リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、(2)主要なリスクに記載したとおりです。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない、または重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、文中における将来に関する事項の記載は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものです。
(1)当社グループのリスク管理体制
当社グループは、リスク管理の基本方針および管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針および管理体制に基づき、全社横断的なリスク管理のため、代表取締役をリスク管理の最高責任者とし、リスク管理担当執行役員を委員長とするリスク管理委員会で管理を行っております。また、リスクが顕在化した場合でも、経営への影響を最小限に食い止めるべく対応してまいります。
(2)主要なリスク
当社グループは、顕在化あるいは潜在しているリスクを各事業所から抽出・分類し、経営に与える影響度・発生可能性を基準に評価のうえ、優先して対策を打つべきリスクを選定し、リスク対策を実行しております。当社グループに影響を及ぼす可能性が有るリスクについて、リスクレベルに応じた対応を行い、リスクの発生を未然に防止し、万一発生した場合でも、経営への被害を最小限に食い止めるよう措置を講じています。優先して対策を打つべきリスクに加え、当社グループに重要な影響を与え得るリスクとして、ステークホルダーに開示すべきと判断したリスクを記載しております。
①精製糖への依存と精製糖消費量減少・農業政策等に関するもの
当社グループは、売上収益の約8~9割をSugarセグメントが占めており、その主力製品は精製糖です。そのため業績は、精製糖業界を取り巻く環境の変化を受けやすい構造にあります。精製糖業界は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」等の適用を受けており、政府の農業政策および国際経済協定の影響を受けます。また、国内の精製糖消費量は、減少傾向にあります。当社は政府の農業政策に関する情報に対し随時慎重に対応を進め、原価低減に努めるとともに、精製糖事業以外の事業領域へ進出し、精製糖事業への依存度を低下させてまいりますが、政府の農業政策の変更および精製糖消費量減少の進行は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②新規事業領域への進出に関するもの
当社グループは、既存事業において堅実にキャッシュ・フローを創出しつつ、成長への投資を行うことを通じ、変化する事業環境に対応し、ステークホルダーへの信頼に永続的に応えるよう努めております。しかし、投資には不確実性があることから、当社においては投資審査委員会、経営会議および取締役会において、慎重に審査を実施しておりますものの、事業環境の変化その他の理由により、所期の利益をあげられない可能性があり、その場合には固定資産、のれんまたは投資の減損損失の計上を行い、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③食品の安全に関するもの
当社グループは、「食」と「健康」の両面で豊かな生活の実現に貢献するため、「糖のチカラと可能性を切り拓き“Well-being”を実現する」ことをPurpose(存在意義)として掲げており、食品の安全性向上のため品質保証体制を確立し、品質不良を発生させない仕組みを構築しております。しかし、特に近年の食品業界においては、食の安全に関わる問題が数多く発生しており、当社グループの取組みの想定を超える、予測できない原因により品質問題が発生するリスクは完全に排除できないため、製品不良による製品回収、損害賠償の発生、社会的評価の毀損等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④医薬品の安全に関するもの
当社グループのツキオカフィルム製薬株式会社は、医薬品に関わる素材を取り扱っており、製品の安全性には万全を期しておりますものの、何らかの原因で製品の安全性、品質および副作用に懸念が発生した場合、製品回収、損害賠償の発生、社会的評価の毀損等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤原材料の高騰に関するもの
精製糖の原料である輸入粗糖やその製造過程で使用されるエネルギー・資材は、海外商品市況と為替相場の影響を受けて価格が変動します。製品の販売価格は、これらの市況に従って変動する傾向にありますが、昨今の地政学リスクの急激な高まりを背景とした価格競争、世界的な需給バランスの変動、投機的な相場変動による価格高騰等により、原材料価格の上昇の一部または全部を製品価格に転嫁できない状態が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥災害・感染症等に関するもの
当社グループは、災害や事故に備えたリスク管理を実施しております。従業員の安全・健康を経営の基盤ととらえ、法令を遵守し、安全で働きやすい環境を整えるべく活動を行うとともに、重要な事業拠点については、合同で地震・台風等の災害に備えたBCP訓練を定期的に実施しております。しかし、電力・ガス・水等のライフラインに問題が生じた場合には、生産や物流機能に支障が生じ、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、大規模な感染症の蔓延による消費低迷やサプライチェーンの混乱、フィットネス事業における店舗の一時閉鎖や利用客減少による影響、ならびに従業員や取引先への感染等による事業活動全般への影響が、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦火災事故・設備トラブルに関するもの
当社グループは、安全管理を徹底しており、火災や爆発といった重大な事故を起こさないよう定期的な設備点検ならびに保守管理の教育、災害対策訓練を実施しております。しかし、設備・機械の老朽化や放火等を起因とした、復旧に時間を要す予期せぬ事故が発生した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧情報システムに関するもの
当社グループは、生産、販売、管理等の業務において情報システムを活用し、業務の効率化およびデータの管理を行っています。サイバーセキュリティならびにデータセキュリティの確保については、経済産業省が公表する「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」や関連法令に準拠し、多層的な対策を講じてシステムの構築・運用を行っています。しかし、当社グループの取組みの想定を超える事態が発生した場合には、情報システムの障害や情報漏洩などが生じ、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨環境に関するもの
当社グループは、気候変動が当社グループの事業に与えるリスクおよび機会を考察し、その結果を用いて、グループ全体で地球環境への負荷を低減した事業活動を行います。しかし、環境対策の対応不足が生じた場合には、環境に配慮しない製品の排除などにより、当社グループの企業価値に影響を及ぼす可能性があります。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(気候変動関連)(2)戦略」に記載しています。
⑩人材確保に関するもの
当社グループは、多様な人材に「選ばれる企業」であり続けることが、当社グループの持続的成長にとって極めて重要と認識し、採用状況の改善と従業員のケア、離職防止対策などの労働環境の最適化に努め、優秀な人材の確保に注力しております。しかし、人材獲得競争が想定以上に激化した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(人的資本関係)(1)戦略」に記載しています。
⑪コンプライアンスに関するもの
当社グループは、法令や社会規範等を遵守するために、コンプライアンス委員会による継続したコンプライアンス教育・研修等の取り組みを通じて、役職員のコンプライアンス意識の向上に努めております。しかし、コンプライアンス意識の欠如による法令や社会規範等に反した行為が発生した場合には、法令による処罰や許認可の取消、訴訟の提起やお客様をはじめとしたステークホルダーからの信頼を失うことに繋がり、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、「資本政策の基本的な方針」において、中長期的に親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)向上を図り、成長投資と株主還元の充実を両立させることとしています。利益配分については、連結配当性向(DPR)60%、または親会社所有者帰属持分配当率(DOE)3%のいずれか大きい額を基準に配当を行います。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としています。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。
当期の配当金については、上記方針に基づき1株当たり年間配当金額は102円とし、1株当たり期末配当金額は、2024年12月に実施した1株当たり中間配当金額46円を差し引いた56円としました。なお、1株当たり配当金の計算において、自己株式数に株式需給緩衝信託®が保有する当社株式を含めていません。
算定式の詳細は以下に記載のとおりです。
[1株当たり年間配当金額の算定式]
連結配当性向(DPR)60%基準
期末基本的1株当たり連結当期利益169.67円の60%=102円(1円未満切上げ)
親会社所有者帰属持分配当率(DOE)3%基準
期末1株当たり親会社所有者帰属持分2,222.34円の3%=67円(1円未満切上げ)
連結配当性向(DPR)60%基準102円の方が大きいため、102円を1株当たり年間配当金額としました。
この結果、当期の配当性向(連結)は60.0%となりました。
内部留保金につきましては、Sugarセグメントにおける業務効率化・生産性向上のための設備投資やIT投資およびFood&Wellnessセグメントにおける食品関連分野の事業領域拡大のための投資などに有効活用し、企業価値向上に努めます。
当社は、毎年9月30日を基準日として、取締役会の決議によって、会社法第454条第5項に定める中間配当をすることができる旨を定款に定めています。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年11月7日 |
1,507 |
46 |
取締役会決議 |
||
2025年6月26日 |
1,836 |
56 |
定時株主総会決議(予定) |