2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,824名(単体) 5,525名(連結)
  • 平均年齢
    42.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.2年(単体)
  • 平均年収
    11,600,212円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    -1.8%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)  【人材戦略に関する基本方針等】

当社グループは、どのような理念や方針、経営計画も、その実現には「人」の力が不可欠であると考えています。持続的な成長と企業価値の向上を支える人材の維持・確保を重要な経営課題と位置付け、社員が働き甲斐を感じられる魅力ある会社づくりを推進しています。その一環として、新たにPurpose、Vision、Our Valuesを策定し、全社における価値観と行動指針の共有を図っています。あわせて、人材育成、キャリア形成支援、公正な評価・報酬制度、柔軟な働き方の実現など、各種制度や施策を推進することで、社員一人ひとりのモチベーションおよびエンゲージメントの向上を図っています。

社員の基本給においては、職能等級制度を採用しており、業務で発揮した(顕在化した)能力を評価し、給与に反映しています。また、各々の業績への貢献度に応じた賞与額とすることで、社員一人ひとりが自ら能力を向上させ、付加価値の増大に寄与することを目指しています。なお、労働市場の動向や物価上昇に鑑みて、適宜、ベースアップを実施するなど、市場競争力のある給与水準の設定に努めています。

これらの取り組みを通じて、多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境を整備し、組織の持続的な成長および企業価値の向上につなげてまいります。

 

 

(2)  【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

環境システム事業

3,672

塗装システム事業

1,526

全社(共通)

327

合計

5,525

 

 

(注) 1  従業員数は就業人員であります。

2  全社(共通)は、本社・本部及び一部連結子会社の管理部門の従業員であります。

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

1,824

42.0

15.2

11,600,212

△1.8

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

環境システム事業

1,306

塗装システム事業

272

全社(共通)

246

合計

1,824

 

 

(注) 1  従業員数は就業人員であります。

2  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3  全社(共通)は、本社・本部の従業員であります。

 

管理的地位にある労働者に占める女性労働者

男性育児休業取得者

労働者数(人)

労働者割合(%)(注)1

取得者数(人)

取得率(%)(注)2

13

3.8

38

69.0

 

 

雇用形態

人数(人)

平均年間賃金(円)(注)1

労働者の

男女の賃金の

額の差異

(%)

補足

説明

女性

男性

女性

男性

正社員

220

1,477

8,357,011

12,316,920

67.85

(注)3

有期社員

48

68

4,460,336

7,112,475

62.71

(注)4

全体

268

1,545

7,659,099

12,087,857

63.36

 

 

 

(注) 1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3  係長級以上の女性社員が少ないことを要因の一つとして格差が生じております。現行制度上、同一等級内における男女の格差はありません。

4  職務の違いによる差を要因の一つとして格差が生じております。

 

(3)  労働組合の状況

現在提出会社には労働組合は結成されていませんが、組合の代わりを果たすものとして、従業員の選出による代表委員で組織された「組織風土改善委員会」があります。同委員会は、「労使一体」の精神を基本方針とし、労使双方の立場から労務上の問題、業務遂行上の問題に自主的、積極的に取り組んでおり労使関係は円満に推移しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1) サステナビリティへの対応

大気社グループは、「大気をまもり、未来をひらく。」を旗印に、「私たちの技術と創意を通じて、産業社会の高度化と地球環境との調和を図り、人々の豊かな暮らしに貢献する」ことをPurpose(存在意義)としています。昨今、国際社会においてサステナビリティをめぐる課題解決への機運が高まる中、当社グループは、このPurposeのもと、本業を通じて社会や産業が直面する課題の解決に取り組み、ステークホルダーの皆さまとともに価値を創出し、持続可能な社会の実現に貢献します。

サステナビリティをめぐる課題への対応は、中長期的な企業価値向上の観点から、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題です。この趣旨を踏まえ、2050年を念頭においた経営環境の見通しやビジネスモデルの変化等をテーマに、役員のオフサイト・ディスカッションを継続的に実施しています。2025年度においては、新たに発表した長期経営計画(10年プラン2035)・中期経営計画の達成に向け、未来の社会環境の変化及び将来像を見据えた中長期的な視点から当社の方向性について議論しました。また業務執行取締役に対しては、ESG等の非財務目標を評価要素とし、企業の中長期的な成長を促すべく業績連動報酬を導入しております。この制度に関しては、指名・報酬諮問委員会において客観性・透明性ある評価を実施しております。

 

(サステナビリティ経営の推進体制)

サステナビリティ全般に関するガバナンスにつきましては、経営会議の諮問機関として、執行側の会議体という位置づけで、サステナビリティ推進委員会を設置し、モニタリングを実施しております。さらに社外役員の客観性のある意見を取り入れ、一層の活動推進を図るべく、取締役会の第四の諮問機関として、独立社外取締役を委員長としたサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会では取締役会からの諮問事項を討議・検討し、その結果を少なくとも年1回以上の頻度で取締役会へ答申しております。

 

<サステナビリティ推進体制図>

 


 

サステナビリティ全般に関するリスク管理につきましては、リスクマネジメント委員会において、当社グループの総合的な観点から、各リスクのリスク度評価、対応すべきリスクの選定、リスク低減に向けた方針等の策定・実行に取り組んでいます。同委員会は代表取締役社長を委員長として、年2回及び必要時に開催することとし、全社的なリスクマネジメントの基本方針及び責任体制、運営などを定め、周知・徹底を図っています。

当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。

・気候変動に関する取組

・人的資本・多様性に関する取組

それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

また、当社の企業統治の体制については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要」をご参照ください。

 

 

(2) 気候変動に関する取組

当社グループは、優先的に取り組むべき経営上の重要課題(マテリアリティ)の一つに「気候変動の緩和と適応」を位置づけ、本業である省エネルギー性能の高い空調・衛生設備や塗装プラントの提供を通じて、環境負荷低減に取り組んでおります。

なお、2021年12月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明しております。

 

① ガバナンス

気候変動への対応に関してはリスクや機会を認識しビジネスチャンスとして捉え、経営戦略に織り込む活動を行っています。経営会議では、環境保全活動に係る全社的な行動計画を策定しており、当該計画について取締役会に付議し決定しています。

また、全社方針検討会では、計画に基づいた環境保全活動の取組状況を確認・評価するとともに目標の見直しを実施し、その結果を年2回以上の頻度で取締役会へ報告しています。

これらの報告を受けた取締役会では、気候関連のリスク・機会について監督を行い、目標及び進捗のモニタリングを実施しています。

気候関連リスク・機会の評価及び管理については、リスクマネジメント委員会の委員長である代表取締役社長に責任を付与しています。

 

② 戦略

気候関連のリスク及び機会を特定・評価し、事業に与える影響を把握するため、自社事業を対象に、中長期における当社グループへの影響度が高いリスクと機会の要因を洗い出し、世界の平均気温上昇が1.5℃未満に抑制されることを想定した1.5℃未満シナリオと、4℃程度上昇する4℃シナリオについて、それぞれ政策や市場動向の移行に関する分析と、災害などによる物理的変化に関する分析を実施しました。当社グループは「炭素税」「顧客行動の変化」「省エネ・再エネ技術の普及」を移行の要素、「平均気温の上昇」を物理的な要素と認識し、重要なリスク・機会として特定しました。

なお、中期は3年から5年以内、長期は2050年頃を想定しています。

 

ア 4℃シナリオ

中期

政府による低炭素政策も限定的で、低炭素社会への移行は限定的な範囲に留まり、平均気温の上昇によりヒートストレスや自然災害リスクが高まります。これらは当社グループの事業に対し、以下のような影響をもたらすことが想定されます。日本国内では炭素税が導入されない想定のため、炭素税導入による資材原価の上昇の影響は限定的です。事業別にみると、環境システム事業ではネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)の需要が一定程度広がり、低炭素政策が限定的な中で、既存の空調施工売上も拡大します。また、塗装システム事業では省エネ設計プラントの需要が広がるものの、顧客からの低炭素への対応要請は限定的と想定されます。その一方で、平均気温の上昇に伴い、施工現場における熱中症・感染症対策の強化が必要になります。

 

長期

中期で想定したリスクと機会の影響がより顕著になります。特に、平均気温の著しい上昇に伴い、空調システムの需要がさらに拡大します。同時に、施工現場における労働環境が過酷化し、熱中症・感染症対策の徹底が事業継続において重要になります。

 

 

イ 1.5℃未満シナリオ

中期

物理リスクの影響は限定的な範囲に留まりますが、各種規制や顧客からの要請など移行リスクへの対応が必要になります。これらは当社グループの事業に対し、以下のような影響をもたらすことが想定されます。政府による低炭素政策の強化により、炭素税負担及び資材原価の上昇の影響がもたらされ、コストの上昇が見込まれます。事業別にみると、環境システム事業では、顧客からの低炭素への対応要請が強まり、省エネ規制、新築のZEB義務化等により、既存の空調施工売上は減少する一方で、当該要請等に対応した製品・技術の開発により売上が拡大することが見込まれます。塗装システム事業では、塗装工程の低炭素化への需要が拡大し、低炭素化・省エネ化非対応の既存の製品売上が減少する一方で、これらの対応をした製品・技術の開発により売上が拡大することが見込まれます。

 

長期

中期で想定したリスクと機会の影響がより顕著になります。特に、1.5℃シナリオであっても平均気温が一定程度上昇し、施工現場における熱中症・感染症対策が重要になります。

 

シナリオ分析の結果、当社グループの事業に影響を与える重要な気候関連のリスク及び機会、中長期における財務影響は以下のとおりです。

 

 

ⅰ)移行リスク・機会

財務影響+10億円以上:

財務影響±1億円未満:

財務影響+10億円未満:

財務影響△10億円未満:

 

 

財務影響△10億円以上:

 

項目

リスク

機会

各シナリオに

おける財務影響

想定される対応策

 

4℃

1.5℃

未満

炭素税

炭素税の導入

(コストの上昇)

低炭素建築物への需要の増加(売上の増加)

 

低炭素塗装プラントへの需要の増加(売上の増加)

中期

・GHG排出量削減目標の設定

・GHG排出量の全量把握・分析の効率化

・自社におけるエネルギー効率化、再エネ導入

・低炭素な施工技術・システムの開発

・再生可能エネルギー業界への参入

・世界各国のそれぞれの環境対策・方針・施策に対応した空調設備技術の開発

長期

顧客行動の変化

 

省エネ・再エネ

技術の普及

顧客からの要請への対応(コストの上昇及び不適切な対応→売上の減少)

 

省エネ・再エネ技術の開発における競争力の低下(売上の減少)

顧客の低炭素建築物へのニーズの取り込みやZEBの拡大による施工需要の増加(売上の増加)

 

先進的な省エネ・再エネ技術の開発(売上の増加)

中期

・工場のZEB化など省エネ設備の施工拡大

・エネルギー循環システムの構築

・エネルギーマネジメントなどの省エネソリューションの提供

・低炭素な施工技術・システムの開発

・設備の小型化、省エネ化

・塗装工程の変革に貢献できる技術の習得と商品開発の促進

・塗着効率改善、省エネ技術の開発

・CO2回収・循環技術等の開発・事業創出

・新たな水処理・水資源の維持・有効利用、生成技術(MOF等)

・研究開発・新規事業創出に向けたデジタル融合

・自動作業ロボット、施工支援ロボットの開発

・CO2を排出しない設備、CO2を循環利用できる設備の開発と検証

長期

 

 

ⅱ)物理リスク・機会

項目

リスク

機会

各シナリオに

おける財務影響

想定される対応策

 

4℃

1.5℃

未満

平均気温の上昇

平均気温の上昇による労働生産性の低下や猛暑日の増加による施工中止(コストの上昇)

 

労働法制の改正(売上の減少)

空調システム技術の需要増加(売上の増加)

 

施工における機械化・自動化の推進(売上の増加)

 

植物工場の需要増加(売上の増加)

中期

・植物工場事業の多角展開、植物工場事業のエネルギー循環化

・施工における機械化・自動化の推進

・空調・休憩場所などの労働環境の整備

・熱中症対策の推進

長期

 

 

 

詳細は当社ウェブサイトにて開示しております。

https://www.taikisha.co.jp/sustainability/taikisha/tcfd/

 

③ リスク管理

当社グループでは、気候変動を含む重大なリスクの低減と顕在化するリスクの最小化に努めています。

気候変動を含む重大なリスクに関しては、各所管部門において項目を抽出し、「経営への影響」や「発生の頻度」を考慮に入れ、大・中・小の3段階で「リスク度(重要度)」を判定しています。その中で戦略や財務上、重要な影響を与える大の項目に関しては、優先的に対応すべきリスクとして選定し、重点管理方針・目標の立案を行った上でリスクマネジメント委員会へ報告します。これを受け、リスクマネジメント委員会では、全社的・統合的な観点から各リスクのリスク度評価及び重点管理方針・目標について討議し、基本方針の策定を行います。その後、各所管部門では活動計画の遂行状況のモニタリングを実施し、結果をリスクマネジメント委員会へ報告します。リスクマネジメント委員長(代表取締役社長)は、全社のリスクマネジメントの状況を取りまとめ、内部統制委員会での討議を経て、年に2回、取締役会への報告を行います。

また、経営全般の重要事項を決定する経営会議では、気候変動のリスクや機会に対する討議をはじめ、気候変動シナリオの見直しや長期戦略への反映を行っています。気候変動リスクを含めた関連の課題に関しては、リスクマネジメント委員会の報告と並行して、取締役会への報告の検討も行います。

 

④ 指標と目標

ア 気候関連のリスク及び機会の管理・評価に用いる指標

気候関連のリスク及び機会の管理のため、温室効果ガス(GHG)排出量だけでなく、エネルギー消費量や水使用量、廃棄物排出量等の指標を設定して種々の対策を実行しています。

 

・2024年度のGHG排出量

 

(単位:t-CO2)

自社グループの活動による排出量

Scope1

9.07千

Scope2

14.4千

上記以外のサプライチェーンによる排出量

Scope3

8.30百万

 

 

(注) 1 上記GHG排出量につきましては、以下のとおり、自主的に任意の保証を受けております。
保証提供者:株式会社サステナビリティ会計事務所
代表者:福島隆史(公認会計士)
保証対象:2024年度 温室効果ガス排出量Scope1、Scope2(マーケットベース)、Scope3(カテゴリー1,2,3,4,5,6,7,11,12計)
保証基準:ISAE3000、ISAE3410  保証水準:限定的保証
受領した2025年9月16日付「独立第三者の保証報告書」は、当社ウェブサイトに掲載しております。
独立第三者の保証報告書(当社ウェブサイト内)
https://www.taikisha.co.jp/sustainability/taikisha/tcfd/pdf/pdf-index-01.pdf

2 2025年度のGHG排出量につきましては、2026年10月発行の統合報告書で開示予定です。

 

イ 削減目標

当社グループは、気候変動問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、事業活動に伴うCO2排出量を指標とし、SBT認定を視野に、2030年度までに2022年度比でScope1・2を42%削減、Scope3を25%削減する目標を設定しました。今後も当社グループの設計施工による設備の運用段階におけるCO2排出削減に関して積極的に提案活動に取り組むとともに、国内・海外拠点の使用電力の再エネメニューへの切り替えや、オフサイトPPA導入などを通じて脱炭素社会の実現に貢献していきます。なお、これらの情報については、当社ウェブサイトや統合報告書でも開示しております。

当社ウェブサイト

https://www.taikisha.co.jp/sustainability/taikisha/tcfd/#anc-04

統合報告書(当社ウェブサイト内)

https://www.taikisha.co.jp/sustainability/report/

 

 

(3) 人的資本・多様性に関する取組

当社は、「顧客第一」の精神のもと、事業活動を通じて社会・環境・経済の3つの価値を創造するという基本的な考え方に基づき、価値創造を支える基盤である人的資本の増強及びDE&Iの推進に向けて様々な施策に取り組んでおります。その詳細は以下のとおりです。

 

[人的資本・多様性に関するガバナンス・戦略・リスク管理・指標及び目標の関係性]

 


 

① ガバナンス

指名・報酬諮問委員会は取締役の指名・報酬等に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任の強化を目的とするものであり、取締役会の下に設置しております。同委員会は、経営幹部の選解任や、社長・取締役の後継者育成計画等について審議するほか、人材育成委員会によるグローバルな人材ポートフォリオ・マネジメントの推進状況を監督しております。

執行側の人材育成委員会は、執行役員候補者(プール人材)及びキャリアプロフェッショナル人材の選抜・育成・配置に関する方針及び推進状況を審議し、経営会議に報告しております。

 

 

② 戦略

ア  「10年プラン2035」における人材戦略「『人的資本』の増強」

当社グループの「2035年のありたい姿」を定めた10年プランでは、グローバルな人的資本を「競争力の源泉」の中核と位置づけております。10年プランの人材戦略「『人的資本』の増強」では、まず「グローバルな人材ポートフォリオ・マネジメントの構築」に取り組みます。10年プランで掲げた2035年3月期の完成工事高目標(5,000億円超)を達成するには、次世代を担うキャリアプロフェッショナル人材の計画的な育成が不可欠です。10年プランの実現に必要な人材を計画的に育成・確保するため、必要な人材像を可視化した「経営マネジメント」「クリエイティブ」「技術高度専門」「部門スペシャリスト」の4区分から成るキャリアプロフェッショナル人材の人材ポートフォリオをグローバルに展開し、当社グループの成長を支えるキャリアプロフェッショナル人材を質と量の両面で拡充してまいります。

また、Design(設計)、Build(施工)、Care(アフターケア)のすべてを担える人材の育成・増強等により「エンジニアリング力」の強化を図るとともに、日本人社員のボーダレスな活躍の推進とナショナルスタッフの経営幹部の育成等を通じて「グローバル化対応力」を強化いたします。

さらに、当社は、多くの人手や時間を投入して利益を上げる「労働集約型ビジネス」から、デジタル基盤等への投資を通じて効率性と収益性を高める「資本集約型ビジネス」への転換を目指しております。その方策のひとつであるDX戦略を実行面で支えるDX人材の育成を含め、人的資本強化とDX戦略を一体で進めることで、事業規模拡大に耐えうる組織力と収益性を高め、10年プランの実現につなげてまいります。

 

10年プラン及び人材戦略の詳細は、以下の当社ウェブサイトをご覧ください。

[10年プラン2035]

https://www.taikisha.co.jp/ir/library/10-year_plan/

[人材戦略(「人的資本」の増強)]

https://www.taikisha.co.jp/sustainability/society/basic-principles/

 

イ  人的資本に関連するリスクと機会

■ベテラン人材の急速な減少に対する施策

当社では、技術的な専門性を持つ社員の年齢層が高く、今後10年でベテラン人材が急速に減少する見通しであります。そのため、エンジニアリング力の継承と人材育成が喫緊の課題となっております。これに対し、当社は、技術系社員の能力・経験等を可視化する「技術カルテ」を基に知識・資格・スキルの習得度を把握したうえで、育成プランに基づきローテーション、技術教育、OJTを実施することにより、エンジニアリング力の高い社員の計画的な育成を進めてまいります。加えて、市場や分野ごとのTOP人材を認定する「高度専門人材認定制度」の運用強化を図ってまいります。

さらに、海外拠点のナショナルスタッフについては、経営幹部・技術系社員を対象に日本への留学機会を設け、教育研修や現場経験で得たスキル・ノウハウを自国で展開させることで、海外におけるエンジニアリング力の蓄積と継承を図ってまいります。

 

■設計・施工人材の不足に対する施策

当社の設計・施工人材の不足により、工事の円滑な遂行が制約され、採算性の低下につながる可能性があります。これに対し、当社は、設計人材の育成強化・人員増強にグローバルな規模で取り組むことにより設計力の強化を図るとともに、BIMの活用推進や建築設備のユニット化・モジュール化を通して設計・施工段階における省力化・効率化を進め、生産性向上に取り組んでおります。さらに、DX戦略に基づきDX人材の計画的な育成を進めるとともに、BIMを中核とするDX基盤を構築し、BIMと各種システムとの連携を進めることで、設計・施工にとどまらない業務全体の効率化と生産性の大幅な向上が見込まれ、高収益体制の構築や新規ビジネスの創出につながることが期待されます。

 

 

■経営戦略を推進する経営マネジメント人材の計画的育成

当社グループが持続的に成長し、中長期的に企業価値を向上させていくためには、経営マネジメント人材の計画的な育成が重要です。人材育成が計画どおり進まない場合、当社グループの成長戦略・事業戦略の実行が制約され、経営成績に影響する可能性があります。これに対し、当社は、上位等級の社員から選抜した者を対象に、経営マネジメントとして必要な能力・資質の習得を目的とした経営職候補者育成プログラムを実施し、執行役員候補者(プール人材)の着実な積み上げを図っております。また、執行役員を対象に、将来の取締役候補として経営リテラシーの強化を目的とした経営者育成プログラムを実施しております。

 

■海外拠点におけるナショナルスタッフの確保・定着

海外において優秀なナショナルスタッフの採用・確保が計画どおり進まない場合、海外拠点の円滑な運営や事業拡大が制約され、当社グループの経営成績に影響する可能性があります。これに対し、経営幹部については、能力・経験等を総合的に勘案し選定した人材を早期に選抜して海外拠点の経営に参画させるとともに、日本や他の海外拠点でのグローバルな経験を通じて育成を図っております。今後は、当社で実施している経営職候補者育成プログラムをグループ全体に拡大することを検討してまいります。

 

ウ  2025年度の主な取組

■人材マネジメントに関する共通指針の策定

当社は、全社員に共通する人材マネジメントの指針として「大気社キャリアステージ」を定義し、人材育成の方向性を明確化しました。今後は、このキャリアステージに基づき、人材ポートフォリオで定める4つのキャリアプロフェッショナル人材を軸に、採用・育成・配置・登用を一体的に推進し、計画的な人材輩出の基盤構築を進めてまいります。

第1ステージ(Stage①)では、知識・知見の集積期間として、キャリアパスモデルに基づき、知識・経験・スキルを体系的に習得します。第2ステージ(Stage②)では、キャリアの実践・確立期として、4つのキャリアプロフェッショナル人材を目標に掲げ、将来のあるべき姿からバックキャストして必要な知識・経験を自ら設計し、主体的な行動につなげます。第3ステージ(Stage③)では、キャリアプロフェッショナルとしての成長を前提としつつ、環境や価値観の変化に応じてキャリアの方向性を柔軟に見直すことが可能です。第4ステージ(Stage④)は、経営を担う中核層である執行役員とその候補者(プール人材)を中心としたステージとなります。

 

[大気社キャリアステージの全体像]

 


 

 

■キャリア開発支援制度の拡充

当社は、エンゲージメントサーベイの結果、長期的なキャリア形成に関する課題が明らかになったことを踏まえ、キャリア開発支援制度の拡充に取り組んでおります。中長期的な視点から、社員が「ありたい姿」や「挑戦したいこと」を自ら申告し、会社と共有する仕組みへ見直すことで、多様な人材が活躍できる環境づくりを推進いたします。具体的には、キャリアプラン制度、社内公募制度、海外トレーニー制度等を通じて社員の挑戦を支援し、適材配置の促進により生産性・創造性の向上を図ることで、企業価値の向上、エンゲージメントの向上及び離職率の低下を目指しております。

 

■女性活躍の推進

当社は、女性活躍推進法に基づく行動計画(期間:2025年4月1日~2028年3月31日)において、管理職に占める女性労働者の割合を2028年3月末までに6%以上にすることを目標としております。そのため、女性社員の登用については、社員本人のニーズを把握しながら、管理職やより高度な専門技能を要する職務に就くための動機付けや職務教育等の施策を進めております。

 

■障害者雇用の促進

当社は、障害の種別によらない雇用の促進に取り組み、採用・配置・業務設計から就業後に至るまで合理的な配慮を実施しております。入社前には受入部門向け事前研修を行い、入社後は定着支援面談を実施しております。これにより、本人及び受入部門の社員が安心して就業できる環境を整備しております。加えて、労働市場の賃金水準等を勘案し、給与水準の見直しを実施いたしました。

 

■両立支援制度の利用促進(仕事と育児、仕事と介護)

当社は、両立支援制度の利用促進に向け、育児・介護ハンドブックを作成するとともに、育児・介護休業法の概要を管理職に向けて説明しております。加えて、過年度の育児休業対象者に対して育児休業の取得のしやすさに関するヒアリングを実施し、今後の施策検討に活用しております。

 

■健康経営の推進

当社は、代表取締役社長をトップとする推進体制のもと、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に6年連続で認定され、健康経営優良法人2026においては、同部門の上位500法人に付与される「ホワイト500」に認定されました。

具体な施策として、社員の健康増進とコミュニケーション活性化を目的とした健康増進セミナー並びに高年齢者の体力状況の把握及び身体機能等維持向上のための、体力測定会、改善エクササイズ等を開催し、社員の意識を高め、行動変容を促す取組を実施いたしました。

 

■ストレスチェックの実施

当社のストレスチェック受検率は97%以上と高水準で推移し、社員のメンタルヘルス意識の高さが示されております。結果は組織別に集計し、外部コンサルタントが良好点・課題点等を分析のうえ経営層・管理職へ報告しております。管理職は当該結果を踏まえ、職場改善施策を計画し実行しております。人事部門は課題のある組織のヒアリングに加え、フィジカル指標と高ストレスを掛け合わせて抽出した対象者へ面談を実施しております。

 

■エンゲージメントサーベイの実施

当社は、独自のエンゲージメントサーベイを月1回実施し、年10回の調査で回答率は90%以上を維持しております。各回の結果を社内で公開し、管理職には組織改善に向けた施策集を提示しております。加えて、事業部長・本部長・拠点長・部長と全体の傾向と課題を共有し、優先順位を付けて改善活動を推進しております。さらに、一部現場において若手・中堅社員向けコミュニケーション研修を実施いたしました。

 

 

[人的資本・多様性に関する取組の戦略マップ]


 

③ リスク管理

代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会において、当社グループの総合的な観点から、人的資本に関連するリスクの評価、対応すべきリスクの選定とその低減に向けた基本方針等の策定・実行を行っております。各所管部門の活動状況のモニタリング結果を元にリスクマネジメント委員会で全社のリスクマネジメントの状況を取りまとめ、内部統制委員会での討議を経て、年に2回、取締役会へ報告しております。重要事項を決定する経営会議では、人的資本に関連するリスクと機会に対する討議をはじめ、人材戦略の見直しや長期の経営戦略への反映を行っております。

 

④  指標及び目標

当社グループの人的資本に関する指標及び目標は以下のとおりです。