事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 5,660 | 100.0 | 554 | 100.0 | 9.8 |
事業内容
3【事業の内容】
(1)アウトソーシング事業
当社は、大手メーカーを中心とした顧客企業に対して、その開発パートナーとして技術、設計、開発、生産技術部門等での機械設計、電子設計、ソフト開発の技術サービスを提供するアウトソーシング事業を展開しております。当社の提供するサービスは、従業員である技術者が担っております。顧客企業内で行われる設計・開発業務への派遣、または顧客から設計・開発等の業務を請負うことにより提供しております。現在は東北、関東、中部、関西、九州地区に拠点を設置しております。
当社の事業の主要顧客はメーカーであり、顧客企業の事業区分別に見ると下表のとおりであります。
顧客企業の事業区分 |
当社の行う設計・開発の内容 |
① 輸送用機器関連 |
自動車(ボディ、シャーシ、エンジン、各種内外装品など)、車載 用製品(カーエアコン、カーナビゲーション、エンジン制御装置・ 各種電子、制御装置など)、航空機、船舶など |
② 機械関連 |
半導体製造装置、サービス用機器、アミューズメント機器、産業 用ロボットなど |
③ 情報通信・精密機器関連 |
AV機器(液晶テレビ、プロジェクターなど)、携帯電話、プリンター、タブレットPC、医療機器など |
④ 電気電子機器・半導体回路関連 |
IoT機器(調理機器、洗濯機など)、ドローン、デジタルカメラ、電動工具、センサー、LSIなど |
⑤ 情報処理・ソフトウエア関連 |
通信システム(5Gなど)、自動運転システム(画像認識など)、AI、医療検査システム、制御システムなど |
(2)顧客企業との契約
メーカーが主な顧客であり、顧客企業の技術部、開発部、設計部、生産技術部など物づくり、技術の中枢である部門が取引先窓口となり、設計開発業務を派遣契約で行う場合と業務請負(委託)契約で行う場合があります。その契約については以下のとおりであります。
①労働者派遣契約
当社は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」という。)に規定される「労働者派遣事業」を行っております。
当社(派遣元事業主)が、自己の常用雇用する技術者(派遣労働者)を顧客企業(派遣先事業主)の指揮命令をうけて、この派遣先のために労働に従事させることであり、当社・顧客企業・技術者の関係を図示すると、以下のようになります。
②業務請負(委託)契約
業務請負(委託)契約による技術サービスの提供は、顧客企業(委託者)から設計・開発を請負い、設計・開発の成果を提供しているものであります。請負による場合は、当社が当社従業員に対し指揮・命令して設計・開発等を行っているものであります。
当社・顧客企業・技術者(従業員)の関係を図示すると、以下のようになります。
[事業系統図]
当社の事業を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
業績等の概要
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度において、製造業を中心とした顧客企業では、自動車、半導体、家電、製造装置など、いずれの業種においても製品開発への積極姿勢を維持しており、開発設計技術者の増員に向けた動きは活発でした。当社への技術者を求めるニーズも堅調に推移しました。
当社では、金沢営業所の開設や技術社員への新たな手当の導入などの施策を実施し、技術者のスキルアップと速やかな稼働のための新規顧客の開拓や、適正レートの確保に向けた交渉強化を推進しております。加えて技術者が安心して働いていける社員が中心となる会社づくりに努め、新卒及び中途技術者の採用強化を行っております。
このような状況のなか、技術者数の増加に加え早期稼働の推進によって新卒技術者を含めた稼働が進み、稼働人員は前年同期を上回りました。技術料金は技術者ニーズが更に高まるなかで、継続的なレートアップ交渉により前年同期を上回りました。稼働時間は前年同期と同水準となりました。
また、新たな手当の導入や賞与の増額など技術社員の待遇改善を実施したことで売上原価は増加し、売上原価率は前年同期と比べ1.1ポイント上昇しました。販売費及び一般管理費では技術者採用の促進に伴う費用が増加しましたが、その他経費の減少により全体では前年同期から微増に留まり、販管費率は前年同期に比べ0.4ポイント改善しました。
そして令和5年8月2日に当社創業者であり代表取締役会長兼社長であった田中吉武氏が逝去されたことに伴い、同氏に対する特別功労金を特別損失に計上し、役員退職慰労引当金に係る繰延税金資産の回収可能性の見直しを行いました。
これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(a)経営成績
当事業年度の売上高は5,600,130千円(前年同期比3.4%増)、売上原価は4,365,821千円(同4.9%増)、販売費及び一般管理費は740,131千円(同0.4%増)、営業利益は554,177千円(同4.1%減)、経常利益は550,939千円(同7.0%減)、当期純利益は388,586千円(同3.2%減)となりました。
(b)財政状態
(資産)
当事業年度末における流動資産合計は4,541,404千円となり、前事業年度末に比べ307,826千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が336,479千円増加、売掛金が29,171千円減少したことなどによるものであります。
固定資産合計は1,602,616千円となり、前事業年度末に比べ68,153千円増加いたしました。これは主に有形固定資産合計が4,570千円減少、無形固定資産合計が6,019千円減少、投資有価証券が4,078千円減少、繰延税金資産が82,151千円増加したことなどによるものであります。
この結果、資産合計は6,144,020千円となり、前事業年度末に比べ375,980千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債合計は1,635,621千円となり、前事業年度末に比べ135,040千円増加いたしました。これは主に未払金が58,503千円増加、未払費用が9,045千円増加、未払法人税等が5,762千円減少、預り金が44,531千円増加、賞与引当金が37,235千円増加、未払消費税等(その他)が8,954千円減少したことなどによるものであります。
固定負債合計は697,828千円となり、前事業年度末に比べ65,361千円増加いたしました。これは主に役員退職慰労引当金が66,309千円増加したことなどによるものであります。
この結果、負債合計は2,333,450千円となり、前事業年度末に比べ200,401千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は3,810,570千円となり、前事業年度末に比べ175,578千円増加いたしました。これは当期純利益388,586千円、剰余金の配当159,008千円、自己株式の取得54,000千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は62.0%(前事業年度末は63.0%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ336,479千円増加し、当事業年度末には3,755,526千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は549,417千円(前事業年度は344,756千円)となりました。これは主に税引前当期純利益494,417千円、役員退職慰労引当金の増減額の増加66,309千円、預り金の増減額の増加44,531千円、未払金の増減額の増加48,931千円、法人税等の支払額193,699千円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、得られた資金は1,706千円(前事業年度は△4,463千円)となりました。これは有形固定資産の取得による支出5,473千円、有形固定資産の売却による収入3,724千円、投資有価証券の売却による収入4,078千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は214,645千円(前事業年度は170,082千円)となりました。これは自己株式の取得による支出54,151千円、リース債務の返済による支出1,144千円、配当金の支払額159,349千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社の主たる業務であるアウトソーシング事業は、機械、電気・電子、ソフトウエアの設計開発などの技術提供サービス事業であり、提供するサービスの性格上、生産実績になじまないため、記載を省略しております。
(b)受注実績
当社のアウトソーシング事業はその形態から受注金額と販売金額がほぼ同等となるために、記載を省略しております。
(c)販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日) |
前年同期比 |
アウトソーシング事業 |
5,660,130千円 |
3.4% |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであり、将来に関する事項は不確実性を有しており、実際の結果と異なる可能性もありますのでご留意下さい。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
当社の当事業年度の経営成績については、売上高は5,600,130千円(前年同期比3.4%増)となりました。増加の主な要因は稼働人員の増加と技術料金の上昇です。稼働人員は技術者数の増加と高い稼働率の維持により増加しました。期末技術者数は新卒及び中途採用数の増加によって前年同期比1.9%増となり、通期稼働率は新卒入社数の増加が影響し94.1%(同1.1ポイント減)と前年同期からは低下したものの、高い稼働率を維持しました。また技術料金は、お客様に技術者の価値をしっかりと説明し、ご理解いただいた上での単価交渉が進捗したことで、前年同期比2.2%増となりました。
また新たな手当の導入や賞与の増額などの社員の待遇改善に取り組み、売上原価は4,365,821千円(同4.9%増)と例年よりも増加しました。
販売費及び一般管理費は、740,131千円(同0.4%増)となりました。前年同期から微増に留まり売上高比率は前年同期に比べ0.4ポイント改善しました。
営業利益は、売上原価増加の影響により554,177千円(同4.1%減)となり、経常利益は550,939千円(同7.0%減)となりました。当期純利益は令和5年8月2日に創業者であり代表取締役会長兼社長であった田中吉武氏が逝去されたことに伴い、同氏に対する特別功労金を特別損失に計上したものの、役員退職慰労引当金に係る繰延税金資産の回収可能性の見直しにより法人税等の税金費用が減少した影響もあり、388,586千円(同3.2%減)となりました。
(b)財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(c)経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては、景気動向や市場環境の変化、法的規制、同業他社等の様々なリスク要因があると認識しております。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(d)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、中長期的には社員数1,000名体制、経常利益率10%の目標を掲げております。当事業年度において、社員数は819名(前年同期比1.9%増)であり目標へ向けて新卒及び中途技術者の積極的な採用を継続してまいります。経常利益率は9.7%(同1.1ポイント減)となりました。今後も利益率の向上を目指してまいります。
なお、当社は技術者のための会社として更なるステップアップを図るため、次期を持続的成長を見据えた新しいステージへの挑戦の年と位置付けています。技術者と顧客に選ばれる強い会社、技術者のキャリア形成を支援する会社へ向け、これまで以上に人的資本投資の強化を図り、技術者価値、顧客価値、社会的価値の向上を目指してまいります。考える力と主体性を磨くプロの技術者教育や、個々キャリア形成を実現するための働きやすさの整備などへ投資を強化し、優秀な技術者の採用と技術サービスの質向上、そして技術を通じた社会貢献へとつなげてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
資本政策につきましては、内部留保の充実を図るとともに、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を実現させることと、株主様への利益還元を考慮し、実施していくこととしております。
当社の資金需要の主なものは、主たる事業であるアウトソーシング事業に係る人件費のほか、販売費及び一般管理費の採用費、人件費等の事業に係る運転資金であります。
当社は必要となった資金については、主として内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものを活用しておりますが、安定的な財源確保のため、金融機関からの資金調達は短期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は600,667千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,755,526千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
なお、当社の財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5[経理の状況]1[財務諸表等](1)[財務諸表]の[注記事項](重要な会計方針)」に記載しております。