2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,711名(単体) 6,974名(連結)
  • 平均年齢
    42.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    12.6年(単体)
  • 平均年収
    6,856,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    0.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

 

①成長戦略と人的資本戦略
 当社グループは、今後さらなる進化を目指す成長戦略「Accelerate the Future」の実現に向けて、人的資本の強化を企業価値向上の基盤であり、経営戦略の実行力を左右する重要な経営課題と位置付けています。成長戦略の実現には、国内事業における価値創出型モデルの深化と、北米を戦略重点地域としたグローバル展開、成長領域における戦略的M&Aや重点投資による非連続な成長を同時に推進することが求められます。
 当社の独自のバリューチェーンである「10プロセス」を通じて価値を生み出している事業特性を踏まえ、各プロセスに関わる多様な人財がそれぞれの持ち場において強みや持ち味を最大限に発揮し、相互に連携することではじめて実現されるものです。
 だからこそ当社グループは、創業以来受け継がれてきた利他の精神を基盤としながら、「全員活躍」を人的資本経営の最上位方針として掲げています。多様な人財一人ひとりが強みを活かし、組織・社会への貢献と自身の成長を通して幸せと誇りを感じながら活躍できる状態こそが、成長戦略を持続的に推進する人財基盤の根幹です。お互いを尊重し、協働しながら切磋琢磨することで個人も組織も成長し続けるこの状態の実現が、企業価値向上への直接的な原動力となると考えています。
 この「全員活躍」の実現に向けて、当社グループでは成長戦略と連動した人財基盤の強化を進めています。求める人財像の明確化や人財ポートフォリオの構築を通じて、多様な価値創出を支える人財の確保・育成を計画的に推進し、人的資本の強化を通じて経営戦略の実行力を一層高めていきます。
 

 

イ.求める人財像(α人財・β人財)
 当社グループは、持続的な価値創造を実現するためには、既存事業の競争力を高める取り組みと、新たな価値創出に挑戦する取り組みの双方が重要であると考えています。既存事業においては、品質や生産性の向上、安定的な供給体制の強化などを通じて収益力を高めていくことが求められています。一方で、事業環境の変化に対応し中長期的な成長を実現するためには、新たな商品・事業・ビジネスモデルの創出を通じて売上成長につなげていくことも不可欠です。
 こうした価値創出を支える原動力は「イノベーション」であると考えています。イノベーションは、必ずしもゼロから新しい事業を生み出すことに限られるものではなく、日々の業務の中での小さな気づきや工夫・改善の積み重ねによって品質や生産性を高める取り組みも含まれるものと捉えています。
 
 この考え方のもと、当社ではイノベーションの担い手として、次の2つの人財が重要であると考えています。
・地道な努力、工夫・改善を重ね、未来に引き継いでいく人財(α人財)
・既存の枠にとらわれず、未来を切り拓いていく人財(β人財)

 


 

 これら2つの人財タイプが分離するのではなく、利他の精神をもってお互いを尊重し協働しあいながら、価値を高めていくことが持続的な企業価値向上につながることと考えています。
 
※「全員活躍」の定義に基づきこれらの2つの人財がどのように強みを発揮し、そして企業価値に反映されているのかを定量的に評価できるよう独自の人財的資本インデックスを開発しております(詳細は第2事業の状況、2サステナビリティに関する考え方及び取組の中の(3)人的資本に関する考え方および取り組みで説明しております)
※より詳細の内容については「Calbee Group Human Capital Report 2025」に掲載しております。

 https://www.calbee.co.jp/ir/pdf/2025/humancapitalreport2025.pdf

 

 

ロ.人的資本を通じた価値創造ストーリー
 エンゲージメントサーベイのスコアや経営との対話を経て、重要課題を特定しました。これらの課題を踏まえて人的資本経営を通じ、「共創による新しい価値創造」「貢献 意欲・成長実感の向上」、そして「継続的に成長する強い企業・経営」の実現に向けて変革を進め、土台の強化に取り組みます。
 


 

※解説の詳細は第2事業の状況、2サステナビリティに関する考え方及び取組の中の(3)人的資本に関する考え方および取り組みで説明しております。
※より詳細の内容については「Calbee Group Human Capital Report 2025」に掲載しております。

 https://www.calbee.co.jp/ir/pdf/2025/humancapitalreport2025.pdf

 

 

ハ.成長戦略を支える人財ポートフォリオ
 成長戦略「Accelerate the Future」では、国内事業の収益力向上・進化、海外事業の成長、新領域の拡張という3つの方向性でポートフォリオの変革を目指しています。
 国内における人口動態や生活者価値観の変化、気候変動による原料調達リスクの高まり、グローバル市場における競争の加速など、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しています。こうした環境変化に対応し、持続的な成長と企業価値向上を実現するためには、それぞれの戦略領域に応じた専門性・知見・挑戦力を持つ人財を、意図的かつ計画的に確保・育成していくことが重要な経営課題であると認識しています。

 

 
・DX人財
~工場を中心としたDXやS&OPの推進による生産性・品質向上を担うDX人財~
 国内事業においては、工場DXやS&OPによるサプライチェーン最適化を通じて、生産性・品質向上および収益力強化を推進しています。その実現に向けて、DXやAI技術を活用し、課題解決できるDX人財の育成を強化しています。DX活用の拡大は品質・生産性向上につながる一方、DX人財の不足や育成の停滞は、生産性低下やコスト増加を招き、企業として競争力低下を招くリスクがあると認識しています。
 

・アグリ領域専門人財
~自然素材の原料の安定的確保を支えるアグリ領域の専門人財~
 当社グループは、自然素材を活かした事業を主に展開しており、気候変動に伴う原料調達リスクへの対応力強化を重要な経営課題の一つと位置づけています。品種開発、栽培省力化および貯蔵・輸送技術の高度化等による安定的収穫量の確保を担うアグリ領域の専門人財は、安定供給と持続可能な事業運営を支える重要な基盤です。 今後は、甘藷等を含む自然素材原料も視野に入れつつ、まずは当社の主要原料である馬鈴薯を優先対象として、専門人財の要件定義および育成体系の構築を進めていきます。一方で、こうした専門人財の不足や知見継承の停滞は、原料供給の不安定化を招くリスクがあると認識しています。
 
・グローバル人財
~カルビーの独自性・強みを海外へ伝承し、現地と共に戦略を推進するグローバル人財~
 海外事業においては、日本で培った技術・知見・ブランド価値を基盤とし、現地と一体となった能動的な戦略推進体制の構築を進めています。その実現に向けて、カルビーの独自性・強みを海外へ伝承し、海外市場での成長を推進できるグローバル人財の育成を強化しています。グローバル人財の増加は海外成長加速につながる一方、人財不足は事業の成長機会の損失につながるリスクがあると認識しています。
 
・枠を超える人財(β人財)

~既存の枠にとらわれず、 未来を切り拓いていく人財~
 当社グループは、既存事業の競争力強化に加え、新たな価値創出や成長領域の拡大に取り組んでいます。その実現に向けて、未知の領域や変化を前向きに捉え、従来の枠組みにとらわれずに新たな価値や成長機会を生み出せる人財の発掘・育成を進めています。こうした人財は、新規事業の創出だけでなく、市場開拓や新たな技術・仕組みの開発等、当社グループの未来の成長を導く重要な役割を担います。挑戦・変革を担う人財の増加は新たな価値創出につながる一方、人財不足や挑戦の停滞は将来の成長機会を逸失するリスクがあると認識しています。
 

 


 当社グループでは、これらの人財ポートフォリオの構築状況を指標・目標として可視化しながら、成長戦略と連動した人財基盤の強化を計画的に推進していきます。
 

 

 

 

  ②従業員給与等の決定方針
 なお、本方針は提出会社を対象としています。
 
イ. 基本的な考え方(成長戦略と人的資本戦略との接続)
 当社は、持続的な企業価値向上の実現に向けて、従業員一人ひとりの期待役割に応じて、組織成果に貢献することが重要であると考えています。年功的な処遇制度を見直し、役割の大きさと貢献に基づいて処遇を決定する方針としています。その考え方に基づき、2026年4月より新人事制度を導入しました。また、正社員と無期転換社員の人事制度を統合し、役割に応じた処遇を行う基盤を整備しています。
 
ロ.報酬ポリシー
 当社の報酬は、年功序列的な要素を排し、役割と貢献を一致させることで「役割に応じた行動の発揮」と「組織成果につながる貢献」に対して支払うものとしています。成果の達成のみならず、成果に向けた価値ある取り組みやチームへの貢献など、価値創出につながるプロセスも評価対象とすることで、既存事業の深化と新たな価値創出の双方を促進する設計としています。
 また、役割の影響範囲が大きい等級ほど、会社業績との連動性を高めることで、経営との一体感を強化しています。

 
ハ.報酬水準および構成
 当社の報酬は、基本給と賞与で構成されています。
基本給:役割の大きさに応じて決定
賞与:会社業績および個人の貢献に応じて決定
 
 報酬水準については、同一役割における外部市場との比較をふまえ、競争力のある水準を確保しています。報酬の安定性および採用競争力の向上を目的として、基本給の比率を高めた報酬構成としています。また、中長期的な企業価値向上への貢献を促進するため、株式付与制度(ESOP)を導入しており、従業員の企業価値向上への参画意識を高め、中長期的な価値創出に資する行動を促進しています。
 
ニ.報酬決定プロセス
 報酬は、役割に基づく等級制度および評価制度に基づき決定しています。
評価は、「行動」「達成度」「貢献度」の3つの観点から行い、成果のみならずプロセスや組織への貢献も含めて総合的に判断しています。
 評価にあたっては、評価会議を通じて、相対評価と絶対評価の特長を取り入れた「多面絶対評価」を実施しています。評価制度の実効性を高めるためには、評価者の判断力や評価スキルの向上が重要であると認識しています。そのため、評価会議を単なる評価調整の場にとどめず、各評価者が評価の根拠や判断理由を言語化・共有し、その妥当性を相互に確認し、視点や水準をすり合わせることで、評価の公平性および納得性の向上を図っています。加えて、内製の研修プログラム等を通じて評価者育成を進め、マネジメント力の継続的な向上に取り組んでいます。
 
ホ.報酬水準の見直し(ベースアップの考え方)
 報酬水準については、外部労働市場の動向、物価上昇の状況、企業業績等を総合的に勘案し、従業員の生活の安定および人財確保の観点から、労働組合との継続的な対話と協議を通じて判断しています。近年は、物価上昇や人財獲得競争の高まりを受け、外部市場の水準を考慮し、適切な賃金改定を行うことで、従業員が安心して働き続けられる環境の整備に努めています。
 
 

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

食品製造販売事業

6,350

〔2,284〕

その他

126

〔23〕

全社(共通)

498

〔67〕

合        計

6,974

〔2,374〕

 

(注)1  従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。

2  従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員(嘱託およびパートタイマー)の年間平均雇用人員であります。

3  全社(共通)は、管理部門の従業員であります。

4 従業員数の算定にあたり、従来は従業員に含めていなかった無期転換社員1,481名について、当期より従業員数に含めております。

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

3,711

42.2

12.6

6,856

0.6

〔976〕

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

食品製造販売事業

3,213

〔909〕

全社(共通)

498

〔67〕

合        計

3,711

〔976〕

 

(注)1  従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2  従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員(嘱託およびパートタイマー)の年間平均雇用人員であります。

3  全社(共通)は、管理部門の従業員であります。

4  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5 従業員数の算定にあたり、従来は従業員に含めていなかった無期転換社員1,338名について、当期より従業員数に含めております。

 

③ 労働組合の状況

当社グループには、1968年に結成された労働組合があり、UAゼンセンに加盟しております。2026年3月31日現在の組合員数は、3,574名であります。労使関係について、特記すべき事項はありません。

 

④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 イ 提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の額の差異(%)(注1・3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

26.4

102.5

78.7

81.9

70.9

女性労働者の賃金において、全労働者の9.2%、正規雇用労働者の11.9%、パート・有期労働者の0.6%が育児短時間勤務者となります。

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.労働者の男女の賃金の額の差異について、当社では、報酬制度や賃金規程等において、同資格等級での性差による賃金差異が生じることはありません。
賃金差異の主要因としては、女性労働者において約10%の育児短時間勤務者を含むこと、また管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合が従業員の女性比率に対して低いことがあげられます。差異の改善に向けては、特に管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合を高めていくことが重要であると考えております。引き続き育児等の両立を実現するための柔軟な働き方、職場づくりを促進するとともに、管理的地位にある女性労働者の割合を2031年3月期30%超の実現に向けた取り組みを実施いたします。
<管理的ポジションの女性候補者育成の取り組み>
(1)食品企業数社合同での女性研修実施により、ロールモデルから学ぶとともに、キャリアや仕事について振り返り、ありたいキャリアの実現に向けてアクションプランを描く
(2)リストアップした管理的ポジション候補者に対して、ライフイベントに対する不安の払拭とキャリアアップ(管理職を目指す・難しい課題にチャレンジする)を志向し、キャリアを自ら切り拓くスキル習得を目的としたリーダーシッププログラムを実施
(3)候補者所属組織は課題解決・スキルアップ機会創出、HRBPは配置・異動による経験機会創出、 DE&I推進部門はキャリアアップを志向するマインドの醸成を行い、各部門の役割分担を明確化
(4)新任の女性課長に対して面談実施や他社女性課長との交流機会を提供することで、継続的なフォローアップを行い定着を図る
<育児等の両立実現に向けた職場環境づくりへの取り組み>
(1)マミートラックに入ることなく継続的なキャリアを実現するために、産育休者復職時プログラムを実施
(2)妊娠から育児期間に上司・本人それぞれが、適切なコミュニケーションを通じてスムーズな休復職が行えることを目的としたハンドブックを配布
(3)男性対象者に対して育児休業取得を促す案内の実施や、育児休業長期間取得者の取得事例発信等の啓蒙実施

 

 ロ 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の額の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

カルビー
ポテト㈱

4.2

100.0

70.1

72.5

85.2

カルビー
 ロジスティクス㈱

18.2

100.0

85.5

87.5

102.6

ジャパン
フリトレー㈱

19.6

100.0

66.9

76.9

72.0

カルビー
 かいつか
 スイート
 ポテト㈱

12.5

88.9

80.1

79.2

88.6

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 

 

 

⑤ 従業員株式所有制度の内容

(株式付与ESOP信託)

イ 株式付与ESOP信託の概要

当社は、2014年2月25日開催の取締役会決議に基づき、当社グループ従業員(以下、「従業員」という。)の当社の業績や株価への意識を高めることにより、業績向上を目指した業務遂行を一層促進するとともに、中長期的な企業価値向上を図ることを目的としたインセンティブ・プランとして、株式付与ESOP信託(以下、「ESOP信託」という。)を導入しております。

ESOP信託とは、米国のESOP(Employee Stock Ownership Plan)制度を参考にした信託型の従業員インセンティブ・プランであり、当社株式を活用した従業員の報酬制度の拡充を図る目的を有するものをいいます。

当社が従業員のうち一定の要件を充足する者を受益者として、当社株式の取得資金を拠出することにより信託を設定し、当該信託は、予め定める株式交付規程に基づき、従業員に交付すると見込まれる数の当社株式を、株式市場から予め定める取得期間中に取得します。その後、当該信託は株式交付規程に従い、信託期間中の従業員の業績貢献やビジネスプラン達成度に応じて、当社株式を在職時に無償で従業員に交付します。当該信託により取得する当社株式の取得資金は全額当社が拠出するため、従業員の負担はありません。

当該信託の導入により、従業員は当社株式の株価上昇による経済的な利益を収受することができるため、株価を意識した従業員の業務遂行を促すとともに、従業員の勤労意欲を高める効果が期待できます。また、当該信託の信託財産に属する当社株式に係る議決権行使は、受益者候補である従業員の意思が反映される仕組みであり、従業員の経営参画を促す企業価値向上プランとして有効です。

  <株式付与ESOP信託の仕組み>

 


 

①当社は受益者要件を充足する従業員を受益者とするESOP信託を金銭で設定します。

②ESOP信託は上記①の当社が拠出した資金をもって、信託期間内に受益者に交付すると見込まれる数の当社株式を、信託管理人の指図に従い、株式市場から予め定める取得期間内に取得します。

③ESOP信託は当社の株主として、分配された配当金を受領します。

④信託期間を通じ、信託管理人が議決権行使等の株主としての権利の行使に対する指図を行い、ESOP信託はこれに従って株主としての権利を行使します。

⑤株式交付規程に従い、一定の要件を満たす従業員は、当社株式を受領します。

⑥ESOP信託の清算時に、受益者に株式交付された後の残余財産は、帰属権利者たる当社に帰属します。

 

※受益者要件を充足する従業員への当社株式の交付により信託内に当社株式がなくなった場合には、信託期間が満了する前に信託が終了します。

 

ロ 従業員に取得させる予定の株式の総数

46,775株

 

ハ 当該株式付与ESOP信託による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲

従業員のうち受益者要件を充足する者

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ経営

「私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します。」という企業理念に基づき、創業以来、自然と人の間に立ち、さまざまな社会課題を解決してきました。私たちはこれからも、地球環境や社会課題に真摯に向き合いながら、社会との共創を通じて新たな価値を創造し、持続可能な未来を築く「サステナビリティ経営」を推進します。これにより、持続可能な社会の実現とカルビーグループ全体の持続的な成長を通じて企業価値の向上を目指します。

当社を取り巻く事業環境は不確実性を増し、グローバルで直面しているさまざまな社会課題への対応が強く求められています。特に当社グループの事業は、原料をばれいしょなどの農作物や水産物に依存している割合が高く、昨今の気候変動の影響を大きく受けています。また、消費者の意識は製品に関する安全・安心はもちろんのこと、環境や社会に対しても高まっている中で、当社グループは人権や自然資本の保全に配慮した製品づくりを進めてきました。その一例として、RSPO認証パーム油を国内全工場に導入し、主力商品の一部にRSPOラベルを表示しています。人権への対応として、「カルビーグループ人権方針」に基づき、当社グループへの人権デュー・ディリジェンスを実施し、経営層および従業員への教育・啓発活動を行っています。2025年4月より「人権委員会」を立ち上げ、ガバナンスを強化しています。

今後も企業活動を通して持続的成長と持続可能な社会を実現し、ステークホルダーとともに新たな価値を創造する「サステナビリティ経営」を実践していきます。

 

①ガバナンス

取締役会がサステナビリティ経営に関する監督の責任を持ち、サステナビリティ委員会がその推進を担っています。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長兼CEOが管掌し、原則年2回開催しています。マテリアリティの特定および重点テーマの設定を行い、各分科会で推進する重点テーマのロードマップの審議や進捗状況のレビューを実施し、その内容を取締役会に定期的に報告しています。


 

②戦略

当社のサステナビリティ経営における主要戦略は、マテリアリティとして選定した重点テーマごとに目標を定め、達成に向けた取り組みを推進することです。まず、取り組むべき社会課題を明確化するため、「ステークホルダーにとっての重要度」と「自社における重要度」の二つの側面からマテリアリティを特定し、重点テーマを設定しました。各取り組みにあたっては、重点テーマ別分科会を設置し、役員がオーナーとして戦略の立案・実行を推進しており、当社の経営資源を優先的に配分することで、中長期的な成長を支えるとともに、リスクの回避やイノベーションの創出を目指しています。また、変化し続ける外部環境に対応するため、このマテリアリティを定期的に検討し、必要に応じて見直しを行っています。外部イニシアティブへの参画などを通して情報を収集し、取り組みの方向性を検討しています。

 

 

 

 

 

 

・マテリアリティマップ


 

・5つのマテリアリティと重点テーマ


                                        (2026年3月期時点)

③リスク管理

サステナビリティ関連のリスクおよび機会の管理は、各重点テーマの目標達成状況およびロードマップの進捗レビューで行っています。その内容はサステナビリティ委員会で検討を行い、継続的にモニタリングし、取締役会に報告しています。

 

 

④指標及び目標

    特定した重点テーマ別に目標(KPIの対象はカルビー(株)単体)を設定し、進捗管理を行っています。

 

マテリアリティ

重点テーマと主な施策

目標(KPI)

2025年

3月期実績

2026年

3月期実績

指標

目標

人々の健やかなくらしと多様なライフスタイルへの貢献

食の安全・安心の確保

・安全・品質に関する予防と監視

・安心への取り組み

 産地からお客様までのバリュー

 チェーン全体を対象に品質保証

 の強化を着実に推進

健やかなくらしへの貢献

・食塩無添加/低塩/減塩商品を拡大

・たんぱく質を多く含む商品を拡大

2031年3月期

食塩無添加/低塩/減塩商品(※1)の販売金額

(2023年3月期比)

200%

120.5%

121.8%

2031年3月期

たんぱく質の多い商品(※2)の販売金額

(2023年3月期比) 

200%

116.0%

126.2%

消費者意識の多様化に応じた新たな価値提供

・フードコミュニケーションの活性化

 スナックスクール(食育)の深化

 工場見学の活性化、進化

フードコミュニケーション

(※3)年間参加人数

10万人以上

/年

120,430人

117,890人

農業の持続可能性向上

持続可能な原料生産

 国産ばれいしょの安定した品質と調達に向けた、科学的栽培の推進・品種の変革・農業の省力化・産地の分散化

品種の変革、産地分散化など、

安定的な調達に向けた取り組みを推進(※4)

自然資本の保全
  土壌分析に基づく適正な施肥

2028年3月期

リン酸減肥普及率(※4)

(北海道エリア)

80%

30.7%

45.0%

持続可能なサプライチェーンの共創

環境と人権を尊重した責任ある調達

サプライヤーアセスメントを通じてエンゲージメントを結び、環境・人権に配慮した調達を推進

・RSPO認証パーム油(マスバランス方式)の調達

・RSPOラベル付き商品の展開

環境と人にやさしい物流

・物流効率化による労働環境の改善

・温室効果ガス排出量の削減

  (Scope3カテゴリー4、9)

・輸送ネットワークの構築

・業務効率化の実施

地球環境への

配慮

カーボンニュートラルの達成

・Scope1、2における削減

 電力購入先の転換、省エネ活動、

 工場発電など

 

・Scope3における削減

 サプライヤーエンゲージメント

 ばれいしょCO2排出量の見える化

 段ボールサイズの変更、配送頻度減、

 積載率向上

2031年3月期

温室効果ガス総排出量(※5)削減

(2019年3月期比)

温室効果ガス

総排出量

30%削減

温室効果ガス

総排出量
6.7%削減

実績算出中

(※6)

 Scope1,2

 :50%削減

 Scope3

 :22%削減

 Scope1,2

 :33.2%削減

 Scope3

 :4.4%増加

循環型社会の推進

・製品フードロス削減

・水使用量削減

・3Rの促進

2031年3月期

製品フードロス削減(※7)

(2023年3月期比/3ヵ年移動平均値) 

30%削減

6.1%削減

13.8%削減

2031年3月期
水の総使用量削減(※7)
 (2019年3月期比)

10%削減

4.5%増加

8.1%増加

2031年3月期

廃棄物排出量削減(※7)
  (2019年3月期比)

10%削減

8.0%増加

10.9%増加

プラスチックによる環境負荷の低減

・石油由来プラスチック包材の削減

・代替原料への転換やリサイクルの促進

2031年3月期

石油由来プラスチック包装の

代替・削減

(2019年3月期比)

50%

代替・削減

1.0%

代替・削減

1.4%

代替・削減

2051年3月期

環境配慮型素材使用

100%使用

 

 

 

 

マテリアリティ

重点テーマと主な施策

目標(KPI)

2025年

3月期実績

2026年

3月期実績

指標

目標

地球環境への

配慮

自然資本の保全

TNFDのフレームワークに沿ったリスク評価の実施(マイルストーンの提示)

 2025年10月「TCFD・TNFDのフレ

 ームワークに基づく統合的な情

 報開示」実施

地域コミュニティへの貢献

・社会貢献活動全員参加

・環境領域の拡大

  森林ボランティア活動

  海浜・河川保全活動の支援・参加

・国内は環境保全拠点で森林保全活動を実施

・タイでは「マングローブ保全プロジェクト」を推進

多様性を尊重した全員活躍の推進

働き方の多様性への対応

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

・失敗を恐れずに誰もが挑戦できる

組織風土

・多様な貢献と成長を促す人事制度

・個の可能性を広げるキャリア自律

・未来を創るコア人財の採用・育成

2031年3月期

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

30%超

24.8%

26.4%

2031年3月期

女性執行役員・本部長比率

30%超

19.5%

19.0%

2031年3月期

男性育児休業取得率

(※8)

100%

133.3%

102.5%

2031年3月期

障がい者雇用率(※9)

3.60%超

2.80%

2.94%

 

 

(注)

※1 栄養強調表示の基準値(食品表示基準第7条第1項 別表第12、第13)

※2 栄養強調表示の基準値(食品表示基準第7条第1項 別表第12、第13)をベースに自社基準で選定した商品が対象

※3 カルビー・スナックスクール、工場見学、お菓子コンテストなどの食育活動

※4 カルビーポテト株式会社が責任部門として取り組みを実施

※5 目標範囲はScope1,2及びScope3カテゴリー1.3.4.5.6.7.9.12

※6 2026年3月期の実績は2026年秋公開予定(https://www.calbee.co.jp/sustainability/materiality.php

※7 対象はカルビー(株)単体の製造拠点およびジャパンフリトレー(株)古河工場

※8 育児休業取得者数および育児を目的とした休暇制度の利用者数の合算より算出

※9 カルビー・イートーク(株)含む

 

各施策およびKPI等の詳細は、カルビーホームページ「サステナビリティサイト」で公開しています。

https://www.calbee.co.jp/sustainability/materiality.php

 

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)

 気候変動は当社グループ事業の持続的成長に影響を及ぼす重要課題です。2020年2月に賛同した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、気候変動がもたらす事業リスクや機会の分析を行い、温室効果ガス排出削減に向けた取り組みとして、省エネ活動や再生可能エネルギーの導入といった施策を積極的に進めてきました。

 2025年10月、TCFDに加えTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)のフレームワークに基づいた、自然資本への依存とインパクト、リスクと機会に関する統合的な情報開示を行いました。気候変動と生物多様性は密接に関連していると言われており、当社の取り組みもそれぞれの関連性が高く、統合的に情報整理を行うことで新たな可能性を把握する機会となっています。

参照 https://www.calbee.co.jp/sustainability/pdf/tcfd_tnfd_01.pdf

 

①ガバナンス

代表取締役社長兼CEOがプロジェクトオーナーとなり、経営企画、サステナビリティ推進担当部門を含めたバリューチェーンに関わるメンバーで、気候変動シナリオの検討を実施しました。検討したシナリオに基づき最重要リスクと機会の特定、ならびにその対応策を策定し、経営委員会の審議を経て、取締役会に報告しています。策定したリスクと機会の対応策については、中長期の経営戦略に反映しています。

 

②戦略

気候変動による中長期の事業リスクと機会の特定にあたり、NGFS(気候変動リスクなどに係る金融当局ネットワーク)が発表しているシナリオを参考にしています。2℃シナリオとしては「Below2℃」、4℃シナリオとしては「Current Policies」を参照し、それぞれ温室効果ガス排出規制による影響と、主要原料(ばれいしょ)の調達と生産を中心に分析し、整理しました。

その結果、2℃シナリオでは災害の激甚化による工場と原料生産地の直接的な被害と、消費者の環境意識の高まりによる行動変化が大きなインパクトになり、4℃シナリオでは災害の激甚化による工場と原料生産地の被害に加え、平均気温の上昇や気象パターンの変化による日照時間不足が原材料の品質や収量に悪影響を与えることが分かりました。

これに対して、自社の温室効果ガスの削減を進めるとともに、ばれいしょの品種転換や品種開発、栽培技術の確立、産地の分散化を進めます。また、エシカル消費への対応や、持続可能な原料の探索と商品開発などが機会の創出につながると考えています。今後は、継続的にリスク・機会の見直しや対応策の具体化を進め、中長期の経営戦略に反映させることで、持続可能な社会を実現する企業活動に取り組んでいきます。

 

・移行リスク

リスク

項目

事業への影響

影響度※1

リスク対応策

進捗

2030年

2050年

2℃

4℃

2℃

4℃

炭素価格の上昇

炭素税導入により工場の操業や原材料などのコストが増加する

再生可能エネルギーの使用、水素などの活用、
バリューチェーン全体における脱炭素化の推進

・製造拠点のカーボンオフセット電力への切り替え(国内14工場中11工場)
・2025年4月「JH2A」へ参画(※2)
・契約生産者とばれいしょ生産における温室効果ガス排出源の見える化への取り組み
・Scope3排出量削減におけるサプライヤーエンゲージメントの強化

消費者の環境意識の高まりによる行動変化

気候変動によって環境に配慮した商品へ消費行動が拡大する

環境配慮型商品や認証商品への取り組み

・国内カルビーグループ工場にて、「RSPO認証パーム油(マスバランス方式)」使用
・RSPOラベル付き商品をカルビー23品、ジャパンフリトレー9品展開(2026年3月末時点)
・段ボールやカートンにおけるFSC認証紙の使用
・バイオマスPET、バイオマスインキの使用(一部商品)

石油由来プラスチックの使用規制

石油由来原料の規制によって包材価格が上昇する
消費者意識が高まり、バイオマスプラスチック使用商品の選択が高まる

製品の品質維持を前提とした石油由来プラスチック包材の削減、代替原料への転換やリサイクルの促進

・一部商品におけるパッケージフィルムの薄膜化、サイズの縮小、バイオマスPETの使用
・株式会社アールプラスジャパン(※3)へ参画し、リサイクル原料調達の実証実験を行い、使用済みプラスチックの再資源化を推進

 

(注)                                                                  

※1 営業利益 大:50億円超、中:20~50億円、小:20億円未満    

※2 一般社団法人 水素バリューチェーン推進協議会:

   サプライチェーン全体を俯瞰し、業界横断的かつオープンな組織として、社会実装プロジェクトの実現を通じ、

   早期に水素社会を構築することを目的とした団体     

※3 プラスチック起因の課題解決に向け、低環境負荷で効率的なプラスチック再資源化の技術開発を進め、回収プラス

   チックの選別処理企業、モノマー・ポリマー・包装容器製造企業、商社や飲料・食品メーカー等連携して、技術の

   実用化に取り組んでいる共同出資会社

 

 

 

 

 

 

 

 

・物理的リスク

リスク

項目

事業への影響

影響度※1

リスク対応策

 進捗

2030年

2050年

2℃

4℃

2℃

4℃

平均気温の上昇による原材料育成影響

気温上昇によって原材料の品質が低下する

ばれいしょの品種の転換・開発、栽培技術の確立、
インセンティブ体制の整備

・気候変動に対応するため、耐暑性、栽培時期の分散及び高温期の回避が可能な早生性・晩生性並びに病害抵抗性を備えた新品種の開発
・土壌水分状態に合わせたイリゲーション(かん水)の実施
・契約生産者への土壌診断の支援、土壌状態に応じた適正施肥の推進

降水・気象パターンの変化

降水・気象パターンが変化することで、日照時間が減少し、原材料の品質低下や収量低下が発生する

産地の分散化、海外産ばれいしょの輸入ルートの確保

・道央・東北・九州北部の産地を拡大

・北米地域の拡大

異常気象の頻発化(豪雨、台風、洪水など)

暴風雨などにより収穫時期のばれいしょ圃場の被害が拡大、工場の被災や物流寸断が長期化することで、調達・生産・供給量が減少する

異常気象を想定したBCPの策定、ハザードマップに基づく工場建設、海外グループ工場からの供給

・国内生産拠点にてBCM活動を展開し、レジリエンス認証を取得。毎年訓練と教育を実施
・生産拠点の水没リスクの確認を実施。新設で水没リスクのある用地については想定浸水深以上の嵩上げを実施(関東新工場(仮称)にて実施)

・海外グループ工場から製品供給を受ける体制整備

 

(注)       

※1 営業利益 大:50億円超、中:20~50億円、小:20億円未満

 

 

・機会

機会項目

進捗

環境配慮型商品や認証商品(RSPO認証パーム油の活用、RSPOラベル付き商品の販売等)への取組による売上が増加する

・国内カルビーグループ工場にて、「RSPO認証パーム油(マスバランス方式)」使用

・RSPOラベル付き商品をカルビー23品、ジャパンフリトレー9品展開(2026年3月末時点)

・段ボールやカートンにおけるFSC認証紙の使用
・バイオマスPET、バイオマスインキの使用(一部商品)

プラスチックの代替・削減の取組推進により外部評価が向上し、企業の資産評価が向上する

・パッケージフィルムの薄膜化、サイズの縮小、スタンドパック商品のチャック削減
・バイオマスPET、バイオマスインキの使用(一部商品)

エシカル消費に対応した商品を開発することで、企業のブランドイメージが向上する

・RSPO認証パーム油やFSC認証紙を使用した商品の発売
・輸送効率を向上し、CO2排出量を削減するため、ポテトチップスの入数を変更

農業の省人化による原材料調達の効率的な確保・拡大に繋がる

・コントラクター事業の推進
・多畦ハーベスターの導入運用を促進し、作業時間を削減
・ばれいしょ輸送および受入れ体制を増強

持続可能な農業・林業・水産業を進めることにより安定調達に繋がる

・気候変動に対応したばれいしょ新品種(耐暑性、早生性、晩成性、病害抵抗性品種)の開発

・段ボールやカートンにおけるFSC認証紙の使用

気候変動により、ばれいしょの生産できる地域が拡大し、仕入れ量が増加する

・北海道内での産地分散や東北・九州北部など新たなばれいしょ産地の拡大

原材料の国産化を進めることにより、物流に伴う温室効果ガス排出量の削減に繋がる

・国内におけるばれいしょの新規産地の拡大

・既存のばれいしょ契約産地での収穫量維持・拡大

(株)アールプラスジャパンの活動を通じて回収・再利用を進め、プラスチックの資源循環社会の形成に寄与する

・使用済みプラスチックの回収・再利用の実証実験を実施

 

 

 

機会項目

進捗

製品フードロスの削減や生ロスなど廃棄物の循環により、廃棄物削減及び未利用資源の活用に繋がる

・製造工程での作業手順や機器・設備の点検、新設備導入などの改善活動を実施

・せとうち広島工場で、ばれいしょの残渣を資源としてバイオガス燃料に活用

長期保存が可能な食品の開発を進めることにより、消費者の廃棄物削減に繋がる

・原料や保管、製造時の工夫など、品質改良を目的とした様々な取り組みを実施し、賞味期限延長の検討を実施

 

 

③リスク管理

 気候変動リスクは当社の掲げる各マテリアリティと密接な関連があるため、それぞれマテリアリティの重点テーマ内で取り組みを進めています。サステナビリティ委員会が当リスクおよび機会の管理を行い、継続的にモニタリングし、取締役会に報告しています。

 また、気候変動により高まる風水害等の自然災害リスクの管理・対策は、「オールハザード型BCP(事業継続計画)」を推進し、レジリエンスの高い事業体制を確保することで行っています。本件に関しては代表取締役社長兼CEOが議長であるコンプライアンス・リスク対策会議が担い、決定した重要なリスクの内容と対策を必要に応じて取締役会に報告します。

 


 

④指標と目標

 温室効果ガスの排出抑制に向けて、2031年3月期までに温室効果ガス排出量を30%削減(2019年3月期比)することを目指します。さらに、2051年3月期にはScope1,2で温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指します。

 2025年3月期は、Scope1、2、3の実績合計は6.7%削減(2019年3月期比)し、Scope1、2は33.2%削減、Scope3は4.4%増加となりました。

 

                                                       (単位:t-CO2

項目

2019年

3月期

2020年

3月期

2021年

3月期

2022年

3月期

2023年

3月期

2024年

3月期

2025年

3月期

Scope1、2、3

582,020

593,530

587,197

549,048

544,614

541,721

543,280

Scope1、2

170,951

168,259

156,653

133,696

123,988

121,252

114,128

Scope3

411,069

425,271

430,544

415,352

420,626

420,469

429,152

 

(注)

   ※ 対象は、カルビー国内製造拠点(2019年3月期に既設の12工場)

   ※ Scope3はカテゴリー1.3.4.5.6.7.9.12

※ 温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)の実績については、一般社団法人日本能率協会による第三者の保証を

      受けています。

      詳細はこちらを参照ください。(https://www.calbee.co.jp/sustainability/esg-data/pdf/Jpn_20250728_2.pdf)

   ※ 2026年3月期の実績は2026年秋公開予定 (https://www.calbee.co.jp/sustainability/materiality.php

 

 

(3)人的資本に関する考え方および取り組み

 当社グループは、企業理念である「私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します。」の実現に向け、「人財」を競争優位性の源泉、企業価値向上、そして持続的な成長を支える最重要経営基盤と位置付けています。変化の激しい事業環境において、イノベーションを創出し、社会からの期待に応え続けるためには、人財への積極的な投資、能力を最大限に発揮できる働く環境の整備、そして挑戦を奨励する企業風土の醸成が不可欠であると認識しています。私たちは、これらの取り組みを戦略的に強化・継続してまいります。

 

①人財ビジョン(全員活躍)

 当社グループは、多様な人財が強みを活かし、組織・社会への貢献と自身の成長を通じて、幸せと誇りを実感できる「全員活躍」の実現を目指しています。
 創業以来、利他の精神が企業文化の基盤となっています、自身の持ち場で強みや持ち味を最大限に発揮し、前後の工程にも気を配りながら、共に働く仲間と共に、独自の価値を創り上げています。さらに当社グループの成長に欠かせない人財像を「地道な努力、工夫・改善を重ね、未来に引き継いでいく人財」「既存の枠にとらわれず、未来を切り拓いていく人財」と定め、お互いを尊重し、協働しながら、切磋琢磨して個人も組織も成長し続けます。
 

イ.人財育成方針(3つの方針)

 「経験を通して人は成長する」を基本的な考え方とし、ストレッチアサインメントを重視します。人事制度の基本方針である「多様な貢献と成長の実現」に根ざした目標評価サイクルの徹底した運用により貢献実感・成長実感を育みます。

 (a) 未来を創るコア人財の育成を強化する

 10年後(中期)を見据えたコア人財を経営人財・グローバル人財・DX人財・アグリ領域専門人財と定め、育成を強化し、集中的に育成投資します。研修だけではなく、タフアサインメントをもって成長を促します。

 (b) 個の可能性を拡げるキャリア自律を支援する

 多様な経験や機会を提供し、成長を支援するとともに、主体的・能動的にキャリアを切り拓いていくことを支援します。任された役割や仕事を通じて成長し、新たな役割や挑戦機会に自らつなげながら、自身の可能性やキャリアの選択肢を広げていくことを重視しています。また日常では得られない気づきや視野拡大の機会を提供します。

 (c) 失敗を恐れず誰もが挑戦できる組織風土を創り上げる 

 1人ひとりの成長を促し、貢献意欲・挑戦意欲を引き出すにはマネジャーの関わり方が大きく影響します。したがって、マネジャーの人財・組織開発力の向上を支援します。お互いの強みを発揮し、立場に関係なく意見を出し合い、利他の精神をもってお互いを尊重する心理的安全性のある職場風土は挑戦の土壌です。全員でその土壌を創り、価値創造につなげます。
 

 ロ. 社内環境整備に関する方針

 社員一人ひとりが、自らの強みや持ち味を活かしながら、健康で安心して働き、活躍実感や成長実感を持てる環境づくりを推進していきます。性別、国籍、年齢、障がいの有無、価値観などの違いに関わらず、多様なすべての社員が、その人らしく能力を発揮できるよう、心理的安全性や働きやすさの向上を含めた社内環境の整備に取り組み、多様な価値観や強みを活かした価値創造につなげていきます。

 (a) 安全・安心な職場づくり

社員が安全かつ快適に業務を遂行できる環境および要員体制を整備するとともに、チーム内・組織間のコミュニケーションの活性化と良質化を図ります。

 (b) 多様で柔軟な働き方の推進

社員を取り巻く個々の事情やライフスタイルの多様化に合わせて、柔軟に働き方を選択でき、また休暇が取得しやすい環境を整備、推進します。

 (c) 健やかな心と体づくりの推進

社員が自身の健康に関心を持ち、健康維持・増進に向けて主体的に取り組むことをめざし、健康リテラシーを高める施策を実施するとともに、医療職が積極的にかかわり、専門的支援を行います。

 

②人的資本における現在地と課題

当社グループは、2035年成長戦略『Accelerate the Future』の実現とサステナビリティ経営の推進に向け、人的資本を戦略の中核に据えています。組織・人事における現状を的確に把握し、課題を特定した上で、人財戦略の構築と具体的な打ち手の検討を継続的に進めています。

 

イ.当社独自の全員活躍指数(人的資本インデックス)

当社グループは、人的資本経営による企業価値への影響を定量的に評価し、その進捗を測る独自KPIとして、「カルビー全員活躍指数(人的資本インデックス)」を開発・運用しています。
 当社グループの持続的成長を実現するためには、「α人財(地道な努力、工夫・改善を重ね、未来に引き継いでいく人財)」と、「β人財(既存の枠にとらわれず、未来を切り拓いていく人財)」の双方が、それぞれの強みを発揮しながら活躍し、利他の精神をもってお互いを尊重し、協働していくことが重要であると考えています。
 「カルビー全員活躍指数(人的資本インデックス)」は、「活躍実感スコア」と「相互信頼スコア」の2つの要素で構成されています。
 「活躍実感スコア」は、「全員活躍状態」「心理的安全性」「キャリア自律」の3つの観点から、従業員一人ひとりがどれだけ活躍実感や成長実感を持ちながら働けているかを測るものです。
 「相互信頼スコア」は、α人財とβ人財が分離するのではなく、それぞれの持ち場で強みを発揮しながら、利他の精神をもってお互いを尊重し協働できている状態を測るものです。異なる強みや価値観を持つ人財同士が相互信頼を高めながら協働することが、新たな価値創造と全員活躍につながると考えています。
 これら2つの要素を掛け合わせることで、従業員一人ひとりの活躍実感だけではなく、人財同士の協働による価値創造まで含めて、人的資本が企業価値向上にどのようにつながっているかを可視化しています。

 


 
*目標値・及第点…「全員活躍状態」「キャリア自律」「心理的安全性」「相互信頼スコア」がいずれも3.5を及第点と設定しています。3.5を上回ればポジティブな回答が多いと捉え、3.5に到達していないスコアを3.5に引き上げた値を2031年3月期までの目標と設定しました。

 

 

 
 

 

ロ.エンゲージメントサーベイの結果から見える課題

当社グループは、従業員のエンゲージメント状態を客観的に把握し、継続的な組織改善に繋げるため、2019年3月期より「カルビーグループエンゲージメントサーベイ」を毎年実施しています。本サーベイを通じて、各組織の課題を特定し、役職者間の対話に基づく具体的な改善施策の策定と実行を推進しています。
 サーベイでは、従業員のエンゲージメントを構成する「仕事を通じた成長機会の付与」「役割以上の貢献の動機づけ」「会社、上司・同僚への信頼」「会社の成長への貢献意欲」「カルビーでの勤続意思」「カルビーで働くことへの誇り」の6項目をコア指標として継続的に分析しています。
 2026年3月期のサーベイ結果では、「会社の成長への貢献意欲」および「役割以上の貢献の動機づけ」がそれぞれ前年比+0.03と上昇し、高い水準を維持しました。これは、従業員が自身の役割を越えて価値を発揮しようとする意識の高まりを示しており、これまでの経営と従業員との対話、そして人事制度改定に向けた取り組みが一定の成果を上げていると認識しています。
 一方、「カルビーで働くことへの誇り」のスコア水準は引き続き低位に位置しており、従業員の会社への帰属意識や誇りの醸成が継続的な課題であると認識しています。この課題に対し、私たちは、経営方針や企業理念の浸透、従業員一人ひとりの役割と事業成長との繋がりを高めることで、組織への共感と誇りの醸成を強化していきます。これにより、従業員のエンゲージメントをさらに高め、持続的な企業価値創造に繋げてまいります。
 
 


  ※「1:ほとんどあてはまらない」~「5:非常にあてはまる」の5点満点の回答スコアの平均値

 

 

ハ.経営との対話で見えてきた課題

常務執行役員以上の役員全員が参加する月1回の「人財育成会議」においては、組織・人財戦略および次世代リーダーのサクセッションプランをテーマとして対話を重ねています。対話の中で「将来の企業価値向上を妨げる可能性のある課題」というテーマから「安定・安住マインドからの脱却」「自らの枠を超え、自ら踏み出す従業員の増加」「企業価値を高めるコア人財の充足」の3点を重要課題と特定しました。

 
(a)安定・安住マインドからの脱却

過去の成功体験に捉われ、失敗を恐れ、リスクテイクを避ける傾向があり、新しい発想や価値が生まれにくいという課題があります。人財の流動性が乏しいことに加え、年功的な評価・報酬制度により、現状を変えなくても一定の昇給が保証されることも、現状に甘んじやすい体質の一因です。

(b)自らの枠を超え、自ら踏み出す従業員の増加

過去の経験や自らの枠組に囚われずに発想することは、組織を超えた連携や個人の創造性向上に繋がります。コンフォートゾーンを抜け出す社員を増やすために、キャリア自律や成長を促すマネジメント力、反対意見や新しい発想が受け入れられる心理的安全な職場風土、社内外を含めて組織の外に目を向ける機会の提供が不可欠です。

(c)企業価値を高めるコア人財の充足

未来に向けて必要なポジションおよびそれをリードする人財の質と量を明らかにし、意図的・計画的に人財の獲得・育成を進めることは将来の価値創造に向けて、重要な課題と捉えています。

 

 

③人的資本を通じた価値創造ストーリー

上述の重要課題を踏まえ、カルビーグループは、人的資本経営を通じて、「共創による新しい価値創造」「貢献意欲・成長実感の向上」、そして「継続的に成長する強い企業・経営」の実現に向けて、変革を進めると共に、土台の強化に取り組みます。

 


 
施策方針は下記の通りです。
<変革を進める施策>
・失敗を恐れず、誰もが挑戦できる組織風土
 多様な経験・考え方を持つ社員を増やし、活かす上で心理的安全性の高い職場づくり、その中でも特に「新奇歓迎」の風土の醸成が社員の挑戦を後押しする重要なポイントです。
・多様な貢献と成長を促す人事制度
 従来の評価制度では、結果のみにフォーカスがあたり、プロセスやチームワークを促しにくい仕組みであったことを踏まえ、評価制度を含めた人事制度を改定することで、多様な貢献と成長を促します。
・個の可能性を広げるキャリア自律
 社員一人ひとりに対し、主体的にキャリアを掴み、自己成長する意欲と行動を促します。キャリア自律が進むことで挑戦が生まれる土壌が醸成され、働きがいも大きく高まると考えています。
・未来を創るコア人財の採用・育成
  将来の経営を担う経営人財、デジタル技術を活用して価値創造ができるDX人財、カルビーのDNAと知見を活かして海外で活躍できるグローバル人財、将来にわたり自然素材の原料の安定供給を果たすアグリ領域専門人財、これらの戦略人財の育成が重要です。

 

<土台を強める施策>

・多様性を尊重したDE&I経営の推進

多様な人財が自分らしさや強みを活かし、社会や顧客に価値を生み出すDE&I経営を推進しています。女性活躍推進に加え、外国籍、障がい者など、多様な従業員一人ひとりが能力を最大限発揮し、立場に関係なくチームで協働することで、イノベーションを生み出していきます。
・カルビーの理念浸透 DNAの伝承
 社内外の環境変化、事業の変革が進む中、創業者の理念やカルビーのDNAを継承することは重要です。カルビーらしさを大事にしつつ、持続的な成長を実現してまいります。
・健やかな心と体づくりの推進
 「人々の健やかなくらしに貢献する」という企業理念を掲げる企業として、社員の健やかな心と体づくりをこれまでも、これからも大切にし、働きやすく安全・安心な職場づくりを推進していきます。

 

※より詳細の内容については「Calbee Group Human Capital Report 2025」に掲載しております。
 https://www.calbee.co.jp/ir/pdf/2025/humancapitalreport2025.pdf
 

 

 

④施策方針における指標/目標および取り組み内容について

施策方針

指標/目標(2026年3月期実績)

取り組み内容(2026年3月期実績)

失敗を恐れず、誰もが挑戦できる組織風土

◆メンバーシップサーベイ:心理的安全性
3.50(3.56)

・社員と経営層と直接対話する「車座ミーティング」の実施(41回実施、参加人数約2,026人)
・Innovation & Beyond Festaの実施の(社員からの新規事業・新規プロセスの提案制度の実施)(応募件数115件)
・心理的安全性の定着推進
・メンバーシップサーベイワークショップでの取り組み

多様な貢献と成長を促す人事制度

◆メンバーシップサーベイ:全員活躍状態
3.50(3.70)

・人事ポリシーおよび新人事制度の策定

個の可能性を広げるキャリア自律

◆メンバーシップサーベイ:キャリア自律
3.50(3.25)
◆選択型育成プログラムの受講者数

1,000人(1,392人)

・「キャリア探究ノート」による上司との対話の奨励
・キャリアエール(社内公募)の実施(ポジション16件、エントリー数17人)
・ビジネスリテラシー獲得のための育成プログラム実施

・社外への人財交流(社外出向)

・副業促進・社外副業人財活用

未来を創るコア人財の採用・育成

◆重要戦略ポジション候補者の充足度
300%(155%)
◆グローバルでの貢献意欲のある社員率
30%(24%)
◆DXアカデミーのべ受講者数

1,800人(2,309人)

・人財育成会議によるサクセッションプランの策定・推進
・次世代リーダーの育成体系の構築およびプログラム実施
・グローバルタレントマネジメントの構築
・グローバル人財交流の促進
・DXアカデミーの運営

多様性を尊重したDE&I経営の推進

◆管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

30%超(26.4%)

◆障がい者雇用率

3.6%(2.94%)

◆シニアエキスパート・マイスター率(※1)

15%(10.6%)

・女性リーダー育成プログラムの実施

カルビーの理念浸透 DNAの伝承

◆指標/目標は検討中

・馬鈴薯研修への取り組み

・A・A・O活動(「安全・安心・美味しい」の品質向上活動)

・新入社員/中途社員入社研修での理念浸透

健やかな心と体づくりの推進

◆平均有給休暇取得率

80%(84.5%)

◆所定外労働時間

15時間/月(11.9時間/月(※2))

◆健康診断受診率

100%(100%)

・有給休暇取得状況の月次確認と取得計画の策定

・健康診断、人間ドックの受診勧奨

・体調不良者、休復職者の早期発見・対応と継続的な医療職による面談を実施

 

(注)管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、障がい者雇用率の目標達成年度は2031年3月期とする

(注)選択型育成プログラム受講者数はカルビー国内グループを対象、その他指標は提出会社を対象
 ※1 定年(60歳)後再雇用社員のうち、高い専門性等を評価し、現役世代の同水準の報酬で雇用する社員の割合

 ※2 対象者は年俸者を除く社員とし、今期の集計より無期転換社員を含むものとする