人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数3,172名(単体) 5,844名(連結)
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平均年齢41.6歳(単体)
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平均勤続年数16.0年(単体)
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平均年収7,733,539円(単体)
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平均年収の
対前年増減率1.0%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
① 人材戦略に関する基本方針
当社グループは、「Next Design 2030」を新たな100年に向けたスタートと位置づけ、雪印メグミルクアセットの大変革を行なうこととしています。また、事業戦略としては、既存事業の競争力の維持・拡大と合わせて、代替食品事業や海外展開といった新たな領域への進出を計画達成に向けた柱としています。
そして、「Next Design 2030」と合わせ刷新した存在意義・志を達成するための行動において、当社グループの役職員一人ひとりが大切に考える共通の姿勢・価値観として、「主体性」・「チャレンジ」・「チームワーク」の3つを「雪印メグミルク バリュー」として定めています。
そのうち、当社における人材戦略を次のように定めています。
② 人材戦略に基づく給与の決定方針
当社は、管理職・一般職からなる正社員と、シニア社員・契約社員などからなる非正規社員のそれぞれで、役割と能力に基づいた賃金設計を行い、さらに、管理職および一般職はそれぞれを等級区分で細分化し、等級区分に応じた賃金支給とすることとしています。
また、正社員やシニア社員は月給制、契約社員は日給制と雇用区分によって異なる賃金の計算方式を採用しています。
賃金は、固定給と賞与、その他手当から構成され、それぞれの内容を次のとおり決定しています。
正社員は、上期および下期の期初に上司との面談を経て、個々人の業務目標を設定し、業務目標に対する結果をフィードバックした上で賞与支給に反映しています。また、能力や貢献度による能力評価を行い、次年度の昇給への反映や、昇級につながる仕組みとしています。
この業務目標および能力や貢献度の評価項目に、「雪印メグミルク バリュー」の体現と経営戦略に基づいた目標設定を織り込むことで、能力の伸長や業務の貢献が報酬に連動することとしています。
加えて、毎年市場の賃金相場を注視し、市場全体と競合他社の状況や物価変動による従業員の生活水準への影響を勘案しながら、ベースアップの有無や採用条件の引上げを検討することとしています。
契約社員についても、業務の貢献が次年度の昇給や賞与支給に影響をする仕組みとしているだけでなく、優秀な契約社員を社員登用する仕組みと合わせて、雇用形態に関わらず意欲を以て仕事ができるようにしています。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注) 1. 従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2. 臨時雇用者数には、シニア社員、契約社員、パート社員及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いています。
② 提出会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注) 1. 従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2. 臨時雇用者数には、シニア社員、契約社員、パート社員及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いています。
3.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
③ 多様性に関する指標
ア.提出会社および連結会社
(注)1.女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女の賃金の差異は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行なう労働者の福祉に関する法律」に基づき開示しています。なお、出向者は出向元の従業員として算出しています。
2.女性管理職比率は、2026年4月1日時点の従業員数を基に算出しています。
3.雪印ビーンスターク㈱の管理職は、ほとんどが当社からの出向者で構成されており、直接雇用の管理職が存在しないため、「該当なし」としています。なお、当社からの出向者も含めた女性管理職の割合は12.5%です。
4.男性の育児休業取得率は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行なう労働者の福祉に関する法律」に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行なう労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第1号における正社員の育児休業等の取得割合を算出しています。
また、育児休業取得率は、当該年度中に子供の産まれた正社員数(A)に対して、その年に初めて育児休業等を取得した正社員数(B)の比率(B/A)を示します。この比率には、前年度以前に子供が産まれたが、その時点では育児休業等を取らず、当該年度に初めて育児休業等を取得した者が含まれるため、育児休業取得率が100%を超えることがあります。例えば、2025年度の取得率には、2024年度以前に子供が産まれ、2025年度に初めて育児休業等を取得した正社員をカウントしています
5.男女の賃金の差異は、女性の賃金が男性の賃金に対してどれだけの割合であるかを示しています。正規雇用労働者には、正社員に加えて、有期から無期契約に転換したフルタイム勤務労働者を含みます。なお、職位や雇用形態における男女の比率の違いが主な要因として、男女の賃金の差異が生じていますが、賃金制度自体に性別による処遇差はありません。
また、当社では、男女の賃金差異が全労働者で67.7%となっていますが、職位や雇用形態別での男女の賃金差異は8~9割程度であり、正社員における男女の年齢構造およびそれに伴う職位毎の女性割合の差異が大きな要因と考えています。そのため、当社は女性活躍を多様性の中核に位置付け、企業戦略として推進しており、女性管理職比率の向上に努めた結果、2025年度の目標としていた10%以上を達成しました。2030年度までの女性管理職比率20%以上の目標達成に向け、引き続き取り組んでいきます。
6.2026年4月1日付で三和流通産業㈱は雪印メグミルクマーケティング㈱に社名変更しております。
6.雪印ビーンスターク㈱は、従業員の選択により時間や働く日数を制限して働いている労働者が、特に女性の割合で多いことから、全労働者での男女の賃金差異は45.2%となりますが、フルタイムで勤務している労働者の男女の賃金差異は92.6%です。
イ.連結ベース
(注)1.提出会社および連結会社に記載の12社の集計値を記載しています。
④ 労働組合の状況
当社グループ(当社および連結子会社)の労働組合には、全雪印関係労働組合連合会に加盟する組合が7組合(2026年3月31日現在組合員数4,020名)、その他に4組合(2026年3月31日現在組合員数245名)があります。
なお、労使関係について特記すべき重要な事項はありません。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) サステナビリティ共通
〈当社グループのサステナビリティ経営〉
※重要課題(マテリアリティ) https://www.meg-snow.com/sustainability/materiality/
〈サステナビリティ経営の実効性を確保するための推進体制〉
創業の精神である「健土健民」と、その実現手法である「循環農法」の考え方は、酪農・乳業の発展と安定的で豊かな食生活の実現のために掲げられたものでした。100年を経て、社会課題は「食の持続性」に変わっています。食の持続性の実現のためには、健全な人間社会だけでなく、動物、植物、地球環境の好循環が必要であり、循環型社会を目指す基本的な思想は100年前も現在も同じであると私たちは考えています。
当社グループのサステナビリティ経営は、環境に配慮した生産システムの構築と付加価値の高い商品の供給により社会課題を解決し、企業の持続性を維持向上することを目指しています。重要課題(マテリアリティ)とKPI(重要管理指標)に沿って、これからもコンプライアンスの徹底を基本として、社会的価値と経済的価値を同時に実現するサステナビリティ経営を推進し、食の持続性の実現を目指します。
(ガバナンス)
当社社長が委員長を務めるグループサステナビリティ委員会を設置し、重要課題(マテリアリティ)のKPI進捗確認や達成に向けた協議を行なっています。その内容は取締役会に報告され、取締役会による監督体制のもと、当社グループのサステナビリティ経営を推進しています。
さらに、グループサステナビリティ委員会の下に、サステナビリティ担当役員が部会長を務め、委員として社長が参加するサステナビリティ推進部会を設置しています。ここでは、担当役員が分科会長を務める「脱炭素分科会」「脱プラ分科会」「人権分科会」「TNFD分科会」からの報告を受け、具体的な取組みを協議しています。
当社の各部署とグループ会社にはサステナビリティリーダーを配置し、サステナビリティグループ活動を行なうなど、従業員へのサステナビリティの理解・浸透や、現場での具体的な取組みを推進しています。
※サステナビリティ関連の各種方針 https://www.meg-snow.com/sustainability/policy/
〈2025年度の開催実績と討議内容〉
グループサステナビリティ委員会は2022年度から年2回開催、サステナビリティ推進部会は2021年12月から年4回開催しています。
(2) 気候変動への対応
①2050年カーボンニュートラル宣言
当社は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル宣言を2023年5月に行い、2030年度までにCO2排出量を2013年度比50%削減する目標をKPIとして、グループ一体で脱炭素の取組みを推進しています。
②TCFD提言への取組み
気候変動問題はグローバル社会の最重要課題の一つであり、食の持続性の実現を目指す当社グループの事業に大きな影響を及ぼすため、課題解決に向けて積極的に取り組む必要があります。当社は2021年10月にTCFDへの賛同を表明し、2022年9月に「雪印メグミルクレポート(統合報告書)」にてTCFDに基づく情報開示を始め、年に一度、内容の見直しを行っています。
(ガバナンス)
「(1)サステナビリティ共通」に記載しています。
(戦略)
気候変動においては移行リスクと物理的リスクから、2つのシナリオ(1.5℃上昇シナリオ、4℃上昇シナリオ)でリスクと機会に分類し、脱炭素ロードマップに基づき取組みを推進しています。2030年と2050年を時間軸として、事業インパクト評価を実施しました。
また、2025年7月に公表したTNFD開示※との統合に向けて内容の整理を進めており、将来的にはTCFDとTNFDを一体的に捉えた開示の高度化を図ります。
※ 気候・自然関連課題への対応‐TCFD/TNFD提言に基づく開示
https://www.meg-snow.com/files/co/sustainability/pdf/tnfd_250731.pdf
気候変動リスク・機会と当社における対応
事業インパクト評価
■影響度「大、中、小」の定義(金額範囲) 大:30億以上、中:10億以上30億未満、小:10億未満
③脱炭素ロードマップ(2030年度までの移行計画:参考)
・本ロードマップは当社のものであり、グループ会社を含むグループ全体のCO2排出量の数値とは異なります。
・2026年4月時点の脱炭素ロードマップであり、a~gの施策の進捗状況に応じ、毎年見直しを行います。
そのため、2026年度以降の数値は参考値となります。
④2025年度の主な取組み
A.炭素価格
脱炭素ロードマップ((2) 気候変動への対応③脱炭素ロードマップ参照)で掲げた施策に沿ってCO2排出量の低減を進めています。
ア.ボイラ設備の燃料転換(施策a)
京都工場では、2026年3月にボイラ燃料を重油からLNGへ切り替えました。これにより、年間2,000tのCO2排出量の削減が見込めます。また、京都工場のLNG化完了により全工場で本施策が完了したため、今後はヒートポンプ設備導入を進め、スコープ1を削減します。
・ヒートポンプ設備導入予定(施策f)
イ.再生可能電力活用(太陽光発電設備導入)(施策c)
再生可能エネルギーの使用拡大に向け、太陽光発電設備の導入を進めています。2025年度は大樹工場、磯分内工場、豊橋工場で稼働を開始し、2026年度以降も野田工場、京都工場池上製造所、ミルクサイエンス研究所、なかしべつ工場へ、順次導入を予定しています。
ウ.再生可能電力活用(施策d)
2025年4月から川越工場でバーチャルPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)の活用を開始しました。また、2025年12月から当社本社オフィス移転に伴い電力契約を非化石証書付き電力に切替えました。さらに2026年4月から北海道地区7工場で使用電力量の50%を再生可能電力に切替えます。今後2か年で他地区の工場に再生可能電力の拡大を計画しています。
エ.その他(水素サプライチェーン)(施策f)
幌延工場では、2025年10月から水素エネルギーの利活用による実証実験の取組みを開始しました。近隣(豊富温泉)から産出された未利用ガスから創出された水素と既存ボイラ燃料であるLNGを混焼させ、ボイラ設備の燃料として使用します。この取組みにより年間約60tのCO2排出量の削減を見込んでいます。
オ.ICP導入
インターナル・カーボン・プライシング制度を2024年4月から導入しました。社内炭素価格については毎年見直しを行っています。
カ.サステナビリティ・リンク・ローンの活用
サステナビリティ・リンク・ローン(以下「SLL」)は、借り手の経営戦略に基づくサステナビリティ目標と連携したサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下「SPT」)を設定し、借入条件とSPTの達成状況を連動させる借入です。
当社グループでは、2030年度CO2排出量50%削減をSPTとして、2022年3月に80億円の調達を行いました。このSPTを基に借入期間の目標値を定めています。なお、CO2排出量は、第三者機関による検証を実施しています。
<当社グループ全体のCO2削減率の目標及び実績値>
※1 2022年度、2024年度、2026年度の数値はSLLで設定したSPT
※2 2025年度数値は見込み
キ.グリーンボンドレポーティングの進捗状況
グリーンボンドは、環境問題の解決に貢献する事業に要する資金を調達するために発行する債券です。2022年12月に発行した50億円のグリーンボンドの対象事業の概要、調達資金の対象事業への充当状況および環境効果に関する指標等を、実務上可能な範囲で年次で当社ウェブサイト上に開示しています。
※サステナブルファイナンス https://www.meg-snow.com/sustainability/finance/
グリーンボンドで開示するプロジェクト
B.消費者意識の変化
ア.石油由来プラスチックの削減に向けて
当社グループでは、容器包装における石油由来プラスチックを削減するため、2030年度に石油由来プラスチック使用量を2018年度比で25%削減(売上原単位)することをKPIと定め、削減施策を進めています。
※集計中のため、当社ウェブサイト等に掲載予定です。
・2025年3月から「ナチュレ 恵 megumi」「牧場の朝ヨーグルト」「恵 megumi ビフィズス菌SP株ヨーグルト」の3ブランドにバイオマスプラスチックを10%配合した容器を導入し、石油由来プラスチック使用量を年間約500tの削減を見込んでいます。
・2025年10月から、中容量サイズのマーガリン類など7品にバイオマスプラスチックを配合した蓋容器を順次導入し、石油由来プラスチック使用量を年間約10tの削減を見込んでいます。
・2026年3月から「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズ(4種)および「恵 megumi ビフィズス菌SP株ヨーグルト」の個食カップ容器を、石油由来のプラスチック製から紙製への切り替えを開始し、年間約600tの削減を見込んでいます。
C.平均気温の上昇
ア.生産拠点の節水の取組み
生産拠点の用水使用量について、2030年度に2013年度比9%削減とするKPIを定め、2023年度以降、3年連続でKPIを達成しています。2025年度は野田工場冷却水活性装置導入、大樹工場配管内残薬液エア押し回収など用水使用量の削減に努め、約47万立方メートル/年を削減しました。
イ.森林保全による水の涵養の取組みについて
森林保全活動や森林由来のJ-クレジット購入を通じ、森林保護や水源の涵養への取組みを強化しています。2025年度より、豊橋工場(愛知県県有林J-クレジット創出プロジェクト)での活用を新たに開始しました。
D.異常気象の頻発化と深刻化(豪雨、洪水等)
ア.生産拠点の水リスク評価
生産拠点の水リスクについて、リスクの再評価を行いました。アキダクト(世界資源研究所(WRI)が開発した水リスク評価のグローバルツール)による評価では、リスクが高い対象事業所はありませんでした。また、当社の独自評価として用水、排水、洪水に関するリスク評価を実施し、対応を進めました。洪水リスクについては、新たに河川氾濫時の訓練実施状況について確認を行いました。
イ.プラントベースフード(代替食品)への参入
2024年3月に、プラントベースフードの新ブランド「Plant Label」(プラントラベル)を立ち上げ、販売を開始しました。プラントベースフードは、世界人口の増加を背景に食料の安定供給が求められる中、たんぱく質の新たな選択肢として注目されています。市場規模は世界的に拡大傾向にあり、その中でも成長が著しい植物性素材は「えんどう豆」です。大豆やアーモンドと比べて生産時の水の使用量やCO2排出量が少ないサステナブルな原料でありながら、脂質が少なく、高たんぱくで食物繊維が豊富という特徴があります。
E.酪農基盤
ア.持続可能な酪農への支援
・酪農由来のJ-クレジット活用
2025年度より、牛の排せつ物を堆肥化する過程で発生する温室効果ガスを抑制するため、強制発酵設備導入で創出されたJ-クレジットを当社が購入し、持続可能な酪農を支援する取組みを開始しました。本取組みでは、長期契約(8年間)を行なうことで、設備導入費用の安定的な回収も可能になります。
・輸入飼料に依存しない酪農経営の実現
2026年1月に当社創業100周年事業の一環として酪農総合研究所シンポジウムを開催しました。今回は酪農総合研究所創立50周年の節目にあたり、「『徹底討論』~日本の酪農乳業をどうするか~」をテーマに、講演2題と総合討議を実施しました。本テーマは、40年前の酪総研10周年記念事業でも掲げたものであり、日本の酪農乳業の将来像や、持続可能な産業として発展していくために必要な施策・政策について、過去最多となる460名超の参加者と議論を深めました。
・牧草・飼料作物種子の作付面積拡大
自給飼料型酪農の推進のため、グループ会社の雪印種苗㈱の牧草・飼料作物種子による作付面積を2030年度までに2019年度比で3%拡大することをKPIに設定し取り組んでいます。
※2022年度は水田活用直接交付金の影響で大きく作付面積が拡大したが、2023・2024年度は制度の見直しに伴い播種需要が大幅に減少したため、作付面積は縮小した。
(リスク管理)
気候変動リスクはサステナビリティ推進部会で報告・協議され、グループサステナビリティ委員会を通じ、進捗状況をグループ全体で共有しています。また、当社内で定期開催しているリスク連絡会ではグループ全体のリスクとトラブルの管理を行っています。
※推進体制は2サステナビリティに関する考え方及び取組(1) サステナビリティ共通参照
(指標と目標)
抽出されたリスクおよび機会に対し、KPIを設定し取組みを行っています。
2025年度の主なKPIの進捗状況
※1 集計中のため、当社ウェブサイト等に掲載予定です。
※2 2022年度は水田活用直接交付金の影響で大きく作付面積が拡大したが、2023・2024年度は制度の見
直しに伴い播種需要が大幅に減少したため、作付面積は縮小した。
(3)TNFD開示について
2025年7月にTNFD本格開示を公表しました。今回の分析・開示を基に各拠点の具体的な取組みを進めています。
①気候と自然の統合シナリオ
気候と自然を統合したシナリオでリスクと機会の分類を検討し、TCFDとTNFDを統合した開示の高度化を目指しています。
#4以外の3つの自然シナリオのもとで、気候シナリオ(1.5℃上昇シナリオと4℃上昇シナリオ)を組み合わせた4つのシナリオを作成しました。
②当社グループのバリューチェーンと気候・自然との関係
当社グループは、牛乳・乳製品の製造販売を主力とし、飼料生産や牧草種子販売なども展開しています。事業は気候と自然の両方に密接に関わり、これらに依存するとともに影響も与えています。そのため、バリューチェーンの上流・下流の各段階にリスクと機会があり、自然と調和した酪農への転換は、地域貢献や新たな価値創出につながります。
③バリューチェーン段階ごとの気候・自然関連の重要なリスクと機会
※TCFDのリスクと機会は表の赤枠で囲んでいる項目です。
④気候・自然関連の重要なリスクと機会への対応策
気候変動や自然資本の劣化は、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があるため、気候・自然関連リスクを認識し、軽減策の実行と市場ニーズへの適応を進める必要があります。そこで、バリューチェーン(飼料生産・酪農・加工製造、輸送)のリスクを整理し、対応策の視点として4つの機会(水資源の保全、戦略的調達と事業運営、規制対応と将来への備え、レピュテーション向上と消費者ニーズ把握)にまとめました。
ア.重要なリスクと機会への対応に関する対応策と指標と目標
気候・自然関連リスクと機会への対応策を具体策に落とし込み、当社が目指すべき目標を整理し設定しています。地下水涵養や酪農へのエンゲージメント(炭素排出削減)など、新たな目標について検討を進めています。
イ.ネイチャーポジティブ・カーボンニュートラルに向けたロードマップ
気候・自然関連の目標達成に向け、ネイチャーポジティブ・ロードマップを整理しました。脱炭素に向けたロードマップは、この一部に位置づけられます。また、水資源保全の長期目標として、ウォーターニュートラル(製品に使用する水の涵養)について検討しています。
⑤自然の状態を注視すべき生産拠点の絞り込み
バリューチェーンで関連する業種ごとの自然との接点を評価したうえで、製造拠点と自然との接点が強い地域を把握し、自然との関係を注視すべき地域の優先付けを行いました。さらに、自然との接点に加え、気候変動と生物多様性を考慮した将来シナリオを踏まえ、バリューチェーン上の自然関連リスクと機会を特定し、LEAP※1アプローチの考え方に基づいて対応策を検討しました。重要な自然への依存と影響はENCORE※2分析で評価し、水資源と陸上生態系に注目しました。
各拠点周辺の自然の状態を横軸、インパクトを縦軸として分析した結果、水資源保全では海老名、野田、京都など市乳生産の主力となるような拠点を中心に対応することが適当と考えられました。また、健全な陸上生態系の保全に向けては、大樹など北海道地方の拠点を中心に検討を進めることが適当と判断しました。
※1 自然との接点、自然との依存関係、インパクト、リスク、機会など自然関連課題の評価のための統合的なアプローチ
※2 Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure:金融機関が投融資先の自然資本に関連する機会や
リスクを評価するために開発したツール。企業が自社のバリューチェーンにおける自然との関係を評価するために使用され
ている。
※ 神戸工場、川越工場及び興部工場については、TNFD開示後に生産終了を決定しました。
⑥リスクおよび機会に対する対応策(開示後の取組み)
ア.水資源保全の対応について
水資源保全の対応として、海老名工場、野田工場、京都工場の地下水について流域を特定し、取水する地下水と保全対象地域(J-クレジット購入地域)で涵養される水とのつながりを調査し、涵養率算定を実施しました。今後、調査対象を他拠点に拡げるとともに水資源保全のKPIを新たに設定します。
⑦今後について
当社グループは、創業の精神である「健土健民」のもと、持続可能な酪農の推進を通じて、自然への依存とインパクトの把握・低減を進めるとともに、水資源保全や陸上生態系保全をはじめとする自然関連課題への対応を強化していきます。今後も、TNFD提言に基づく分析・開示の充実を図り、気候と自然を統合的に捉えながら、リスクの低減と機会の創出に取り組み、ネイチャーポジティブと持続可能な社会の実現につなげていきます。
(4) 人権尊重の取組み
「ビジネスと人権」に関する企業への対応要請はますます強まっており、当社グループの事業活動を行なう上で直接的・間接的に影響を与える全ての人々の人権を尊重する必要があります。
2021年6月制定の「雪印メグミルクグループ 人権方針」に人権デュー・ディリジェンスの実施を掲げ、以降、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の考え方に沿って、ロードマップを策定の上、計画的に進めています。
※人権尊重の取組み https://www.meg-snow.com/sustainability/human-rights/duediligence/
〈人権デュー・ディリジェンスの実施ステップ〉
(ガバナンス)
「(1) サステナビリティ共通」に記載していますので、ご参照ください。
(戦略)
2021年度、当社のサプライチェーンでの人権デュー・ディリジェンスを開始しました。関係部署参画のもと特定した「優先的に取り組む人権リスク」に対して、2030年度までのロードマップに沿って、2022年阿見工場での外国人労働者インタビューを皮切りに、外部の人権専門家による人権影響評価を毎年実施しています。
外国人労働者に関しては、全ての事業所において細やかに確認を進めるため、外部専門家による人権影響評価と併せて、人権分科会のメンバーによるインタビュー(内部による確認)を2023年度より行っています。
2024年9月にリスクの見直しを行い、労働時間などの問題が指摘されている「物流ドライバー」を「優先的に取り組む人権リスク」に追加しました。2025年2月、直販配送㈱海老名支店のドライバーに対して、外部専門家(特定非営利活動法人 経済人コー円卓会議日本委員会、以下CRT)による人権影響評価(インタビュー)を実施、ドライバーから上がった声への対応要否を人権分科会で検討しました。2026年1月には、直販配送㈱福岡営業所において、人権分科会のメンバーによるインタビュー(内部による確認)を行いました。
これまでのインタビューにおいて特筆すべき人権課題は確認されていませんが、労働者の要望に可能な限り対応し、改善を進めています。
現在、グリーバンスメカニズムの範囲拡大にあたり、その実効性を確保するため、対象となる労働者、および実際の通報があった場合の対応フローを人権分科会で検討しています。
2024年12月、取組みを当社グループ全体に拡大するため、外部専門家(森・濱田松本法律事務所 梅津英明弁護士、塚田智宏弁護士)のアドバイスを受け、人権デュー・ディリジェンスの先行実施会社としてグループ会社から2社(ニチラク機械㈱、雪印種苗㈱)を選定しました。2025年3月、この2社の役員およびサプライチェーンの責任者を対象とした人権教育を実施、7月に外部専門家のファシリテーションのもとでワークショップを開催し、自社の「優先的に取り組む人権リスク」を特定しました。
〈ロードマップ〉
●…人権影響評価(外部による評価)○…人権影響評価(内部による確認)
※カッコ内の人数は対象者数 ※2022~2025年度は実績、2026年度以降は計画
(リスク管理)
人権への負の影響を防止・軽減するための対応(人権デュー・ディリジェンス)が不十分な場合は、調達や生産、取引関係におけるマイナス影響や、当社グループのブランド価値毀損にもつながります。そのため、「優先的に取り組む人権リスク」に対して、人権分科会およびサステナビリティ推進部会で対応結果の確認と今後の方向性の協議を行い、その内容は全て、グループサステナビリティ委員会を通じてグループ全体に共有しています。また、グループサステナビリティ委員会の内容は取締役会に報告しています。
当社内で定期的に開催しているリスク連絡会では、グループ全体の人権に関するリスクやトラブルに関する迅速な情報共有を行い、対応を確認しています。
(機会)
人権尊重の取組みは、当社グループにおける人材確保にも寄与しています。人権が守られた安全で働きやすい労働環境、コミュニケーションの円滑な職場を築くことにより従業員のモチベーションは高く、良い評判が伝わることで新しい人材が集まっています。
(指標と目標)
重要課題(マテリアリティ)の重点取組みテーマ「人権の尊重」に定めたKPI※に沿って、計画的に人権デュー・ディリジェンスや啓発活動を進めていきます。
※KPI 「雪印メグミルクグループ 人権方針」に基づき人権デュー・ディリジェンスや啓発活動を行
い、事業活動における人権リスクの特定・防止・軽減を図る。
〈2023年度~2025年度の実施状況(抜粋)〉
(5) 人的資本、多様性
(ガバナンスおよびリスク管理)
当社グループは、「最大の経営資源は『人材』である」と考えています。
世の中の大きな環境変化と先行きが不透明な中で、企業理念を実現し、持続的に成長するためには、その源泉となる付加価値を生み出す「人材」の成長と活躍が不可欠であり、「存在意義・志」を実現するための行動において、当社グループの役職員一人ひとりが大切に考える共通の姿勢・価値観として、「主体性」・「チャレンジ」・「チームワーク」の3つを「雪印メグミルク バリュー」として定めています。
当社グループは、人的資本、多様性における事業活動のリスクを、少子高齢化に伴う労働人口の減少・雇用の流動化が進んでいることに加えて、デジタル技術の急速な進化等、既存スキルの陳腐化が起こり得る市場環境下において、「存在意義・志」を実現するための多様な人材や求める人材の確保・定着ができないこと、「雪印メグミルク バリュー」の対極にある「指示待ち」・「前例踏襲」・「セクショナリズム」といった組織体質に陥ることで市場のスピードに劣後してしまうことと認識しています。
これらのリスクに対応し、同時にDXの活用による生産効率化や海外事業の拡大に資する人材の育成・確保など従来の延長でない取組みを進めることで、「存在意義・志」を実現するため、新中期経営計画「Next Design 2030」では、「DXの推進」と「人的資本の活用・成長」を基盤戦略に位置づけ、基盤戦略に基づいた人事戦略および施策を以下のとおり定めています。
また、人事戦略の実現に向けて、「グループの持続的成長を支える人材の育成」・「個人の能力開発を通じた社員一人ひとりの自己実現」・「DE&Iの推進」を軸として、「雪印メグミルク バリュー」を実践する多様な人材が、個性や能力を十二分に発揮できる環境づくりと人事施策を推進し、従業員一人ひとりのエンゲージメントを高め、付加価値を創造する人材を育成します。
(戦略・指標と目標)
①戦略・指標の実績および目標値
(注)1.一部研修等において連結グループ共通の取組みを実施しているものの、必ずしも全ての会社で取組みを行われていないことや、数値の集約が困難であることから、数値は、連結グループ全体における利益の過半を占める提出会社の実績値を記載しています。
2.自己都合退職率は、定年退職および会社都合(役員への就任や解雇など)以外の事由を自己都合として算出しています。
3.エンゲージメントスコアは、当社の全従業員を対象に行った外部機関による調査(2026年1月調査の回答率95.7%)の結果であり、「職務」(例:やりがい)・「自己成長」(例:成長機会)・「支援」(例:使命や目標の明示)・「人間関係」(例:上司との関係)・「承認」(例:意見・発言に対する承認)・「健康」(例:ストレス)・「理念戦略」(例:ミッション・ビジョンへの共感)・「組織風土」(例:キャリア機会の提供)・「環境」(例:ワークライフバランス)の9つのキードライバーに基づく設問に対して、自己の状況を7段階から選択したものをスコア化した数値です。
4.アブセンティーズムは、病気で休業している状態を表す数値として、傷病休職・休暇制度の利用日数および傷病欠勤日数の合計日数の平均値を記載しています。
5.プレゼンティーズムは、何らかの健康問題を抱えたまま仕事をすることで労働機能に与える程度を測定するための指標として、WFunによる測定を行い、組織の労働機能を総合評価した数値を記載しています。
6.総労働時間は一般職一人当たりの年間時間数です。
7.時間外労働時間数は一般職一人当たりの月間所定労働時間に対する時間数です。
8.年次有給休暇取得率は非正規社員を含む全従業員の年間付与日数に対する取得率です。
9.女性管理職比率は、各年度終了日の翌日(2025年度であれば、2026年4月1日)時点の従業員
数を基に算出しています。
10.育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行なう労働者の福祉に関する
法律施行規則」第71条の6第1号における正社員の育児休業等の取得割合を算出しています。
11.育児休業取得日数(男性)は、育児休業を取得した正社員の男性の、各年度に復職した者の平
均取得日数を記載しています。なお、分割して取得した者は、最後に復帰した年度に数値を
含みます。
12.障がい者雇用率は、障害者雇用状況報告書(各年度6月1日時点)に基づき算出しています。
なお、出向者は出向元の従業員として算出しています。
②人事戦略に基づく取組み
ア.経営戦略と連動した人材の獲得・配置
A.北海道における採用活動の強化
当社は北海道にルーツを持ち、当社商品の主要な原料である生乳を北海道で多く生産していることから、北海道内に多くの工場を有しています。一方、日本における労働人口の減少は地方で顕著であり、北海道も例外ではありません。そのため、北海道における要員の確保、とりわけ道内工場で長期にわたり業務に従事する人材の確保は、当社にとって重要な課題です。
そのため、道内における採用活動を行なうための専門人材を2024年度より配置した他、年間休日数が100日未満の職場もあった中、休日数増加の取組みによる道内工場全てで年間休日数104日以上の実現(2026年度より)や、非正規労働者の採用時を含む賃金の引上げなど労働条件の向上を行なうことで必要要員の確保に努める一方、パレット積みや粉乳が充填された大袋の移動時の持ち上げなど肉体的負荷を伴う重筋作業に対し、協働ロボやリフターなど工場作業の自動化や作業負荷の低減となる設備の導入を行なうことで、ハード面の向上にも努めています。
B.雪印メグミルクグループアワードの開催
2021年度より毎年開催する本制度は、2024年度からはグループ会社にも取組みを拡大し、「雪印メグミルク バリューの発揮」・「収益性」・「社会課題貢献度」の3点より企業価値の向上につながる活動を審査・表彰しています。最優秀賞となった取組みは、アワードムービーとしてサステナビリティ活動などの社内研修やグループ活動を通して、結果だけでなく、成功に至るまでの苦悩や気づきなど過程も含めて従業員に周知することで、好事例の水平展開につなげています。
C.DX人材の育成
当社グループは、「自らの課題を発見し、解決・改善につなぐサイクルを高速化することにより、経営意思決定の高度化およびイノベーションの創出を図ること」ならびに「一人ひとりが高いデジタルリテラシーを獲得すること」をDXビジョンとして掲げています。
DXは、次の100年に向けて事業および組織風土を変革していくための重要な手段であり、その実現には、変革を主体的に推進できる人材の育成が不可欠であるとの認識のもと、当社はDX人材体系および人材レベルごとの育成プログラムを整備しています。当社はDX人材体系を、全従業員を対象とした「DX基礎人材」、各部門でDXを推進する「DX推進人材」、および高度な専門性により変革を牽引する「DX高度人材」の三層に区分し、段階的な育成を進めています。
(DX人材体系)
2024年度は、当社の全社員を対象にDXリテラシー研修を実施し、デジタル活用に関する基礎的な知識・スキルの底上げを図りました。
2025年度は、パイロット部署を選定し、その中からDX推進の中核となる人材に対する研修を実施するとともに、研修成果の発表会を開催し社内共有することで、人材育成と併せて現場起点のDX推進の定着を進めました。
2026年度は、各部・各場所からの選抜を通じてDX推進人材の育成研修を拡大していく予定です。また、2027年度以降の、複数部門を横断して変革を牽引するDX高度人材を対象とした研修プログラム開始に向けた検討も進めています。
D.DXの社内浸透に向けた取組み
当社はDX人材育成と並行して、DXを全社に浸透させるための取組みとして、経営層の意識醸成および一般従業員への理解促進を一体的に進めています。
経営層に対しては、2025年度に、若手・中堅社員がメンターとなり役員を支援する「リバースメンタリング」を実施いたしました。本取組みでは、生成AIやMicrosoft 365等のデジタルツール活用をテーマに、世代を超えた双方向の学び合いを通じて、経営層のデジタル理解の向上を図るとともに、メンター側にも学習意欲やエンゲージメントの向上につながる機会と位置づけ、取組みを進めてまいりました。
一般従業員に対しては、当社独自の対話型生成AIである「YuMe*ChatAI」を中心に、各部署・事業所、グループ会社を対象とした勉強会やワークショップを継続的に開催しています。この中では、基礎的な操作・活用方法と併せて、業務に直結する活用事例の共有や、現場課題に即した実践的な支援も行っています。
これらの取組みに加え、YuMe*ChatAIの事例発表会の開催や、社内ポータルサイトを活用した情報発信等を通じて、DXに関するナレッジや成功事例の全社での共有を進めています。
2026年度以降も、生成AIやデジタルツールのさらなる活用拡大・浸透を通じて、業務効率化や付加価値創出を促進し、DXの定着と全社的な生産性向上に取り組みます。
E.グローバル人材育成の取組み
当社は、「Next Design 2030」における事業戦略の重要な柱として海外展開の強化を掲げ、2026年度より、「グローバル人材体系」および「グローバル人材育成プラン」に基づく取組みを開始しました。
グローバル人材体系では、当社の全社員をグローバルスターターと位置づけ、日々の業務より国際的視点を取り入れることを求めています。その上で、グローバル人材育成プランを通じて、グローバルで活躍できる人材の母集団形成をはかり、海外展開の強化につなげます。
(グローバル人材体系)
(グローバル人材育成プラン)
グローバル人材育成プランについては、下記の4つの大枠に基づく研修として実施していきます。
グローバル人材に必要な能力である「語学力」と「異文化対応力」を育成するプログラムを実施していきます。語学学習プログラムについては、TOEICオンラインテスト機会の提供、英語学習アプリ・VR英語・通信講座の受講料半額補助等に拡大して実施しています。
F.タレントマネジメントシステムの導入
当社は、従業員の能力や特性を可視化し、適正な配置・登用、キャリア形成、組織の最適化検討など、データドリブン人事を推進するため、2026年度よりタレントマネジメントシステムを導入します。
本システムを通して、個人特性を可視化することで、人材配置の最適化に活用するほか、不足するスキルや経験の把握による効率的な育成計画など、全社的な生産性向上と業務効率化につなげます。
イ.エンゲージメントの向上
A.エンゲージメント調査と施策への反映
当社は、従業員のエンゲージメント向上が、従業員一人ひとりが働きがいを感じながら成長し、グループの持続的成長につながると考えています。
そのため、エンゲージメントを指標化するための調査を2023年度より開始し、2024年度からは、PDCAサイクルを加速するため、調査回数を年2回に増やしました。
2023年度の調査結果では、「ワークライフ・バランス」、「同僚からの困難時の支援」等がポイントの高い項目として挙げられる一方、「ミッション・ビジョンへの共感」「挑戦する風土」はポイントが低めの項目として挙げられました。
この結果から、経営と従業員、上司と部下をはじめとする各層間での社内の「対話」が不足しているのではないかと推察し、2024年度からは、各場所の長がエンゲージメント向上の取組みを自場所のアクションプランに落とし込むことで、活動を具体化し、推進する仕組みづくりを行いました。
加えて、2024年度より、各職場のチーム単位で手上げにて参加する「エンゲージメント・チャレンジ活動」を行っており、2025年度には第2回を開催いたしました。本取組みは参加したチームに外部講師によるエンゲージメントに関するレクチャーやワーク活動を通して、自チームの状況に沿ったエンゲージメント向上の取組みを行いました。その結果、取組み後の調査では全ての参加チームがスコアを大きく伸ばし、第1回の参加チームは当社KPIである70を超え、第2回の参加チームも平均で10ポイント以上のスコア上昇をするなど、有意な結果となりました。2026年度からはさらに多くの部署がエンゲージメント向上活動に取り組めるよう、調査実施会社の提供する動画を活用し、活動を広く展開する予定です。
これらの結果2026年1月の調査では全体のスコアは66.0ポイントとなり、前年より0.8ポイント、2023年度の調査開始時からは2.7ポイント向上しました。項目別では「挑戦する風土」・「事業やサービスへの誇り」・「経営陣に対する信頼」で大きく向上しており、「対話」不足の解消を課題とし活動推進した結果と考えています。
2026年度も、「対話」不足の解消に向けた活動を継続することに加え、エンゲージメントスコアの目標進捗を役員の報酬決定要素に加えることや、経営職以上を対象とした心理的安全性セミナーを実施するなど、経営層による関与を強めることで、更なる向上に努めます。
B.健康経営の取組み
当社では、食の楽しさや健康をお届けし、食の未来を創造する企業として、従業員が心身ともに健康であることを尊び、健康の維持・増進に向け、自ら行動することが重要と考えていることから、2021年より「雪印メグミルク健康宣言」を掲げ、以下の取組みを推進しています。
また、経営課題の解決につながる指標を、「雪印メグミルク健康経営戦略マップ」としてまとめ、取組みを進めています。
この結果、2021年3月より6年連続健康経営優良法人の認定を受けています。
ウ.DE&Iの推進
A.女性活躍推進の取組み
B.育児・介護の両立支援
当社は、男性従業員の育児休業の取得促進を目的に、「産後パートナー休暇」として28日間の有給休暇制度を設けています。また、子の看護等のための休暇制度について、小学校6年までを対象としています。加えて、男女を問わず育児休職開始時10日間を有給とする制度(正社員のみ)を設けるなど、育児休業の取得促進に努めています。その結果、2025年度の育児休業取得率は男性においても97.0%となり、3年連続で目標の85%を達成しました。
さらに、休職前と復職前の上司面談や、休職期間中に希望者へのPC貸与により、社内情報へのアクセスや上司とのコミュニケーションの継続を可能とすることで、復職時のギャップを低減する「育児休務者両立支援プログラム」を導入していることに加え、育児に取り組む従業員同士の意見交換を、2020年度から毎年テーマを変えながらワークショップとして開催するなど、交流の場やネットワークの形成支援に取り組むことで、育児休職からのスムーズな復帰の仕組みづくりに工夫を凝らしています。
また、介護保険や施設、認知症などの情報を提供するセミナーを開催することで、従業員の介護への意識醸成を図っている他、育児・介護を担いながら働く従業員を対象とした短縮勤務制度(日数短縮・時間短縮)を設けることで、仕事との両立を支援しています。
C.DE&I推進の取組み
働き方改革、各種制度の拡充と環境整備が進む中、次のステージとして、2023年度から人事担当役員、サステナビリティ担当役員を責任者とし、各部門の実務担当者から構成する「DE&Iプロジェクト」を発足しました。
各部門からの課題抽出を行なう中で、2024年度は一工場を「特区」と定め意見交換をした結果、体力に不安がある年齢の高い従業員や女性従業員など体力的差異に関わらず、より多くの現場作業を担当できるよう設備導入を行っており、2025年度も多様な従業員が働ける体制づくり・環境づくりを推進しました。同プロジェクトは3年の予定期間を満了したため、今後は人事部内に設置する専門部署が継承し、更なる推進に取り組んでいきます。
エ.キャリア開発とグループ人材
A.人材育成体系
当社は、従業員の人材育成として、求められる人的対応能力(リーダーシップ等)を習得し、組織目標達成に貢献できる人材を育成する「階層別研修」、従業員のキャリアビジョンや課題に併せて、主体的に必要スキルを習得できる機会を提供する「公募型ビジネススキル研修」、従業員の年齢に合わせて自身のキャリアを意識させる「キャリア開発研修」、各専門部署の専門知識の深耕を図る「専門研修」と、従業員のキャリアや意欲に応じた様々な研修に取り組んでいます。
2026年度からは、①キャリア開発を軸とした研修プログラム、②主体的なキャリアを描くための仕組みづくりとなるよう人材育成体系を再構築し、社員一人ひとりが自身の将来を見据え、目の前の仕事に意味づけしながら、環境の変化を柔軟に捉え、継続的に学び続ける姿勢「キャリア自律」を促進します。
※当社における人材育成体系の詳細は、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.meg-snow.com/sustainability/human-rights/diverse/
加えて、各部署・グループ会社に人材育成責任者、担当者を配置することで、当社グループの持続的成長を支える人材の育成、個々の能力開発を通じた社員一人ひとりの自己実現に向け、実行力を高める体制を整えています。
B.次世代リーダーの育成および活躍機会の提供
2023年度より、選抜型リーダーシップ開発研修と役員研修をつなぐプログラムとして、次の経営層候補を対象とした、リーダー開発に主眼を置いた所属長研修を導入し、グループ経営の次世代を担うリーダー群の育成をしています。
また、性別や年齢(若手・中堅・シニア)に関係なく、やる気と熱意を持った従業員に対しては、社内公募やキャリアチャレンジ制度、プロジェクトへの参画、グループ会社への派遣等を通じて、能力開発と活躍の機会を提供しています。