リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
当社グループは、リスクの管理体制を「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり整備し、リスク管理機能の強化を図っている。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものである。
(1)経済状況
当社グループの営業収入のうち、重要な部分を占める電気設備工事の需要は、当社グループが受注している地域及び各国の経済状況の影響を受ける。当社グループでは「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、中期経営計画『Sustainable Growth 2026 ~人、心、そして未来へ~』を策定し、当社財産である「人と心」を経営の根幹に置き、人財を中心とした事業基盤の整備・強化を進めつつ、SDGs・ESGの観点も踏まえた「事業戦略」及び「環境戦略」「人財・働き方戦略」「コーポレート戦略」を展開している。
① 民間工事の価格競争の激化
受注における最大の要素が価格となっており、熾烈な価格競争が行われている。建設需要が低迷・縮小を続けた場合、価格競争がより一層熾烈化し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。
② 政府、自治体等官公庁の方針による建設投資抑制
政府、自治体等の建設投資抑制方針により、官公庁からの発注工事が減少した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。
③ 海外における経済情勢、法令・規則等の変更
当社グループは、海外のインフラ設備を中心とする海外工事にも積極的に進出している。海外工事においては、当該国の経済情勢の変化や法令・規則等に変更があった場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。
④ 資材費及び外注費の高騰
予想以上の急激な為替変動等による資材価格及び外注労務単価の高騰は、工事の採算性を低下させることもあり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。
⑤ 関西電力グループの設備投資抑制
当社グループは、大口得意先である関西電力グループから配電工事・電力工事等を受注して施工を行っている。そのために施工員、工事用車両、機械器具、事業所等を保有しており固定的に費用が生じている。今後、設備投資が抑制されると、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。
(2)得意先の倒産等による不良債権の発生
当社グループは、得意先と契約を締結して、契約条項に基づいて工事を施工し、入金を受けている。与信管理を強化しているが、得意先に倒産等があった場合、不良債権が発生することが予想され、多額の不良債権が発生すれば、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。
(3)大規模自然災害及び感染症の発生
大規模自然災害や感染症の大流行により、当社グループの設備(社屋、車両、工事機材等)や従業員が被害を受けたり、あるいは経済・社会が混乱した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。
新型コロナウイルス感染症については、感染症法上の分類が変更され、社会経済活動も回復に向かっている。しかしながら、今後再流行した場合は、建設市場の動向等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。
(4)機密情報の漏洩
当社グループは、事業活動を通じて得意先情報や個人情報等の機密情報を保有している。各情報の取扱いについては、法令等に則り適切に管理し、また情報セキュリティ確保に向けたシステムの構築及び従業員の意識向上に取り組んでいるが、外部からのサイバー攻撃等により機密情報が漏洩した場合、社会的信用の低下や損害賠償の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。
(5)気候変動
気候変動を含む環境課題への対応を重要な経営課題の一つと認識し、2022年5月にTCFD提言への賛同を表明するとともに、「TCFDの枠組みに基づく情報開示」の中で気候変動に関連するリスクを特定しているが、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。
配当政策
3【配当政策】
当社は、長期的な視点に立ち、競争力の源泉である人的資源を軸とした事業基盤拡充を積極的に行い、さらなる持続的成長・発展を遂げていくことこそが、全てのステークホルダーの長期的な利益に資するものと考えている。そのなかで、株主各位への利益配分は今後も経営の重要課題の一つと位置付け、安定的かつ継続的な配当を基本方針とし、業績及び財務の状況を踏まえて実施していく。また、利益配分の機会の充実を図るために中間配当制度を実施し、記念すべき節目や期ごとには記念配当を行うなど、株主重視の経営を目指している。1株当たりの年間配当の額は、業績予想をもとに算出した年間配当の額の半額を中間配当としてお支払いし、期末時点で確定した業績等により算出した年間配当の額から中間配当を差し引いたものを期末配当とすることとしている。
これらの配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会である。
上記基本方針及び2024年1月31日付で開示した「中期経営計画における成長投資と企業価値向上への取り組み」に基づき、当連結会計年度の期末配当金については、1株当たり40円としていたが、当連結会計年度の業績等を踏まえ、さらに3円増配し、1株当たり43円とした。
この結果、当連結会計年度の年間配当金は、中間配当金20円を加えて、1株当たり63円となった。
また、内部留保資金については、経営体質の強化と総合設備工事会社としての今後の積極的な事業展開等に備える所存である。
なお、当社は「取締役会の決議をもって株主または登録株式質権者に対し、中間配当金として剰余金の配当をおこなうことができる」旨を定款に定めている。
当事業年度の剰余金の配当は次のとおりである。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たりの配当額(円) |
|
2023年10月30日 |
取締役会決議 |
4,058 |
20.0 |
2024年6月25日 |
定時株主総会決議 |
8,655 |
43.0 |