2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,295名(単体) 2,927名(連結)
  • 平均年齢
    41.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.7年(単体)
  • 平均年収
    7,613,715円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    -1.4%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

① 連結会社の経営方針・経営戦略等に関連付けた連結会社の人材戦略

連結会社の経営方針・経営戦略等に関連付けた連結会社の人材戦略につきましては、「第2 事業の状況 2. サステナビリティに関する考え方及び取組 (人的資本経営)」をご参照ください。

 

② 連結会社の従業員の賞与を含む給与等の額・内容の決定に関する方針

本方針は、現時点では当社の従業員を対象としております。当社グループ全体の従業員報酬決定に関する方針については、現行の各社従業員報酬決定方針の状況を踏まえつつ、新中期経営計画及び人的資本戦略との連携強化を図るべく、今後検討を進めてまいります。

 

1) 従業員報酬の基本的な考え方

当社の従業員報酬は、「課題解決力の深化」と「イノベーションの促進」をコンセプトとした人事制度に基づき、当社のこれまでの強みを磨き上げる一方で、将来を見据えて新しい強みを創造していく、これを人財面から強化していくための仕組みと位置づけております。

この考え方は、新中期経営計画及び人的資本戦略(特に「思いやり×挑戦」文化の醸成やキャリアオーナーシップの実現)との連携強化に向け、今後も進化させていく予定であります。

 

・処遇

等級に期待する役割と、個人の会社への貢献を公正に評価し、処遇に反映することで、自律的な成長と企業価値向上への貢献を促します。中長期視点の課題設定と新たな強みの創出を牽引する人財である「P等級(Planning、Pioneer)」は社内公募により選出され、高い役割を期待されます。

・評価

従業員の成果創出と能力開発を促進するため、成果評価と能力評価の二軸による評価を実施し、評価結果を報酬に適切に反映することで、制度の透明性と納得性を高めております。

・福利厚生と諸手当

従業員の多様な働き方を支援し、また安心して新たな挑戦に取り組み、自律的なキャリア形成を実現するとともに、従業員のワークライフバランスの向上に資する福利厚生制度を充実させております。

 

2) 報酬の構成と決定プロセス

当社の従業員報酬は、主に以下の要素で構成され、その決定プロセスを通じて透明性と公平性を確保しております。

 

a.基本給(役割給)

・構成

職務等級に期待する役割に基づき決定される「役割給」を基本給としております。

・決定プロセス

役割給は、従業員の職務等級と、上司との定期的な面談による従業員の成果プロセスと能力発揮度合いに応じた評価に基づいて決定されます。昇格は「昇格要件」への該当性と「審査委員による面接」、P等級への任用は経営会議による協議等、公正な審議を経て行われます。

・市場水準の考慮

報酬水準については、労働市場における賃金動向や同業他社の水準を定期的にベンチマークし、競争力と公平性を確保しております。

 

b.賞与

・構成

会社全体の業績によって決定される支給原資の範囲内で、従業員個人の業績評価の結果に基づき支給されます。これにより、従業員個人の会社への貢献に応じて分配するインセンティブを重視した仕組みを志向しております。

・決定プロセス

会社業績連動:当社グループ全体の経営成果への貢献を重視する観点から、当社の賞与支給原資は、会社の連結業績を指標として決定しております。

個人評価連動:上司との定期的な面談による成果のプロセス及び達成度評価に基づき従業員個人の賞与評語が決定され、賞与額に反映されます。

 

c.手当等

・カフェテリアプラン

従業員の多様なニーズに応じた福利厚生を提供するため、自己啓発、健康増進、育児・介護支援など、従業員が自由に選択できるポイント付与型のカフェテリアプランを導入しております。これにより、従業員のワークライフバランス向上とエンゲージメント強化を図っております。

・転勤支援制度

転勤者が安心して挑戦できる環境を整備するために、単身赴任者の別居手当や帰省旅費、赴任料などを整備した「SHOWA新任地サポート制度」を導入し、新任地でも従業員が活躍しやすい環境を整えております。

・グループ従業員持株会

当社グループ従業員の中・長期的な資産形成を支援するのと同時に、自社株を保有することで長期的な企業価値向上への意識を共有し、オーナーシップを醸成しております。

 

3) 報酬決定のガバナンス

当社の従業員報酬決定方針を含む人事制度の整備については、社内における詳細な検討と労働組合との労使協議を経て、取締役会にて承認しております。また毎年の運用についても労働組合との労使協議にて合意しております。これにより、報酬決定プロセスの公正性と透明性を確保しております。

 

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

食品事業

2,237

(1,629)

飼料事業

192

(120)

その他

143

(22)

全社

355

 

合計

2,927

(1,771)

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 従業員数欄の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員を示し、外書であります。

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

1,295

(148)

41.2

16.7

7,613,715

△1.4

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

食品事業

870

(131)

飼料事業

30

(11)

その他

40

(6)

全社

355

 

合計

1,295

(148)

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

3 従業員数欄の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員を示し、外書であります。

 

(3) 労働組合の状況

特記事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)1

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

全労働者

うち正規

雇用労働者

うちパート・

有期労働者

11.2

90.9

76.2

79.7

47.0

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「*」は男性の育児休業取得の対象となる従業員が無いことを示しております。

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者
の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)(注)1

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

ガーデン
ベーカリー㈱

100.0

81.8

78.6

94.3

タワー
ベーカリー㈱

74.9

73.5

87.8

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「*」は男性の育児休業取得の対象となる従業員が無いことを示しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。

 

◆サステナビリティ基本方針

昭和産業グループは、グループ経営理念「ひと粒の可能性から、価値をひろげ、日々の幸せを共につくる。」を実現するために、多種多量の穀物を扱う「穀物ソリューション・カンパニー」として、穀物を生み出す大地とその環境を守り、穀物を余すことなく最大限に有効活用していくことが社会的使命であり、責任であると考えています。

この責任を果たしていくために、サステナブルな社会の実現と当社グループの持続的な企業価値向上の両立を目指し、ESG経営を推進してまいります。

当社グループは、こうしたサステナビリティの取り組みとともに、全てのステークホルダーの皆様とのエンゲージメント深化を通して社会との共生を目指していきます。

 

(サステナビリティ全般)

a.ガバナンス

<サステナビリティ推進体制>

代表取締役社長執行役員を委員長とし、各部門統轄全員が副委員長となっている「サステナビリティ委員会」を設置しています。サステナビリティ委員会の傘下に、当社グループが重要と考える6つの社会的課題(①安全・安心で高品質な製品の提供、②公正な企業活動、③人権尊重、④環境への配慮、⑤社会への貢献、⑥ステークホルダーとの対話・情報開示)に加えて、注力している⑦リスクマネジメントに関わる委員会または部署を設置しております。なお、⑦リスクマネジメント委員会には専門部会としての災害対策委員会と情報セキュリティ委員会を置き、頻発する自然災害への対策や増加するサイバー攻撃への対応を進めております。

また、サステナビリティ委員会での決議事項は、経営会議、取締役会へ報告され、取締役会の監督を受けております。

なお、サステナビリティの取り組みを推進するためのインセンティブとして、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬の内、「変動型固定報酬(短期インセンティブ)」について、サステナビリティ経営の深化に向けた非財務目標を反映させております。役員報酬の詳細につきましては「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」をご参照ください。

気候変動及び人的資本に関する当社グループの「ガバナンス」につきましては、後述の(気候変動への対応・TCFD提言への取り組み)及び(人的資本経営)をご参照ください。

 


 

b.戦略

当社グループでは、サステナビリティ経営の推進に向けて、経営にとって重要な社会的課題(マテリアリティ)を特定し、優先課題として設定しております。

マテリアリティ

取り組みテーマ

主なリスク

主な機会

穀物由来素材の

可能性の追求

・穀物の価値の深耕

・新規用途追求

・未利用資源の活用

・事業化遅滞による競争力低下

・既存事業の稼働率低下

・代替ニーズ対応等による市場拡大

・副産物、未利用資源活用による新市場の獲得

・外部連携による技術力とリソースの強化

・知財戦略による競争優位性の確立

食生活への貢献

・多様なニーズを満たす食品の提供

・よりよい栄養へのアクセス

・国内需要縮小と競争激化による減益

・節約志向による嗜好品買い控え

・特定ニーズ対応による競争力向上

(健康食品、介護食、アレルギー、ハラール等)

・ワンストップ型ソリューション提案の拡大

・海外市場における製品普及の加速

・販売チャネルの多様化による需要獲得

社会から信頼される

安定的な商品提供

・持続可能な安定生産

・安全、安心で良質な商品提供

・安定調達、サステナ調達

・環境、人に優しい物流

・製品事故による健康被害の発生

・世界的な穀物需給のひっ迫

・サプライチェーンの環境、人権対応不足

・物流網の機能不全

・スマートファクトリー化による生産性革新

・戦略的調達による競争力の向上

・食品安全の高度化による優位性確立

・持続可能な安定供給体制の構築

未来に繋ぐ

地球環境の実現

・気候変動対応

・水資源の保全

・生物多様性対応

・気候変動による原料生産の不安定化

・水不足、水質悪化による操業停止

・生物多様性対応の不足による企業価値毀損

・ステークホルダーからの評価向上

・J-クレジット創出による新市場の獲得

・バイオマスの再エネ原料への用途拡大

人財と組織力の強化

・組織文化の醸成

・働きがいの向上

・人財マネジメント

・D&Iの推進

・人財獲得、定着の難化

・エンゲージメント低下

・D&I推進不足によるイノベーションの停滞

・成長機会拡充と適財適所による従業員ポテンシャルの最大化

・変化に柔軟に対応できる組織文化の醸成

誠実な経営

・事業ポートフォリオマネジメント

・リスクマネジメント

・企業倫理、コンプライアンス

・人権の尊重

・ステークホルダーとの対話の強化

・ガバナンス不全による経営不健全化

・システム障害等による事業停止

・戦略的な事業ポートフォリオマネジメントによる企業競争力の向上

・積極的なIR/SR活動によるブランドイメージ向上

 

 

マテリアリティ特定にあたっては、長期ビジョン策定に伴う外部環境分析(PEST分析)を起点とし、当社にとってのリスク・機会をより明確化したプロセスへと見直しを行っております。本フローを今後の標準的な策定プロセスと位置づけ、年次でのモニタリングと見直しを継続的に実施いたします。

 

 


マテリアリティは、経営方針やリスク管理の指針として機能し、組織全体のサステナビリティ活動の方向性を示すものであります。

一方で、「ガバナンス」に記載のとおり、6つの社会的課題ごとに専門の委員会や部署を設置しております。

これらの委員会や部署は具体的な施策の実行やモニタリングの実施をする等、マテリアリティの実現に向けたガバナンス体制の核として、施策推進や課題の管理を行う役割を担っております。

マテリアリティは「何を重視するか」を示し、委員会は「どう取り組むか」を担う組織として、それぞれの役割を持ち連携しております。

マテリアリティへの取り組みを進めることで持続的な企業価値向上及び中期経営計画26-29が掲げる目標の達成を目指します。

なお、重要性が増している人権への取り組みとして、2026年2月20日に「昭和産業グループ人権方針」を策定いたしました。

本方針のもと、自社およびビジネスパートナーにおける人権への負の影響を把握し、その防止・軽減を図る「人権デュー・ディリジェンス」の仕組みを構築・実施することで、バリューチェーン全体における人権尊重の取り組みを推進してまいります。

気候変動及び人的資本に関する当社グループの「戦略」につきましては、後述の(気候変動への対応・TCFD提言への取り組み)及び(人的資本経営)をご参照ください。

 

c.リスク管理

当社グループでは、「リスクマネジメント基本方針」に基づきリスクマネジメント委員会を設置し、企業経営に対する重大なリスクへの適切かつ迅速な対応の強化に取り組んでおります。

サステナビリティ全般に関連するリスクもリスクマネジメント委員会で特定しており、それらはリスクマネジメント委員会からサステナビリティ委員会へ報告しております。サステナビリティ全般に関連するリスクへの対応策等についてはサステナビリティ委員会及びサステナビリティ委員会傘下の委員会または部署にて取り組んでおります。

サステナビリティ全般に関連するリスクも含めたリスク管理全般の内容につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。

気候変動及び人的資本に関する当社グループの「リスク管理」につきましては、後述の(気候変動への対応・TCFD提言への取り組み)及び(人的資本経営)をご参照ください。

 

d.指標及び目標

1.気候変動及び人的資本

当社グループでは、気候変動及び人的資本に関する「指標及び目標」を設定しております。気候変動及び人的資本に関する当社グループの「指標及び目標」の詳細につきましては、後述の(気候変動への対応・TCFD提言への取り組み)及び(人的資本経営)をご参照ください。

 

2.その他のマテリアリティ

現時点では具体的な「指標及び目標」を設定しておりませんが、上述の「戦略」に掲げた各テーマの深化を定性・定量の両面で管理し、当社グループ全体の持続的成長へつなげます。

 

 

(気候変動への対応・TCFD提言への取り組み)

昨今、気候変動が社会、企業活動に与える影響は非常に大きくなっております。当社グループは「穀物ソリューション・カンパニー」として、大地の恵みである穀物を多種多量に取り扱っており、気候変動は社会が直面し、対応が急務である最も重要な課題の一つと認識しております。

2021年12月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明し、合わせて同提言に賛同する国内企業等により構成される「TCFDコンソーシアム(現 GXフューチャー・コンソーシアム)」にも参画しております。気候変動による事業への影響の低減とともに、気候変動に伴う社会的課題の解決に向けた活動を推進してきており、TCFD提言に則った「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標及び目標」の4項目の情報開示を積極的に進め、ステークホルダーの皆様との対話を進めてまいります。

 

a.ガバナンス

重要な気候関連のリスク及び機会を特定し、適切にマネジメントするために、代表取締役社長執行役員が委員長を務め全役員が委員またはオブザーバー、全部署長が委員となっているサステナビリティ委員会傘下の環境管理委員会に、専門委員会としてTCFD委員会を設置しております。TCFD委員会は、TCFD提言に基づくシナリオ分析を実施するとともに、関連する委員会やグループ会社各社と緊密に連携し、毎期それらの対応に関する計画を策定し、遂行状況については環境管理委員会に報告し承認を得ております。環境管理委員会はTCFD委員会の活動状況のモニタリングとともにグループ環境目標の進捗管理を実施しており、その結果はサステナビリティ委員会及び経営会議の承認を経て、取締役会に年1回以上報告しております。取締役会は当社グループの環境課題への対応及び実行した施策についての監督を行っております。

 


 

b.戦略

当社グループはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)で示されている気候変動のシナリオを参照し、その中から3つのシナリオ(1.5℃、2℃、4℃)について財務的影響及び事業戦略への影響を評価するとともに、気候関連リスク及び機会に対する当社グループの戦略のレジリエンスの確認と追加施策の必要性の検討を目的として、シナリオ分析を実施しております。

2022年3月期はTCFDが提言する気候変動の「リスク」と「機会」の選定、財務インパクトの定性・定量評価、「リスク」と「機会」に対する当社グループの取り組み方針を策定するとともに、当社グループにおいて環境負荷が最も大きい「糖質カテゴリ」を対象として分析・評価を行いました。

2023年3月期は2022年3月期に続き「糖質カテゴリ」の分析・評価を継続するとともに、次に環境負荷が大きい「製油カテゴリ」についての分析・評価を行いました。

2024年3月期は「製油カテゴリ」「糖質カテゴリ」の分析・評価を継続するとともに、「製粉カテゴリ」の分析・評価を行い、グループ全体での気候変動に対する対応力向上を図りました。

これにより、当該3カテゴリで当社グループ全体のCO2排出量(Scope1・2)、水使用量ともに95%以上(2019年度にて算出)についての分析・評価を行ったこととなります。

2025年3月期は当該3カテゴリの分析・評価により抽出された情報の整理を目的とし、リスクと機会の再検討や重要なリスクに対するサプライチェーン毎の対応策の検討等を行いました。

2026年3月期は引き続き食品事業の分析・評価やリスクと機会の検討等を行うとともに、新たに飼料事業を対象として分析・評価やリスクと機会の検討等を行いました。

 

当社のシナリオ分析にあたっては、TCFD委員会と各事業・カテゴリに関わる各部門やグループ会社が一体となり議論を行いました。(管理体制の詳細は「c.リスク管理」を参照)

前年度までに実施した分析・評価で培った手順や手法を、グループ会社間で情報を共有することで、本取り組みを当社グループのレジリエンスの強化にも繋げております。

 

当社が実施するシナリオ分析のステップ

① 気候変動が当社グループにもたらす「リスク」と「機会」を特定し、事業に与えるインパクト(事業インパクト)をナラティブに表現。

② 事業インパクトの大きさを軸に、「研究開発」「原料調達」「輸送・保管」「製造」「販売・マーケティング」「配送」のサプライチェーンの6項目それぞれに「リスク」と「機会」の重要度を優先順位付け。

③ シナリオを定義し、ステップ②で抽出した重要度の高い「リスク」と「機会」を踏まえ、PEST分析や5フォース分析等によりシナリオごとの当社グループの世界観を整理。

④ 社内外のデータを活用し、ステップ③の世界観も踏まえつつ事業インパクトを定量化し、気候変動が及ぼす影響を可視化。

⑤ 当社グループの「リスク」と「機会」に関する対応状況を整理し、中期経営計画等の事業戦略に反映すべく検討を継続中。

 

 

 

◆当社のシナリオ分析の前提

≪評価・分析に使用した3つの気候変動シナリオ≫

・1.5℃シナリオ(IPCC第6次評価報告書における SSP1-1.9シナリオ)

脱炭素社会の実現に向けた気候変動政策の導入等により、2100年までの世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べ1.5℃以下に抑えるシナリオ

・2℃シナリオ(IPCC第6次評価報告書における SSP1-2.6シナリオ)

脱炭素社会の実現に向けた気候変動政策の導入等により、2100年までの世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べ2℃未満に抑えるシナリオ

・4℃シナリオ(IPCC第6次評価報告書における SSP5-8.5シナリオ)

世界的に気候変動対策が充分に進展せず、2100年までの世界の平均気温が産業革命以前に比べ4℃上昇するシナリオ

≪対象事業≫

・当社グループの「食品事業」の内、「製粉カテゴリ」「製油カテゴリ」「糖質カテゴリ」

・当社グループの「飼料事業」

≪影響度評価の手法≫

・想定されるリスク及び機会について、事象が発生した際の財務的影響の大きさからその影響度を評価

≪対象年≫

・2026年~2030年(短期)、2031年~2035年(中期)及び2036年~2050年(長期)までの期間

 

当社グループのシナリオ分析に基づく、当社グループが想定する2050年の世界観

 

 

1.5℃シナリオ

2℃シナリオ

4℃シナリオ

 

 

世界規模でのカーボンニュートラルの達成に向けて脱炭素化が2℃シナリオよりも強く推進された結果、2100年までの世界の平均気温が1.5℃程度の上昇に抑えられる将来予測。

世界規模でのカーボンニュートラルの達成に向けて脱炭素化が強く推進された結果、2100年までの世界の平均気温が2℃程度の上昇に抑えられる将来予測。

気候変動対策への取り組みは現行の政策や規制以上の進展がなく、温室効果ガス排出量が増大し、2100年までの世界の平均気温が4℃以上上昇する将来予測。

各シナリオの主な
移行リスクの影響

・炭素税の導入

〇(すべての企業)

〇(大半の企業)

・低炭素製造設備の導入

〇(すべての企業)

〇(大半の企業)

・穀物のバイオ燃料需要の増加による価格上昇

各シナリオの主な物理的リスクの影響

・平均気温上昇による穀物収量減少

 

 

 

前述の手続きによるシナリオ分析の結果を受けて、下記のとおり各事業における重要なリスクと機会の抽出、財務的評価を行いました。

 

リスク

食品事業

飼料事業

社会の変化と当社グループが認識する重要なリスクのうち、

特に影響の大きいリスクの内容

分類1

分類2

項目

製粉

カテ

ゴリ

製油

カテ

ゴリ

糖質

カテ

ゴリ

移行
リスク

政策

及び

法規制

炭素税・炭素価格

・規制強化により、当社グループの製造工程やサプライチェーン全体のCO2排出に対し炭素税が課され、コストが増加する。

・製造工程において、再生可能エネルギーへの転換やCO2削減が求められ、追加の設備投資によりコストが増加する。

脱炭素を促進する新規制

・石油由来プラスチックへの規制強化により、代替品への移行が発生しコストが増加する。

市場

低炭素需要への対応

・環境意識の向上でサステナブル商品のニーズが高まり、既存製品の市場シェアが低下する。

・環境意識の高まりにより小麦、大豆・菜種、トウモロコシ由来のバイオ燃料需要が増加し、原料調達コストが増加する。

評判

投資家からの評価

・気候変動への対応や情報開示の遅れにより、企業価値が低下し、資金調達コストが増加する。

物理的リスク

急性的

異常気象の激甚化

・風水害の頻発により工場操業停止となり、販売機会の減少となり、収益が減少する。

・風水害の頻発による穀物生産地への悪影響により収量が減少、品質悪化し、製造コストが増加する。

慢性的

平均気温上昇

・気温上昇により家畜の飼料摂取量が低下し、自社農場、預託農場における、農場成績が悪化することで、収益が減少する。

・世界的な気候変動により小麦、大豆・菜種、トウモロコシの収量減少や品質の悪化で製造・調達コストが増加する。

水不足

・慢性的な水不足により穀物生産地が悪影響を受けた結果、原料調達コストが増加する。

・深刻な水不足により工場操業停止となり、収益が減少する。

 

 

 

リスク

社会の変化と当社グループが認識する重要なリスクのうち、特に影響の大きいリスクの内容

財務影響箇所

財務的影響

分類1

分類2

項目

1.5℃/2℃

4℃

2026年~

2030年

(短期)

2036年~

2050年

(長期)

2026年~

2030年

(短期)

2036年~

2050年

(長期)

移行

リスク

政策

及び

法規制

炭素税・炭素価格

・規制強化により、当社グループの製造工程やサプライチェーン全体のCO2排出に対し炭素税が課され、コストが増加する。

売上原価増加

(間接費の増加)

製粉:C

製油:B

糖質:A

飼料:C

製粉:C

製油:A(※1)

糖質:A

飼料:C

・製造工程において、再生可能エネルギーへの転換やCO2削減が求められ、追加の設備投資によりコストが増加する。

設備投資

売上原価増加

(経費の増加)

製粉:C

製油:C

糖質:C

飼料:C

製粉:C

製油:C

糖質:C(※1)

飼料:C

製粉:C(※2)

製油:C(※2)

糖質:C(※2)

飼料:C

製粉:C(※2)

製油:C(※2)

糖質:C(※2)

飼料:C

脱炭素を促進する新規制

・石油由来プラスチックへの規制強化により、代替品への移行が発生しコストが増加する。

売上原価増加

(直接費の増加)

製粉:C

製油:C

糖質:C

飼料:C

製粉:C

製油:C

糖質:C

飼料:C

製粉:C(※2)

製油:C(※2)

糖質:C(※2)

飼料:C

製粉:C(※2)

製油:C(※2)

糖質:C(※2)

飼料:C

市場

低炭素需要への対応

・環境意識の向上でサステナブル商品のニーズが高まり、既存製品の市場シェアが低下する。

売上高減少

(販売数量減少)

製粉:A

製油:A

糖質:A

飼料:C

製粉:A

製油:A

糖質:A

飼料:C

製粉:C(※2)

製油:C(※2)

糖質:C(※2)

飼料:C

製粉:B

製油:C(※1)

糖質:B

飼料:C

・環境意識の高まりにより小麦、大豆・菜種、トウモロコシ由来のバイオ燃料需要が増加し、原料調達コストが増加する。

売上原価増加

(直接費の増加)

製粉:C

製油:A

糖質:A

飼料:B

製粉:C

製油:A

糖質:A

飼料:B

製粉:C

製油:B

糖質:B(※1)

飼料:C

製粉:C

製油:A

糖質:A(※1)

飼料:B

評判

投資家からの評価

・気候変動への対応や情報開示の遅れにより、企業価値が低下し、資金調達コストが増加する。

営業外費用の増加(資金調達コスト増加)

共通:C

共通:C

共通:C

共通:C

 

 

 

リスク

社会の変化と当社グループが認識する重要なリスクのうち、特に影響の大きいリスクの内容

財務影響箇所

財務的影響

分類1

分類2

項目

1.5℃/2℃

4℃

2026年~

2030年

(短期)

2036年~

2050年

(長期)

2026年~

2030年

(短期)

2036年~

2050年

(長期)

物理的リスク

急性的

異常気象の激甚化

・風水害の頻発により工場操業停止となり、販売機会の減少となり、収益が減少する。

売上原価増加

(経費の増加)

共通:C

共通:C

・風水害の頻発による穀物生産地への悪影響により収量が減少、品質悪化し、製造コストが増加する。

売上原価増加

(直接費の増加)

製粉:B(※1)

製油:C(※2)

糖質:C

飼料:-

製粉:A

製油:C(※2)

糖質:B

飼料:-

製粉:B(※1)

製油:C(※2)

糖質:C

飼料:-

製粉:A

製油:C(※2)

糖質:A

飼料:-

慢性的

平均気温上昇

・気温上昇により家畜の飼料摂取量が低下し、自社農場、預託農場における、農場成績が悪化することで、収益が減少する。

売上高減少

(販売数量減少)

製粉:-

製油:-

糖質:-

飼料:C

製粉:-

製油:-

糖質:-

飼料:C

製粉:-

製油:-

糖質:-

飼料:C

製粉:-

製油:-

糖質:-

飼料:C

・世界的な気候変動により小麦、大豆・菜種、トウモロコシの収量減少や品質の悪化で製造・調達コストが増加する。

売上原価増加

(直接費の増加)

製粉:A

製油:A

糖質:A

飼料:C

製粉:A

製油:A

糖質:A

飼料:C

製粉:A

製油:A

糖質:A

飼料:C

製粉:A

製油:A

糖質:A

飼料:C

水不足

・慢性的な水不足により穀物生産地が悪影響を受けた結果、原料調達コストが増加する。

売上原価増加

(直接費の増加)

製粉:C(※2)

製油:C(※2)

糖質:C

飼料:C

製粉:C(※2)

製油:C(※2)

糖質:C

飼料:C

製粉:C(※2)

製油:C(※2)

糖質:C

飼料:C

製粉:C(※2)

製油:C(※2)

糖質:C

飼料:C

・深刻な水不足により工場操業停止となり、収益が減少する。

売上高減少

(販売数量減少)

製粉:-

製油:-

糖質:-

飼料:-

製粉:-

製油:-

糖質:-

飼料:-

製粉:C

製油:C

糖質:C

飼料:C

製粉:C

製油:C

糖質:C

飼料:C

 

※1 2026年3月期に財務的影響算出の前提及び方法の一部を見直したため、財務的影響評価を変更しております。

※2 2025年3月期までは「算定対象外」と「影響が極めて小さい」を「-」と表記しておりましたが、2026年3月期より「算定対象外」を「-」、「影響が極めて小さい」を「C」と表記しております。

 

財務的影響評価

A:財務的影響が20億円以上と想定されるもの

B:財務的影響が10億円以上20億円未満と想定されるもの

C:財務的影響が10億円未満と想定されるもの

-:財務的影響算定対象外

 

リスク

社会の変化と当社グループが認識する重要なリスクのうち、特に影響の大きいリスクの内容

重要なリスクに対する対応策

「」内は2026年3月までに実施した主な取り組み

分類1

分類2

項目

移行

リスク

政策

及び

法規制

炭素税・炭素価格

・規制強化により、当社グループの製造工程やサプライチェーン全体のCO2排出に対し炭素税が課され、コストが増加する。

・省エネ・再生可能エネルギー購入・燃料転換等によるCO2排出量削減

「2021年鹿島工場コージェネレーション設備の燃料を石炭から都市ガスに変更」

「2024年4月に昭和産業㈱でインターナルカーボンプライシング制度の導入(社内炭素価格 5,000円/t-CO2)」

「2024年4月から船橋工場、RD&Eセンター、潮来ミックス分工場において再生可能エネルギー電力を導入」

「2026年3月に鹿島工場においてバイオマス発電ボイラーが完成、2026年4月より運転開始」

「2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、ロードマップ策定」

・製造工程において、再生可能エネルギーへの転換やCO2削減が求められ、追加の設備投資によりコストが増加する。

・自社設備による低炭素エネルギー調達比率の増加

・低コストな低炭素エネルギーの調達

「2009年導入の鹿島工場バイオマスボイラの継続使用」

脱炭素を促進

する新規制

・石油由来プラスチックへの規制強化により、代替品への移行が発生しコストが増加する。

・代替素材の利用検討

・容器の軽量化

「食用油向けボトル形状変更等」

市場

低炭素需要への対応

・環境意識の向上でサステナブル商品のニーズが高まり、既存製品の市場シェアが低下する。

・サステナブルな商品の開発

「調理工程におけるエネルギー消費の少ない商品の開発」

・環境意識の高まりにより小麦、大豆・菜種、トウモロコシ由来のバイオ燃料需要が増加し、原料調達コストが増加する。

・先物原料相場のプライシングと為替予約によるヘッジ

評判

投資家からの評価

・気候変動への対応や情報開示の遅れにより、企業価値が低下し、資金調達コストが増加する。

・TCFD提言に沿った対応とその情報開示を推進

 

 

リスク

社会の変化と当社グループが認識する重要なリスクのうち、特に影響の大きいリスクの内容

重要なリスクに対する対応策

「」内は2026年3月までに実施した主な取り組み

分類1

分類2

項目

物理的リスク

急性的

異常気象の激甚化

・風水害の頻発により工場操業停止となり、販売機会の減少となり、収益が減少する。

・風水害発生時に操業の継続を可能にするための設備投資

・風水害の頻発による穀物生産地への悪影響により収量が減少、品質悪化し、製造コストが増加する。

・製造効率向上(原料処理・製造時間の短縮)のための製造技術開発及び製造設備導入

「高効率機器等の導入や設備、制御の改善」

慢性的

平均気温上昇

・気温上昇により家畜の飼料摂取量が低下し、自社農場、預託農場における、農場成績が悪化することで、収益が減少する。

・暑熱対策飼料の強化や飼養管理の工夫

・世界的な気候変動により小麦、大豆・菜種、トウモロコシの収量減少や品質の悪化で製造・調達コストが増加する。

・サプライヤーからの穀物生産地情報の入手と一元管理

・原料調達先の分散化の検討

水不足

・慢性的な水不足により穀物生産地が悪影響を受けた結果、原料調達コストが増加する。

・深刻な水不足により工場操業停止となり、収益が減少する。

・省水活動による水使用量の最適化

「製造工程の見直しによる水使用量の削減、節水型の機器や設備の導入、冷却水などの水の再利用促進」

 

重要なリスクに対する対応策に関連しませんが、「中期経営計画23-25」の5つの基本戦略の③「環境負荷の低減」を目的として2026年3月までに実施した主な取り組みは下記のとおりであります。

取り組み

・2023年9月にサステナビリティ・リンク・ファイナンス・フレームワーク策定及びサステナビリティ・リンク・ローンの契約締結

 

 

 

機会

食品事業

飼料事業

社会の変化と当社グループが認識する重要な機会のうち、

特に影響が大きい機会の内容

分類1

分類2

項目

製粉

カテ

ゴリ

製油

カテ

ゴリ

糖質

カテ

ゴリ

機会

市場

消費者

嗜好の

変化

・消費者の持続可能性に配慮した購買行動の高まりにより、プラントベースフードの市場が拡大し、植物性たん白等の需要が増加する。

取引先

要望の

変化

・植物油の多目的用途での需要が高まり、環境負荷を抑える植物油製品への需要が増加する。

・低炭素エネルギーとしてバイオ燃料素材の需要が増加する。

・畜産飼料事業の環境負荷低減の観点から温室効果ガスの排出量を低減させる飼料のニーズに対応した飼料の販売量が増加する。

 

 

機会

社会の変化と当社グループが認識する重要な機会のうち、特に影響の大きい機会の内容

財務影響

箇所

財務的影響

分類1

分類2

項目

1.5℃/2℃

4℃

2026年~

2030年

(短期)

2036年~

2050年

(長期)

2026年~

2030年

(短期)

2036年~

2050年

(長期)

機会

市場

消費者嗜好の変化

・消費者の持続可能性に配慮した購買行動の高まりにより、プラントベースフードの市場が拡大し、植物性たん白等の需要が増加する。

売上高増加(販売数量増加)

製油:C

製油:C

製油:C(※1)

製油:C(※1)

取引先要望の変化

・植物油の多目的用途での需要が高まり、環境負荷を抑える植物油製品への需要が増加する。

売上高増加(販売数量増加)

製油:C

製油:C

製油:C(※1)

製油:C(※1)

・低炭素エネルギーとしてバイオ燃料素材の需要が増加する。

売上高増加(販売数量増加)

製油:C

製油:C

製油:C

製油:C

・畜産飼料事業の環境負荷低減の観点から温室効果ガスの排出量を低減させる飼料のニーズに対応した飼料の販売量が増加する。

売上高増加(販売数量増加)

飼料:C

飼料:C

飼料:C

飼料:C

 

※1 2025年3月期までは「算定対象外」と「影響が極めて小さい」を「-」と表記しておりましたが、2026年3月期より「算定対象外」を「-」、「影響が極めて小さい」を「C」と表記しております。

 

財務的影響評価

A:財務的影響が20億円以上と想定されるもの

B:財務的影響が10億円以上20億円未満と想定されるもの

C:財務的影響が10億円未満と想定されるもの

-:財務的影響算定対象外

 

 

◆「財務影響箇所」記載の損益計算書イメージ

売上高

売上原価(直接費、間接費、経費)

売上総利益

販売費及び一般管理費

営業利益

営業外収益

営業外費用

経常利益

特別利益

特別損失

税引前当期純利益

法人税等

当期純利益

 

 

 

機会

社会の変化と当社グループが認識する重要な機会のうち、特に影響の大きい機会の内容

重要な機会に対する対応策

「」内は2026年3月までに実施した主な取り組み

分類1

分類2

項目

機会

市場

消費者嗜好の変化

・プラントベースフード市場における植物性たん白等の需要増加

・市場ニーズの増大および需給環境の変化に即応した、植物性製品の供給体制の拡充と販売網の強化

「2025年3月期に新ブランド「SOIA SOIYA」を立ち上げ、独自技術で帯状に成形したHMSP(High Moisture Solution Protein)を発売及び拡販」

取引先要望の変化

・環境負荷を抑える植物油製品の需要増加

・製品ライフサイクル全体での環境負荷を抑える植物油製品の開発及び販売

・バイオ燃料素材の需要増加

・製造工程副産物を加工し、バイオ燃料として有効利用する活動の推進及び加工品の販売

「ダーク油や脂肪酸の活用」

・温室効果ガスの排出量を低減させる飼料の需要増加

・畜産現場の環境負荷を低減する飼料の開発及び販売の検討

 

 

c.リスク管理

TCFD委員会が特定した気候変動に関連する当社グループ全体の重要なリスクの評価及び対応計画については、「a.ガバナンス」に記載のとおり、取締役会に報告され監督を受けております。「a.ガバナンス」で記載した体制に加え、TCFD委員会は環境管理委員会内の環境4部会及び事業系戦略推進委員会と連携し、重要なリスク及び機会の特定を行います。また、サステナビリティ委員会傘下のリスクマネジメント委員会は全社のリスク管理を行う委員会であり、TCFD委員会で特定されたリスクの影響額と発生頻度の2軸からリスクをモニタリングし、リスク低減のためのPDCAサイクルと当社グループ全体の目標進捗を確認しております。


■各委員会等の活動実績等(2026年3月31日時点で記載しております。)

・「サステナビリティ委員会」(1年に1回以上/2025年度1回開催)

サステナブルな社会の実現と当社グループの持続的な企業価値向上の両立を目指し、「安全・安心で高品質な製品の提供」「公正な企業活動」「人権尊重」「環境への配慮」「社会への貢献」「ステークホルダーとの対話・情報開示」「リスクマネジメント」等の課題への対応を包括的に推進する委員会。委員長は代表取締役社長執行役員。

・「環境管理委員会」(1年に1回以上/2025年度3回開催)

サステナビリティ委員会傘下の委員会で、主に環境に関する経営課題に取り組む。当社グループの環境基本方針に基づき毎年の環境目標、中長期目標、施策等の決定、進捗管理とともに環境関連データの管理を行う。委員長はコーポレート部門統轄の取締役常務執行役員。

・「リスクマネジメント委員会」(1年に1回以上/2025年度1回開催)

サステナビリティ委員会傘下の委員会で、主に長期ビジョン達成を阻害する全社リスクについてモニタリングを行う。企業活動のあらゆる場面におけるリスクを継続的に分析し、企業経営及び社会、環境等に対して影響額・発生頻度の観点からグループ全体に大きな影響をおよぼすリスクを適切かつ迅速に評価・対応することで、社会から信頼の得られる企業グループとして、持続的に発展していくことを目指す。委員長はコーポレート部門統轄の取締役常務執行役員。

・「TCFD委員会」(随時開催/2025年度5回開催)

気候変動のリスクと機会をTCFD提言に基づいて整理し、“経営戦略”及び“リスク管理”に適切に反映させる。その上で、この対応状況をステークホルダーに発信し、当社グループが、企業として持続的に成長可能なことを示す。委員長はコーポレート部門統轄の取締役常務執行役員で、副委員長は事業・営業部門の執行役員。

・「環境4部会」

(CO2排出量削減部会:2025年度2回開催、食品ロス削減部会:2025年度2回開催、

水使用量削減部会:2025年度2回開催、プラスチック使用量削減部会:2025年度2回開催)

環境管理委員会内に当社グループのサステナビリティ推進の観点から設置した「CO2排出量削減部会」「食品ロス削減部会」「水使用量削減部会」「プラスチック使用量削減部会」の4つの部会。当社及びグループ会社の実務担当レベルのメンバーで構成され、グループ環境目標達成の取り組みを行う。

・「事業系戦略推進委員会」(2025年度下部組織の7部会で合計38回開催)

中期経営計画推進にあたり、中長期的な事業毎の課題に対して組織的に対応し、PDCAマネジメントサイクルを確実に回していくことを目的とする。下部組織として7つの部会を設置。委員長は事業・営業部門統轄の取締役専務執行役員。

 

d.指標及び目標

当社グループは、CO2排出量削減については2021年10月22日に我が国の温室効果ガス削減目標が46%削減(地球温暖化対策推進本部)に合わせて、当社グループのCO2排出量削減目標を2030年度に2013年比46%削減に設定しております。

また、食品メーカーである当社グループとしましては、環境目標としてCO2排出量削減だけでなく、独自に「食品ロス発生量削減」「水使用量削減(原単位)」「容器包装材プラスチック使用量削減(原単位)」を目標設定しております。環境目標達成のためのさらなる施策の検討と取り組みを引き続き進めてまいります。

 

◆CO2排出量削減目標進捗状況(「当社及び子会社」)

目標値

項目

基準年の

対象範囲

基準

年度

目標

年度

基準年度

の排出量

2025年度

の排出量

評価

CO2排出量

46%以上削減

Scope1,2

(※1)

当社及び子会社
(※2)

(※3)

2013年

2030年

46.1万t

(※2)

32.6万t

(基準年度比29.4%削減)

再生可能エネルギーの利用やICPの活用による省エネ設備への更新などにより、Scope1,2の排出量を削減しております。

 

 

◆(参考)CO2排出量削減目標進捗状況(食品事業の内、製粉カテゴリ及び製油カテゴリ並びに糖質カテゴリ)

目標値

項目

基準年の

対象範囲

基準

年度

目標

年度

基準年度

の排出量

2025年度

の排出量

評価

CO2排出量

46%以上削減

Scope1,2

(※1)

<製粉カテゴリ>

当社の製粉工場、ミックス工場、パスタ工場、奥本製粉㈱他7社

(※2)

2013年

2030年

6.7万t

(※2)

4.8万t

(基準年度比27.9%削減)

「b.戦略」に記載のとおりであります。

CO2排出量

46%以上削減

Scope1,2

(※1)

<製油カテゴリ>

当社の製油工場、ボーソー油脂㈱他6社

(※2)

2013年

2030年

10.7万t

(※2)

7.3万t

(基準年度比31.7%削減)

CO2排出量

46%以上削減

Scope1,2

(※1)

<糖質カテゴリ>

当社の糖質工場、敷島スターチ㈱、サンエイ糖化㈱

(※2)

2013年

2030年

26.6万t

(※2)

18.8万t

(基準年度比29.5%削減)

 

※飼料事業のCO2排出量は全社への影響が少ないため記載を省略しております。

 

◆食品ロス削減目標進捗状況

目標値

項目

基準年の

対象範囲

基準

年度

目標

年度

基準年度

の発生量

2025年度

の発生量

評価

食品ロス発生量

30%以上削減

当社及び子会社5社
(※4)

2018年

2025年

4.2千t

2.7千t

(基準年度比36.9%削減)

需給予測精度向上、銘柄統廃合、賞味期限延長、製造ロス削減活動の推進により、食品ロス発生量を削減しております。

 

なお、廃棄物削減及びフードロス対策の一環としてフードバンクへ食品寄贈を実施しております。2026年3月期の寄贈実績は22tとなっております。

 

◆水使用量削減(原単位)目標進捗状況

目標値

項目

基準年の

対象範囲

基準

年度

目標

年度

2025年度迄

の削減率

評価

水使用量

(原単位)

12%以上削減

当社及び子会社9社
(※5)

2019年

2030年

基準年度比6.9%削減

製造工程における省水施策(水使用量の見直し、水の再利用)の推進により、水使用量を削減しております。

 

 

◆容器包装材プラスチック使用量削減(原単位)目標進捗状況

目標値

項目

基準年の

対象範囲

基準

年度

目標

年度

2025年度迄

の削減率

評価

容器包装材プラスチック使用量

(原単位)

25%以上削減

当社及び子会社1社
(※6)

2013年

2030年

基準年度比3.5%削減

家庭用ミックス製品のフィルムのバイオマス原料使用、薄肉化により容器包装材プラスチック使用量を削減しております。

 

 

※1 Scope3については、引き続き集計・目標設定に取り組んでまいります。

Scope1:事業者自らの温室効果ガスの直接排出

Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

 

※2 実績値集計における電気事業者からの購入電力の排出係数については、毎年直近の調整後排出係数を使用しております。また、併せてデータ集計対象範囲も毎年度見直しておりますので、数値がこれ以前に公表したものと異なる場合があります。

 

※3 対象範囲は当社及び子会社(連結子会社)としております。子会社のうち、Showa Sangyo International Vietnam Co., Ltd.は2025年度より操業開始、東葛食品株式会社は2025年度に子会社化したことから対象範囲に含んでおりません。

 

※4 食品ロス発生量が100t/年以上のグループ会社

 

※5 水質汚濁防止法、下水道法による特定施設を有するグループ会社

 

※6 プラスチック資源循環促進法による多量排出事業者であるグループ会社

 

■新グループ環境目標として「GHG排出量の削減(Scope1,2)」「食品ロスの削減」「水使用量の削減」「プラスチック使用量の削減」を設定しております。

 


※1 化石燃料由来容器包装材に使用するワンウェイプラスチック

※2 ハンディボトル1000g、1500g

※3 プラ使用量削減率10%以上の銘柄2013年度プラ使用量比

 

(人的資本経営)

当社グループは、2026年2月に昭和産業グループ経営理念および行動指針の改定と、2026年4月に開始する新たな長期ビジョン「SHOWA VISION 2035」及び長期ビジョンに基づく新たな4ヵ年計画「中期経営計画26-29」(以下、新中計)を策定いたしました。

新中計における人的資本戦略は、この新経営理念と新長期ビジョンの中核をなすものであり、2026年4月より本格的に運用を開始しております。

 

a.戦略

1.経営戦略における人的資本の位置づけ

当社グループは、人財を企業の持続的成長を支える最も重要な経営資本と位置付けており、人財への戦略的な投資を継続的に行うことで、人財ビジョン「支え合い、自ら考え、挑戦する人財」及び経営戦略の実現を目指します。国内における少子高齢化に伴う労働人口の減少や、グローバルでの事業展開の加速化など、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しており、多様な人財が最大限にその能力を発揮できる組織であることは、経営戦略実現の最重要要素であると認識しております。人財への投資を通じて、人財のポテンシャルを最大限に引き出し、チャレンジ精神の醸成及びイノベーションの創出につなげ、企業としての競争優位性を確立し、長期的な成長を実現してまいります。

 

2.人的資本戦略


当社グループは、新長期ビジョン・新中計の実現に向け、人財ビジョン「支え合い、自ら考え、挑戦する人財」を掲げ、これを実現するための3つの柱からなる人的資本戦略を策定いたしました。人財育成及び環境整備を含めた人的資本戦略に基づいた各種施策に取り組み、経営戦略を実現してまいります。

 

「人財ビジョン」

支え合い、自ら考え、挑戦する人財

 

「人的資本戦略の3つの柱」

・「思いやり×挑戦」文化の醸成

従業員エンゲージメントの向上、多様な価値観・働き方の受容、新たな取り組みを推奨する風土を醸成してまいります。

 

・キャリアオーナーシップの実現

従業員一人ひとりの主体的な学びと成長を支援し、自らのキャリアを主体的に形成できる環境を提供してまいります。

 

・グループ人財マネジメントの高度化

データに基づく最適な人財配置やグループ間人財交流の活性化、サクセッションプランの実行に取り組んでまいります。

 


3つの柱の基礎となる課題認識及び実現に向けた重点テーマと主な施策は、上図のとおりとなります。

 

2025年度における主な取り組みと実績

2025年度は中期経営計画23-25(以下、前中計)の最終年度であり、新中計への移行期間として、従来の人的資本関連施策を継続して実施いたしました。これらの取り組みは、新中計における人的資本戦略の3つの柱に繋がるものであり、今後の基盤を築くものです。

 

・D&Iのドラスティックな推進

多様な人財が活躍できる組織を目指し、女性活躍推進や障がい者雇用推進等の取り組みを継続しました。また従業員の心身の健康を重要な経営基盤と捉え、「昭和産業健康宣言」に基づき、産業医・健康保険組合と連携しながら健康増進活動に取り組みました。健康増進活動での取組内容が評価され、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に継続して認定されました。

 

・戦略的人的資本投資の促進

従業員一人ひとりの専門性向上とキャリア形成を支援するため、階層別研修や自己啓発支援を継続的に実施しました。またeラーニングコンテンツの拡充により、多様な学びの機会を提供し、従業員の自律的な学習を促進しました。

 

・従業員エンゲージメントの向上

エンゲージメントサーベイ(以下、「ES」という)を定期的に実施し、結果に基づく各職場での改善活動を推進しました。

 

b.ガバナンス

1.ガバナンス体制

当社グループの人的資本に関する戦略は、取締役会が監督し、経営会議においてその具体的な進捗や課題について議論しております。人的資本戦略の策定・推進は担当役員が統括し、関連部署が連携して施策を実行する体制となっております。今後も、取締役会は人的資本戦略が経営戦略と連動し、企業価値向上に貢献しているかを継続的に監督してまいります。

 

c.リスク管理

当社グループは、人的資本に関するリスクを重要な経営リスクの一つと認識しております。識別されたリスク及びその対応については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

新中計期間においては、上記「a.戦略 2.人的資本戦略」に基づく施策を強化し、人財に関する主要なリスクの特定と、それに対する具体的な対策の実行及び効果測定を継続してまいります。

 

 

d.指標及び目標

1.前中計期間における人的資本に関する指標と目標、実績

各取り組みにおける指標と目標、実績は以下のとおりとなります。対象は昭和産業株式会社単体としております。

指標

目標

実績

2023年度

2024年度

2025年度

女性管理職比率(%)

2025年度 10%以上

9.2%

9.8%

11.2%

リスキル投資額(倍)

2025年度 2倍以上

(2021年度比)

1.4倍

2.0倍

2.4倍

エンゲージメントスコア

2030年度 ワークエンゲージメント 54.0以上

50.0

50.6

50.9

 

 

2.新中計における人的資本に関する指標と目標

人的資本戦略における指標と目標は以下のとおりとなります。

テーマ

指標

指標の定義

2029年度

目標

2025年度

実績

対象

※1

人的資本戦略

SHOWAいきいき指標(%)

ESにおける「働きがい」、「対処思考」、「職場の安全性」のポジティブ回答平均値

70.0%

66.8%

単体

 

エンゲージメントスコア

ESにおけるワークエンゲージメントスコア

54.0

※2

50.9

単体

従業員

エンゲージメント

グループ経営理念共感度(%)

ESにおける「企業理念・ビジョンへの共感」のポジティブ回答平均値

85.0%

78.4%

単体

 

自己都合離職率(%)

正社員のうちの自己都合退職者割合

2.3%以下

2.1%

単体

D&I

ダイバーシティ実感度(%)

ESにおける「ダイバーシティへの対応」のポジティブ回答平均値

70.0%

65.2%

単体

健康・安全

健康イベント参加者数(倍)

各種健康施策への参加延べ人数(2023年度比)

2.0倍

1.8倍

連結

 

プレゼンティーズム(WHO)(%)

WHO-HPQに基づく相対的プレゼンティーズム

65.0%

64.5%

単体

適財適所

手挙げ制度申請者数(倍)

各種キャリア開発制度への応募者数(2023年度比)

3.0倍

0.8倍

単体

主体的な学び

支援

従業員一人当たり教育費(千円)

教育研修費÷従業員数(臨時従業員含まず)

50千円

42千円

連結

グループ人財

活用

グループ内出向経験者割合(%)

グループ内出向経験者数÷グループ会社従業員数(臨時従業員含まず)

6.0%

5.6%

連結

 

※1 単体は昭和産業株式会社のみ、連結は連結対象会社全体を対象としております。

※2 本スコアは2030年度目標となります。