2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 9,586 100.0 1,799 100.0 18.8

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、当社および連結子会社3社(株式会社豆蔵、株式会社コーワメックス、株式会社エヌティ・ソリューションズ)の計4社で構成されており、情報サービス関連事業を主たる業務としております。

 当社は、グループ各社を取りまとめ、グループ運営の方向付けを行うグループの中核会社です。

 当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 情報サービス関連事業は、クラウドコンサルティング、AIコンサルティング、AIロボティクス・エンジニアリング及びモビリティ・オートメーションの4つのサービスに大別されます。ソフトウェア工学、データサイエンス・AI技術及びロボット工学を基盤として、情報化戦略の策定支援、情報化業務の改革支援、システムの受託開発といった業務をはじめ、情報化業務に従事する技術者への教育研修を行う業務、さらには、産業用ロボットの開発支援を主たる業務としております。

 近年、顧客企業がIT投資の主導権を手にして、デジタルシフトを実現していくことが求められています。当社グループは、AIソフトウェア工学、データサイエンス・AIとロボット工学を軸とした技術力と、各分野のトップクラスの人材の持つ知識や経験、スキルを結集して、企業の持続的なデジタル革新を支え、お客様のソフトウェアファーストをサポートします。また、企業の「人、技術、プロセス」のデジタルシフトを実現し、顧客と共に”デジタル競争力”をつくりだすデジタルシフト・サービスを提供しております。

 当社グループは顧客がデジタルシフトを実現する上で必要な様々なソリューションを有しており、クラウド関連の教育、既存システムのクラウド化、内製化推進による新規サービス構築といった付加価値の高いビジネスを展開しております。また生成AIを活用した新規ビジネス創出にも注力しております。その結果として当社は金融、通信、製造、商社等多様な業界の大手優良企業を顧客として抱え、プライム上場企業(含む関連会社)からの売上高比率80%超、平均取引年数約8年と強固な顧客基盤を確立しております。

 当社グループの事業内容とグループ各社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、当社グループは情報サービス関連事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、サービス別に記載いたします。

 

サービス区分

事業の内容

クラウドコンサルティング

幅広い業種の大手企業に対して、クラウドをはじめとする最先端技術を活用した内製化推進コンサルティング、ERP導入、教育サービス等をご提供しています。

対象会社:株式会社豆蔵、株式会社エヌティ・ソリューションズ

AIコンサルティング

デジタルトランスフォーメーションを推進する企業に対して、AIを活用したデータ利活用・システムの企画、設計、アルゴリズムの開発およびコンサルティング、生成AI導入支援サービスをご提供しています。

対象会社:株式会社豆蔵

AIロボティクス・エンジニアリング

自動車・ロボット等の組込系システムを扱う企業に対してAIソフトウェア開発の技術導入支援、モデルベース開発(MBSE)、プロセス改善等のコンサルティング及び開発をご提供しています。

対象会社:株式会社豆蔵

モビリティ・オートメーション

自動車・航空宇宙・船舶分野に関連したAIソフトウェア・ハードウェアの開発支援並びに教育サービス、ファクトリーオートメーション実現に向けたコンサルティングをご提供しています。

対象会社:株式会社コーワメックス

 

 

[事業系統図]

 

 

[用語解説]

用語

解説

アジャイル

反復(イテレーション)と呼ばれる短い開発期間単位を採用することで、顧客価値を最大化し、開発リスクを最小化しようとする開発手法の一つ。

クラウド

cloud computingの略。インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態のこと。

デジタル

紙媒体を排してすべてのデータや情報を電子化し、それをインターネットを介して有機的に利活用可能にする技術的・組織的・社会的な取り組み。

プラットフォーム

サービスやシステム、ソフトウェアを提供・カスタマイズ・運営するために必要な「共通の土台(基盤)となる標準環境」のこと。

マイクロサービス

機能ごとに小さなサービスを作り、そのサービスを組合せて集合体として構成すること。社会の急激な変化・開発期間の単位が短くなる傾向から、昨今注目されているソフトウェアのアーキテクチャのこと。

モデルベース

ダイアグラム図式や数式によって再現した「モデル」を用いることで、複雑な組込みシステム開発の効率化・短時間化を図る開発手法のこと。

ロボット工学

ロボットに関する技術を研究する学問。ロボットの手足などを構成するためのアクチュエータや機構に関する分野、外界の情報を認識・知覚するためのセンサやセンシング手法に関する分野、ロボットの運動や行動ロボットの制御に関する分野、ロボットの知能など人工知能に関する分野などに大別される。

ADAS

Advanced Driver-Assistance Systemsの略。先進運転支援システム。ドライバーの安全性を確保するための運転支援機能の総称。車間距離の自動制御装置、前方衝突の警告機能、衝突回避のための自動ブレーキ機能、道路標識を自動認識して警告する機能などがある。

AI

Artificial Intelligenceの略。人間の知的能力をコンピュータ上で実現する、様々な技術・ソフトウェア・コンピュータシステムのこと。

AIソフトウェア工学

AI応用システムを、その安全性・信頼性を確保しながら効率よく開発するための新世代のソフトウェア工学を目指す学問分野のこと。なお、ソフトウェア工学とは、品質の高いソフトウェアを低コストで期限通りに開発し,効率よく保守するためのさまざまな技術を扱う学問分野のこと。

CASE

Connected(コネクティッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(カーシェアリングとサービス)、Electric(電気自動車)という、自動車業界の今後の方向性を定義づける4つのテーマの頭文字を繋げた用語。

DevOps

開発(Development)と運用(Operation)を組み合わせた造語。開発担当者と運用担当者の垣根を取り払い、双方がうまく協力することによってシステムのリリースを迅速にするための開発手法のこと。近年では、企画と開発、運用とセキュリティなど、チーム間の垣根を取り払い、自己組織化されたチームとして組織運営することのメリットが注目されている。

DX

Digital Transformationの略。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

ERP

Enterprise Resource Planningの略。企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念のこと。転じて、これを実現するための統合型(業務横断型)ソフトウェア(統合基幹業務システム)を「ERPパッケージ」もしくは「ERP」と呼ぶ。

IoT

Internet of Thingsの略。様々なモノがインターネットに接続され、さらにインターネットのように繋がることで、情報交換することにより相互に制御する仕組みのこと。

MBSE

Model-Based Systems Engineeringの略。開発過程で検討対象となるあらゆるものをモデル化して取り扱う考え方で、複数のシステムが相互に関連しあってサービスを提供するような複雑なシステムを構築するのに有用な手法。

RPA

Robotic Process Automationの略。ソフトウェアロボットまたは仮想知的労働者(digital labor)と呼ばれる概念に基づく、事業プロセス自動化技術の一種。ロボットによる業務自動化のこと。

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、ウィズコロナの下での内需やインバウンド需要の回復などが見られ、景気の緩やかな回復が期待されつつある状況にあります。物価の上昇や物流業界の2024年問題に象徴される各業界での人手不足により、賃金と物価の好循環の実現の可能性が生じており、日銀もマイナス金利の解除などを行い、異次元緩和からの脱却を模索しつつある状況にあります。その一方で、国内経済では直近の2024年1~3月期四半期GDPのマイナス成長、世界経済はウクライナ情勢に加えイスラエル・パレスチナ情勢の深刻化などの地政学リスクなどによる不安定な状況に加え、欧米各国の中央銀行による金融引き締めや、中国の不動産不況など景気の下振れ要素の多い状況が続いており、わが国の景気を下押しするリスクとなっています。

 当社グループが属する情報サービス業界においては、第200回全国企業短期経済観測調査(日銀短観)による、2023年度、2024年度のソフトウェア投資計画(全規模合計)は、それぞれ11.0%増、6.6%増と、いずれも前年度を上回るものであり、投資意欲は引き続き旺盛な状況にあります。経済産業省の特定サービス産業動態統計(2024年3月分)によると、2023年度の「受注ソフトウェア」の売上高実績は10,430,033百万円であり、前年対比プラス8.4%と大幅な伸長度合いを見せています。また、月別でも2023年度は常に前年同月比プラスを維持しており、売上実績が継続的に伸長している傾向にあります。各企業のDXへの投資意欲はなお堅調に続いており、業種別では製造業、金融業の投資額が大きく、投資の目的としては、DXを活用したビジネスモデルの変革や事業領域の拡大などを目指すバリューアップ投資のウェイトが高まると予想されております。

 このような環境の中で、当社グループは「CREATE THE FUTURE TOGETHER~AIソフトウェア工学のチカラで、共にデジタル世界を創造する~」をミッションに掲げ、技術力という武器を十分に活用しつつ、グループ各社の資産や組織能力を深化させ、最新のコンピュータ技術を駆使し、情報サービス関連事業を通じてお客様企業の業務を変革するサービスの提供を行ってまいりました。また、既存の資産を十分に生かして収益源を深化させることに加え、未来の市場に備えるために、新規事業を探索することで新たな価値の創造を常に模索しております。いわば既存事業の成長化と新規事業の探索の両利きの経営を行うことで、持続的な成長を遂げていくことができております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は9,586,457千円(前連結会計年度比8.2%増)、営業利益は1,799,161千円(同15.1%増)、経常利益は1,820,074千円(同14.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,159,719千円(同5.1%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産総額は3,543,232千円となり、前連結会計年度末に比べ1,071,104千円減少いたしました。流動資産は1,110,840千円減少し、固定資産は39,735千円増加しております。主な要因はCMS(キャッシュマネジメントサービス)契約終了及び臨時配当金支払により短期貸付金が2,271,395千円減少し、現金及び預金が788,980千円増加、未収還付法人税等が145,566千円増加、食品業界向けロボット開発等により建設仮勘定が112,512千円増加、減損損失等によりソフトウエアが40,465千円減少及びソフトウエア仮勘定が50,609千円減少したことによるものです。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債総額は1,281,370千円となり、前連結会計年度末に比べ57,175千円増加いたしました。これは主に未払費用が51,201千円増加、未払法人税等が中間納付支払等により66,354千円減少、流動負債その他に含まれる預り金等が59,900千円増加したことによるものです。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は2,261,862千円となり、前連結会計年度末に比べ1,128,280千円減少いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純利益1,159,719千円による増加、配当金支払2,288,000千円による減少によるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ788,980千円増加し、当連結会計年度末には828,367千円となりました。また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,154,582千円の収入(前年同期は1,241,388千円の収入)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益1,672,042千円を計上したことによるものです。主な減少要因は、法人税等の支払額770,765千円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,922,398千円の収入(前年同期は1,544,645千円の支出)となりました。これは主に、CMS契約終了による短期貸付金の純減少額2,271,395千円、有形固定資産の取得による支出221,432千円及び無形固定資産の取得による支出113,922千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,288,000千円の支出(前年同期は126,317千円の支出)となりました。これは、配当金の支払額2,288,000千円によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 当社の事業は、情報サービス関連事業の単一セグメントでありますが、受注及び販売の状況につきましては、サービス区分別に記載しております。

 

a.生産実績

 当社グループは各種システムの提案、構築、保守及び運用に係るサービスの提供を行っており、生産実績を定義することは困難であるため記載しておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をサービス区分ごとに示すと、次のとおりであります。

サービス区分

当連結会計年度

(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

受注高

(千円)

前年同期比(%)

受注残高

(千円)

前年同期比(%)

クラウドコンサルティング

3,588,073

105.2

945,103

112.8

AIコンサルティング

762,728

115.9

139,487

124.5

AIロボティクス・エンジニアリング

1,508,174

112.5

298,536

122.8

モビリティ・オートメーション

4,063,077

108.1

722,368

125.3

合計

9,922,053

108.2

2,105,496

119.0

(注)金額は販売価格によっており、サービス区分間の取引については相殺消去しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。

サービス区分

当連結会計年度

(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

クラウドコンサルティング

3,481,059

107.6

AIコンサルティング

735,260

113.5

AIロボティクス・エンジニアリング

1,452,739

108.5

モビリティ・オートメーション

3,917,398

107.7

合計

9,586,457

108.2

  (注)1.サービス区分間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自2022年4月1日

至2023年3月31日)

当連結会計年度

(自2023年4月1日

至2024年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

デンソーテクノ株式会社

2,097,945

23.7

2,137,761

22.3

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高、売上総利益)

 サービス別の状況は次のとおりであります。

a. クラウドコンサルティング

クラウドコンサルティングに関しては、まず一般事業法人向け基幹システム刷新にかかる基盤構築案件につき、クラウドネイティブを中心とした技術的な難度が高い支援を中心に、アーキテクチャ設計支援及びアジャイル開発を含めたコンサルティング業務の受注が継続しております。また、マイクロサービスやDevOpsといった先進的な開発手法をベースにDX内製化を支援するコンサルティングも引き続き行っております。

ERP業界では、SAP社の「SAP ERP6.0」の標準保守期限が2027年末で終了する「2027年の崖」と呼ばれる問題があり、各企業でその問題に対応するためにERPの刷新プロジェクトを打ち出す企業が相次いでおり、ERP市場は活況を呈しております。当社グループではERPの一つであるMicrosoft社のDynamics365F&O (Dynamics 365 for Finance and Operations)の導入支援サービスを行っており、当該年度も好調に推移しています。

また、教育に関連する案件も堅調に推移しています。顧客のソフトウェアファースト(ソフトウェア(IT)活用を中心に事業を構築すること)を実現するには、顧客によるITの内製化が欠かせません。IT内製化の実現には、コンサルティングだけでなく、教育も合わせて必要となってきます。当社はコンサルティング・教育の双方をサービスとして提供することで、顧客のIT内製化に貢献しています。さらに、ERP分野も同様に、堅調に教育案件を獲得しています。Microsoft Dynamics 365の前身であるMicrosoft Dynamics AXの時代から続けているERPのトレーニングコースは、コンサルティング会社が行う実践的なカリキュラムによる教育コースということで評価を得ており、ERP市場の活況とともに想定以上に案件を獲得しています。

その結果、当連結会計年度におけるクラウドコンサルティングの売上高は3,481,059千円(前連結会計年度比7.6%増)、売上総利益は1,208,413千円(前連結会計年度比7.5%増)となりました。

 

b. AIコンサルティング

AIコンサルティングに関連する案件は、AI戦略の立案、AI導入やRPAといった領域につき、コンサルティングを主軸として、堅調に推移しています。

その結果、当連結会計年度におけるAIコンサルティングの売上高は735,260千円(前連結会計年度比13.5%増)、売上総利益は299,450千円(前連結会計年度比17.1%増)となりました。

 

c. AIロボティクス・エンジニアリング

AIロボティクス・エンジニアリングに関連する案件については、主に産業ロボットの開発支援サービス及び自動車分野における上流工程のコンサル業務、研究開発支援が好調に推移しています。生産性向上や品質向上、そして少子高齢化といった課題解決のために、ものづくり分野やサービス分野で急速にロボットの活用範囲が拡がっています。メカ、エレキ、ソフトの総合的な知見、ロボット工学、システム工学に加えて最新のAIやクラウド技術など多方面の技術が必要になる分野で、当社グループのこれまでのロボット開発、AIソフトウェア開発の経験・技術を駆使して顧客のサポートを行っています。

その結果、当連結会計年度におけるAIロボティクス・エンジニアリングの売上高は1,452,739千円(前連結会計年度比8.5%増)、売上総利益は498,527千円(前連結会計年度比1.5%減)となりました。

 

 

d. モビリティ・オートメーション

車載システムの設計・開発に関連する案件として、自動車業界、船舶業界などの製造業向けの製品開発支援は順調に推移しています。

自動車業界における製造開発支援は、メカ、エレキ、ソフトの総合的な技術知見を熟知したエンジニアが様々な開発支援をおこなってきております。CASEに代表されるサスティナブルな次世代自動車の開発支援も行っており、当該分野に関連する様々な受注を獲得しています。CASEのうちConnected分野では、IoTデバイスの開発、カーナビや操作パネルなどのコックピット全体のデザイン設計等を行っています。Autonomous分野は、より安全な運転を可能にするADASが注目されており、車両の状態や道路情報などをリアルタイムに分析し、最適な制御を判定して自動運転を実現するための製品開発の支援など、ADAS関連の案件も多く受注しています。Electric分野では、MBSEを用いたモーター制御開発、コンサルティングなどを行っています。

船舶業界における製造開発支援については、現在船舶業界で行われている、自動車業界における「CASE領域」に類似した取組みのうち、船舶の自動運転や電動化に関する製造開発支援を主に行っております。

ファクトリーオートメーションに関連する案件として、工場内の様々な機器がネットワークに繋がり、各種センサからの情報が自動で収集・蓄積され、可視化された情報の共有が工場内、各事業所などの遠隔地でも可能となる、スマートファクトリーのソリューションを手掛けています。設計/製造現場のアナログ情報を、カメラやIoT技術を活用しデジタル化することにより可視化をすることで、設計/製造現場、オフィスや自宅などどこにいてもリアルタイムデータの閲覧や情報の共有が可能となります。

その結果、当連結会計年度におけるモビリティ・オートメーションの売上高は、3,917,398千円(前連結会計年度比7.7%増)、売上総利益は1,174,252千円(前連結会計年度比18.3%増)となりました。

(単位:千円)

サービス区分

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年

同期比(%)

クラウドコンサルティング

売上高

3,235,883

3,481,059

107.6

売上総利益

1,124,597

1,208,413

107.5

AIコンサルティング

売上高

647,529

735,260

113.5

売上総利益

255,798

299,450

117.1

AIロボティクス・エンジニアリング

売上高

1,339,411

1,452,739

108.5

売上総利益

505,997

498,527

98.5

モビリティ・オートメーション

売上高

3,636,424

3,917,398

107.7

売上総利益

992,333

1,174,252

118.3

合計

売上高

8,859,249

9,586,457

108.2

売上総利益

2,878,726

3,180,644

110.5

(注)各サービスの売上高及び売上総利益は、それぞれのサービスに帰属するプロジェクトの対象金額を集計したものです。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は9,586,457千円(前連結会計年度比8.2%増)、売上総利益は3,180,644千円(同10.5%増)となりました。

 

(営業利益)

 販売費及び一般管理費は1,381,482千円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。これは、主に給与手当502,004千円(前連結会計年度比6.2%増)、支払手数料157,781千円(前連結会計年度比18.8%増)等から構成されております。

 その結果、当連結会計年度における営業利益は1,799,161千円(前連結会計年度比15.1%増)となりました。

 

(経常利益)

 営業外収益は24,545千円となりました。これは、主に受取利息等から構成されています。

 営業外費用は3,632千円となりました。

 その結果、当連結会計年度における経常利益は1,820,074千円(前連結会計年度比14.5%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 特別損失は減損損失等により148,032千円となりました。また、法人税等合計は512,323千円となりました。

 その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,159,719千円(前連結会計年度比5.1%増)となりました。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されてお

ります。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える見積りを用いて

おります。これらの見積りについては、連結財務諸表作成時に入手可能な情報及び合理的な基準に基づき判断し

ておりますが、見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについ

ては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に

記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 資本の財源につきましては、財務の健全性や資本の効率性など当社グループにとって最適な資本構成を追求しながら、将来の成長のための内部留保の充実と株主の皆様への利益還元との最適なバランスを考え、安定した財源を維持することを基本としております。

 また、当社グループは、短期の運転資金や設備投資につきましては原則自己資金で賄うこととしております。また、大規模な設備投資や今後のM&Aなどを見据えた資金需要に関しては、金融機関からの長期借入で賄うこととします。なお、当連結会計年度末における金融機関からの借入金残高はありません。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上成長率、営業利益成長率、営業利益率を重視しております。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

 当社グループの事業内容は情報サービス関連事業のみであり、区分すべき事業セグメントは存在しません。従って報告セグメントも単一であるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自2022年4月1日 至2023年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:千円)

 

 

クラウドコンサルティング

AIコンサルティング

AIロボティクス・エンジニアリング

モビリティ・オートメーション

合計

外部顧客への
売上高

3,235,883

647,529

1,339,411

3,636,424

8,859,249

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

デンソーテクノ株式会社

2,097,945

(注)単一セグメントであるため、関連するセグメント名の記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:千円)

 

 

クラウドコンサルティング

AIコンサルティング

AIロボティクス・エンジニアリング

モビリティ・オートメーション

合計

外部顧客への
売上高

3,481,059

735,260

1,452,739

3,917,398

9,586,457

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

デンソーテクノ株式会社

2,137,761

(注)単一セグメントであるため、関連するセグメント名の記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自2022年4月1日 至2023年3月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)

 当社グループの事業内容は情報サービス関連事業のみであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。