人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数880名(単体) 8,894名(連結)
-
平均年齢34.9歳(単体)
-
平均勤続年数7.7年(単体)
-
平均年収6,289,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年5月31日現在
(注) 1 従業員数は全連結会社の就業人員の合計であり、臨時従業員数は年間の平均人員を括弧内に外数で記載しております。
2 前連結会計年度末に比べ従業員数が1,107名減少しております。これは主に前連結会計年度末においてアウトソーシングを担っていた株式会社ベネフィット・ワン及び同社の子会社等を連結の範囲から除外したためであります。また、地方創生・観光ソリューションにおいて、一部子会社のセグメント区分を見直したため、前連結会計年度末に比べ従業員数が130名、臨時従業員が131名増加しております。
3 当連結会計年度の期首よりセグメント区分を見直したため、グローバルソリューション(海外人材サービス)を独立掲記しております。
(2) 提出会社の状況
2025年5月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を括弧内に外数で記載しております。前事業年度末に比べ従業員数が110名増加しておりますが、これは主に新入社員の採用数増加によるものです。
なお、当社では新入社員のグループ一括採用を行っております。
2 平均勤続年数の算出にあたっては、当社連結子会社からの転籍者については当該会社の勤続年数を通算しております。
3 平均年間給与は、入社1年以上の従業員を対象に、賞与及び基準外賃金を含めて算出しております。
(3) 労働組合の状況
特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
当社グループは1976年の創業以来、年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、誰もが夢や誇りをもって、自由に才能を生かして活躍できる社会の実現に向けて取り組んでまいりました。社内においても、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮できる多様な働き方の提案やキャリア構築の支援をはじめ、安心して働くことのできる職場環境づくりを推進しております。
そのため、性別に関わらず同一の人事制度を適用しており、評価や昇格及び給与水準において共通の制度としております。賃金に関しても、給与規程や賃金項目において性差はなく、同等の資格レベルであれば、人事制度上、男女で賃金差異が生じることはありません。
提出会社及び連結子会社 (注)1
(注) 1 それぞれの対象期間は、以下のとおりです。
・管理職に占める女性労働者の割合
対象期間: 2025年5月31日時点 *は2025年3月31日時点
・男性労働者の育児休業取得率、男女の賃金差異
対象期間: 2024年6月1日~2025年5月31日 *は2024年4月1日~2025年3月31日
算定に該当する従業員が在籍していない場合、「-」と表記しています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4 男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を算出しております。
・賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当等を除く
・正規雇用労働者:執行役員、正社員(時短勤務者、週3日以上の勤務者を含む)
・パート・有期労働者:有期契約社員、嘱託社員、パートタイム等、派遣スタッフ
短時間勤務制度を利用する女性比率が高いこと、管理職を含む上位の等級における男性の比率が高いこと等により、男女一人当たりの賃金に差が生じております。
またパート・有期労働者においても、男女間における給与制度上の差はありませんが、職種や職務内容等が異なるため、平均給与に差が生じております。
5 ビーウィズ株式会社は東京証券取引所プライム市場の上場会社であるため、詳細は同社提出の有価証券報告書をご参照ください。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「社会の問題点を解決する」を企業理念に、サステナブルな社会の実現を目指して事業活動に取り組むとともに、当社グループの持続的な成長に向けてサステナビリティ経営を推進しております。サステナビリティに取り組む意義や目指す未来の姿を明確化するために「Sustainability Policy」として明文化し、グループの共通認識としております。ESG・サステナビリティに関する取り組み詳細については、当社ホームページをご参照ください。(URL https://www.pasonagroup.co.jp/ir/esg/)
(1) ガバナンス及びリスク管理
当社グループでは、社内の各種会議・委員会・部門がサステナビリティ経営を推進する役割を担っております。気候変動課題については、「環境経営戦略会議」において当社グループの環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定し、当該方針をもとに「環境マネジメント推進委員会」がグループ各社・各部門に対して実効的なアクションプランを推進しております。人的資本については、グループ人事部門にてグループ全体の人事領域における重要課題に関する議論と取り組みの推進を行っております。サステナビリティに関する重要な事項については、各会議・委員会が取締役会または経営会議に報告し、必要に応じてそれぞれが適切な助言を行うことで、モニタリングを実施しております。
当社グループでは、気候変動によるリスクのほか、経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。
サステナビリティ全般における各種リスクは社内の各種会議・委員会において、関連する法規制や事業に影響を及ぼす事案を特定し、その対応を議論したうえで、リスクマネジメント委員会で全体のリスクマネジメントプロセスに統合しております。また、その内容については定期的に取締役会に報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。
(2) ESG・サステナビリティ経営
① 持続可能な地球環境への取り組み
当社グループは、政府主導の「チーム・マイナス6%」プロジェクトが開始された2005年より、グループ各社の役職員で構成する「環境委員会」を設置いたしました。以来、将来を担う次の世代に健全で美しい地球環境を残すため、あらゆる場面で限りある資源を大切にし、企業活動を通して環境保全活動に努めてまいりました。
近年、世界レベルでの地球温暖化、異常気象、生態系の破壊などの環境破壊が深刻化する中、ソーシャルソリューションカンパニーとして、当社グループが目指すサステナブル経営のあり方を発信し、社会から信頼されるロングセラーカンパニーであり続けるために、2021年に「パソナグループ環境イノベーション戦略」を策定し、同年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明いたしました。さらに「環境マネジメント推進委員会」も発足し、気候変動シナリオ分析及び気候変動によるリスクと機会における事業インパクトの明確化を実施いたしました。また、2023年には「環境経営戦略会議」を発足し、環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定しております。
a. CO2排出削減に向けた主な取り組み
グループ全体でCO2排出削減に向けて、積極的な省エネ活動を推進しております。社有車は電気自動車やハイブリッド自動車へ切り替えを行っているほか、デジタル化推進によるペーパレス化に取り組んでおります。また、当社グループが使用する施設では再生可能エネルギー由来の電力への切り替えを進めており、2025年5月期は兵庫県淡路島のオフィス、レストラン、カフェ、アニメパーク等の32施設で、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギー由来の電力を使用しております。さらに兵庫県淡路島では、飲食施設から出る食品残渣を回収して堆肥にする大型コンポスターを導入し、現在島内9施設からの廃棄物を回収しており、月間約500kgの堆肥を生成しております。廃棄物の排出削減に取り組みながら、焼却処分によるCO2排出量を削減する循環型の資源利用を行っております。
b. 環境保全の取り組み
グループ全体の環境問題への意識の向上と行動変容を促すことを目的に、社内外の専門家を招いた勉強会を開催し、2025年5月期は全国の役職員約3,300名が参加いたしました。また、環境保全に対する取り組みとして、全国各地域で清掃活動や植樹・育樹を通じた里山保全活動のほか、国連で採択されたアースデー(4月)とWorld Clean Up Day(9月)に合わせて環境美化活動等を推進し、地域ごとに活動を行っております。こうした環境保全活動を2025年5月期は国内外で276件実施し、延べ6,788名の従業員及び関係者が参加いたしました。
また、2024年4月に株式会社パソナの本社オフィスにおいて、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO 14001:2015」認証を取得し、自主的な環境保全への取り組みを促進しています。
c. 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応
〇ガバナンス
環境経営戦略会議は、当社グループの環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定いたします。当該方針をもとに、環境マネジメント推進委員会が各部門・各グループ会社に対して実効的なアクションプランを推進するとともに、社員一人ひとりの環境に対する意識醸成を図るための環境教育を実施しております。リスクマネジメント委員会では、気候変動のリスクマネジメントに関する事項についての審議を行い、内部監査部門は各部門や関係会社に対する環境監査を実施しております。取締役会は、気候変動に関する重要な事項について、環境経営戦略会議から報告を受け適切な助言を行うことで、モニタリングを行っております。
〇戦略
当社グループでは、複数の気候変動シナリオ(1.5~2℃と4℃)に基づき、2030年におけるリスクと機会を分析しました。シナリオ分析においては、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)や国際エネルギー機関IEA(International Energy Agency)、環境省等が発行するレポートを参照しています。シナリオ分析における分析プロセスと特定した主要なリスク・機会は以下のとおりです。
特定したリスク・機会について、具体的なシナリオを描き、事業への財務的影響を定量的かつ定性的に検証した結果、当社グループが、今回のシナリオ分析を経て特定した主要なリスク・機会とその対応方針は以下のとおりで、事業に影響を及ぼす重大なリスクは特定されませんでした。今後も継続的に評価の見直しと情報開示の充実を進めてまいります。
〇戦略(機会)
国内外において脱炭素に向けた動きが加速し、特に上場企業においては、気候関連財務情報の開示や、サプライチェーンも含めたカーボンニュートラルの実現を目指した対応が求められています。しかしながら、多くの企業ではCO2排出量可視化のノウハウはもとより、それに伴う煩雑な作業を行うリソースが不足しているのが現状です。また、従業員へのSDGs教育も課題のひとつとなっています。
当社グループでは、気候変動に伴うリスク等の情報開示やCO2排出量の削減など、GX(グリーン・トランスフォーメーション)を目指す企業・自治体等に対して、各種コンサルティングやBPOなど、環境経営を支援する多様なサービスを展開しております。
環境経営支援、サステナビリティ人材の育成
株式会社パソナサステナビリティは、CO2排出量の可視化や使用電力の算定に係るBPOサービス、脱炭素経営に向けた戦略策定を行う環境経営支援サービスを提供しております。また人的資本データの収集や人的資本経営に向けたコンサルティング等の人的資本経営支援のほか、サステナビリティ人材を育成する研修プログラムの提供など、企業のサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の推進を支援しております。
プロフェッショナル人材によるサステナブル経営支援
株式会社パソナJOB HUBでは、各領域に精通したプロフェッショナルである顧問人材が、サステナブル経営を推進するためのSDGs・ESG経営戦略の策定、サーキュラーエコノミー事業戦略の立案、循環型サプライチェーン・ビジネスモデル構築などを支援いたします。
環境負荷を低減する省エネコンサルティングサービス
株式会社パソナ日本総務部の「省エネコンサルティングサービス」では、企業の環境課題の解決に向けて、施設管理の専門知識を活かし、CO2排出量の見える化から脱炭素に向けた取り組みまでトータルにサポートいたします。省エネ簡易診断の結果をもとに詳細な分析を行い改善対策を立案し、その効果を試算するとともに、課題の解決に向けた具体的な施策の実行を支援いたします。
共創・循環・多様性を学ぶサステナブル研修プログラム
株式会社パソナ農援隊では、企業・団体・学校法人に向けて、食の安全や自然環境など「SDGs」について学べる研修プログラムを兵庫県淡路島で開講しております。土づくり、食の安全性や生産過程を学ぶ農業体験や、耕作放棄地の課題や脱プラスチック素材を学ぶ座学研修を実施し、2025年5月期は約5,900名が参加しております。
〇リスク管理
当社グループでは、経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。
気候変動によるリスクは、環境経営戦略会議において、関連する法規制や事業に影響を及ぼす自然災害を特定し、気候変動への対応を議論したうえで、リスクマネジメント委員会で全体のリスクマネジメントプロセスに統合しております。また、その内容については定期的に取締役会に報告し、対応状況の把握と進捗の管理、見直しを実施することで、気候変動リスクに対するマネジメント体制を構築しております。
〇指標及び目標
当社グループは、事業活動に伴う温室効果ガスの排出量を算出・測定するとともに、削減目標として「2030年度 カーボンニュートラル達成(※)」を設定しております。当社グループのオフィス及び運営する施設においては、再生可能性エネルギー由来の電力を積極的に利用しているほか、社用車においても電気自動車やハイブリッド自動車への切り換えを行っております。
(※)当社グループの事業活動に伴う温室効果ガス排出量の「スコープ1」「スコープ2」が対象
事業活動に伴う温室効果ガスの排出実績は以下のとおりです。(単位: t-CO2)
(注) 1 当社グループの範囲は、当社単体の実績及び連結売上高に占める割合の大きい連結会社11社の実績
2 スコープ3は、カテゴリ1、2、3、4、5、6、7、8における排出量
3 集計方法の精緻化に伴い、実績値は変動する可能性があります
②人的資本への取り組み
当社グループは1976年の創業以来、年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、誰もが夢や誇りをもって、自由に才能を生かして活躍できる社会の実現に向けて取り組んでまいりました。社内においても、従業員一人ひとりの能力を最大化する多様な働き方の提案やキャリア構築の支援をはじめ、安心して働くことのできる職場環境づくりを推進することで、当社グループの持続的な発展・価値向上につなげております。
<人材育成方針 及び 社内環境整備方針、指標及び目標>
当社グループの仕事は「人を活かす」こと。すなわち、人々の心豊かな生活の創造「ライフプロデュース」です。その役割を果たすため、「自分の未来は自分で創る」という人材育成方針のもと、従業員一人ひとりが高い志と使命感を持ち、果敢に挑戦し続けることができるよう、才能・能力の発揮を後押しする多様な人事制度・施策を整備し、従業員の自律的なキャリア構築を支援しております。
中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」に基づき、重点戦略を実現する人財戦略として、以下の3つの柱「未来をともに創る人財の発掘」「新たな価値を生み出す人財の育成」「多様な人財が活躍できる環境づくり」を掲げ、従業員の成長を後押しすることで、当社グループの成長はもちろんのこと、持続可能な社会の実現に貢献できる人材の育成を推進しております。
また、創業以来変わらぬ企業理念のもと、パソナグループの芯を示す「Pasona Way」を行動指針として、創業の精神を継承し、常にぶれない判断の軸としています。毎年、「Pasona Way Week」として創業記念日の2月16日から2ヶ月間を強化月間として、パソナグループの果たす役割とは何か、当社グループの事業の歴史を振り返るとともに、フィロソフィをテーマにディスカッションや一人ひとりの行動目標設定を行うなど、全役職員がフィロソフィを共有しております。
〇女性活躍推進
「家庭の主婦の再就職を応援したい」という想いから創業した当社グループでは、性別による格差のない社会の実現を目指して、創業当時より全員が総合職として入社し、男女の隔たりのない人材育成や適材適所の人員配置を実践してまいりました。出産、子育て、介護などのライフステージの節目においても従業員が活躍できるよう、1990年代より「在宅勤務」「短時間勤務」「フレックスタイム」などの柔軟な勤務制度を整備。現在、南青山オフィス内に事業所内保育所を設置し、兵庫県淡路島のパソナファミリーオフィスでは従業員が子供と同じ空間で働ける環境を整備しております。女性の人材育成・キャリア形成支援においては、2014年にスタートした次世代女性リーダー育成プログラム「ワンダーウーマン研修」の修了者のうち3名がグループ会社の社長、24名が執行役員、14名が副役員、54名が上位責任者に昇格するなど成果を上げております。
これらの活動により、従業員全体に占める女性の割合は53.9%、全管理職に占める女性の割合は50.2%、取締役及び執行役員に占める女性の割合は26.8%と、多数の女性管理職・女性役員を輩出しております。また、男性の育児休業取得率は77.1%、平均取得日数は86.1日となっており、社内周知や情報発信の強化等、更なる育児参画促進に向けて施策の改善・拡充を行い、性別に関わらず仕事と育児を両立できる環境の実現を目指してまいります。
〇多様な国籍の人材の活躍
当社グループでは、国内外51カ国・地域、約1,000名の外国籍の従業員が活躍しており、国内連結子会社の従業員における外国籍人材の割合は2.6%(海外連結子会社を含む場合は8.9%)となっております。多様な価値観をもつ多様な国籍の人材が交流し、適材適所に配属、登用され活躍することで、事業における変化への対応力、新たな発想力につながっております。
また2017年から開始した、新たな産業の創造や地方創生の実現を目指す人材育成プログラム「Awaji Youth Federation」ではこれまで、世界50カ国・地域から118名の優秀な若者や社会起業家を受入れており、多様な価値観と知識・経験をもったグローバル人材がプログラム修了後も淡路島において、地域課題解決のための新たなイノベーション創出に取り組んでおります。
2025年5月期は、各国の政府や国連大学をはじめとする教育機関等、新たに6団体とMOU(Memorandum of Understanding)を締結し、日本における就労機会の創出、地方創生を推進する人材育成等を行っております。また、国内外の大学等教育機関より9か国49名の外国籍留学生を東京・淡路島にてインターン生として受け入れ、キャリア構築の機会を提供しております。
〇エンターテインメント人材・アスリート人材のキャリア両立支援
〇ミドル・シニア人材の活躍推進
当社グループでは、1980年代から豊富な経験や能力を持つシニア層に向けて、新たな雇用インフラの創造や能力開発支援を推進してまいりました。現在、当社グループでは60歳定年からの再雇用率は100%、60歳以上の従業員1,000名以上、うち65歳以上の社員は500名以上と、多くのシニア人材が活躍しております。
シニア人材が長くイキイキと活躍できる環境づくりを推進することが、企業の更なる成長につながると考え、40代・50代の従業員を対象に、自身の価値観や可能性を再認識し、今後のキャリアや生き方についてデザインする「キャリアディスカバリープログラム」を実施するなど、総合的かつ継続的なキャリア形成に向けて支援しています。さらに人生100年時代の到来で長期化する職業人生をより豊かにしていくため、従業員がキャリアの棚卸をする中でリカレント教育が必要な場合、費用補助や休職取得などの支援が受けられる福利厚生制度も整備しております。
対外的には、これまでのノウハウを活かし、2021年よりミドル・シニアを含めあらゆる世代の自律的なキャリア形成支援を行う「セーフプレースメント・トータルサービス」(導入企業 約930社)を、また2022年より個人のキャリア・ライフプランに合った学びの場を提供するリスキリングプログラム「パソナリカレント」(講座数 約2,100講座、受講者 約3,500名)を提供しております。
〇‟複線的なキャリア構築”を支援する「ハイブリッドキャリアプログラム」
社会の環境変化に臨機応変に対応できる人間力を身に付け、社会に貢献できる人材を育成するため、2022年から「ハイブリッドキャリアプログラム」を開始し、これまで850名がハイブリッドキャリアを実践しております。
新入社員が週に1日、「営業×農業」「人事×新規事業立ち上げ」「経営企画×起業家」等、配属先の業務とは異なる業務に挑戦できる環境を整備し、配属先の業務では得ることができない新たな視点や社内外ネットワークを得る機会につながっております。2024年には淡路島の特産であるイチジクを利用した「淡ジクビール」を開発、淡路島の当社施設で提供するなど、事業にも貢献しております。
新入社員のみならず、入社4・5年目社員も1年間の研修(コミュニケーション・デジタル・英語等)を実施しているほか、グループ内兼務や社内兼務など、複線的なキャリアを構築できる環境を整えています。
〇従業員のキャリアチャレンジを応援
社内公募されたポジションに自ら手を挙げチャレンジできる「オープンポジション制度」を1989年より実施しております。2025年5月期は、56名が本制度を活用し新たなキャリアチャレンジを行いました。また、従業員自らが考えるキャリアプランを毎年直接人事部門に申告できる「マイキャリアバンク」を1993年から実施しており、従業員の自律的なキャリア形成を支援しております。
〇人権尊重の取り組み
当社グループは、「パソナグループ行動規範」 において人権の尊重を定めております。また、当社グループの事業活動が及ぼす人権への負の影響を把握し、その防止及び軽減に取り組むため、グループ各社において人権デュー・ディリジェンスを実施しております。2025年5月期においては、国内外のグループ会社56社で、「リスクが重大な事業領域の特定」、「人権侵害リスクの発生過程の特定」、及び「人権侵害リスクとの関わりの評価及び対処の優先順位付け」の評価ステップによる人権デュー・ディリジェンスを行いました。人権尊重の取り組みについては、当社ホームページをご参照ください。(URL https://www.pasonagroup.co.jp/ir/esg/humanrights.html)
〇新たな付加価値を生む「DX人材」の育成
中期VISION「PASONA GROUP VISON 2030」で掲げた3つの重点戦略を実現するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)をけん引する人材の育成に注力しております。
2025年5月期は、階層別のDX研修等による内部人材の育成をはじめ、社内での育成実績を元に製造業、金融、化学等様々な業種の顧客が参加し、異業種交流をしながらDX推進を学ぶプログラムの提供も開始し、社内で約1,200名、社内外で12,461名のDX人材を育成いたしました。
今後も、「DX VISION 2030」の実現に向け、全従業員のリスキリングを実施するとともに、DX専門職種の導入による積極的な配置を推し進め、2030年5月期には社内で3,000名、社外で17,000名の採用・育成を目指すことで、経営基盤の強化とサービスの新たな付加価値創出を実現してまいります。また、株式会社パソナはMicrosoft社と「Code; Without Barriers in Japan」の提供を開始し、派遣スタッフ1万人に対してデジタル人材の育成に取り組むなど、AI活用を学べる場の提供を通じた人的資本の強化を図っています。
〇企業内大学「パソナ“こころざし”ユニバーシティ」
当社グループ全従業員を対象とした研修教育プログラムを企業内大学「パソナ“こころざし”ユニバーシティ」として体系化し、実施しております。各年次、職位、職能ごとに求められる能力・専門知識の習得をはじめ、一人ひとりの才能や可能性を最大限に活かす選抜研修、デジタルスキルを身につける多様な研修、グループの次世代を担う経営人材の育成など、従業員一人ひとりの自律的なキャリア構築を支援する多彩な教育研修制度を実施しております。
※1 人件費・光熱費・交通費等、研修実施に関わる費用含む
※2 算出対象:当社及び国内連結子会社
・1級キャリアコンサルティング技能士 15名 ・国家資格キャリアコンサルタント 641名
・2級キャリアコンサルティング技能士 407名
・産業カウンセラー等その他キャリアコンサルティング関連資格 601名
・ワークライフファシリテーター養成講座 受講者 380名 資格認定者 283名
〇次世代リーダーの育成
当社では、人材育成や人材発掘のために、1993年より次期上級管理職育成プログラム「ジュニアボード制度」を開始するなど、様々な人材教育・抜擢制度を有しています。グループ各社における執行役員候補育成のための「副役員制度」、女性幹部候補生を育成する「ワンダーウーマン研修」、グループ全体の事業を推進し横串を指す「CBOボード制度」、新入社員教育にあたる「インストラクター制度」等、次世代リーダーを抜擢するための計8つの選抜制度を有しています。
〇社内ベンチャー制度「チャレンジの日」
創業以来、「社会の問題点を解決する」を企業理念に、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んできた創業の精神を継承するため、1995年から創業記念日である2月16日を「チャレンジの日」として制定し、全従業員から新規事業や業務改善提案を募集しております。応募案の中から優れた企画は事業化を支援し、新たな新規事業を創造しております。全ての従業員が創業の精神に立ち返り、従業員一人ひとりの「夢」や「志」を実現する機会を提供するとともに、イノベーション創出に向けた自律的な組織作りを推進しております。2025年5月期は、新入社員から海外現地法人の従業員まで、約1,800件の応募がありました。
〇社会課題解決に向けた企業文化の醸成「パソナ・シャドーキャビネット」
当社グループの役職員が、入社年次に関わらず「社会の問題点」を議論し、具体的な方策を社会に提言することを目指す社内組織として2007年に発足いたしました。時代によって変化する様々な社会課題について議論を深め、法案(新規事業提案、社会提言等)として参加する従業員が採決をいたします。2025年5月期は、新会社として企業のSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を総合的に支援する「株式会社パソナサステナビリティ」が誕生しております。
〇健康経営推進体制
当社グループでは、経営トップの健康経営に対する方針のもと、産業医、健康推進室、人事部門などが、定期健康診断データやライフスタイル調査に基づいて、従業員がイキイキと活躍することができる健康経営を推進しております。また、保健師や管理栄養士、スポーツトレーナーなどの専門スタッフとともに、従業員の心身の健康を支援する独自のプログラムを開発するほか、全国の拠点及びエリアに配置された衛生委員が中心となり、各地域の職場環境の声を収集して、各施策の立案に活かしております。
〇健康経営の取り組み方針
当社グループの健康経営に関する方針を「パソナグループ健康宣言」として定めております。具体的な取り組み方針として、「健康行動促進」「性差の共通理解の醸成」「ハイリスク者向け健康サポート」「メンタルヘルス対策」「ソーシャルワークライフバランスの推進」の5つを掲げ、各種施策を推進しております。
また、健康経営における「戦略マップ」を策定し、具体的な取り組みや期待する効果と、解決したい経営上の課題のつながりを整理・把握し、健康経営を推進しております。詳細については、当社ホームページをご参照ください。(URL https://www.pasonagroup.co.jp/company/health.html)
〇ライフスタイル調査の実施
定期健康診断、ストレスチェックのほかに、全従業員を対象に独自の「ライフスタイル調査」を実施し、運動・食事・睡眠・嗜好(飲酒・間食・喫煙)のカテゴリで生活習慣をスコア化しております。個人の結果及び全社における自身の健康の位置付けをフィードバックすることで、生活習慣の見直しに役立て、従業員一人ひとりの健康リテラシー向上につなげております。2024年はグループ32社7,050名がライフスタイル調査に回答いたしました。
〇健康の性差に関する相互理解促進
女性だけなく、男性も含めた「健康へのリテラシー向上」と気軽に相談しやすい「環境整備」を進めております。産婦人科医師による女性の健康講座を全社員に実施。性差による健康課題の違いをお互いに学ぶ全12テーマの講座を全社員向けに実施するなど、女性の健康への理解をより深める機会を提供しました。
〇真に豊かな生き方・働き方の実現
〇ライフデザインサポートの拡充
福利厚生制度の1つであるカフェテリアプラン制度では、従業員にカフェテリアポイントを付与し、自己研鑽や、健康増進・リフレッシュ・財形貯蓄・マイホームサポートなど利用できる多様なメニューを用意しております。利用率向上のため、付与ポイント数を増加させるとともに利用可能範囲を拡充した結果、利用率が前年より10%pt以上増加しました。また、従業員のファイナンシャルWell-being向上のため「マネーの視点から考えるライフデザインセミナー」を実施し、将来を見据えて各自のライフステージに合わせた資産形成ができるよう、サポートしています。今後も更なる施策を実施し、従業員のエンゲージメント向上に努めてまいります。
〇全国の従業員が参加する社会貢献活動
当社グループの企業姿勢を明確にするため、2005年に「社会貢献室」を設置いたしました。グループの社会貢献活動のリーダーシップを担う存在として、国内外のグループ各社から約40名の「社会貢献委員」を任命し、国内外で活動を行っております。現在は、持続可能な地域社会づくりに貢献するため、6つの重点テーマ「食品ロス」「環境保全」「地域貢献(復興)」「スポーツ・健康」「ダイバーシティ」「パートナーシップ」を定めております。2025年5月期は、延べ18,080名の従業員が各地の活動に参加いたしました。