ365,151千円増加しました。

この結果、負債合計は24,464,081千円となり、前連結会計年度末に比べ3,034,855千円減少しました。

・資本

当連結会計年度における資本合計は7,657,749千円となり、前連結会計年度末に比べ1,531,394千円増加しました。これは主に、新株の発行によって資本金及び資本剰余金がそれぞれ5,492,610千円増加したこと、当期損失の計上によって利益剰余金が7,114,985千円減少したこと、また、その他の包括利益の計上によってその他の資本の構成要素が2,420,173千円減少したことによるものです。

 

b.経営成績の状況

当連結会計年度の売上収益は、既存案件の進捗により増加し、全額拠出案件比率の増加に加え、LEXI-Pに係る衛星製造費用の資産計上を開始したことにより未受注案件に係る先行開発費用が大幅に減少したことを主な要因として、前連結会計年度から営業損失、税引前当期損失、親会社の所有者に帰属する当期損失は大幅に改善いたしました。

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益5,940,615千円(前年同期比141.8%増)、営業損失9,975,386千円(前年同期は営業損失18,755,004千円)、税引前当期損失6,695,854千円(前年同期は税引前当期損失21,550,288千円)、当期損失7,114,985千円(前年同期は当期損失21,551,603千円)、親会社の所有者に帰属する当期損失7,114,985千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失21,551,603千円)となりました。

ご参考までに、当連結会計年度における当社グループのプロジェクト収益(注)は11,506,710千円(前年同期比89.0%増)となりました。そのうち、政府補助金収入は5,566,095千円(前年同期比53.3%増)となりました。なお、セグメントごとの経営成績については、当社グループは、「軌道上サービス事業」の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

(注)プロジェクト収益は、国際会計基準(IFRS会計基準)により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標です。プロジェクト収益は以下により算出しております。
「プロジェクト収益=売上収益+プロジェクトに係る政府補助金収入」
 なお、この数値は、当社グループが提供するサービスの対価として取得する政府補助金収入を売上収益に加算して算出しており、分析手段として重要な制限があることから、IFRS会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるこの数値は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。

 

 

2 キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11,279,041千円減少し、10,021,823千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、12,485,991千円の支出となりました。これは主に、税引前当期損失6,695,854千円の計上に対して、営業債務及びその他の債務の増加額や補助金収入、為替差損益等の調整項目があったことに加え、補助金の受取額6,017,915千円があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、6,927,167千円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,358,867千円無形資産の取得による支出1,539,109千円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、7,236,403千円の収入となりました。これは主に、短期借入金の純減少額に係る支出1,149,000千円株式の発行による収入10,621,173千円長期借入金の返済による支出2,099,960千円によるものです。

 

 

3 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社グループは、軌道上サービス事業における研究開発を主たる活動としており、受注生産形態をとるに至っていないため、また、当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績(受注総額及び受注残総額)(注1)は、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年5月1日 至 2026年4月30日)

受注総額

受注残総額

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

軌道上サービス事業

8,445,077

△72.5

27,435,451

△7.6

合   計

8,445,077

△72.5

27,435,451

△7.6

 

(注) 1.受注総額は、特定の期間において締結された契約に基づき、当社グループが支払いを受けた又は受けることができる金額の総額をいいます。受注残総額は、特定の期間までの全ての期間における受注総額の合計額のうち、当該特定の期間の末日までに収益計上がなされていない金額をいいます。当社グループの技術開発の進捗その他当該契約において定められた条件が実現に至らない場合、サービス提供に応じて支払われるマイルストーン収入の一部が支払われない可能性があり、そのため、上記の受注残総額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。

2.上記受注残総額のほか、当連結会計年度末において、契約の締結には至っていないものの、当社が現時点で競合の存在を認識していないことから、当社グループによる受注が期待できると認識する既存ミッションの後続フェーズ(ISSA-J1フェーズ3)に係る想定受注残総額としては、3,808百万円(当連結会計年度時点)を見込んでおります。また、2025年1月22日付で、株式会社アストロスケールが経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)における「衛星の寿命延長に資する燃料補給技術」に関する研究開発構想の委託先として採択されており、その想定契約金額は、総額最大12,000百万円(間接経費、消費税等を含む)でした。2025年9月1日付で、上記K Programに関する契約を締結したことに伴い、本プロジェクト(プロジェクト名:REFLEX-J)に関する予算額は総額最大10,826百万円(税抜)となり、想定契約金額は、締結済の初年度契約金額(1,067百万円)及び2年度契約(3,064百万円)を除き6,693百万円となりました。後続フェーズ及び採択済の案件については、契約の締結に至っていないため、当社グループが受注できず、又は、最終合意に基づく実際の受注金額が当社の想定と異なる可能性があります。

3.参考までに、当連結会計年度時点における受注残総額に、当連結会計年度時点における(注)2.の想定受注残総額及び想定契約金額を単純合算した金額は、37,938,121千円となりますが、(注)1.乃至2.記載の理由により、当該金額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。

4.当連結会計年度において、軌道上サービス事業セグメントの受注総額及び受注残総額に著しい変動がありました。これは主に、以下の受注による増加です。
・米空軍研究所より自律的なランデブ・近傍運用及びドッキングに関する新規防衛調査案件を受注(契約金額:8.7百万米ドル)
・REFLEX-J(旧K Program)の初年度及び2年目契約を受注(契約金額:41.3億円)
・防衛省より軌道上での自国衛星の監視・防御技術に関する研究に係る案件を受注(契約金額:9.9億円)
・宇宙航空研究開発機構(JAXA)より、静止軌道上での電気推進薬の燃料補給技術の開発に係る案件を受注(交付決定額:12.5億円)

 

 

c.販売実績

当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

軌道上サービス事業

5,940,615

241.8

合   計

5,940,615

241.8

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。

相手先

第7期連結会計年度

(自 2024年5月1日

至 2025年4月30日)

第8期連結会計年度

(自 2025年5月1日

至 2026年4月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

防衛省

5,030

0.2

1,799,511

30.3

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

(JAXA)

870,594

35.4

1,745,278

29.4

Network Access Associates Limited

(Eutelsat OneWeb社)

848,311

34.5

1,146,040

19.3

英国科学・イノベーション・技術省(DSIT)

44,864

1.8

692,496

11.7

英国宇宙庁(UKSA)

380,232

15.5

 

2.製品及びサービスごとの外部顧客からの売上収益は、次の通りであります。

 

販売高(千円)

前年同期比(%)

受託収益(注1)

5,910,747

242.5

その他の売上収益(注2)

29,867

154.6

合   計

5,940,615

241.8

 

(注) 1.受託収益には、当社グループが開発する軌道上サービスに関連する研究開発プロジェクト及び実証プロジェクトにより獲得した収益が含まれております。

2.その他の売上収益には、ロゴマーク掲載等のスポンサーシップによる収益等が含まれております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上収益

当連結会計年度における売上収益は、既存案件の進捗や全額拠出案件比率の増加により増加し、5,940,615千円(前年同期比141.8%増)となりました。

b.売上原価、売上総利益

当連結会計年度における売上原価は、5,921,367千円(前年同期比6.6%減)となりました。

その結果、売上総利益は19,247千円(前年同期は3,880,594千円の損失)となりました。前年同期は、ELSA-Mフェーズ4に係る受注損失引当金繰入額を計上していたため、多額の売上総損失となっておりました。

c.販売費及び一般管理費、その他の収益及びその他の費用、営業利益

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、LEXI-Pに係る衛星製造費用の資産計上を開始したことにより未受注案件に係る先行開発費用が大幅に減少したことを主な要因として、16,196,538千円(前年同期比15.2%減)となりました。

その他の収益については、プロジェクトに係る政府補助金収入が増加したことにより、6,201,904千円(前年同期比46.6%増)となりました。

その他の費用については、当連結会計年度に計上するものはありませんでした

これらの結果、営業損失は9,975,386千円(前年同期は18,755,004千円の損失)となりました。

d.金融収益及び金融費用、法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益

当連結会計年度における金融収益及び金融費用は、主に為替差損益です。

法人所得税費用については、419,130千円(前年同期は1,315千円)となりました。

これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期損失は7,114,985千円(前年同期は21,551,603千円の損失)となりました。

 

②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に係る重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載の通りであります。

 

③経営戦略の現状と見通し

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループが構築してきた研究開発技術を最大限に活用し、対象となるデブリや運用中の衛星に対して、多様な軌道上サービスを可能とする基盤技術の高度化及びサービスの適用範囲の拡大を図ることで、軌道上サービス事業の多角的な展開・拡大を目指しています。

 

④経営者の問題意識と今後の方針について

経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載されている様々な課題に対処し、安全かつ安定的で持続可能なサービスを継続的に提供していくことが必要であると認識しております。そのため、経営者は、現在の事業環境及び入手可能な外部環境の変化に関する情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、経営課題に対する施策の実施に努めていきます。

 

 

⑤キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループのキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 2 キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

当社グループの資本管理及び流動性リスクとその管理方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 23.金融商品」に記載しています。また、当連結会計年度における資金の主な増減要因については、上記に記載しています。

 

⑥経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑦経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、各国のオフィスを通じて多様な用途の軌道上サービスミッションをグローバルに受注しており、技術革新の加速と市場シェアの拡大が、当社グループのミッション実現への近道であると考えております。このため、売上収益や売上総利益、税引前営業利益等の各種業績指標の管理に加え、企業価値の継続的な向上を図るための客観的な指標として、軌道上サービスミッションの受注状況等を重視しております。具体的には、当社グループの将来収益を生み出し事業の推進・成長を支えるパイプラインの確保状況を測定するための「受注残総額」を重要な経営指標等として位置づけております。受注残総額の詳細については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 3 生産、受注及び販売の実績 b. 受注実績」をご参照ください。

 

 

セグメント情報

 

6.セグメント情報

(1) 報告セグメントの概要

当社グループは、デブリ除去等の軌道上サービスに関する技術の研究開発及び宇宙空間における実証を行っております。当社グループが開発する軌道上サービスには、対象とするデブリ・衛星の存在する軌道や、それらをターゲットとして開発されるサービスの内容により複数の種類がありますが、基盤となる技術は共通のものであるため、当社グループの最高経営意思決定機関は、経営資源の配分の決定及び業績評価のための経営成績の検討を、軌道上サービス事業の全体を対象として行っております。そのため、当社グループは、事業セグメントが軌道上サービス事業の単一セグメントであると判断しており、報告セグメント別の記載を省略しております。

 

(2) 製品及びサービスに関する情報

製品及びサービスごとの外部顧客からの売上収益は、次の通りであります。

 

 

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(自 2024年5月1日

至 2025年4月30日)

当連結会計年度

(自 2025年5月1日

至 2026年4月30日)

受託収益(注1)

2,437,639

5,910,747

その他の売上収益(注2)

19,317

29,867

合計

2,456,956

5,940,615

 

(注) 1.受託収益には、当社グループが開発する軌道上サービスに関連する研究開発プロジェクト及び実証プロジェクトにより獲得した収益が含まれております。

2.その他の売上収益には、ロゴマーク掲載等のスポンサーシップによる収益等が含まれております。

 

 

(3) 地域別に関する情報

外部顧客からの売上収益及び非流動資産の地域別内訳は、次の通りであります。

 

①外部顧客からの売上収益

 

 

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(自 2024年5月1日

至 2025年4月30日)

当連結会計年度

(自 2025年5月1日

至 2026年4月30日)

日本

897,776

3,611,998

英国

1,524,315

2,059,247

米国

26,697

227,244

フランス

8,167

42,125

合計

2,456,956

5,940,615

 

(注) 売上収益は外部顧客に対してサービスを提供している会社の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

②非流動資産

非流動資産の対象は、有形固定資産、のれん及び無形資産としております。

 

 

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(2025年4月30日)

当連結会計年度

(2026年4月30日)

日本

4,285,713

4,839,884

英国

1,050,717

2,076,353

米国

542,139

5,651,772

イスラエル

841,457

790,322

フランス

21,597

24,103

合計

6,741,625

13,382,436

 

 

(4) 主要な顧客に関する情報

売上収益の10%以上を占める単一の外部顧客からの売上収益は、次の通りであります。

 

 

(単位:千円)

相手先

前連結会計年度

(自 2024年5月1日

至 2025年4月30日)

当連結会計年度

(自 2025年5月1日

至 2026年4月30日)

防衛省

5,030

1,799,511

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

870,594

1,745,278

Network Access Associates Limited

(Eutelsat OneWeb社)

848,311

1,146,040

英国科学・イノベーション・技術省(DSIT)

44,864

692,496

英国宇宙庁(UKSA)

380,232