2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,167名(単体) 1,649名(連結)
  • 平均年齢
    43.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.4年(単体)
  • 平均年収
    9,551,208円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の従業員の状況

 2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数 (名)

設備工事事業

1,649

合計

1,649

 

(注) 従業員数は就業人員数であります。

 

(2) 提出会社の従業員の状況

 2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,167

43.8

16.4

9,551,208

 

(注) 1  従業員数は就業人員数であります。

2  平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 提出会社の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

職員

契約社員、

アルバイト、

パート社員

4.1

66.7

61.9

66.5

61.3

 

(注) 1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

(4) 労働組合の状況

1969年11月1日に新日本空調株式会社職員組合として発足し、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものとなっております。

 

1.サステナビリティ共通の事項

当社グループは、サステナビリティに取り組む基本的な考え方として「サステナビリティ方針」を以下のとおり策定し、サステナビリティ活動を推進しております。

 

(1) サステナビリティ方針

当社グループは、「社会と自然の調和を育み、未来へ向けた思いを満たす。~Fill your tomorrow~」を企業理念に掲げています。この理念の下、本方針においてサステナビリティへの取り組みを重要な経営課題と位置付け、この理念を支える「会社の方針」と「行動指針」に従いESG経営を推進し、社会と環境との調和、つながりを大切にしながら、空調を核とする事業を通して、お客様や社会からの期待に応える企業として成長し続けるとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

(2) ガバナンス

当社グループは、取締役会がサステナビリティ関連のリスクおよび機会に対応するために、中長期的な企業価値向上の観点から、「サステナビリティ委員会」を設置し、これらの課題に積極的・能動的に取り組んでおります。

具体的には、サステナビリティ関連のリスクおよび機会への対応を取締役会として検討し、方針を決定し、決定した方針に沿って目的が達成されているかをモニタリングしております。

「サステナビリティ委員会」で策定した方針に基づき、「サステナビリティ推進委員会」が、サステナビリティ関連のリスクおよび機会に対応する戦略を策定・推進する役割を担っております。

 

(3) 戦略(重要な経営課題:マテリアリティの特定と取組内容)

①経営課題に取り込むべきマテリアリティは、「社会からの注目度が非常に大きく、当社グループの取り組み度が非常に高い社会課題」を抽出し、「E:環境」「S:社会」「G:ガバナンス」に分類し、「サステナビリティ推進委員会」にて討議を繰り返し、「サステナビリティ委員会」に答申し、最終的に取締役会で承認されております。

 

②マテリアリティは5つのカテゴリに分類しており、1~3のカテゴリは、社会課題の解決を図り、社会の持続性に貢献することができるマテリアリティであり、4~5のカテゴリは、事業活動の推進や、経営の持続性強化につながるマテリアリティとなっております。

これらのマテリアリティに対する取り組みは、「SNK Vision 2030」、中期経営計画「 SNK Vision 2030 PhaseⅡ」の戦略と連動しており、中期経営計画の推進により、企業価値の向上と社会課題の解決を目指しております。

 


 

(4) リスク管理

当社グループでは、サステナビリティを巡る課題を含む事業運営上のあらゆるリスクを的確に把握・対応し、経営の健全性を確保することが重要であるとの認識のもと、リスクの防止および会社が被る損失の最小化を図ることを目的とし、グループ全体のリスク管理に関する必要な事項を「リスク管理規程」に定めております。

リスク管理に関する会議体としては、代表取締役社長を委員長とし、社外有識者を含む委員による「リスク管理委員会」を設置し、リスクの回避、低減および管理の強化を図っております。

当社グループはこれらのリスク管理を通じて、今後も継続的にサステナビリティや事業運営上のあらゆるリスクに対応してまいります。

 

(5) 指標および目標

当社グループでは、経営会議で承認された経営に取り込むマテリアリティに応じた、活動目標および指針を定め、活動の結果を評価し、次年度以降の活動に反映させる体制を構築しております。各取り組みの進捗状況がモニタリングされ、課題と問題点がサステナビリティ体制に則って認識され、サステナビリティのガバナンスが有効に機能しております。

 

 

サステナビリティ関連の指標および目標

マテリアリティ

指標

目標

1.地球環境への貢献に向けた積極的な取り組みの推進
(E:環境)

1-1.カーボンゼロ達成による地球温暖化防止

施工中のフロン漏洩事故の撲滅

・フロン漏洩量 2022年度比 毎年10.0%以上削減

GHG排出削減

・GHG排出量削減率(Scope1)前年度比3.0%以上削減

・GHG排出量削減率(Scope2)前年度比3.0%以上削減

・GHG排出量(Scope3) 2021年度比4.9%以上削減

使用電力の再生エネルギーへの置換

・再生可能エネルギー導入率 85.0%

お客様設備からのGHG排出削減に貢献する設計提案の推進

・削減提案量2022年度比 毎年4.0%UP

1-2.自然環境(水・大気・土壌の汚染)保護と自然共生社会の実現

現場産業廃棄物のリサイクルの推進

・現場産廃のリサイクル率90.0%以上

施工中のフラッシング排水削減による汚染抑制

・現場でのフラッシング水使用量の100%把握

工事資機材のグリーン調達方針の検討

・工事資機材のグリーン調達方針制定

事務用品グリーン購入の推進

・事務用品・コピー用紙のグリーン調達、APMROでの商品選択

施工中の化学物質漏出事故の撲滅

・大気及び土壌汚染に影響を及ぼす施工中の化学物質の種類の把握

2.技術革新の推進
(S:社会)

2-1.優れた施工品質と空気品質の提供

品質管理強化活動の推進

・苦情事故件数 前年比10.0%以上削減

2-2.減災レジリエンス技術や新たな社会課題解決に向けた新技術開発

可視化技術を用いた社会課題解決

・ソリューション提案件数の開示

感染症対策・自然災害対策技術の開発

・医療関係市場(感染症対策)への展開

2-3.産学官、地域連携等による技術提供・共同開発の推進

イノベーション推進

・保有技術の一元管理

3.現場力(安全品質確保、サプライチェーンとの関係、技術力)の強化
(S:社会)

3-1.労働災害の撲滅

重点管理項目の徹底

・労災度数率、強度率 それぞれ前年度以下

交通安全教育の実施による車両事故の撲滅

・車両事故 前年度比10.0%減

3-2.サプライチェーンの強化

CCUSの活動推進

・元請工事でのCCUS運用100%

電子購買システム(EDI)の活用

・EDI利用率100%(国内関係会社含む)

CSR調達方針・グリーン調達方針の推進

・CSR調達方針の協力会社通達100%浸透

3-3.生産性の向上

ツール活用によるデジタル化推進

・ナレッジマネジメントシステムの構築(データが活用可能な現場管理帳票のSF/SI化100%、ナレッジの構築準備)

SF/SIを使用したデジタル化の推進

・工程'S・新工事業務管理システムの活用向上(工程'S新工事業務管理システムの活用現場数の開示)

BIMの活用拡大

・BIMの実務活用拡大(Rebro化100%、BIM上級者教育の実施、積算システムとの連携)

重点管理現場に対する技術指導/支援

・重点管理現場数の開示(パトロール実施数/重点管理現場数)

現場業務の効率化および最適化推進

・現場コア業務と周辺業務の分業化

 

 

 

マテリアリティ

指標

目標


























4.従業員エンゲージメントの向上と人権の尊重
(S:社会)

4-1.健康経営、WLBの推進

健康や働き方改革に関する経営方針・体制の確立と推進

・従業員の時間外労働を720時間/年以内、休日労働90時間/年

健康増進活動の推進(肥満・糖尿・喫煙)

・運動不足率75.0%以下

・喫煙率25.0%以下

メンタル疾患の早期発見・治療による職員の健康の維持

・高ストレス率7.0%以下(厚労省基準の一般平均)

ストレスの少ない健康的な生活環境の構築

・育児離職者・介護離職者ゼロ

4-2.次世代を担う人材育成

マネジメント研修の実施

事業領域の拡大に寄与する人材育成

・マネジメント力の強化の研修(等級ごと)実施

・営業系人材のスキル・アップ教育の確立

・技術営業(提案営業)力強化のためのリスキリング

4-3.ダイバーシティとインクルージョン(従業員の多様性(ダイバーシティ)を追求するだけではなく、理解し、認め、活かし合う環境創りやマネジメントを推進)

女性活躍・次世代育成に向けた方針・体制の確立と推進

・女性活躍推進の理解を深める教育の実施

・男性育児休業取得率50.0%以上

障がい者の特性に合わせた雇用による、職場においてその能力をいかんなく発揮できる支援実施

・障がいのない人との人的交流の機会創出 4回/年実施

多種多様、多才な人材の確保と育成に向けた取組みの展開による企業価値の向上

・社外人材への積極的育成(OFF-JT、OJT)による、人材の確保(5人/年)

4-4.人権の尊重

人権デューデリジェンスの推進

・人権に関するトラブル ゼロ

4-5.ステークホルダーとの対話促進

サステナビリティ全般の説明会実施

・アンケート実施による周知度アップ(理解度80%以上)

中間決算説明会開催によるIR活動推進

・IR面談社(者)数の前年度比増

5.企業倫理の徹底

(G:ガバナンス)

5-1.コンプライアンス

企業倫理・人権等の周知徹底研修の実施

・コンプライアンス違反件数 ゼロ

5-2.リスクマネジメント

想定されるリスクの特定と対策の整備

・経営に大きな影響を及ぼすリスクの発生件数 ゼロ

5-3.情報セキュリティ

役職員・協力会社対象の教育と周知の徹底

・セキュリティ事故件数 ゼロ

5-4.公正な事業慣行

腐敗防止・独占禁止法順守等の教育実施

・法令順守違反件数 ゼロ

 

 

2.気候変動への取り組み(TCFD提言に基づく気候関連の情報開示)

当社グループは、2021年8月に、カーボンゼロ達成のために、企業が気候変動に関する情報開示を行い、投資家が適切な投資判断を行うことを目的としたTCFD「気候変動関連財務情報開示タスクフォース」提言に賛同表明しております。賛同表明と並行して、TCFDが推奨する気候関連のリスクおよび機会に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標および目標」の4項目の検討を行っております。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、気候変動対策など環境問題を始めとした社会課題の解決への取り組みを推進するため、取締役会の委員会として位置付けられる「サステナビリティ委員会」を設置しております。委員会は、代表取締役会長を委員長とし、[当社が取り組むべきマテリアリティ]の推進はもとより、気候変動対策を含む環境推進活動におけるサステナビリティ基本方針に基づく理念整理および方針策定、各部門における環境推進活動の目的・目標・計画の調整、進捗状況のモニタリング・評価の機能を担っております。取り組みの推進にあたっては、所管事業部門毎の年度活動目標とKPIを設定し、進捗管理等を行っております。また、気候変動リスクについては、サステナビリティ推進委員会が、国や地方公共団体をはじめとし、様々な業界団体から国内外の動向・要請等の情報の収集を行い、リスクの特定を行い、影響を評価しております。取締役会では、気候変動を始めとした環境問題について、経営会議に報告された目標および活動の進捗状況の評価はもとより、活動方針の実効性を監視しております。

 

 

気候変動に関するガバナンス

 

 

機関

役 割

取締役会

・経営上の重要事項の審議・決定

・職務執行監督

・気候変動に関する重要事項の審議・決定

・気候変動課題の指示・監督

サステナビリティ委員会

・気候変動関連課題への対応方針の決定とモニタリング

・委員長は代表取締役会長

経営会議

・業務執行方針・業務案件の審議・決定

・サステナビリティ活動内容の検討

サステナビリティ推進委員会

・社会課題解決に向けた取り組み推進

・社会課題解決に向けた活動の遂行

・気候変動関連課題への具体的施策の実行

 

 

サステナビリティ・気候変動に関するガバナンスおよびリスク管理の体制図は次のとおりであります。

 


 

 

(2) 戦略

当社グループは、持続可能な地球環境の実現のために、気候変動に対する緩和と適応の対策や環境への負の影響の最小化に向け、環境問題を経営の重要事項と位置づけ、全ての業務プロセスにおいて、脱炭素社会の実現に向けた活動を推進しております。

そのような中、気候変動に対する対応を加速するために、気候関連リスク・機会に対応していくガバナンス体制を構築し、シナリオ分析を全社横断的に行う専門の作業部会であるTCFDワーキンググループを立ち上げ、目標や指標の特定・設定等を進めてまいりました。

TCFDワーキンググループにおいては、当社グループを取り巻く気候変動に関連するリスクと機会の洗い出しを行い、想定される時期や事業活動への影響度を分析したうえで重要なテーマを選定しております。影響度の分析にあたっては以下の二つのシナリオ(※1)を用いて、選定したテーマごとに事業活動に与える財務的影響を算出し、当社グループの対応を検討し、事業活動に与える財務的影響については、「大」「中」「小」の3段階で表現しております。また、想定される時期は、「中期」を3年(2024年)、「長期」は10年程度(2030年前後)と想定しております。

なお、当社グループの対応については、直近の状況に鑑み2023年度に見直しを行っております。

 

(※1)リスクと機会の検討にあたって用いたシナリオ

移行シナリオ:国際エネルギー機関(IEA)が策定したシナリオのうち、産業革命前と比べて今世紀末の気温上昇1.5℃以下に抑えるシナリオ(SDS)

物理的シナリオ:国際気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が策定したシナリオのうち、産業革命前と比べて今世紀末の気温上昇が4℃を越えるシナリオ(RCP8.5)

 

①想定される気候関連のリスク

リスクの分類

事業への影響

想定
される
時期

影響の
大きさ
1.5℃

影響の
大きさ
4℃

当社の対応

移行
リスク

政策・法規制

・建築物の省エネルギー基準が見直され、ZEBの推進や省エネルギー性能の高い建築物の要求が高まる。
・高効率機器やシステムの導入が必須となり、建設コストの上昇に繋がるため、顧客が満足するコストパフォーマンスを提供できない場合は受注機会が減少する。

長期

「省エネルギーに関連する新技術の開発を積極的に推進し、当社グループが保有するエネルギー関連技術の性能を向上させて、コストパフォーマンスを高めます。」

「熱源最適制御システムの開発を通じて、省エネ性能をさらに向上させるとともに、比較的小規模な空調用熱源機器を使用しているお客様も、導入によるメリットを享受できるようになりました。」

テクノロジー

・顧客の要求する技術水準が高まると同時に、競争条件が厳しくなり、受注機会が減少する。
・独自技術の開発費用が増加する。

長期

「省エネルギー、施工省力化技術、およびCO2回収技術の開発を進めるため、計画的な投資を実施します。」
「産学連携で、CO₂回収・固定化技術の実用化に向けた研究を進め、試験施設での検証試験を開始し、温室効果ガス(GHG)排出削減のための技術開発を推進しました。」

市場

・多くの顧客が、より効果的なGHG削減や環境対策を求めるようになる。
・建設時のGHG削減技術や、建物運用時の省エネルギー等の環境対策技術の保有が発注先の選定要件として重視されるようになる。

長期

「社会のニーズと顧客の動向を適時に把握し、あらゆる機会を通じてパートナー企業と連携を深め、環境対策技術の開発を加速します。」

評判

・気候関連情報の開示に消極的な上場企業に対して、株主からの開示要求が高まる。
・カーボンゼロに向けて、企業間での優秀な人材の獲得競争が加速する。

中期

「カーボンゼロを目指して設備投資を増加させ、研究開発を活性化するとともに、積極的に情報開示を行います。」
「研究開発に必要な専門領域で高い能力を持つスペシャリストの採用を強化します。」

物理的
リスク

慢性的

・夏期の平均気温上昇により建設現場での労働環境が悪化し、労働者の熱中症発症リスクの増加や、集中力・注意力低下による不安全行動リスクの増加や作業効率の悪化につながる。

長期

「施工現場での日中の労働時間を短縮し、夜間工事に切り替えるなど、労働環境の改善と安全対策の強化を進めます。」

急性的

・急激な気象変化(台風・豪雨等)により、サプライチェーン等の被災による工事遅延が発生する。また、納入した設備に不具合が発生し、その対応が求められる。

中期

「サプライチェーン全体で緊急時対応策を強化し、事業の継続性を向上させます。」
「企業と協力して、お客様の資産への緊急対応や、当社グループのBCP対策を含む、DXを活用した業務効率化を推進します。」

生物的リスク

・気温上昇による熱帯性の細菌・ウイルスの増加により、日本の気候では発生し得ない感染症がまん延し、現場休業要請が多発化・長期化する。その結果、サプライチェーン全体にも影響が及ぶことで、調達遅延や工期延長が起こりやすくなる。

長期

「感染症に関する情報を綿密に把握し、発生が予測される段階で施工現場の予防対策を徹底すると共に、サプライチェーン全体の事業継続計画(BCP)を強化します。」

 

 

②想定される気候関連の機会

機会の分類

事業への影響

想定
される
時期

影響の
大きさ
1.5℃

影響の
大きさ
4℃

当社の対応

資源効率

・社会における脱炭素化の動きの進展につれ、製品・サービスの調達・物流段階におけるCO2排出削減の必要性がより高まり、重要視されるようになる。

中期

「物流システムの開発を強化し、効率的な資機材管理を実現します。資機材の集中調達と建設現場へのジャストインタイム配送を通じて、輸送の効率化と物流段階でのCO₂排出を削減します。」
「この新しい物流システムを導入することで、現場の生産性を向上させ、受注機会の拡大を目指します。」

エネルギー源

・再生可能エネルギー源として太陽光、風力はもちろんのこと、地中熱利用が脚光を浴びるようになる。

中期

「従来の工法よりも低コストで、採放熱効果が高い地中熱利用技術を積極的に導入し、受注機会の拡大を目指します。」

製品とサービス

・建築物の省エネルギー基準の見直しにより、ZEBの推進や省エネルギー性能の高いシステム、高効率機器の導入が必須となる。
・建設コストの大幅な上昇に伴い、コストパフォーマンスを考慮した高い環境性能設備が求められるようになる。

長期

「機器メーカーや他業種とのアライアンスを通じて省エネルギー性能が高い新技術の開発を強化し、また保有している熱源最適制御システムの性能向上を図ることで、受注機会の拡大を目指します。」

・ゲリラ豪雨などの異常気象の増加を受け、BCPの観点から、建築物に対する水害対策設備の導入要望が高まる。
・強風や水没等による災害の早期復旧需要が高まる。

長期

「洪水やゲリラ豪雨による浸水被害を防ぐための保有技術を積極的に提案し、顧客の事業継続計画(BCP)対策への要望に応えます。」
「水没などで被災した顧客向けに事業継続計画(BCP)ルーチンを策定し、迅速に対応できる体制を整備します。」

市場

・気候変動に伴い新たな感染症がまん延する。
・自然災害(堤防決壊等)による土壌や水資源の汚染が発生する。

中期

「微粒子可視化技術の提供を通じて感染症対策に貢献し、受注機会の拡大を目指します。」
「感染症対策の新技術を開発し、全天候型促成栽培システム技術を活用して事業領域を拡大します。」
「他業種と協力して、CO₂施肥制御技術やポリエステル培地を用いた農業支援など、新たな事業領域の拡大を目指します。」

・社会の電源構成における再生可能エネルギーの比率が高まることで、エネルギーの安定供給確保に向けた再生可能エネルギーとLNG等との併用が注目されるようになる。

長期

「国や自治体の脱炭素政策に沿って、省エネルギー、カーボンゼロ、およびレジリエンス技術を組み合わせ、新たな事業領域への拡大を目指します。」
「再生可能エネルギー分野において、PPA(電力購入契約)事業への参入を目指します。」
「グループ会社は太陽光発電所を取得し、再生可能エネルギーの供給を開始しました。」

レジリエンス

・気候変動の激化に伴い、様々なレジリエンス技術に対する需要や要望が拡大する。

中期

「新たなレジリエンス技術の開発および保有技術の積極的な提案を通じて、受注機会の拡大と新規事業領域への展開を目指します。」
「大学と共同で、原発事故などの放射線災害に対応できる安全な医療体制と空調設備のあり方を確立することを目的とした研究を開始しました。」

 

 

(3) リスク管理

当社グループでは、気候変動リスクを含む事業運営上のあらゆるリスクを的確に把握・対応し、経営の健全性を確保することが重要であるとの認識のもと、リスクの防止および会社が被る損失の最小化を図ることを目的とし、グループ全体のリスク管理に関する必要な事項を「リスク管理規程」に定めております。

リスク管理に関する会議体としては、代表取締役を委員長とし、社外有識者を含む委員による「リスク管理委員会」を設置し、リスクの回避、低減および管理の強化を図っております。特に気候変動関連リスクについては、2021年度にTCFDワーキンググループを立ち上げ、本社部門・事業部門を含む幅広いメンバーで気候変動による当社グループ事業に将来的に与えるリスクと機会について全社横断的に検討を重ねております。ここで検討したリスクは、当社グループの事業運営上のリスクとして捉えられ、リスク管理委員会でリスクの回避、提言および管理の強化を図り、経営会議または取締役会へ報告されます。

当社グループはこれらのリスク管理を通じて、今後も継続的に気候変動に関するリスクや機会に対応してまいります。

 

(4) 指標および目標

当社グループは、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、温室効果ガス(CO₂)を指標とし、今後のSBT(※1)認定を見据え、SBTに基づいた削減目標を設定しております。なお、2023年度にはSBTへコミットメントレターを提出し、2年以内にSBT認定取得を目指すことを表明いたしました。

2030年そして2050年の目標を達成するよう、省エネ設計・施工提案および、積極的な再生可能エネルギー導入を実施し、今後も引き続き環境負荷低減に取り組んでまいります。

(※1) SBT(Science Based Targets)

世界の平均気温の上昇を「2℃(1.5℃)未満」に抑えるための、企業の科学的な知見と整合した温室効果ガスの排出削減目標

 

温室効果ガス(CO₂)削減目標と実績                         (単位:t-CO₂

対象Scope

区分

基準年排出量

排出量実績

(基準年比)

目標年排出量

(基準年比)

2021年度

2023年度

2026年度

2030年度

2050年度

Scope1

個別

1,120

関係会社

450

グループ全体

1,570

Scope2

個別

751

関係会社

232

グループ全体

983

Scope1+Scope2

個別

1,871

1,490

(▲41.6%)

1,274

(▲50.1%)

1,007

(▲60.6%)

0

(▲100%)

関係会社

682

グループ全体

2,553

Scope3

個別(※2)

4,171,295

5,054,027

(▲3.3%)

3,790,000

(▲22.5%)

0

(▲100%)

関係会社

719,272

グループ全体

4,890,567

 

(※2)カテゴリー11のみ購入製品別で算出した場合、2023年度の個別の排出量は、1,018,926t-CO2となる

 

3.人的資本に関する事項

(1) 戦略

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は次のとおりです。

当社グループは、「多才な能力の融合による人材価値の最大化」を人的資本戦略における基本姿勢としており、従業員の確保と育成、維持は当社グループの持続的成長のために最も重要であると認識しています。性別や新卒・中途にかかわらず積極的な採用を行い、入社後は一人ひとりの資質・能力を伸ばす研修プログラムを提供します。また、過去の経験や先輩から引き継いだ「ナレッジ」を整備更新し共有することで、お客様から信頼され、自信を持って仕事に取り組むことができる人材を育成しています。

変化し続ける社会や多様化する需要、お客様に向けて新たな価値を提供し続け、強固な事業基盤を築き持続的な発展に繋げていくためには、多様性がもたらすイノベーションが不可欠であると考えています。当社グループでは従業員一人ひとりがその多様な個性や能力を十分に発揮し、生き生きと働ける環境を提供し全ての従業員の公正な処遇を実施していきます。働く組織・場所・時間や個人の年齢・国籍・性別などに縛られず、自律的かつ多彩な人材が精彩を放つエンジニア集団となることを目指してまいります。

この方針の下、当社グループでは全ての従業員の活躍を推進するための各種制度を構築し社内環境を整備しています。2019年に一般職制度を廃止し、全ての女性従業員を総合職に転換し、適用される給与体系を一本化しました。教育・研修の機会も平等に設け、意欲と能力に応じた公平な管理職登用や活躍の支援、処遇を実施しています。2021年には人事制度改定を行い、管理職としての昇進だけでなく高度な専門領域でパフォーマンスを発揮して活躍する人材を高いポジションで処遇する職務型人事制度の運用を開始しました。

また、従業員のワークライフバランス向上に向けた取り組みとして、テレワークや時差出勤、時間単位有給休暇制度の導入による時間や場所にとらわれない柔軟な働き方の推進、失効有給休暇の積立制度、育児休業の早期申請化により職場全体で育児休業取得の準備を支援する意識の醸成など、諸制度の拡充を図っています。

健康経営宣言を社内外に行い、従業員が心身ともに健康で安全に仕事ができる環境の整備も進めています。保健師の社内常駐化と施工現場への衛生パトロール、禁煙外来希望者への補助など、健康増進への取り組み状況が評価され2022年度から3年連続で健康経営優良法人の認定を受けています。

 

このように、多種多様な全ての従業員が生き生きと安心して働くことができる職場環境を基盤として、個々の能力を発揮し役割を果たす人材を育成してまいります。従業員の成長を支え当社グループがお客様や求職者から選ばれる会社への成長へとつながっていくことで、当社グループの企業価値向上とステークホルダーへの還元の最大化を目指してまいります。

 

[女性活躍支援]

女性従業員がそれぞれの強みを活かして活躍できる職環環境づくりやそれを支援する制度づくりを推進するため、女性活躍推進法に基づく自主行動計画を実行しています。目標達成に向けた各種施策の展開と同時に、小グループによる意見交換会(みんなでバタフライ)を実施しアンコンシャスバイアスを自覚することから始めて当社グループに適した環境整備につなげる取り組みを開始しています。多様性がもたらすイノベーションには女性従業員の活躍をさらに推進していくことが必要であると考えております。

一方、多様性の確保に向けて、管理職の総数に占める女性従業員の比率を2021年4月の1.82%から2026年4月には3.63%に倍増させることを女性活躍推進法に基づく行動計画として定めていましたが、2022年4月に計画を前倒しに達成しております。引き続き、女性従業員の採用強化やキャリアプラン支援策を実施し、継続的に管理職への登用と活躍が可能な環境を整えていきます。

 

女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画

目  的

女性が活躍できる雇用環境の整備を行うため

計画期間

2021年4月1日~2026年3月31

目標(1)

管理職に占める女性従業員数を6名(管理職者全数の3.63%)に増やす。

目標(2)

全従業員の平均残業時間を27時間以内とする。(2021年3月末比 10%削減)

 

 

実施策

男女格差の解消

・男性育児休業制度の充実化と取得の推進

働き方改革の推進

・現場支援組織の活用推進による現場業務のシェア

 

・連続5日休暇制度の取得推進

 

・テレワーク、時差出勤、時間有休の導入と推進

人事制度整備

・性別や年齢に関わらず役割や仕事内容で処遇する制度の運用

その他

・少人数の従業員による意見交換会、技術系女子会の開催

 

 

[多様な人材の活躍支援]

当社グループでは、一人ひとりの従業員が生き生きと安心して働くことで意欲や能力を最大限発揮できるよう様々な取り組みを実施しています。退職した従業員を再雇用する「ジョブリターン制度」や障がい者雇用の推進など、多種多様な人材の活躍と柔軟な働き方を実現する各種制度を運用し働きやすい職場環境づくりを推進しています。

 

(2) 指標および目標

当社グループは、上記(1) 戦略において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境の整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する当社(単体)の実績および目標は、次のとおりです。

 

①女性管理職者数・比率の推移および目標

指 標

2022年4月1日

2023年4月1日

2024年4月1日

目標(2030年度

女性管理職者数

6

7

7

管理職比率

3.3

4.1

4.1

5.0 以上

 

 

 

②男性の育児休業取得者数・取得率の推移および目標

指 標

2022年度

2023年度

目標(2025年度

男性の育児休業取得者数

15

16

取得率

46.9

66.7

50.0 以上

 

 

③障がい者雇用率の推移および目標

指 標

2021年度

2022年度

2023年度

目標

障がい者雇用率

1.99

1.97

2.30

法定雇用率以上

 

(注)雇用率は、障害者雇用状況報告書に記載の各年6月1日現在の数値であります。2023年度の法定雇用率は2.30%であります。

 

④従業員の時間外労働の推移および目標

指 標

全従業員の平均時間外労働

目標(2025年度

各従業員の法定時間外労働と休日労働

2022年度

2023年度

従業員の時間外労働

32時間30分/月

30時間43分/月

45時間/月、360時間/年以内

 

(注)平均時間外労働は、法定時間外労働に休日労働および所定時間外労働を含んでおります。

 

⑤その他

指 標

目標

健康増進

2023年度認定

健康優良法人認定の維持