2025年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

①顧客メーカーの業績等による影響について

当社の主要顧客はメーカーであり、その技術開発部門に対して技術サービスを提供しております。国内経済及び世界経済の景気が悪化し、顧客メーカーの業績低迷から、設計開発部門における開発費の削減や、アウトソース活用を抑制した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では新規開拓営業によって様々な業種や企業との取引先拡大を推進しており、年間約200社の顧客との取引実績を有しております。顧客との綿密なコミュニケーションなどから業種や企業毎の情報収集に注力し、状況に応じた戦略的な営業展開を図り、業績に及ぼす影響を最小限にとどめるよう努めております。

 

②法的規制について

当社の事業では、技術者派遣が主要事業となっており、「労働者派遣事業の適正な運用の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」という。)に基づいて事業を行っております。当社では関係法令の遵守に努め労働者派遣事業を行っておりますが、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当した場合や、関係法令に違反するような行為や事象が発生した場合には当該事業の停止を命じられ、事業が営めなくなるリスクがあります。

また、今後新たに法規制の緩和や改正などが行われた場合、当社の事業に不利な影響を及ぼすものであれば、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これまで施行された労働者派遣法の改正に対しては、必要な手続きと適切な対応を実施しております。今後も、管轄官庁からの情報を漏れなく収集し、適時適法に対応するよう努めてまいります。

 

③競合について

当社が属するアウトソーシング業界において、新規参入や業界規模の縮小などにより、業界内での企業間競争が激化し、同業他社の低価格戦略や取引先からの値下げ要請を受ける可能性もあります。当社は、提供する技術サービス品質の向上を図るほか、戦略的営業と技術教育の推進により、適正な収益を確保しつつ事業の拡大を図るべく努めておりますが、競争の激化により受注が十分に確保できない、又は技術料金の低下等が生じた場合には当社の業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。

なお、当該リスクが顕在化した場合の経営成績等の状況に与える影響の程度につきましては、技術料金は当社事業の重要な構成要素であり、売上高の減少及び利益率の低下が見込まれます。顕在化する可能性の程度は現時点では認識しておりませんが、技術教育の充実による技術者のスキルアップなど、技術サービス品質の向上を図るほか、技術スキルに応じた適正な配属、顧客との継続的な契約条件の交渉を図り、適正な収益を確保しつつ事業の拡大に努めております。

 

④技術者の確保について

当社の事業では、サービスを提供する技術者が重要な経営資源であり、優秀な技術者の確保が事業拡大の必要条件であります。経済環境や雇用環境の変化により、技術者の確保が十分に行えない場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当該リスクが顕在化した場合の経営成績等の状況に与える影響の程度は想定しておりません。日本の雇用情勢は長期的には少子高齢化による生産年齢人口(15歳~64歳)の減少が懸念されております。当社では、安定して優秀な人材を採用できるよう、時代に合わせた丁寧な採用活動を行い、技術者第一の会社作りを進めてきた当社の魅力をしっかりと伝えることで、優秀な人材の採用に努めております。また、技術者が生涯技術者として働きやすい環境の整備を継続的に推進し、定着率向上にも努めております。

⑤機密情報や個人情報の情報管理について

当社がサービスを提供するにあたり、顧客企業における機密性の高い情報や、数多くの顧客情報・個人情報を有しております。そのため、当社では全社員に情報管理の重要性を認識させるため指導・教育を行っており、情報の管理・取扱いには細心の注意を払い、厳正な管理に努めております。しかしながら、何らかの事由により、万一機密情報の漏えいが発生した場合、当社の社会的信用への影響や、その対応による多額の費用が発生する恐れがあります。これまでにそのような事実が発生したことはありませんが、発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

なお、当該リスクが顕在化した場合の経営成績等の状況に与える影響の程度は想定しておりません。顕在化する可能性の程度は現時点では認識しておりませんが、時代に即した機密情報管理ルールへの更新や社員への機密情報管理教育の徹底、情報システム管理の強化に力をいれ、機密情報の漏洩を未然に防ぐ体制の構築に努めております。

 

⑥取引先業種の偏りについて

当社の顧客企業毎の業種別売上高をみると、自動車を中心とした輸送用機器業界への売上高構成比が高く、依存度の高い業界が不振となるなどの場合には、当社の業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。当社では、新規開拓営業などによって幅広い業種や企業との取引先拡大を推進しており、輸送用機器業界への売上高構成比は、令和5年3月期は30.7%、令和6年3月期は31.8%、令和7年3月期は32.3%と推移しております。なお、顕在化する可能性の程度は現時点では認識しておりませんが、全国に展開する営業所や事業部間の連携を強めた営業展開を推進し、新規開拓営業を中心とした幅広い業種への営業活動を行い、業種の偏りの緩和に取り組んでおります。

 

⑦自然災害等について

予期せぬ地震等の自然災害や事故、感染症の蔓延等により、当社や顧客企業において事業活動の停止などの被害が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

なお、当該リスクが顕在化した場合、経営成績等の状況に与える影響の程度は災害規模等により想定することは困難ですが、売上高の逸失につながる可能性があります。顕在化する可能性の程度は現時点では認識しておりませんが、当社では社員の安否確認体制の構築、定期的な備蓄品の補充や更新、全社員への防災備蓄品の配布、重要データのバックアップ、テレワーク対応など緊急時における社内体制の整備に取り組み、業績への影響の低減に努めております。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、利益配分の基本方針として、財務の健全性と企業価値向上へ向けた成長投資のバランスを考慮しつつ、株主の皆様への安定的な配当を継続していくこととしております。

配当政策につきましては、配当性向50%を目安とし、着実な事業成長とともに累進的配当を目指してまいります。

 当社の剰余金の配当は、年1回の期末配当を基本的な方針としており、期末配当の決定機関は株主総会であります。

 当期の剰余金の配当につきましては、継続的な安定配当の基本方針のもとに、令和7年6月27日の定時株主総会により、配当金の総額の209,800,314円、1株当たり54円を実施する予定であります。

 当期の内部留保金につきましては、今後の経営環境の変化等に対応すべく、市場ニーズに応える技術力や技術サービスの質の向上等、当社の永続的成長を図るために活用してまいりたいと考えております。
 なお、当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対し、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当をすることができる。」旨、定款で定めております。