人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数16,192名(単体) 50,390名(連結)
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平均年齢40.6歳(単体)
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平均勤続年数15.6年(単体)
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平均年収9,917,586円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(注) 従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は[ ]内に年間の平均人員(ただし、1日勤務時間8時間換算による)を外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
(注) 平均年間給与については、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(注) 従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は[ ]内に年間の平均人員(ただし、1日勤務時間8時間換算による)を外数で記載しております。
(3) 労働組合の状況
現在、一部の連結子会社において労働組合を結成しておりますが、労使関係について特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3.当社においては、性別に関わらず同一の報酬体系を適用しておりますが、女性の総合職採用が2000年代に本格化したため、男性社員との勤続年数や管理職に就く比率等の差異によりジェンダーペイギャップが生じております。現在、差異解消に向けた取組みを継続して進めております。詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
4.「管理職に占める女性労働者の割合」及び「男性労働者の育児休業取得率」については、KPIを設定しております。詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
② 主要な連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.子の出生年度とその子に対する育児休業等及び育児目的休暇の取得開始年度のずれにより、育児休暇取得率が100%を超える場合があります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
4.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
5.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報(2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
③ 提出会社及び主要な連結子会社(注1)
(注) 1.従業員数が300人を超える連結子会社17社を主要な連結子会社として算出の範囲に含めております。
2.指標の算出にあたっては、主要な連結子会社に含まれる各社の事業年度が提出会社と異なる場合、各社の事業年度ごとに集計しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループでは、“将来の夢”(パーパス)を起点とした世の中の役に立つ「事業の推進」によるキャッシュ・フローの創出と、世の中の変化に対応した「基盤の強化」によるサステナビリティの向上を両立するビジネスモデルによって、事業を通じて社会課題を解決し、ステークホルダーからの信頼・共感を得ることで、次の事業機会・事業投資へ繋げる[価値創造プロセス]を実現しております。この価値創造プロセスの好循環により、持続的な企業の成長と社会課題の解決に取組むことで、企業価値の向上と“将来の夢”の実現を目指しております。
当社グループにおいて、サステナビリティ課題に取組むことは、企業の価値創造の源泉や強み、ビジネスモデルを強化することであり、将来キャッシュ・フローひいては事業の持続的成長並びに企業価値の維持・向上につながるものと捉えており、環境・社会の観点から世の中の変化に対応した取組みを進めております。
[価値創造プロセス]
1.サステナビリティ全般
(1)ガバナンス
当社グループは長期視点での経営課題をマテリアリティ(最重要課題)として特定し、短・中期においては中期経営計画の方針に落とし込み、企業のサステナビリティのための課題解決に取組んでおります。マテリアリティ並びに中期経営計画の進捗は、定期的に取締役会へ報告しております。
特に、SDGs・ESGへの取組みについては、全社環境推進委員会及びサステナビリティ委員会(※)から重要な情報の提供を受けたうえで、コーポレートガバナンス委員会において意見交換を行い、必要に応じて取締役会に提言しております。
全社環境推進委員会は、当社グループが取組むべき環境活動の基本的事項について審議・決定し、全社の環境活動を指示・統括しております。
サステナビリティ委員会は、ESG課題のうち、従業員や取引先との関係性等、特に「社会」の分野を中心とした重要課題の現状を把握したうえで、改善内容について審議・決定し、当該決定に関する全社の取組みを指示・統括しております。
※ 2025年4月1日より、ガバナンス体制を見直しております。全社環境推進委員会とサステナビリティ委員会を統合し、サステナビリティ委員会として、環境・社会に関するテーマの監督・意思決定を行っております。
(2)リスク管理
中長期的に大きな影響を与えるリスクとしては、環境に関する(気候変動・生物多様性保全等)リスクや、人財基盤に関するリスク、人権に関するリスク、情報セキュリティに関するリスク、コンプライアンスリスク等を認識しており、全社的なリスク管理プロセスに統合してマネジメントしております。リスク・機会の特定・評価は、中期経営計画や環境行動計画の策定に合わせて、詳細分析を行い、同計画の重要課題の特定や主要施策、目標水準に反映しております。
2.環境の取組み
当社グループでは、大和ハウス工業の創業100周年にあたる2055年を見据えた環境長期ビジョン「Challenge ZERO 2055」を策定しております(※)。サステナブルな社会の実現を目指し、4つの環境重点テーマ(気候変動の緩和と適応、自然環境との調和、資源循環・水環境保全、化学物質による汚染の防止)に関して3つの段階(調達、事業活動、商品・サービス)を通じ、環境負荷“ゼロ”に挑戦いたします。なかでも、特に重要な7つの目標を「チャレンジ・ゼロ」として2030年のマイルストーンを明確にし、取組みを加速させております。
※ 気候変動に関しては、社会的要請をふまえ2050年としております。
<気候変動への対応>
気候変動の緩和と適応は、環境重点テーマのうち、当社グループが取組むべき最も重要なテーマの一つであり、なおかつマテリアリティの一つとして「サーキュラーエコノミー&カーボンニュートラル」を掲げております。加えて、気候変動への着実な対応を進めるために、第7次中期経営計画では重点テーマの一つに「すべての建物の脱炭素化によるカーボンニュートラルの実現(カーボンニュートラル戦略)」を設定し、より詳細な目標を設けている環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム 2026」と並行して、取組みを推進しております。
(1)ガバナンス
当社グループでは、委員長を当社サステナビリティ統括部長とする「全社環境推進委員会」を設置しております。年2回実施する当委員会は、当社グループの環境活動に関する基本的事項及び環境に関するリスクや機会について審議・決定し、全グループの環境活動を統括しております。さらに、事業本部ごとに事業本部長を環境委員長とする自律的なマネジメント体制を構築し、環境目標の達成度を、年2回の「事業本部環境委員会」で確認しております。また、主要グループ会社においては、各社の環境担当役員で構成する「グループ環境経営会議」を年2回実施し、全社環境推進委員会で決議された事項を共有しております。
中期経営計画に合わせて策定している環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム」(気候変動・生物多様性保全を含む)は、環境経営に関する重要な事項であるため、取締役会への報告事項としており、年に一度、全社環境推進委員長が取締役会に進捗状況を報告し、適宜、戦略や目標、計画等の見直しを行っております。
2024年度は、「エンドレス グリーン プログラム 2026」の2023年度の全社実績及び2024年度の目標見直しについて取締役会でレビューを実施いたしました。事業活動、商品・サービスに加えて調達(サプライチェーン)におけるGHG排出量の削減活動を重要視するよう指示を受け、サプライヤーとの対話を実施するなど、取組みを強化いたしました。
※ 2025年4月1日より、ガバナンス体制を見直しております。全社環境推進委員会とサステナビリティ委員会を統合し、サステナビリティ委員会として、環境・社会に関するテーマの監督・意思決定を行っております。
(2)戦略
気候変動に伴うリスクと機会には、脱炭素社会に向かうなかで生じる規制の強化や技術の進展、市場の変化といった「移行」に起因するものと、地球温暖化の結果として生じる急性的な異常気象や慢性的な気温上昇といった「物理的変化」に起因するものが考えられます。また、その影響は短期のみならず、中長期的に顕在化する可能性もあります。そこで当社グループでは、気候変動に伴うさまざまな外部環境の変化について、その要因を「移行」と「物理的変化」に分類のうえ、発生しうる時間軸を想定し、影響度を評価し、重要なリスクと機会を特定しております。
また、当社グループでは特定したリスクと機会をふまえ、将来の外部環境の変化に柔軟に対応した事業戦略を立案するため、複数のシナリオを用いて、事業への影響評価を実施しております。シナリオ分析にあたっては、「移行」が進むシナリオとして1.5℃シナリオを参照、極端な「物理的変化」が進むシナリオとして4℃シナリオを参照し、事業戦略の妥当性を検証しております。
その結果、いずれのシナリオにおいても、2030年時点における将来シナリオを想定し、当社グループの提供するネット・ゼロ・エネルギー住宅や建築物の需要、環境エネルギー事業等の拡大が見込まれ、その収益増は負の財務影響を上回る見込みであることを確認し、リスク対応の妥当性とより積極的な事業機会獲得の重要性を再認識いたしました。これらの分析を踏まえ、2030年までに「原則全棟ZEH・ZEB化、原則すべての新築建物の屋根に太陽光発電を搭載する」との方針を決定し、ZEH率・ZEH-M率・ZEB率を第7次中期経営計画における重要管理指標に設定いたしました。
なお、分析の対象は当社グループのコア事業である戸建住宅・賃貸住宅・マンション・商業施設・事業施設・環境エネルギー事業を対象に、重要なリスク・機会に限っての簡易分析としております。今後は対象となる事業の更なる拡大を図るとともに、リスク・機会の網羅性の向上や、シナリオ分析の精緻化等にも取組んでまいります。
[気候変動に関する主なリスクと機会]
発生しうる時間軸:短期(1年未満)、中期(~2030年ごろ)、長期(~2050年ごろ)
影響度:小(100億円未満)、中(100億円以上1,000億円未満)、大(1,000億円以上)
[カーボンニュートラル実現のための移行計画]
当社グループは、「気候変動の緩和と適応」を重要な経営課題と位置づけ、環境長期ビジョンに掲げる「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けた挑戦を続けております。
2022年度からスタートした第7次中期経営計画の「カーボンニュートラル戦略」では、バリューチェーンを通じた温室効果ガス排出量(スコープ1・2・3)を2030年までに40%削減(2015年度比)することをマイルストーンに設定し、全事業、全方位で取組みを加速させております。なかでも、当社グループが直接関与する事業活動におけるGHG排出量(スコープ1・2)については、「自社発電由来の再生可能エネルギーによる電力の再エネ化」等を通じて、2030年までに70%削減(2015年度比)することを目指しております。また、最も排出量の多い販売建物の使用によるGHG排出量(スコープ3/カテゴリ11)については、すべての事業において原則として、「全棟ZEH・ZEB化、全棟太陽光発電搭載」を推進し、2030年までに63%削減(2015年度比)することを目指しております。
(3)リスク管理
気候変動リスクは、中長期的に大きな影響を与えるリスクの一つと認識し、全社的なリスク管理プロセスに統合してマネジメントを実施しております。リスク・機会の特定・評価は、中期経営計画や環境行動計画の策定に合わせて、概ね3~5年おきに詳細分析を行うとともに、毎年見直しを行い、同計画の重要課題の特定や主要施策、目標水準に反映しております。
具体的にはサステナビリティ部門において、脱炭素社会への移行に伴う「外部環境の変化」と地球温暖化の進展に伴う「物理的変化」を特定し、その発生しうる時間軸とこれらが現実化した場合の影響度から重要なリスクと機会を評価しております。こうして特定した重要なリスクと機会については、各部門別に具体的な対策を検討し、環境行動計画において、グループ全体・部門別・事業所別に重要管理指標と目標を設定し取組みを推進しております。そのうえで、グループ全体として年2回の全社環境推進委員会、部門別には年2回の事業本部環境委員会、事業所別には年2回の事業所ECO診断/研修にて進捗管理を行っております。
[主なリスクへの対応]
・事業活動|事業活動におけるCO₂の“ チャレンジ・ゼロ”
当社グループでは、温室効果ガスの排出量削減に向けた国際的な取組みとして、科学的根拠に基づく排出削減目標「SBT(Science Based Targets)」の認定を取得し、「パリ協定」との整合性を確保しております。加えて、エネルギー効率の向上を目的とする「EP100」、再生可能エネルギーの利用拡大を目指す「RE100」の両国際イニシアティブにも、建設業として世界で初めて加盟いたしました。これらの取組みは、環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム 2026」に短期・中期の目標及び対策を落とし込み、全社的に推進しております。自社施設の省エネルギーについては、新築する自社施設を原則ZEBとする方針を掲げ、取組みを進めております。既存施設には、毎年エネルギーコストの5%に相当する省エネ投資を実施する「省エネ投資ガイドライン」に基づき計画的な設備改善を進めるとともに、独自の「省エネチェックシート」を活用した運用改善を進めております。再生可能エネルギーの利用拡大については、全国の事務所、住宅展示場、施工現場、工場等において、当社グループが運営する再生可能エネルギー発電所で発電された電力の再エネ価値を証書化した「トラッキング付非化石証書」を付加した「実質再エネ100%電気」の利用を進めており、グループ全体での導入を拡大しております。
[主な機会への対応]
・商品 | まちづくりにおけるCO₂の“ チャレンジ・ゼロ”
当社グループでは、第7次中期経営計画及び環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム 2026」において、ZEH率及びZEB率を商品における重要な管理指標(KPI)に位置付け、取組みを推進しており。ZEHについては、ZEH標準対応商品の拡充と提案強化に取組んでおります。ZEBについては、認知度の向上を目的として、継続的にZEBセミナーや相談会を開催しております。また、営業担当者及び設計担当者向けに、ZEB提案に関する社内研修を実施するとともに、ZEB設計に必要な技術や手法を用途別に整理したケーススタディ資料を作成し、社内に公開しております。さらに、ZEH率及びZEB率の進捗を四半期ごとに集計し、事業所単位での目標達成度を確認するとともに、業績評価に反映することで、社内全体の取組みを加速させております。
(4)指標及び目標
気候変動に伴うリスクの最小化と機会の最大化を目指し、短・中・長期の目標を設定して、取組みを推進しております。なお、これらの目標は中期経営計画の指標の一つとして設定するとともに、同計画の対象期間と合わせて策定している環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム 2026」においては、さらに詳しい管理指標と目標を設定し、「環境と企業収益の両立」を目指して、取組みを加速させております。
(注) 2024年度実績は暫定値です。確定値及びその他の指標については、2025年7月末発行予定の「サステナビリティレポート2025」にてご確認ください。(https://www.daiwahouse.co.jp/sustainable/library/csr_report/index.html)
<生物多様性保全への対応>
当社では、環境長期ビジョン「Challenge ZERO 2055」において「自然環境との調和」を環境重点テーマの一つに掲げており、自然資本の保全・向上に向けた姿勢を明確にしております。また、環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム 2026」において、具体的な指標・目標を設定し、取組みを推進しております。
さらに、自然資本との関わりをより的確に把握し、経営戦略への反映を図るため、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の最終提言v1.0及び「LEAPアプローチ」を参考に、事業活動における自然への影響と依存を把握し、自然関連のリスクと機会を評価いたしました。また、2024年6月にTNFDフォーラム(※1)に参画し、TNFD Adopter(※2)への登録を行いました。積極的な情報開示を通じて、事業上のリスク低減や機会の創出に取組み、生物多様性保全の課題解決を目指してまいります。
※1.TNFDでの議論を、専門知識を提供するステークホルダーとしてサポートする国際組織。
※2.TNFD提言を採用した開示を行う意向をTNFD のWebサイトで登録した企業のこと。登録した企業は2025年会計年度までの企業報告においてTNFD提言に沿った開示が求められる。
(1)ガバナンス
「<気候変動への対応> (1)ガバナンス」をご参照ください。
(2)戦略
UNEP-WCSC(国連環境計画 世界自然保全モニタリングセンター)らが開発した企業の自然への影響や依存度の大きさを把握するツール「ENCORE」を使用し、当社グループの事業活動が自然資本に与える影響及び依存関係を確認いたしました。事業及びバリューチェーンの各段階における影響・依存の程度をヒートマップ形式で整理し、これに関連する社会動向等の外部環境の情報も参照したうえで、想定されるリスク・機会を抽出いたしました。さらに、当社グループの事業にとっての重要性も考慮し、リスク・機会を特定いたしました。生物多様性保全に関する主なリスク・機会は下記の通りです。
[生物多様性保全に関する主なリスクと機会]
発生しうる時間軸:短期(1年未満)、中期(~2030年ごろ)、長期(~2050年ごろ)
影響度:小(100億円未満)、中(100億円以上1,000億円未満)、大(1,000億円以上)
(注)1.自然衰退シナリオ:ネイチャーポジティブに向けたグローバル・協調的な動きがうまく進まず、自然・生物多様性、生態系の劣化が深刻化するシナリオ。
2.NP(ネイチャーポジティブ)シナリオ:昆明・モントリオール生物多様性枠組が目指している2050年ビジョン「自然と共生する社会」が達成されるよう、グローバルにネイチャーポジティブに向けた移行が進むシナリオ。
(3)リスク管理
自然関連リスクは、中長期的に事業へ影響を及ぼす重要なリスクの一つであると認識しており、全社的なリスク管理プロセスに統合してマネジメントを実施しております。
当社は、環境重点テーマの一つとして「自然環境との調和(生物多様性保全)」を掲げ、環境長期ビジョン及び環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム 2026」を策定し、年2回の全社環境推進委員会において進捗を評価しております。また、「エンドレス グリーン プログラム 2026」は環境経営に関する重要事項と位置付け、年に一度、取締役会へ進捗状況を報告するとともに、適宜、戦略や目標の見直しを行っております。また、事業投資委員会では、当社の重要な不動産開発事業及びその他の事業投資について、事業性とあわせて環境関連リスクの評価・審議を行っております。
さらに、自然関連リスクの評価にあたっては、TNFDに対応し、直接操業拠点における優先地域の特定、水及び木材調達のリスク評価を実施し、低リスクエリアへの転換などの対策を進めております。
[主なリスクへの対応]
・サプライチェーン | 木材調達評価
当社グループでは、年に一度、独自の評価基準をもとに木材調達調査を実施し、調達木材をSSS・SS・S・Cにランク分けしております。調達先各国のリスク(法令遵守・生物多様性・人権など)については、リスク評価ツールを活用し状況を把握しております。森林破壊リスクのおそれがあるCランク木材比率の削減については、数値目標を設定して取組みを進めております。また、Cランク木材を供給したサプライヤーに対しては、持続可能な木材に向けた改善計画書の提出を求め、公的書類の確認徹底や、低リスクエリアへの調達先切り替えなどを進めております。
・当社グループ施設 | 生物多様性の影響評価
当社グループが保有する敷地のサイト(評価地域)において、一次スクリーニングを行い、生物多様性の影響評価を行うべきサイトを把握し、重要サイト(要注意地域)を特定しております。今後、すべての重要サイトにおいて事業運営と生物多様性保全を両立した管理計画の策定を進め、管理計画に基づいたモニタリングを行ってまいります。
[主な機会への対応]
・商品 | 生態系に配慮した緑被面積の拡大
当社グループでは、「みどりをつなごう」を合言葉に新たに植栽する樹木(高木・低木)の半数以上を各地域の自然に合った在来種にすることを推奨しております。全事業を通じて、2030年までに生態系に配慮した緑被面積を200万㎡増やす(2021年度以降の累積)ことを目標に掲げ、物件単位で在来種が50%以上となった件数割合について事業本部ごとに目標を設定のうえ、四半期ごとに実績をモニタリングし、取組みを推進しております。
(4)指標及び目標
生物多様性保全に関するリスクの最小化と機会の最大化を目指し、短・中・長期の目標を設定して、取組みを推進しております。なお、これらの目標は中期経営計画の対象期間と合わせて策定している環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム」において、管理指標と目標を設定し、「環境と企業収益の両立」を目指して、取組みを加速させております。
(注) 2024年度実績は暫定値です。確定値及びその他の指標については、2025年7月末発行予定の「サステナビリティレポート2025」にてご確認ください。(https://www.daiwahouse.co.jp/sustainable/library/csr_report/index.html)
3.人的資本・多様性への取組み
当社グループでは社是に掲げる「事業を通じて人を育てる」に基づき、人財(人的資本)の価値向上が企業価値の源泉であると捉え、創業以来、人財の成長を第一に考えた経営を行ってまいりました。また、創業100周年に向けた当社グループの羅針盤となる“将来の夢”(パーパス)の策定に伴い、2024年4月より新たな理念体系に変更いたしました。新しい理念体系は、“いつの時代も変わらない”「社是」「社員憲章」と、“時代に合わせて変化していく”「将来の夢」「大切にしたい価値観(従業員が大切にする共通の価値観として新設)」の2軸で構成しており、「“将来の夢”が人や企業を成長させる」という考えのもと、更なる人財の成長への取組みを行ってまいります。
第7次中期経営計画では、人的資本への積極的な投資と従業員の成長の場・機会の創出を通じて、「個」と「組織」の価値を最大化し、イノベーションの基盤づくりを進めております。多彩な事業ポートフォリオを持つ当社グループにおいて多様な人財の確保は最も重要な課題の一つであり、事業戦略に連動した多様な人財を確保するとともに、一人ひとりの個性や価値観に寄り添った成長機会を提供することで、自律的なキャリア形成を支援しております。2025年度は、より安心して意欲的に能力が発揮できる環境を整備するとともに、中長期的に事業の成長を担う人財を確保するため、月例給与水準の大幅な改定を行いました。今後も、多様な「個」が健康かつ心理的安全な職場環境の中で自分らしさを発揮し、対話を通じてつながり合うことで「組織」として新たな価値が創出される、その様な組織風土・文化を醸成してまいります。
(1)戦略
人財育成方針
当社グループは、人財(人的資本)が最大の財産であるとの信念のもと、「創業者精神」を基本軸に、中長期的な視点をもって人財の育成に取組んでおります。変化し続ける社会や価値観の多様化に柔軟に対応し、潜在的な市場を発掘・創出するためには、一人ひとりの人財が自分の基盤を確立したうえで「強み・らしさ」を発揮して輝き合い、新しい価値を共創していくことが欠かせません。当社では、「Keep Learning, Growing, and Dreaming.」をコンセプトに、従業員それぞれがお客様や社会から信頼され、愛される真のプロフェッショナル人財として成長するための3つの基盤づくり(機会づくり、仲間づくり、職場づくり)を実践。複線的な成長機会の提供を通じて、従業員の自律的かつ持続的なキャリア形成を支援しております。そして、「個」と「組織」の成長による人的資本の価値向上が知的資本と財務資本の強化へとつながり、更なる人的資本の最大化につながるという好循環を持続的に生み出すとともに、一人ひとりの人財にとってその成長が「生きる歓び」となり、より豊かな人生へとつながることを目指してまいります。
[人財育成ポリシー]
[人財育成のエコシステム]
社内環境整備方針
当社グループでは多様な人財が持つ「知」や「経験」のダイバーシティがイノベーションを生み出す源泉であると考え、従業員が働きがいを実感しながら、「自分らしさ」を存分に発揮できる健全で公平な職場環境の整備に取組んでおります。技術革新(AIやICT)の積極活用により従業員の働き方に変化を起こし、生産性の向上と従業員の健康保持並びに改善を進めてまいります。また、従業員が持つ多様な価値観、性別、障がいの有無、性自認、性的指向、性表現、年齢、国籍、言語、文化、ライフスタイル等が尊重され、それぞれが持つ視点や発想を認め合い、活かしあい、輝きあう職場風土を、経営層及び従業員相互の交流・対話を通じて醸成してまいります。
これらの取組みを通じて、従業員の自分らしい生き方や働き方の選択肢を広げ、エンゲージメントの向上につなげていくとともに、定期的なサーベイを通じてその効果を検証してまいります。
人的資本の拡充、多様性の推進
当社では多様性の一つである「女性」社員の活躍推進をダイバーシティ推進の試金石として積極的に取組んでまいりました。2005年に女性活躍推進プロジェクトを立ち上げ、2007年には専任組織である「Waveはあと推進室」を設置。業域拡大に合わせて2015年4月には同推進室を「ダイバーシティ推進室」に名称変更、2019年10月から「DE&I推進」組織として組織改編いたしました。
当社においてダイバーシティ&インクルージョンを経営に活かし、商品やサービス等のプロダクト及びプロセスにおける新しい発想を生み出すため、また多様な視点での意思決定を強化するため、多様性を促進しております。
(2)指標及び目標
当社グループでは、社是に掲げる「事業を通じて人を育てる」に基づき人財(人的資本)の価値向上に取組んでおりますが、係る具体的な取組み、指標のデータ管理については連結グループに属する全ての会社で共通ではないため、指標及び目標については当社を対象として記載しております。
人財育成のための教育プログラム
当社は、従業員一人ひとりが「人財育成ポリシー」で定義した「成長Story」に沿って成長することを積極的な教育投資を通じて実現いたします。あらゆる階層・職種の従業員がプロフェッショナルとして自律的にキャリアを開発し、成長し続けるための「機会・仲間・職場」づくりを、多様な研修プログラムや越境体験機会の提供により支援いたします。
[当社の教育体系]
[当社の2024年度教育投資実績]
※1.2024年度から、本社本部が主管する教育プログラムの受講時間に加え、各職場における研修・勉強会の参加時間も含めるように集計方法を見直しました。
[当社の2024年度の主な教育プログラム受講実績]
※1.[当社の2024年度の主な教育プログラム受講実績]の内、新入社員教育の「実習」の受講時間数は、[当社の2024年度教育投資実績]の「のべ受講時間」(574,097時間)には含んでおりません。
※2.職種・部門別専門教育の受講人数は「のべ人数」。
※3.職種・部門別専門教育の一人当たり受講時間は、のべ受講時間を全従業員数(16,192名)で除した時間。
女性活躍推進
組織の意思決定に影響を与える分岐点とされる30%(クリティカル・マス)の確保に向けて、当社では「女性管理職比率」、「女性主任職比率」、「新卒採用女性比率」の3指標をKPIとして定めております。当社の女性社員比率は21.7%(2025年4月1日現在)であるため、絶対数の確保と育成を並行して進めております。
女性管理職については、第7次中期経営計画(2022~2026年度)において、初年度(2022年4月1日)に比べ約2倍となる500名登用(女性管理職比率8%)を目標として掲げております。その前段階として新卒採用女性比率30%を目標とし、会社説明会等において出産・育児等のライフイベントを支える人事制度の説明や、当社で活躍する女性社員の事例紹介等、入社後の働き方をイメージしやすい仕掛けづくりをしております。また、女性社員はもとより上司等、周りの社員に対してもマインドセットを図り、能力と意欲のある女性がキャリアを積み重ね持続的に働くことのできる環境と成長の機会を整備しております。その結果、管理職候補となる主任職層における女性比率が徐々に高まり、女性管理職比率も年々高まっております。
男性の家事・育児参画の推進
お客様の住まいと暮らしに寄り添う企業グループとして、従業員が性別に関わらず家事や育児に参画し新たな学びや気づきを得ることを支援しております。当社では2016年4月に育児休業制度の見直しを行い、育児休業の当初5日間を有給化し、男性も育児休業に踏み出しやすい環境を整えております。また、育児休業期間中だけではなく日常的に家事や育児に関われるように休暇制度やフレックスタイム制度等、柔軟な働き方を拡充してまいりました。
日本においてはまだまだ女性が担うことの多い家事や育児を、男性が単にサポートするのではなく主体的に関わることを後押ししております。男性が家事や育児を実体験として経験できる新たな機会を生み出すとともに、女性の精神的・肉体的負担を軽減することで、誰もが活躍できる社会を創ることを目指しております。
※1.2020年及び2024年に実施した社内アンケートにて、育児休業を「取得したい(取得したかった)」と回答した男性社員比率が80%であったことから、第7次中期経営計画終了時(2026年度)の目標を「80%」に設定しております。
※2.各年度における入社3年後の定期採用者の定着率。
ダイバーシティスコアの事業所評価への組み入れ
会社全体でのダイバーシティを推進するために、事業所単位での状況を可視化することで、各職場におけるダイバーシティの推進度を測り促進することを目的とし、2019年度より事業所における経営健全度を評価する項目に「事業所ダイバーシティスコア」を導入いたしました。具体的には、「管理職・主任職における女性比率」、「男性の育児休業取得率」、「障がい者雇用率」、「若年層の定着率」の4項目にて評価することで、会社全体で人財の多様化を進めております。
シニア活躍推進
当社は高齢化・人口減少社会の到来を見据え、同業他社に先駆けて2013年に65歳定年制を導入いたしました。その後もシニア社員の処遇体系を継続的に見直し、2025年から定年年齢を従業員自身が選択する選択定年制を導入してまいりました。またキャリア採用においても50歳以上を積極的に採用するなど、高度な経験やスキルを持つ人財を確保し長く活躍できる制度を整備しております。
※1.前年度満60歳を迎えた社員が当年度継続雇用される率。
※2.前年度末で定年退職した社員(65歳到達社員)が当年度嘱託として再雇用される率。