2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,150名(単体) 1,333名(連結)
  • 平均年齢
    40.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.3年(単体)
  • 平均年収
    5,984,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

設備工事業

1,268

その他

65

合計

1,333

 

(注) 従業員数は就業人員数である。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,150

40.1

17.3

5,984

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

設備工事業

1,139

その他

11

合計

1,150

 

(注) 1.従業員数は就業人員数である。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいる。

 

(3) 労働組合の状況

北陸電気工事労働組合と称し、1947年2月16日に結成され、2025年3月31日現在の組合員数は862人であり、上部団体として電力総連に加盟している。

なお、会社と組合との関係は、円満に推移しており、特記すべき事項はない。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)1

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、2、3

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

3.2

97.4

67.2

73.6

59.2

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。

2.パート従業員については、正社員の所定労働時間で換算した従業員数を基に、賃金差異を算出している。

3.賃金差異は、近年の女性採用強化により女性の平均勤続年数が男性と比べて相対的に短いことなどによるものである。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。

 

 (1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社グループにとっての「サステナビリティ」の方針は、経営理念に基づき、「電気の安定供給」「安心・安全な設備の提供」等といった社会的使命を果たし、お客さまや地域社会の皆さまとともに発展し続ける企業集団となることである。

また、当社グループは中期経営計画「アクションプラン」において重要な経営課題を洗い出し、事業活動を通して解決できるSDGsとの関連付けを下記のとおり行い、SDGsの推進及び達成に努めている。

 

1.安全の確保と信頼される会社づくり

2.受注の拡大(受注=利益の源泉)

3.生産性と働き方の変革

 

こうしたサステナビリティを巡る課題を全般的に取り扱う「ガバナンス」「リスク管理」の体制は敷いていないものの、気候変動への対応については、設備工事業を主として展開する当社グループにとって、脱炭素社会実現のためカーボンニュートラル関連工事などへ積極的に取り組む必要があるとともに、SDGsの達成にも寄与することができるため、重要なサステナビリティ項目と位置付けている。

 

 

(2) 重要なサステナビリティ項目

 気候変動

当該項目への取り組みを効果的に進めるため、気候変動のリスク及び機会を自ら評価し、企業経営に及ぼす財務インパクトを分析する「TCFD」提言に基づく情報開示を実施している。なお、有価証券報告書提出日現在の状況として記載している。

 

 

①ガバナンス

 当社は、気候変動を含む環境課題への対応を重要な経営課題と位置づけ、2024年12月1日付で、新たに環境対策推進委員会を設置している。当委員会は、代表取締役社長の諮問機関として設けられ、持続可能な経営を支える戦略的な取り組みを行うことで、環境課題への対策を強化している。さらに、取締役が委員長を務め、委員には総務担当部長をはじめ、その他の関連部門の部長が参加し、事務局は総務担当部及び企画担当部が共同で担当している。

 当委員会は原則として必要の都度開催し、当社の気候変動リスク及び機会の分析・評価を行い、気候変動を含む環境課題に対する基本方針や施策を審議している。委員会開催後、審議した内容は総務担当部長より、代表取締役社長、専務取締役、常務取締役及び常務執行役員から構成される常務会に報告・協議を経て取締役会に報告される。取締役会は、気候変動をはじめとする環境課題に関する報告を受け、承認及び監督を行う。

 


 

 

②戦略

 当社は、気候変動対応を持続的成長に不可欠な重要経営課題と位置付け、企業価値向上に直結する戦略策定に取り組んでいる。その一環として、気候変動による事業活動及び中長期的成長への影響を把握するため、シナリオ分析を用いてリスクと機会の特定を継続実施している。

 

  <シナリオの設定>

 国際エネルギー機関(IEA)及び、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などを参照し、今世紀末までに産業革命以前と比較して世界の平均気温上昇が「1.5℃」又は「4℃」となる場合を想定した2つのシナリオを選定している。

 

 

●「1.5℃シナリオ」 …気候変動に対し厳しい対策が取られ、2100年時点において、

             産業革命時期比の気温上昇が1.5℃程度に抑制されるシナリオ

●「4℃シナリオ」  …気候変動への厳格な対策が取られず、2100年時点において、
            産業革命時期比で4℃程度気温が上昇するシナリオ

 

 これらのシナリオを踏まえ、移行リスク及び機会の評価には1.5℃シナリオを、物理リスクの評価には4℃シナリオを主に適用し、事業への影響を網羅的に分析・評価することで、引き続き気候変動に対する事業のレジリエンス強化に努めている。

 

シナリオの分析結果

区分

気候変動がもたらす影響

時間軸

影響度

対応策

リスク

移行

CO2排出量(車両・重機などの燃料)に対して炭素税が課される事によるコスト増加

中期~

長期

・省エネ設備の導入促進
・ハイブリッド車やEV車の導入

 促進
・再生可能エネルギーへの切り替

 え
・カーボンクレジットの購入

サプライヤーへの炭素税導入に伴う建設資材への炭素価格転嫁による調達コストの増加

中期~

長期

・サプライチェーン全体での排出 

 量削減の取組促進

環境負荷の低い建設資材の採用必要性の発生による調達コストの増加

中期~

長期

・価格転嫁策の検討

省エネ対策のための自社設備の改修(低消費電力設備の導入・改修など)によるコスト増加

短期

・省エネ設備の導入促進
・補助金・インセンティブの活用
・省エネクレジットの購入検討

顧客の環境配慮要件の高度化に伴う低炭素設計・施工における技術力・提案力不足による受注機会(売上)の減少

中期

・低炭素設計・施工の技術の向上
・低炭素設計・施工の実績蓄積

物理

災害の激甚化により自社施設や工事現場が被災し、営業停止を余儀なくされることによる売上の減少

短期~

長期

・ハザードマップを利用した用地

 の選定
・事業継続計画の策定と実行
・防災設備の強化
・火災保険(地震)への加入

平均気温上昇を背景とした、労働環境悪化(熱ストレス・熱中症)に伴う作業効率低下によるコスト増加

短期~

長期

・安全衛生方針の策定と徹底した

 管理
・就労環境の改善に向けた設備の

 導入、働き方改革の実施
・遠隔地においてもストレスのな

 い現場管理環境の整備
・配電工事用ロボットなどの省力

 化技術・ICTの活用及び改

 善、適用範囲の拡大

 

 

 

区分

気候変動がもたらす影響

時間軸

影響度

対応策

機会

低炭素車両の導入による燃料コストの減少

中期

・低炭素車両導入のための予算確

 保、段階的な導入
・省エネ設備の導入促進
・ハイブリッド車やEV車の導入

 促進

省エネ対策のための自社設備の改修による運用コストの減少

中期

・省エネ設備の導入促進
・エネルギー効率のモニタリング

 と継続的改善
・災害時の電源確保を含めた太陽

 光パネル・蓄電池の設置

|

太陽光発電や蓄電技術の導入・拡大による電力購入コストの減少

中期

・災害時の電源確保を含めた太陽

 光パネル・蓄電池の設置
・拠点事業所への完全自家消費型

 省エネ発電の導入促進

|

ZEB市場の拡大や省エネルギー設備の需要増加による関連工事売上の増加

中期~

長期

・ZEBのリニューアルに関する

 技術の開発・運用
・省エネルギー設備の開発・実用

 化推進
・需要増加への請負体制の強化
・関連工事の営業力強化

EV車の普及による充電ステーションなど関連設備工事の需要増加による売上の増加

中期~

長期

・需要増加への請負体制の強化
・最適な省エネシステム提案の促

 進、営業力強化

再エネ設備導入強化による売上増加に伴う売電関連の売上の増加

中期~

長期

・需要増加への請負体制の強化
・最適な省エネシステム提案の促

 進、営業力強化

災害リスク回避に寄与する防災・減災、国土強靭化のための補修補強工事、地盤改良工事などの社会インフラ整備、建物のメンテナンス・リニューアル工事の需要増加による売上の増加

短期~

長期

・BCP・防災・減災に関連する

 技術開発の推進
・災害に対する建物・工場の移転

 情報の早期入手体制の構築、営

 業力強化

カーボンニュートラル実現に向けて、建物のリニューアル需要増加による売上の増加

中期~

長期

・市場動向調査の実施と自社サー

 ビスへの反映
・サステナブルマーケティングや

 コミュニケーションの強化
・関連工事の営業力強化

再生可能エネルギーの拡大による発電設備における売上の増加

短期~

長期

・エネルギーミックスを踏まえた

 注力分野選択
・関連プロジェクトへ積極的に参

 画し、実績蓄積、営業力強化
・需要増加への請負体制の強化

 

 

■時間軸の定義

 気候変動リスク及び機会の顕在化が想定される時間軸を「短期・中期・長期」に分類し、それぞれの定義を以下のとおり明確に定めている。

時間軸

期間

採用した理由

短期

1~3年

中期経営計画の期間を「3年間」と定めていることから、これに合わせた期間を短期の時間軸として採用

中期

4~6年

中長期経営目標(売上高)で掲げているSDGsゴール(2030年度)やGHG排出量削減目標の中期目標年度である2030年度に合わせた期間を中期の時間軸として採用

長期

7~26年

中長期経営目標(売上高)で掲げている創立100周年を迎える節目の2044年度やGHG排出量削減目標のネットゼロ目標年度である2050年度に合わせた期間を長期の時間軸として採用

 

 

 

■影響度の定義

 気候変動リスク及び機会の影響度を「大・中・小」の3段階に分類し、それぞれの定義を以下のとおり明確に定めている。

影響度

定義

・リスク:売上や利益が大幅に減少し、事業継続や市場シェアに深刻な影響を及ぼす。
・機会:売上や利益が大幅に増加し、新市場の獲得などで市場シェアが大きく広がる。

・リスク:売上や利益、市場シェアが一部減少し、事業運営に影響する可能性がある。
・機会:売上や利益が増加し、新規顧客の獲得などで市場シェアが広がる可能性がある。

・リスク:売上や利益、市場シェアへの影響は軽微で、事業運営に大きな支障はない。
・機会:影響は小さいが、一部事業で効率性やブランド力が向上し、競争力維持に貢献する。

 

 

 

③リスク管理

 

■気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセス

 当社は、気候変動に伴うリスクについて、環境対策推進委員会で短期から中長期にわたる影響を識別・評価、管理している。重大なリスクは、当委員会での協議を経て常務会に報告し、協議を経て取締役会に報告される。識別・評価された重大な気候変動リスクに関しては、取締役会の意思決定をもとに環境対策推進委員会にてリスク軽減のための方針と具体的な実行策を検討し、各関連部署が実行に移している。また、リスクレベルについては「影響度」と「時間軸」の2軸をそれぞれ3段階で評価し、リスクの重要性と対応優先度の決定を行う。

 これらのプロセスを通して、当社は一貫した気候変動リスクへの対応を行い、事業の持続可能性を確保している。

 

■全社のリスク管理への統合プロセス

 当社は、取締役会の監督のもと、代表取締役社長を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」を中心に、気候変動リスクを含む全社リスクの一元的な管理を行っている。特に気候変動に起因する重大なリスクについては、環境対策推進委員会がリスク・コンプライアンス委員会へ報告する事で、全社のリスク管理の一要素として組み込まれている。

 これらのプロセスを通して、両委員会が相互に連携することで、統合的かつ実効性の高いリスク管理体制を構築している。

 

 

④指標と目標

 当社は、中期経営方針において「信頼される会社づくり」を経営計画策定方針の一つとしている。温室効果ガスの排出量削減に取り組むことで、お客さまや地域社会の皆さまからの信頼の獲得に努めている。

 


 

 当社は、GHGプロトコルに基づきScope1及びScope2の排出量を算定しており、これらの合計排出量から算出される原単位について、2030年度までに2013年度比で温室効果ガス排出量を50%削減することを目標に掲げている。Scope3についても、今後の算定の必要性を評価した上で、対応を検討している。

 

 当社の温室効果ガス排出量実績と削減目標は下表のとおりである。

 

 温室効果ガス排出量実績と目標

単位:t-CO2

対象

2013年度

2024年度

2030年度

Scope1

2,342

1,881

-

Scope2

709

1,119

-

原単位

7.29

6.31

3.65

 目標削減率(2013年度比)

-

14%

50%

 

 

■ 対象となる排出源
 ・Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(車両燃料)
 ・Scope2:他社から供給された電気、熱の使用に伴う間接排出
       (現場の仮設事務所などの電気使用量は除いている)

■ 原単位は以下の計算方法で算出している。

 (Scope1+2[t-CO2])/(売上高[億円])