2025年5月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境について

① 競合等の影響によるリスク

当社グループが属する不動産業界においては、大手企業を含む事業者が多数存在し、これらの事業者との競合が生じております。市況としては、令和5年度の全国の持家の新設住宅着工戸数は219,622戸(前年比11.5%減)、新設住宅着工床面積は 25,026千㎡(前年比12.9%減)、北海道の持家の新設住宅着工戸数は8,157戸(前年比14.1%減)、新設住宅着工床面積は957千㎡(前年比15.8%減)(出典:国土交通省 建築着工統計調査報告 令和5年度計)となっておりますが、同業他社においては、当社グループと比較して、資本力、ブランド力等に優れる企業が多数あり、これらの企業との競合等により想定どおりに業績が進捗する保証はなく、更に競合が激化した場合には、販売期間の長期化や値引販売による採算悪化等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、上記リスクに対して、営業エリアの拡大による事業規模の拡大を図り、特定の営業エリアに過度に集中することのないようリスク分散する方針としております。なお、当社グループの営業エリアにおける不動産市況や人口動態、景況感の変動は当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性がありますが、デザイン・設計力・高性能・適正価格等の強みを表現した商品、「注文住宅」×「土地の仲介」のワンストップ・プラットフォームによる当社グループの強みを最大限に生かして、競合他社との差別化を図ることにより対処してまいります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

② 建築コストについて

当社グループでは建物の建築やサービスの提供にあたり、主に木材、住宅用設備機器などを使用しております。2021年4月頃からの世界的なウッドショックの発生以降、建築コストは当初急激に上昇した後、その後は供給不安こそ後退したものの価格は高止まりしており、主要部材である木材のほかにも、金属類、諸資材、資材運搬費及び人件費等も高止まりしております。このような建築コストの上昇や建築コスト上昇に伴う調達困難といった事態が生じるリスクがあります。これらのリスクの発生により、コストダウンや販売価格へ転嫁又は見直し等が難しい場合や建物の完成・引渡しの遅延が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループでは2023年5月期にウッドショック、円安、原油価格の高騰等により資材及び外注費が高騰した影響で赤字になったことを踏まえ、現在は申込を獲得した物件の状況を月次でアップデートし、利益率の状況・変動・推移を可視化し、且つその精度向上に日々努めております。月次の物件状況及び取引業者からの情報収集を以って、早めに原材料の値上げの可能性を察知することに努め、値上げの可能性が判明した場合は、値上げ又は販売費及び一般管理費の削減を含む対応策を検討・実行できる体制を整えております。

当社グループは、上記のリスクに対して、常に情報収集を行い、仕様の見直し、調達先の複数化・分散化、代替品の検討を行うことで資材等の調達リスクの低減を図っており、今後もリスク低減に努めてまいります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

③ 法的規制等について

当社グループは、事業運営上、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法、国土利用計画法等による法的規制を受けております。今後、これらの関連法令が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合、又は、これらの法令等の規制について遵守できなかった場合や新たな有資格者等の設置義務が発生する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループでは、上記リスクに対して、許認可等を受けるための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、今後も従業員に対する情報発信・研修等などの対策を継続してまいります。具体的には、リスク・コンプライアンス委員会を開催しているほか、入社時のフォローアップ研修に加え、入社後には四半期に一度全員に対して、eラーニング研修を実施しており、法令遵守、コンプライアンスに対しての教育を実施しております。

また、関連法令の改廃や新たな法的規制の設置等については、事前モニタリングを実施しており、施行日までに適切な対応ができる体制を構築しております。

なお、現状において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

(主要な許認可等の状況)

許認可等の名称

会社名

許認可(登録)番号/有効期限

法令違反の要件及び

主な許認可取消事由

建設業許可

株式会社ロゴスホーム

国土交通大臣許可(般-6)第27425号

2029年4月9日まで(5年毎の更新)

建設業法第29条

豊栄建設株式会社

北海道知事許可(特-6)石第24005号

2030年1月21日まで(5年毎の更新)

株式会社GALLERY HOUSE

栃木県知事許可(般-7)第22009号

2030年6月26日まで(5年毎の更新)

坂井建設株式会社

新潟県知事許可(特-5)第6427号

2028年5月28日まで(5年毎の更新)

宅地建物取引業者免許

株式会社ロゴスホーム

国土交通大臣(2)第9407号

2028年8月21日まで(5年毎の更新)

宅地建物取引業法第66条

豊栄建設株式会社

北海道知事石狩(1)第9017号

2026年3月1日まで(5年毎の更新)

株式会社GALLERY HOUSE

栃木県知事(1)第5242号

2025年12月21日まで(5年毎の更新)

坂井建設株式会社

新潟県知事許可(3)第5083号

2027年4月27日まで(5年毎の更新)

一級建築士事務所登録

株式会社ロゴスホーム

北海道知事登録(十)第385号

2028年8月31日まで(5年毎の更新)

建築士法第26条

坂井建設株式会社

新潟県知事登録(ヘ)第3516号

2028年5月24日まで(5年毎の更新)

二級建築士事務所登録

豊栄建設株式会社

北海道知事登録(石)第5235号

2029年10月21日まで(5年毎の更新)

株式会社GALLERY HOUSE

栃木県知事登録 B二第4202号

2030年2月23日まで(5年毎の更新)

 

 

④ 外注管理について

当社グループは、住宅の建築工事について、一定の技術水準を満たす建築工事業者を選定して発注しており、また、建築工事を実施する際は、当該業者と当社グループとの間で連絡を密に取り、コスト、品質及び工期を管理しております。しかしながら、今後において取扱い物件の増加や営業地域を拡大した場合又は建築工事業者の減少又は従事者の不足等によって当社グループの要求水準を満たす建築工事業者を確保できなかった場合や、適切なコントロールができず建築工事についてトラブル等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、既存の外注先からの紹介等の新規の外注先の確保に努める対応策をとっております。外注先の選定にあたっては、その経営状態、技術力、評判及び反社会的勢力との関係の有無などを調査しております。また、外注先に対する報告会等を開催することにより、当社グループの経営理念の共有及び安全・品質管理の徹底等に十分に留意しております。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑤ 安全管理・環境について

当社グループは、品質管理・現場の安全管理に万全を期しておりますが、建築・工事等の外注先や業務委託先、あるいは建築素材メーカーの製造過程等に起因する建築素材等に関わる重大な品質問題、労災事故及び想定されない瑕疵担保責任等が発生した場合には、当社グループの信用失墜や多額の損害賠償請求等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、施工管理を行う部署を中心に徹底した品質管理を行うことで品質の維持に努めており、販売後のクレーム等に関しましても、迅速かつ適切な対応ができる体制を構築しております。また、保証責任を十分履行するために完成工事補償引当金の計上や各種損害保険の付保を行っております。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

 

⑥ 土地仕入について

当社グループは、土地仕入について社内調査・検討・選別を行なった上で、基準に合致した物件を取得しておりますが、常に円滑な土地仕入が行なわれる保証はなく、土地仕入に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑦ 瑕疵担保責任について

当社グループは、チェックリストを用いて完了チェックを行い、品質管理に万全を期するとともに、アフターメンテナンス等を実施することによって、瑕疵発生リスクの軽減に努めておりますが、当社グループの販売した住宅に重大な瑕疵や契約不適合があるとされた場合には、その直接的な原因が当社グループ以外の責任によるものであっても当社グループは売主としてこれらの責任を負うことがあります。その結果、補償工事費の増加や信用力低下により、当社グループの業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑧ エリア展開について

当社グループの営業地域は、北海道を中心としたエリアに集中しております。当該地域において、地域経済の悪化や人口動態に変化が生じた場合又は台風や地震等の大規模災害による影響が発生した場合には、当該エリアにおける不動産市況等に影響が生じ、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループは、北海道のほか、既に東北と北関東に進出しております。既に進出しているエリアに近接する地域から事業エリア拡大を推進していく方針でありますが、新たな営業エリアにおける競合や業績が限定的であること等に起因して、当社グループの想定する事業拡大が実現出来ない可能性があり、営業拠点分散に伴う業務効率の悪化等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

⑨ 少子高齢化について

日本国内の人口・世帯数の減少は今後の住宅着工戸数にも大きな影響を与えると思われます。市場の縮小が予想される環境のなか、当社グループでは株式会社ロゴスホームの出店拡大戦略や宿泊体験可能なショールーム「北海道クラシアム」の活用、新規事業の拡大、全国の地場工務店のM&Aにより、市場シェアの拡大を目指します。

また、少子高齢化による職人不足への対策として、MCB工法による住宅の販売を推進して参ります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑩ 訴訟について

当社グループでは、現段階において業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、当社グループの販売する住宅、不動産において、契約不適合(瑕疵)等の発生、又は工事期間中における近隣からの様々なクレーム等が発生した場合、これらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。

当社グループでは、施工に対するお客様の満足度を高めるため、徹底した品質管理に努めておりますが、重大な訴訟等が発生した場合には、当該状況に対応するために多額の費用が発生するとともに、当社グループの信用を大きく毀損する恐れがあり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑪ カントリーリスクについて

当社グループでは、現在フィリピンに子会社を設置しております。当社にて同国の経済・社会・政治情勢及び法規制の動向について情報収集と対応の統括を行っておりますが、テロ活動、軍事クーデター、大規模な騒乱、法制度の大幅な変化等が生じた場合、一部の業務執行に影響が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 

(2) 事業体制について

① 資産について

当社グループは、不動産の仕入を行っており、常に一定規模の販売用不動産等を所有しております。総資産に占める販売用不動産及び仕掛販売用不動産の割合は、当連結会計年度末において22.5%となっております。

しかしながら、経済環境の変化等により、想定していた価格での販売が困難になる場合や予定どおりの販売が行えず在庫の保有期間が長期化することで評価損が発生する場合、値引きによる販売の実施に伴い利益が減少する場合や何らかの理由によって商品の引き渡しができなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、収益不動産の時価が著しく下落した場合、又は、住宅展示場の収益性が著しく低下した場合等には、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

現在、該当するような事象は発生しておりません。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

② 品質不良について

設計・施工等の不備が発生した場合には、当社グループの信用の失墜、想定外の費用の発生及び開発計画、運営計画の遅延が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、一定の信用力・技術力を有する第三者に建物の設計・施工業務等を発注し、その設計・施工における品質を確保するため、設計・施工業務等の発注先による法令遵守の徹底を図るとともに、発注者として施工状況の確認及び品質検査を実施しております。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

③ 人材確保及び育成について

当社グループは、従業員を『人財』として位置付けており、重要な経営資源として認識しております。さらなる企業成長を推し進めるうえで、優秀な『人財』の確保・育成は必要不可欠であると考えております。そうした『人財』が十分に確保できない場合、又は現在在籍している『人財』が流出する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、新卒・中途採用と幅広く採用活動を行い、当社グループの経営理念に共感していただける方々を積極的に採用し、プロフェッショナルな『人財』育成を強化することにより、従業員の能力・やりがいを向上させることで、事業規模拡大を支えられる『人財』の確保及び維持に努めてまいります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

④ 業績の季節変動について

当社グループの住宅事業においては、工事の着工から引渡までの期間が短い工事契約が多く、引渡時点で収益を計上する物件が大部分を占めており、また、第4四半期に物件の引渡が増加することから、売上高は第4四半期に集中する傾向にあります。そのため、販売計画の変更、販売動向の変化及び建設工事等の遅延による引渡時期の変更が生じることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、注文住宅の着工時期及び分譲住宅の引渡時期の平準化を図ることにより、季節的変動を抑制しております。

当連結会計年度における四半期ごとの売上高、売上総利益及び営業利益の推移は下記のとおりです。

 

 

第1四半期

(6月~8月)

第2四半期

(9月~11月)

第3四半期

(12月~2月)

第4四半期

(3月~5月)

当連結会計年度

売上高

(千円)

2,890,701

9,963,513

7,663,089

15,752,007

36,269,311

売上総利益

(千円)

415,649

1,611,787

1,535,711

2,744,496

6,307,644

営業利益又は営業損失(△)

(千円)

△776,479

192,697

72,233

998,814

487,266

 

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

 

⑤ 内部管理体制について

当社グループの持続的な成長のためには、コンプライアンス及びコーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識しております。また、業務の適正化、財務報告の信頼性及び各社内規程及び法令遵守を徹底することにより、内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しなかった場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑥ のれんの減損に関するリスク

 当社グループでは、2025年5月末時点の連結貸借対照表において、2,921,708千円ののれんを計上しております。

当社としては適切な事業計画とともに事業収益力強化に努めており、のれん対象資産の評価額は帳簿価額を十分に上回ると想定しており減損可能性は高くないと考えております。しかしながら、今後の事業計画との乖離等によって、のれん対象資産の評価額が帳簿価額より著しく下落した場合には、減損損失が計上され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

(3) その他について

① 政治・社会情勢・景気動向・制度について

当社グループが属する不動産業界は、景気動向、経済情勢、金利動向、地価の動向等に影響を受けやすい特性があり、これらの影響から購入者の需要動向が悪化した場合、取得価額と正味売却価額を比較し、正味売却価額が取得価額を下回っている場合には、商品評価損を計上することとしており、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

固定資産についても、将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行っておりますので、地価動向や景気動向によっては、固定資産の減損損失を計上することも予想され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、販売用不動産の販売状況などにおいて適時にモニタリングを行い、販売価格等の収支状況を把握し、適正価格の検証を行い、収益力の逓減を抑制するための対策を検討・実施しております。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

② 災害(火災・地震・台風・洪水・津波)について

火災・地震・台風等の大規模な自然災害の発生時には、被災した自社保有設備、建設現場、引渡し前の建物の損壊等の物的被害及び従業員等の被災による人的損害が発生する可能性があります。また、社会インフラの大規模な損壊で建設現場の資材・部材等の確保が困難になる可能性があります。これらの場合には、損壊等が発生した設備等の修復に加え、建物の点検や応急措置等の初動対応等により、多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらは自然災害であるため、リスクが顕在化する可能性の程度や業績への影響の程度を見積もることは困難ですが、当社グループでは、資材・部材等の備蓄の対策等を行っております。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

 

③ 感染症等について

2020年に急速に拡大した新型コロナウイルス感染症は、世界的な大流行に至り、日本を含む感染拡大国において出入国制限及び都市閉鎖、外出制限又は自粛要請等が行われ、企業活動だけではなく、日常生活にも大きな制約が発生しております。新型コロナウイルス感染症の拡大による最大の懸念は、当社グループの従業員及び家族の安全と健康が損なわれるだけでなく、各拠点における職場の労働安全衛生を担保することが困難となることにより、人的被害が発生する可能性があることです。また、労働安全衛生に加え、政府による移動制限処置等の影響を受けて職場環境へのアクセスが困難となり、従来どおりの業務が行えなくなる可能性もあります。新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動への影響については不確定要素が多く、状況変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、上記のリスクに対して、従業員に関しては集合形式の会議、研修、出張を極力リモート形式にすると共に、衛生管理の安全対策を施しております。また、営業活動に関してもWEBを活用した見学会、相談会などによる非対面型を推進しております。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

④ 情報管理について

当社グループは、事業活動により多種多様な個人情報をお預かりします。当社グループは、個人情報の取扱いに関して、「個人情報保護管理規程」を設け、体制整備を行っております。また、システム上においては、ファイル保管の厳重化、監視ソフトの導入、アクセス権限の制限等を行っており、個人情報以外の情報の取扱いも含めて情報管理全般にわたる体制強化を図っております。しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合は、当社グループの信用の失墜、賠償責任を課せられる可能性もあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、上記のリスクに対して、個人情報を含む情報の管理については、情報に応じた閲覧権限の設定、ID登録、外部侵入防止システムの採用及び持ち出し制限システムなどにより情報流出の防止を図っております。また、「特定個人情報等取扱規程」を定め、情報管理の知識及び意識の徹底を図ることにより情報漏えいリスクの低減に努めております。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑤ 特定人物への依存について

当社の代表取締役社長である池田雄一は、創業以来当社グループの事業に深く関与しており、豊富な経験と知識を有していることから、経営戦略の構築やその実行に際して極めて重要な役割を担っております。何らかの理由により当社の代表取締役社長である池田雄一の当社グループにおける業務執行が困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、後継者候補の育成を十分な時間をかけて計画的に行い、特定の個人に過度に依存しない経営体制の構築を進め役職員の質的レベルの向上に注力していく方針であります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑥ クレーム及び風評被害について

当社グループの事業は、その性質上、顧客から品質、サービス及び納期等に対する指摘・意見・不満等のクレームを受ける可能性があります。こうしたクレームの発生により顧客からの信頼が低下した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに対する否定的な意見や批評がマスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・拡散した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社グループの事業の展開、業績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、法令遵守、品質管理に努めるとともに、風評が生じる原因となるような行動を厳に慎むよう全社員への教育・研修・指導を行い、風評リスクの防止対策を実施しております。また、正確な事実に基づかない虚偽情報の流布につきましては、適宜のモニタリングを実施し、顧問弁護士等外部の専門家と緊密に連携することで、その拡散に対応するための体制を構築しております。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

 

⑦ 大株主について

本書提出日現在において、エンデバー・ユナイテッド株式会社が運営するエンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合によって株式数は1,987,452株、発行済株式総数の50.79%の株式を保有されております。なお、当社とエンデバー・ユナイテッド株式会社との間に営業上の取引関係はありません。エンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合は当社株式上場時において1,346,400株を売却しましたが、今後も一定程度の当社株式を保有する見込みとなっております。一般的にファンド等による株式の所有目的は、株式上場後に株式を売却の上キャピタルゲインを得ることにあたるため、将来的にファンド等が所有する株式の一部又は全部を売却することが想定されます。その場合、エンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合が当社株式の全てを売却するまで、短期的に株式の需給バランスの変動が生じる可能性があり、当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、独自性、自主性に基づき企業運営を行っております。本書提出日現在において当社の取締役である前田耕一は、当社株主であるエンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合を運営するエンデバー・ユナイテッド株式会社より派遣されておりますが、今後は当社株式の持分比率等も踏まえ当社グループの取締役の適切な退任時期を検討する方針であります。

(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑧ 当社株式の流動性について

株式会社東京証券取引所の定める上場維持基準は25.0%であるところ、当社の新規上場時における流通株式比率は、本募集、引受人の買取引受による売出し及び引受人に要請した当社指定先への売付け(親引け)を勘案した場合、当該上場維持基準に近接しております。

今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、既存株主への一部売出しの要請、新株予約権の行使による流通株式数の増加等により流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑨ 配当政策について

当社グループは、剰余金の配当につきましては、業績の推移を見据え、将来の事業の発展と財務基盤の強化のための内部留保とのバランスを保ちながら、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を実施することを基本方針としております。

各期の経営成績・財政状態・将来の事業展開等を総合的に勘案したうえで、DOE(株主資本配当率)5%を下限とし、連結配当性向30%を目標としております。

なお、業績が計画どおりに進展しない場合は配当を減少する、又は実施できない可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑩ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社役員、従業員又は当社子会社役員、従業員に対して、優秀な人材の確保・獲得及び経営参画意識の向上のためのインセンティブとして、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。

本書提出日の前月末現在、新株予約権による潜在株式数は217,573株であり、発行済株式総数3,913,348株に対する割合は5.6%となっておりますが、権利行使期間において段階的に行使が可能となる条件を付与することで、希薄化の影響が分散するようにしております。なお、新株予約権の詳細については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。

(発生可能性:中、発生時期:1年以内、影響度:中)

 

配当政策

3 【配当政策】

利益配分につきましては、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、業績の推移を見据え、経営体質及び財務基盤の強化のために必要な内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な配当を実施する方針であります。内部留保資金については、財務体質の強化と人員の拡充・育成をはじめとした収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に活用する方針であります。

毎事業年度における配当の回数についての基本的な方針は、期末配当の年1回としており、配当の決定機関は、会社法第459条第1項各号の規定に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。また、取締役会の決議により、毎年11月30日を基準日とする中間配当及びその他に基準日を定めて剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めております。

各期の経営成績・財政状態・将来の事業展開等を総合的に勘案した上で、DOE(株主資本配当率)5%を下限とし、連結配当性向30%を目標としております。

 

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は次のとおりです。

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2025年7月15日

取締役会

177,390

45.33