2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

環境システム事業 塗装システム事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
環境システム事業 169,443 61.3 15,299 78.2 9.0
塗装システム事業 106,956 38.7 4,256 21.8 4.0

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、国内外にわたり、当社及び子会社32社並びに関連会社3社で構成されており、「環境システム事業」及び「塗装システム事業」を主たる事業としております。

「環境システム事業」は、主に一般事務所等に関連するビル空調設備及び工場等の生産設備や研究所等に関連する産業空調設備の設計・監理・施工並びにこれらに関連する資機材の製造・販売を行っております。

「塗装システム事業」は、主に自動車産業に関連する塗装設備の設計・監理・施工並びにこれらに関連する資機材の製造・販売を行っております。

なお、これらの事業はセグメント情報に掲げるセグメント区分と同一であります。

各事業別の市場・顧客分野は次のとおりであります。

環境システム事業

事務所、ホテル、店舗、学校、研究所、劇場、ホール、病院、データセンター等の一般空調設備

半導体、電子部品、電池、精密機械、医薬品、食品等の製造工場におけるクリーンルーム等及び植物工場等の産業空調設備

塗装システム事業

自動車車体・バンパー等、自動車産業向けのほかに建設車両・鉄道車両・航空機・一般産業機器等の各製造工場における塗装設備

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 


 

(注) ※1 当連結会計年度において新たに設立したため、連結子会社としております。

※2 持分法非適用関連会社

 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、これらの会計基準に基づき、決算日における資産・負債及び収益・費用の数値に影響を与える見積りが行なわれているものがあります。

会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

なお、これらの見積りにつきましては、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

(2) 経営成績

当期における世界経済は、東欧や中東などの地政学的なリスクの長期化や、資源エネルギー価格の高止まり、トランプ新政権の関税政策への警戒感など不安定な状態が続きました。米国では、政策金利の引き下げがあったものの、依然として高い水準であり、インフレ率も高止まって推移しました。一方で、底堅い雇用や所得環境を背景とした個人消費の増加により景気は堅調に推移しました。中国では、不動産市場を始めとした内外需要の低迷により景気は減速して推移しました。東南アジアでは、中国からの設備投資シフトや、労働市場の改善などを背景に内外需要は回復に向かっており、景気は堅調に推移しました。日本経済は、海外における金融政策や地政学リスクなどにより景気下押しの懸念が続いたものの、堅調な個人消費やインバウンド需要等を背景に緩やかに回復しました。

 

当社グループにおける市場環境につきましては、海外市場では世界経済の減速懸念はあるものの、各メーカーによる設備投資は堅調に推移しました。

一方、国内市場では半導体関連や自動車メーカー、またデータセンター関連の投資が継続しており、都市圏における再開発の需要も堅調に推移しました。

 

このような状況のもと、当社グループは中長期的な成長を目指し、以下の取り組みを推進しています。

1つ目は、中期経営計画で環境システム事業の掲げる『業務の仕組みの改善と生産性向上』における取り組みとして、2024年度にプロダクトマネジメント部を設立し、フロントローディングによる現場業務プロセスの変革、BIM推進、人材育成、業務支援拡大を推進しています。

大型プロジェクトの設計や施工の初期段階から作図や施工計画に積極的に関与し、高精度なBIMモデルを活用することで、施工手順やコスト、人員計画の事前検討、実際の施工プロセスへの反映、設備や仕様などの「もの決め」を前倒しで行っています。それらの取り組みは、現場での作業負担の軽減や積算の精度向上につながるだけでなく、機器の配置や経路の検討、さらにはユニット化、歩廊や架台の設計提案も可能となる利点があります。当社では、こうした上流工程での検討・調整に力点を置くことで全体の品質・効率を高めるフロントローディングの考え方に立って、プロジェクトの運営を行っています。

プロダクトマネジメント部はスクラム型組織として、BIM・フロントローディング、業務支援などの多様なタスクに対し、関係部門が協力して迅速な対応と改善を行い、新しい業務フローを主導するとともに、新しいデジタル業務マインドを持った人材を育成していきます。

 

 

2つ目は、塗装システム事業の掲げる『国内外での確固たる地位の確立』における取り組みとして、当社は欧州市場における事業拡大を目的に、2024年6月、ドイツに「Taikisha Deutschland GmbH」を設立しました。世界の四輪市場はコロナ前の水準に回復し、今後も安定した需要が見込まれる中で、とりわけ欧州市場は、自動車産業の技術革新をけん引する重要な存在であることから、当社では戦略的に重要な市場と位置づけています。

欧州は、自動車塗装の分野で世界トップシェアを持つ競合企業が本拠を構える市場です。こうしたフィールドにあって、当社は、主要自動車メーカーとのパートナーシップを強化するとともに、自動化技術を駆使し、塗装工場を一括で請け負えるサプライヤーとしての地位の確立を目指します。あわせて、省エネルギー技術や欧州規制に合致した環境負荷低減技術を活用し、カーボンニュートラルの実現に貢献するソリューションを提供してまいります。

現在、欧州の自動車メーカーからの大型案件の受注に取り組んでおり、この工事への参画を通じて欧州メーカーの仕様やニーズへの理解を深め、他の自動車メーカーからの受注にもつなげていきたいと考えています。加えて、オートメーション事業の強化を図り、航空機業界など多様な業界へも展開していくことも視野に入れています。今後も現地の事情に精通したナショナルスタッフの活躍により、欧州市場でのプレゼンスを高め、顧客や社会の課題解決に貢献し続けるとともに、欧州市場での成長をさらに加速させてまいります。

 

このような状況のもと、当期における受注工事高は、国内は顧客の投資時期の見直しの影響を受け減少したものの、海外で増加し、2,774億3百万円(前期比5.3%増加)となり、うち海外の受注工事高は、1,401億43百万円(前期比21.7%増加)となりました。

完成工事高は、前期の大型案件の剥落などにより、国内・海外ともに減少し、2,762億12百万円(前期比5.9%減少)となり、うち海外の完成工事高は、1,316億35百万円(前期比4.5%減少)となりました。

利益面につきましては、完成工事総利益は450億5百万円(前期比16億93百万円増加)、営業利益は179億71百万円(前期比2億98百万円減少)、経常利益は199億38百万円(前期比85百万円増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は110億26百万円(前期比45億75百万円減少)となりました。

 

セグメントごとの業績(セグメント間の内部取引高を含む)は次のとおりであります。

 

環境システム事業

受注工事高は、国内の産業空調分野で減少したものの、ビル空調分野および、中国やタイなどで増加し、前年を上回りました。完成工事高は、前期に国内の産業空調分野および台湾において、大型案件が大きく寄与したことの反動減等により、前期を下回りました。

この結果、受注工事高は、1,791億97百万円(前期比4.2%増加)となりました。このうちビル空調分野は、537億95百万円(前期比48.6%増加)、産業空調分野は、1,254億2百万円(前期比7.6%減少)となりました。完成工事高は、1,694億43百万円(前期比21.7%減少)となりました。このうちビル空調分野は、368億39百万円(前期比9.6%減少)、産業空調分野は、1,326億3百万円(前期比24.6%減少)となりました。セグメント利益(経常利益)につきましては、152億99百万円(前期比17億28百万円減少)となりました。

 

塗装システム事業

受注工事高は、インドや韓国などで増加し、前期を上回りました。完成工事高は、国内や北米などで増加し、前期を上回りました。

この結果、受注工事高は、982億5百万円(前期比7.2%増加)となりました。完成工事高は、1,069億56百万円(前期比38.8%増加)となりました。セグメント利益(経常利益)につきましては、42億56百万円(前期比14億51百万円増加)となりました。

 

 

セグメントごとの受注工事高・完成工事高(セグメント間の内部取引高を含む)

区分

前連結会計年度

(自  2023年4月1日
  至  2024年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日
  至  2025年3月31日)

(百万円)

前期比

(%)

受注工事高

 

 

 

 

環境システム事業

ビル空調

36,205

53,795

48.6

 

 

産業空調

135,697

125,402

△7.6

 

 

小計

171,902

179,197

4.2

 

 

(うち海外)

(45,909)

(60,386)

(31.5)

 

塗装システム事業

 

91,646

98,205

7.2

 

(うち海外)

 

(69,232)

(79,757)

(15.2)

 

合計

 

263,549

277,403

5.3

 

(うち海外)

 

(115,142)

(140,143)

(21.7)

完成工事高

 

 

 

 

環境システム事業

ビル空調

40,756

36,839

△9.6

 

 

産業空調

175,778

132,603

△24.6

 

 

小計

216,535

169,443

△21.7

 

 

(うち海外)

(74,041)

(60,653)

(△18.1)

 

塗装システム事業

 

77,041

106,956

38.8

 

(うち海外)

 

(63,771)

(71,168)

(11.6)

 

合計

 

293,577

276,399

△5.9

 

(うち海外)

 

(137,812)

(131,822)

(△4.3)

 

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事業では生産実績を定義することが困難であり、設備工事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

よって、受注及び売上の状況については「セグメントごとの業績」において報告セグメントの種類に関連付けて記載しております。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

設備工事業における受注工事高及び完成工事高の状況

① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越
工事高
(百万円)

当期受注
工事高
(百万円)


(百万円)

当期完成
工事高
(百万円)

次期繰越
工事高
(百万円)

前事業年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

42,594

29,933

72,528

37,321

35,207

産業空調

74,193

90,040

164,234

101,871

62,362

小計

116,788

119,973

236,762

139,192

97,569

塗装システム事業

32,957

25,710

58,668

19,360

39,307

合計

149,746

145,684

295,430

158,553

136,877

(うち海外)

(7,423)

(5,619)

(13,042)

(8,203)

(4,838)

当事業年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

35,207

51,308

86,515

33,619

52,895

産業空調

62,362

64,763

127,126

72,198

54,927

小計

97,569

116,072

213,641

105,818

107,823

塗装システム事業

39,307

27,066

66,374

38,806

27,567

合計

136,877

143,138

280,016

144,624

135,391

(うち海外)

(4,838)

(10,977)

(15,816)

(5,612)

(10,203)

 

(注) 1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

3  当期受注工事高のうち海外工事の割合は、前事業年度は3.9%、当事業年度は7.7%であります。

4  前事業年度及び当事業年度における海外受注工事高はそれぞれ当期受注工事高の10%を超えていないため、主要な海外受注工事についての記載を省略しております。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

11.0

9.5

20.5

産業空調

50.0

11.8

61.8

小計

61.0

21.3

82.3

塗装システム事業

5.9

11.8

17.7

合計

66.9

33.1

100.0

(うち海外)

(2.5)

(1.4)

(3.9)

当事業年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

25.6

10.3

35.9

産業空調

33.4

11.8

45.2

小計

59.0

22.1

81.1

塗装システム事業

8.5

10.4

18.9

合計

67.5

32.5

100.0

(うち海外)

(5.7)

(2.0)

(7.7)

 

(注)  百分比は請負金額比であります。

 

③ 完成工事高

期別

区分

国内

海外

合計
(B)
(百万円)

官公庁
(百万円)

民間
(百万円)

(A)
(百万円)

(A)/(B)
(%)

前事業年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

6,421

30,899

37,321

産業空調

661

100,702

508

0.5

101,871

小計

7,083

131,601

508

0.4

139,192

塗装システム事業

11,665

7,695

39.7

19,360

合計

7,083

143,266

8,203

5.2

158,553

当事業年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

3,869

29,750

33,619

産業空調

11

71,368

818

1.1

72,198

小計

3,881

101,118

818

0.8

105,818

塗装システム事業

34,012

4,794

12.4

38,806

合計

3,881

135,130

5,612

3.9

144,624

 

(注) 1  海外工事の地域別割合は、次のとおりであります。

地域

前事業年度(%)

当事業年度(%)

北米

0.7

11.2

東南アジア

44.5

21.7

東アジア

20.5

15.8

南アジア

27.7

29.1

その他

6.6

22.2

100.0

100.0

 

2  完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

    前事業年度  請負金額50億円以上の主なもの

Japan Advanced Semiconductor Manufacturing㈱

F23P1 Cleanroom package

東和薬品㈱

山形工場第三期建設工事(空調・衛生設備工事)

鹿島建設㈱

500 CUP棟1階2階空調設備工事

Japan Advanced Semiconductor Manufacturing㈱

F23P1 AAS package

 

    当事業年度  請負金額20億円以上の主なもの

鹿島建設㈱

仙台小林製薬医薬品新工場建設工事

大林・錢高・岩田地崎
建設共同企業体

(仮称)赤坂二丁目計画 (現 赤坂グリーンクロス)

大成建設㈱

(仮称)赤坂二丁目プロジェクト新築工事 

(現 赤坂トラストタワー)

大成建設㈱

住不六本木7丁目計画新築工事 空調・衛生 

(現 住友不動産六本木セントラルタワー)

 

3  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

    前事業年度

Japan Advanced Semiconductor Manufacturing㈱

29,232百万円

18.4%

 

    当事業年度

㈱大林組

23,972百万円

16.6%

 

 

 

④ 手持工事高  (2025年3月31日現在)

区分

国内

海外

合計
(B)
(百万円)

官公庁
(百万円)

民間
(百万円)

(A)
(百万円)

(A)/(B)
(%)

環境システム事業

ビル空調

3,558

49,337

52,895

産業空調

54,820

107

0.2

54,927

小計

3,558

104,157

107

0.1

107,823

塗装システム事業

17,471

10,096

36.6

27,567

合計

3,558

121,629

10,203

7.5

135,391

 

(注) 手持工事のうち請負金額55億円以上の主なものは、次のとおりであります。

スズキ㈱

湖西新塗装工場 塗装設備設置工事

2025年7月完成予定

新光電気工業㈱

新光電気工業㈱ 新井工場 新棟建設工事(空調生産衛生設備)

2025年10月完成予定

日産自動車㈱

追浜)塗装工場 塗装ブース設置工事

2025年11月完成予定

㈱福井村田製作所

越前たけふ駅前 研究開発センター新築

2026年1月完成予定

 

 

(3) 財政状態
(資産)

当連結会計年度末の流動資産は前連結会計年度末に比べ3.7%増加し、2,109億35百万円となりました。これは、受取手形・完成工事未収入金等が265億42百万円増加し、有価証券が90億円、現金預金が79億6百万円それぞれ減少したことなどによります。

当連結会計年度末の固定資産は前連結会計年度末に比べ8.9%減少し、575億13百万円となりました。これは、建物・構築物が41億93百万円増加し、投資有価証券が45億55百万円、のれんが28億13百万円それぞれ減少したことなどによります。

この結果、当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ0.7%増加し、2,684億48百万円となりました。

 

セグメントごとの資産は次のとおりであります。

(環境システム事業)

当連結会計年度末の流動資産は前連結会計年度末に比べ1.3%減少し、1,044億6百万円となりました。これは未成工事支出金が9億30百万円減少したことなどによります。

当連結会計年度末の固定資産は前連結会計年度末に比べ18.1%減少し、305億37百万円となりました。これはのれんが28億19百万円、投資有価証券が48億12百万円それぞれ減少したことなどによります。

その結果、当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ5.7%減少し、1,349億43百万円となりました。

 

(塗装システム事業)

当連結会計年度末の流動資産は前連結会計年度末に比べ47.5%増加し、867億72百万円となりました。これは受取手形・完成工事未収入金等が262億37百万円、現金預金が18億17百万円それぞれ増加したことなどによります。

当連結会計年度末の固定資産は前連結会計年度末に比べ6.3%増加し、113億14百万円となりました。これは機械、運搬具及び工具器具備品が4億34百万円増加したことなどによります。

その結果、当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ41.2%増加し、980億86百万円となりました。

 

 

(負債)

当連結会計年度末の流動負債は前連結会計年度末に比べ2.4%減少し、1,010億30百万円となりました。これは、短期借入金が94億52百万円、未成工事受入金が57億69百万円それぞれ増加し、支払手形・工事未払金等が152億77百万円、未払法人税等が25億80百万円それぞれ減少したことなどによります。

当連結会計年度末の固定負債は前連結会計年度末に比べ4.3%減少し、109億31百万円となりました。これは、繰延税金負債が7億46百万円減少したことなどによります。

この結果、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ2.6%減少し、1,119億62百万円となりました。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ3.2%増加し、1,564億86百万円となりました。これは、利益剰余金が64億1百万円、為替換算調整勘定が26億26百万円それぞれ増加し、その他有価証券評価差額金が26億84百万円、自己株式の取得及び処分により20億円それぞれ減少したことなどによります。

 

(4) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ212億52百万円減少し、420億13百万円(前期末は632億65百万円)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フローの状況)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上などにより増加したものの、売上債権の増加や仕入債務の減少などにより、212億19百万円の資金減少(前期は207億38百万円の資金増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フローの状況)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入や定期預金の払戻による収入などにより増加したものの、定期預金の預入による支出や有形及び無形固定資産の取得による支出などにより、49億82百万円の資金減少(前期は21億48百万円の資金増加)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フローの状況)

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額や自己株式の純増減額などにより減少したものの、短期借入金の純増額などにより、19億7百万円の資金増加(前期は55億45百万円の資金減少)となりました。

 

(資本の財源及び資金の流動性)
① 資金需要

設備工事等のための材料費、労務費、外注費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに業務改革、技術開発、情報化投資、海外拠点の拡充など当社グループの市場競争力強化のための投資等に資金を充当しております。

② 資金の源泉

主として営業活動により稼得した資金のほか、金融機関等からの借り入れにより、必要資金を調達しております。また、運転資金の効率的な調達を行うため、主要取引銀行と貸出コミットメント契約を締結しております。

 

(5)  為替相場の変動による財政状態及び経営成績の変動状況

連結財務諸表を作成するにあたり、在外連結子会社の財務諸表を換算しているため、為替相場の変動により、総資産、キャッシュ・フロー、完成工事高及び経常利益に影響を受けております。主に米ドル、タイバーツ、中国元、インドルピー及びフィリピンペソの為替の変動が大きく影響しております。

 

第76期

第77期

第78期

第79期

第80期

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

総資産のうち「為替換算調整勘定」

(百万円)

△237

2,017

4,779

7,757

10,383

キャッシュ・フローにおける「現金
及び現金同等物に係る換算差額」
(百万円)

△799

1,737

1,919

1,977

3,042

 

 

主な在外連結子会社における完成工事高及び経常利益に与える為替変動による影響

 

第79期

第80期

増減

為替変動による影響
A×B
(百万円)

2024年3月

2025年3月

Taikisha
USA, Inc.
*1

完成工事高

外貨ベース(米ドル  千)

147,180

218,182

10.92

2,382

換算レート(円)*3

140.55

 

151.47

円貨ベース(百万円)

20,686

 

33,048

経常利益

外貨ベース(米ドル  千)

7,100

△636

10.92

△6

換算レート(円)*3

140.55

 

151.47

円貨ベース(百万円)

997

 

△96

Taikisha
(Thailand)
Co., Ltd.
*2

完成工事高

外貨ベース(タイバーツ  百万)

5,144

4,490

0.27

1,212

換算レート(円)*3

4.04

 

4.31

円貨ベース(百万円)

20,782

 

19,355

経常利益

外貨ベース(タイバーツ  百万)

200

414

0.27

111

換算レート(円)*3

4.04

 

4.31

円貨ベース(百万円)

808

 

1,787

五洲大気社工程有限公司
 

完成工事高

外貨ベース(中国元  百万)

1,210

799

1.23

983

換算レート(円)*3

19.81

 

21.04

円貨ベース(百万円)

23,976

 

16,831

経常利益

外貨ベース(中国元  百万)

108

92

1.23

113

換算レート(円)*3

19.81

 

21.04

円貨ベース(百万円)

2,157

 

1,938

Taikisha
Engineering
India Private
Ltd.

完成工事高

外貨ベース(インドルピー  百万)

6,660

7,206

0.06

432

換算レート(円)*3

1.75

 

1.81

円貨ベース(百万円)

11,655

 

13,042

経常利益

外貨ベース(インドルピー  百万)

401

504

0.06

30

換算レート(円)*3

1.75

 

1.81

円貨ベース(百万円)

702

 

913

Taikisha
Philippines
Inc.

完成工事高

外貨ベース
(フィリピンペソ  百万)

4,754

4,454

0.12

534

換算レート(円)*3

2.52

 

2.64

円貨ベース(百万円)

11,980

 

11,760

経常利益

外貨ベース
(フィリピンペソ  百万)

457

493

0.12

59

換算レート(円)*3

2.52

 

2.64

円貨ベース(百万円)

1,153

 

1,303

 

(注) *1  子会社3社を含んだ連結数値

*2  子会社5社を含んだ連結数値

*3  換算レートは第79期及び第80期における期中平均レート

 

セグメント情報

 

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1  報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、設備工事別に事業部を置き、各事業部は取り扱う設備工事について国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

したがって、当社グループは、事業部を基礎とした設備工事別のセグメントから構成されており、「環境システム事業」及び「塗装システム事業」の2つを報告セグメントとしております。

「環境システム事業」は、主に一般事務所等に関連するビル空調設備及び工場等の生産設備や研究所等に関連する産業空調設備の設計・監理・施工並びにこれらに関連する資機材の製造・販売を行っております。

「塗装システム事業」は、主に自動車産業に関連する塗装設備の設計・監理・施工並びにこれらに関連する資機材の製造・販売を行っております。

 

2  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

報告セグメントの利益は、経常利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

 

3  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日

 

 

報告セグメント

調整額

(百万円)

(注1)

連結財務諸表計上額

(百万円)

(注2)

環境システム事業

(百万円)

塗装システム事業

(百万円)

(百万円)

売上高

 

 

 

 

 

  外部顧客への売上高

216,519

77,036

293,556

293,556

  セグメント間の内部

  売上高又は振替高

15

4

20

△20

216,535

77,041

293,577

△20

293,556

セグメント利益

17,027

2,804

19,832

19

19,852

セグメント資産

143,027

69,474

212,501

53,992

266,494

その他の項目

 

 

 

 

 

  減価償却費

914

737

1,651

△181

1,469

  のれんの償却額

417

66

484

484

  受取利息

352

541

894

2

897

  支払利息

5

213

219

21

240

 持分法投資利益

22

22

22

 持分法適用会社への投資額

642

642

642

  有形固定資産及び

  無形固定資産の増加額

3,339

583

3,923

351

4,274

 

(注)  1 調整額は、以下のとおりであります。

(1) セグメント利益の調整額19百万円には、各報告セグメントに配分していない全社損益(全社収益と全社費用の純額)20百万円及びその他調整額△1百万円が含まれております。全社損益は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費、受取配当金等であります。

(2) セグメント資産の調整額53,992百万円には、セグメント間の債権債務の相殺消去等△4,265百万円及び各報告セグメントに配分していない全社資産58,258百万円であります。全社資産は、主に報告セグメントに配分していない現金預金、有価証券、有形固定資産、無形固定資産及び退職給付に係る資産等であります。

(3) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額351百万円は、各報告セグメントに配分していない建物・構築物、機械、運搬具及び工具器具備品、ソフトウエア等であります。

(4) 事業管理上、セグメントに対する資産の配分基準と関連する収益及び費用の配分基準は異なる配分基準を用いております。

2 セグメント利益は、連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。

 

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日

 

 

報告セグメント

調整額

(百万円)

(注1)

連結財務諸表計上額

(百万円)

(注2)

環境システム事業

(百万円)

塗装システム事業

(百万円)

(百万円)

売上高

 

 

 

 

 

  外部顧客への売上高

169,420

106,792

276,212

276,212

  セグメント間の内部

  売上高又は振替高

23

163

186

△186

169,443

106,956

276,399

△186

276,212

セグメント利益

15,299

4,256

19,555

382

19,938

セグメント資産

134,943

98,086

233,029

35,418

268,448

その他の項目

 

 

 

 

 

  減価償却費

1,266

853

2,119

△269

1,850

  のれんの償却額

431

72

503

503

  受取利息

366

407

773

8

781

  支払利息

31

219

250

51

301

 持分法投資利益

3

3

3

 持分法適用会社への投資額

701

701

701

  有形固定資産及び

  無形固定資産の増加額

2,395

913

3,308

391

3,700

 

(注)  1 調整額は、以下のとおりであります。

(1) セグメント利益の調整額382百万円には、各報告セグメントに配分していない全社損益(全社収益と全社費用の純額)408百万円及びその他調整額△26百万円が含まれております。全社損益は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費、受取配当金等であります。

(2) セグメント資産の調整額35,418百万円には、セグメント間の債権債務の相殺消去等△3,807百万円及び各報告セグメントに配分していない全社資産39,226百万円であります。全社資産は、主に報告セグメントに配分していない現金預金、有価証券、有形固定資産、無形固定資産及び退職給付に係る資産等であります。

(3) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額391百万円は、各報告セグメントに配分していない建物・構築物、機械、運搬具及び工具器具備品、ソフトウエア等であります。

(4) 事業管理上、セグメントに対する資産の配分基準と関連する収益及び費用の配分基準は異なる配分基準を用いております。

2 セグメント利益は、連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日

1  製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2  地域ごとの情報

(1)  売上高

日本

(百万円)

北米

(百万円)

東南アジア

東アジア

インド

(百万円)

タイ

(百万円)

その他の
東南アジア

(百万円)

中国

(百万円)

その他の
東アジア

(百万円)

155,764

20,613

20,596

32,515

27,415

18,293

17,779

 

 

その他

(百万円)

合計

(百万円)

578

293,556

 

(注)  売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)  有形固定資産

日本

(百万円)

タイ

(百万円)

インドネシア

(百万円)

中国

(百万円)

インド

(百万円)

その他
(百万円)

合計
(百万円)

6,594

386

245

645

3,233

588

11,694

 

 

3  主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載しておりません。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日

1  製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2  地域ごとの情報

(1)  売上高

日本

(百万円)

北米

(百万円)

東南アジア

東アジア

インド

(百万円)

タイ

(百万円)

その他の
東南アジア

(百万円)

中国

(百万円)

その他の
東アジア

(百万円)

144,577

33,052

19,224

35,343

17,566

4,302

19,888

 

 

その他

(百万円)

合計

(百万円)

2,257

276,212

 

(注)  売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

 

(2)  有形固定資産

日本

(百万円)

タイ

(百万円)

インドネシア

(百万円)

中国

(百万円)

インド

(百万円)

その他
(百万円)

合計
(百万円)

7,626

393

269

653

4,159

640

13,742

 

 

3  主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載しておりません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日

 

報告セグメント

全社・消去

(百万円)

(注)

合計

(百万円)

環境システム事業

(百万円)

塗装システム事業

(百万円)

(百万円)

減損損失

0

0

 

(注) 「全社・消去」は、遊休資産の減損によるものです。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日

 

報告セグメント

全社・消去

(百万円)

(注)

合計

(百万円)

環境システム事業

(百万円)

塗装システム事業

(百万円)

(百万円)

減損損失

3,339

3,339

0

3,339

 

(注) 「全社・消去」は、遊休資産の減損によるものです。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日

 

報告セグメント

全社・消去

(百万円)

合計

(百万円)

環境システム事業

(百万円)

塗装システム事業

(百万円)

(百万円)

当期末残高

2,819

708

3,528

3,528

 

(注) のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日

 

報告セグメント

全社・消去

(百万円)

合計

(百万円)

環境システム事業

(百万円)

塗装システム事業

(百万円)

(百万円)

当期末残高

715

715

715

 

(注) のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日

該当事項はありません。