事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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受託事業 | N/A | N/A | 76 | -155.7 | N/A |
研究事業 | N/A | N/A | -33 | 67.8 | N/A |
診断 | N/A | N/A | -92 | 187.9 | N/A |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、受託解析を行う「受託事業」、関連技術の研究開発を行う「研究事業」、核酸解析の技術を用いた診断サービスの開発や販売を行う「診断事業」を主な事業の内容としており、この事業区分ごとに包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
なお、2023年4月1日付で組織変更を実施し経営管理区分を変更したことに伴い、当事業年度から、従来の「研究事業」セグメントを受託解析を事業とする「受託事業」と研究開発を事業とする「研究事業」に分割しております。
過去3期間における事業別売上高推移は次の表のとおりであります。
(注) 1 数量については、その内容が多岐にわたるため記載を省略しております。
2 売上高には、消費税等は含まれておりません。
(1) 受託事業
受託事業におきましては、大学や公的研究機関、製薬会社等の企業を主要な顧客として次世代シークエンス、マイクロアレイ実験解析等を行っております。顧客の目的に合わせた実験デザインの提案、データ解析及びサポートの対応に注力しております。
受託事業の主なサービスには、次世代シークエンス受託解析サービス、マイクロアレイ受託解析サービス及びデジタルPCR解析を含むその他遺伝子解析サービスがあり、次のような種類があります。
① 次世代シークエンス受託解析サービス
次世代シークエンサーにより、DNAやRNAを網羅的に解読することで、遺伝子の変異や細胞中の遺伝子の量を測定することができます。主要なサービスは以下のとおりです。
・遺伝子発現解析サービス (RNA-Seq)
各種生物種由来のRNAサンプルから、遺伝子発現量を測定します。FFPE由来の分解したサンプルや微量のサンプルなど、様々なサンプルに対応しています。
・miRNA遺伝子発現解析サービス (miRNA-Seq)
各種生物種由来のRNAサンプルから、miRNA発現量を測定します。血清や血漿、がんとの関わりの深いエクソソーム中のmiRNAの発現解析などに対応しています。
・エクソーム解析、全ゲノム解析サービス
遺伝子全体あるいは遺伝子のある領域のみを濃縮して解析することにより、効率的に遺伝子上の変異を検出します。希少疾患の原因やがんの原因となる遺伝子を網羅的に探索することができます。
・がんパネル解析
がん遺伝子の特定の領域における遺伝子変異を高感度に検出します。
・エピジェネティクス解析
DNAメチル化解析により、遺伝子の転写調節にかかるゲノム領域の探索を網羅的に行います。
・16S rRNA解析、メタゲノムショットガン解析(細菌叢解析)
糞便・唾液・皮膚等のサンプルから、ヒト腸内や環境中に含まれる細菌叢の同定を行います。
② マイクロアレイ受託解析サービス
マイクロアレイ受託解析サービスは以下のとおりです。
・遺伝子発現解析サービス
各種生物種由来のRNAサンプルから、遺伝子発現量を測定します。
・ゲノム構造解析サービス
DNAの微細な領域の構造(欠損、重複、コピー数変化等)を測定します。
・C3チェックサービス
当社独自開発のカスタムアレイCGH解析により、培養工程におけるゲノムコピー数異常を高精度に検出し、再生医療用細胞の品質評価を行います。
③ その他遺伝子解析サービス
微量な遺伝子の絶対定量が可能な「デジタルPCR受託サービス」を提供しています。また、生体サンプル(細胞や組織等)からの「核酸(DNA/RNA)抽出サービス」にも力を入れています。
・デジタルPCR受託解析サービス
低濃度のサンプルを使って、高い精度で検量線を作成せずに絶対定量を行うことができ、わずかなコピー数の差の違いを検出することができます。遺伝子の変異解析等に利用されます。
・核酸(DNA/RNA)抽出サービス
細胞や組織等の各種生体サンプルから、次世代シークエンスやマイクロアレイの目的に応じた核酸(DNA/RNA)抽出を行います。
(2) 研究事業
① 次世代シークエンサーを使用したがん診断技術に関する研究開発
EGFRリキッドの技術をさらに改良した、NOIR-SS技術(分子バーコード技術を用いて高感度かつ正確な分子数測定が可能となる超低頻度変異DNAの検出技術)の研究開発に取り組んでおります。これは、複数の遺伝子を、高い精度で変異検査ができる技術です。
この技術の活用範囲として、リキッドバイオプシー(内視鏡や針を使って腫瘍組織を採取する方法に代えて、血液などの体液サンプルを使用する方法)による低侵襲的遺伝子検査、クリニカルシークエンスによる個別化医療、血液からのがん再発の早期発見、免疫チェックポイント阻害剤の効果判定などが期待されております。
肺がんコンパクトパネル開発・薬事戦略・プログラム医療機器システム構築のノウハウを他癌種のコンパニオンパネル検査へ応用する開発も進めております。肺癌以外でも、複数の薬剤が上市されることで一括パネル検査の需要が高まっている癌種も増えてきており、国内の診療ニーズにマッチしたパネル製品の開発を目指しています。
これらの研究は、国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学及び地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター及び聖マリアンナ医科大学など、国内のがん関連の研究機関・病院と共同で開発を進めております。
② RNAチェックの研究開発
大学・研究機関との共同研究等により、将来の診断・創薬に役立つ遺伝子の働きを検査する新しい方法を開発しております。その方法は、“RNAチェック”(遺伝子発現検査)と呼び、遺伝子の「変異」を調べるDNA検査(遺伝子検査)とは別の検査方法で、遺伝子の種類と量を調べる検査です。その検査対象は、人、動物、植物、微生物、細菌(ウィルス)など生物の血液・組織等の検体であり、現在、このRNAチェックに基づいた次の研究開発を進めております。
主なものとしましては、学校法人慶應義塾大学、学校法人埼玉医科大学及び学校法人北里大学との共同による抗リウマチ薬の効果予測についての研究や、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターとの共同によるうつ病の早期発見を目的としたバイオマーカー研究などを進めております。これらの共同研究を通して、将来の診断・創薬に役立つRNAチェック技術の実用化に向けた研究を進めております。
③ 三井化学株式会社との協業
三井化学株式会社と資本業務提携契約を締結したことにより、当社の遺伝子解析技術と三井化学株式会社のライフサイエンス関連技術を有効に活用、更に、両社が有するネットワークや経営資源を活用することで、両社が協力し、検査・診断領域での新事業を創出することを目的に協議を進めております。2024年度中に新しく共同研究開発に着手する予定です。
なお、研究開発活動の詳細につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 6 研究開発活動」をご参照ください。
(3) 診断事業
診断事業は、当社が培ってきた遺伝子解析技術を活用して、社会のニーズである「個別化医療」や「未病社会」に対応した以下の検査を社会に広めることを目的とした事業で、医療関連機関や研究機関、企業等を主要な対象顧客としております。診断事業の主なメニューは「肺がん コンパクトパネルⓇ」及び「MammaPrint」であります。
① 肺がん コンパクトパネルⓇ
当社の肺がん コンパクトパネルⓇは、肺癌患者さんそれぞれの遺伝子異常に対応した個別化医療・精密医療を実現するためのコンパニオン診断検査です。現在、EGFR ALK MET BRAF ROS1 KRAS RET ERBB2(HER2) NTRKといったドライバー変異に対応する分子標的薬が上市されており、一括で遺伝子変異の検査が可能なパネル検査の重要性が高まってきております。肺がん コンパクトパネルⓇは、肺癌に特化して薬剤投与につながる遺伝子変異にターゲットを絞り、高感度かつ一括での遺伝子パネルコンパニオン診断を提供いたします。組織生検から抽出する核酸のクオリティは、患者さんの検体ごとによってまちまちですが、クオリティの悪い検体にも対応可能な設計となっています。また、胸水・細胞診といったこれまでにパネル検査の実施が難しかった検体種へ適用することも可能なシステムであり、より多くの患者さんにお薬を届けることができるようになると期待しております。
年間11万人といわれている新規肺がん患者を対象とした初回検査において、パネル検査の普及が進んでおり、対象薬剤および対象遺伝子が増えてきたことから、単一遺伝子検査の積み上げで対応することは困難になってきています。このような状況から、パネル検査の実施割合は今後さらに増えていくことが予想されます。また、手術時の補助療法としての分子標的薬の有用性も示され、低ステージ肺癌での検査需要が増えてきております。また、薬剤耐性時の獲得耐性変異の検査ニーズも高まっており、コンパニオン遺伝子検査の対象も広がりつつあります。将来的に全肺癌症例の半数程度がパネル検査を実施すると推定し、国内全体で年間5万件規模の市場規模になると予想しております。
本検査は国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学と地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンターの共同研究成果をもとに、当社が開発・薬事試験を進めてきました。2022年11月16日に薬事承認を取得し、現在、臨床検査ラボ・メディカルラボラトリー(川崎市)にて保険診療検査サービスを提供しています。
② NOIR・AI解析
当社は、分子バーコード法と呼ばれる核酸変異検出について、独自の特許技術を有しております。この技術により、血液中の微量な腫瘍由来DNAを検出したり、免疫発現状態を正確にプロファイルするリキッドバイオプシー検査系の開発と研究用解析サービスの提供をしております。膨大なデータをAIで処理して臨床的に有用な情報に結びつける技術開発にも取り組んでいます。
③ MammaPrint
MammaPrintは乳がんの再発リスクを予測する遺伝子検査です。
乳がんの予後診断は大変難しく、術後も再発・転移を防ぐための治療が必要となります。MammaPrintは、手術によって切除されたがん組織の遺伝子発現を調べ、一人一人のがんの再発リスクを明確にします。その結果、予後のリスクをあらかじめ知ることができ、乳がんの体系的な治療計画を立てることが可能となります。
本検査は、Agendia社(本社オランダ)において行われ、当社はMammaPrintの日本国内における販売代理店となっております。
事業の系統図は次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度の経営成績は、前事業年度よりも売上高が増加し、売上高は490百万円(前年同期比149.7%)となりました。利益面では、営業損失258百万円(前年同期362百万円)、経常損失245百万円(前年同期365百万円)、当期純損失248百万円(前年同期362百万円)となりました。
財政状態におきましては、当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べ111百万円増加し982百万円となりました。
また、キャッシュ・フローの状況におきましては、当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は前事業年度末に比べ113百万円増加し388百万円となりました。
①経営成績の状況
当事業年度における経営成績の状況は以下のとおりであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、490百万円(前年同期比149.7%)となりました。セグメント別の状況は以下のとおりです。
ⅰ.受託事業
<次世代シークエンス受託解析サービス>
受託事業の主要サービスである次世代シークエンス受託解析サービスは、売上が前年と同水準となりました。価格競争の激化により、大学からのご依頼件数が伸び悩んだ一方、民間企業を中心に大口案件の受注を獲得することが出来ました。
<マイクロアレイ受託解析サービス>
マイクロアレイ受託解析サービスについては、前年に比べ問い合わせ件数が減少しており、市場のトレンドとしては次世代シークエンスへの移行が顕著となっております。マイクロアレイ受託解析サービスは前年と比べ売上が減少いたしました。
<その他遺伝子解析サービス>
多様化する受託解析ニーズに合わせて、生体サンプル(細胞や組織等)からの「核酸(DNA/RNA)抽出サービス」にも力を入れております。抽出サービスは次世代シークエンスやマイクロアレイを実施する際の前段階でのサービスとなります。製薬企業を含む民間企業の売上増加に伴い、抽出サービスの件数が増加いたしました。
<Tbone Exキット>
原材料費高騰によるキットの値上げを行った結果、販売数量は前年と横ばいでしたが、売上が増加いたしました。
ⅱ.研究事業
<NOIR-SS技術>
EGFRリキッドの技術をさらに改良した、NOIR-SS技術(分子バーコード技術を用いて高感度かつ正確な分子数測定が可能となる超低頻度変異DNAの検出技術)の研究開発に取り組んでおります。これは、複数の遺伝子を、高い精度で変異検査ができる技術です。この技術の活用範囲として、リキッドバイオプシー(血液などの体液サンプルを使用する方法)による低侵襲的遺伝子検査、クリニカルシークエンスによる個別化医療、血液からのがん再発の早期発見、免疫チェックポイント阻害剤の効果判定などが期待されております。
<肺がん コンパクトパネルⓇの応用>
肺がん コンパクトパネルⓇで培ったパネル開発・薬事戦略・プログラム医療機器システム構築のノウハウを他癌種のコンパニオンパネル検査へ応用する開発を進めております。複数の薬剤が上市されることで一括パネル検査が適用可能な癌種も増えつつあり、コンパクトパネルのベーステクノロジーを活用しながら国内の診療ニーズにマッチしたパネル製品の開発を目指しております。現在、他癌種への応用の実現化を目指し、一括パネル検査系の構築を行うとともに、Key Opinion Leader(KOL)の先生方、製薬企業とも協議を進めております。
<RNAチェック>
大学・研究機関との共同研究等により、将来の診断・創薬に役立つ新しい検査方法を開発しております。その方法は、“RNAチェック”(遺伝子発現検査)と呼び、遺伝子の「変異」を調べるDNA検査(遺伝子検査)とは別の方法で、遺伝子の種類と量を調べる検査です。現在、このRNAチェックに基づいた次の研究開発を進めております。主には、学校法人慶應義塾大学、学校法人埼玉医科大学及び学校法人北里大学との抗リウマチ薬の効果予測研究、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターとのうつ病の早期発見を目的としたバイオマーカー研究などを進めております。
<三井化学株式会社との協業>
三井化学株式会社と資本業務提携契約を締結したことにより、当社の遺伝子解析技術と三井化学株式会社のライフサイエンス関連技術を有効に活用、更に、両社が有するネットワークや経営資源を活用することで、両社が協力し、検査・診断領域での新事業を創出することを目的に協議を進めております。2024年度中に新しく共同研究開発に着手する予定です。
ⅲ.診断事業
<肺がん コンパクトパネルⓇ>
追加3遺伝子の追加申請の承認審査について、2022年12月16日に一部変更申請を提出し、2024年1月26日に承認事項一部変更について統合承認を得ました。合計7遺伝子のコンパニオン診断対象となったことにより、アカウント取得および施設導入が順調に増加しております。2024年3月には、単月での診断事業部利益は、5.65百万円と単月での黒字化を達成しました。検出感度の良さ(少ない腫瘍細胞でも提出できること)、バリアント網羅性、液性細胞診での検査適用といった差別化要素が、臨床現場のニーズを捉えていることが好調の一因と考えております。また、サービス強化の一環として、未承認解析項目にてERBB2(HER2)が変異陽性になった場合に、残余核酸を用いて確認検査を実施する“コンパクトパネルHER2 confirmation set”について大手検査会社3社と連携し、現状未承認項目であるHER2におけるバックアッププログラム提供を7遺伝子アップデートと同時に開始しました。2023年11月には、肺癌学会のガイドラインにおける、“細胞診を対象としたバイオマーカー検索”や“肺癌患者におけるバイオマーカー検査の手引き”の項目の中で、肺がん コンパクトパネルⓇが新たに掲載されました。今後も、臨床現場のニーズに耳を傾けながら製品改良を続け、マーケットシェアの拡大につなげていきます。2023年度は検体数の増加に対応するため、検査体制の強化を行い、出検から検査報告までの検査提供時間(Turn Around Time)は、年間を通して中央値で8日を維持しました。今後、受注数が大幅アップしてもTurn Around Timeが遅くならないようシステム化による自動化拡張、人員体制・教育システム強化による検査品質の向上を進めております。
<NOIR・AI解析>
臨床研究でのコンパクトパネルの活用、高精度分子バーコード法によるリキッドバイオプシー研究案件、周術期における高感度パネル検査および浸潤リンパ球プロファイル解析などの研究プロジェクト支援にむけ、サービス改良や大型研究支援案件受注に向けた開発を進めて参りました。2023年度は、複数のリキッドバイオプシープロジェクトの解析支援、ゲノム情報からのAI駆動型化合物予測ツールの開発及び性能改良、免疫細胞レパトア解析手法の開発及び解析支援に取り組み、今後の新規メニュー化につながる成果が得られました。
<MammaPrint>
保険診療検査としての検査は、競合製品の保険検査が開始となった影響もあり、伸び悩んでおります。一方、研究用途としての根強い需要があり、大型の臨床研究案件の受注が入っており売上につながっています。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前事業年度に比べ60百万円増加し424百万円、販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ2百万円減少し324百万円となりました。
(営業損失)
前事業年度は営業損失362百万円であったのに対し、当事業年度の営業損失は258百万円となりました。
(営業外収益)
前事業年度は0百万円であったのに対し、当事業年度は補助金収入等が15百万円ありました。
(営業外費用)
前事業年度は第三者割当増資に伴う株式交付費等が2百万円ありましたが、当事業年度においても第三者割当増資に伴う株式交付費等が2百万円ありました。
(経常損失)
前事業年度は経常損失365百万円であったのに対し、当事業年度の経常損失は245百万円となりました。
(特別利益)
前事業年度は新株予約権戻入益等が8百万円あったのに対し、当事業年度はありませんでした。
(特別損失)
前事業年度は固定資産の減損損失が4百万円あったのに対し、当事業年度は固定資産の減損損失が0百万円ありました。
(当期純損失)
前事業年度は当期純損失362百万円であったのに対し、当事業年度は、当期純損失248百万円となりました。
なお、当事業年度の経営成績をふまえて、次事業年度におきましては以下の取組みを実施し、1,100百万円の売上確保を目指してまいります。
受託事業
・当社のノウハウを活用した提案型研究受託の営業強化
・実験デザインの提案、検体の受領からデータ解析まで、顧客ニーズに応じた一気通貫の大型案件の受注確保
・最新技術や外部企業との連携強化
・新サービスメニュー開発による他社との差別化
研究事業
・次世代シークエンサーを使用したがん診断技術に関する研究開発
・RNAチェックの研究開発
・三井化学株式会社との協業
診断事業
・肺がん コンパクトパネルⓇの製品改良とシェア拡大
・新規診断検査メニューの開発
・MammaPrintの販売拡大
・研究用検査サービスの提供
取組みの詳細は、上記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(8) 提出企業が将来にわたって事業を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象を解消し、又は改善するための対応策」をご参照ください。
② 財政状態
当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べ111百万円増加し982百万円となりました。その主な要因は次のとおりです。
(流動資産)
流動資産は、前事業年度末に比べて151百万円増加し、677百万円となりました。これは、現金及び預金が113百万円、売掛金が16百万円、仕掛品が17百万円、貯蔵品が31百万円それぞれ増加し、受取手形が12百万円、前払費用が5百万円、未収消費税等が26百万円それぞれ減少したことなどによるものです。
(固定資産)
固定資産は、前事業年度末に比べて40百万円減少し、305百万円となりました。これは、無形固定資産のうちソフトウェアに係る減価償却費31百万円による減少、投資その他の資産のうち長期前払費用8百万円の減少などの影響によるものです。
(流動負債)
流動負債は、前事業年度末に比べて87百万円増加し、208百万円となりました。これは、買掛金が14百万円、未払金が19百万円、前受金が42百万円、未払消費税が4百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
(固定負債)
固定負債は、前事業年度末に比べて2百万円増加し、41百万円となりました。これは、退職給付引当金2百万円の増加によるものです。
(純資産)
純資産は、前事業年度末に比べて21百万円増加し732百万円となりました。これは、第三者割当増資により資本金及び資本準備金がそれぞれ134百万円増加し、当期純損失による利益剰余金が248百万円減少したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は前事業年度末に比べ113百万円増加し388百万円となりました。その主な要因は、税引前当期純損失による減少246百万円のほか、減価償却費の発生41百万円、売上債権の増加10百万円、棚卸資産の増加49百万円、仕入債務の増加16百万円、前受金の増加42百万円、有形・無形固定資産の取得による支出15百万円、株式の発行による収入269百万円などによるものです。当事業年度における各項目の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度は336百万円の支出に対し、当事業年度は140百万円の支出となりました。主な要因は、収入では減価償却費41百万円、仕入債務の増加16百万円、前受金の増加42百万円、支出では税引前当期純損失246百万円、売上債権の増加10百万円、棚卸資産の増加49百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度は155百万円の支出に対し、当事業年度は15百万円の支出となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出7百万円、無形固定資産の取得による支出8百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、第三者割当増資による収入が前事業年度では278百万円、当事業年度では269百万円発生いたしました。
④ 重要な会計上の見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当事業年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 当事業年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、診断事業におきまして、肺がん コンパクトパネルⓇの売上の大幅な増加によるものであります。
②仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 当事業年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは、診断事業におきまして、肺がんコンパクトパネル検査に使用する試薬等の仕入量の大幅な増加や円安の影響による材料価格の上昇によるものであります。
③ 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当事業年度は受託事業では次世代シークエンス受託解析サービスの受注高が前年より減少した影響で、受注残高が前事業年度よりも減少し前年比70.6%となりました。また、診断事業では肺がん コンパクトパネルⓇの受注高が大幅に増加した影響もあり、受注残が前年比233.9%と大幅に増加いたしました。
④ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、診断事業におきまして、肺がん コンパクトパネルⓇの売上の大幅な増加によるものであります。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。