リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)建設投資動向等の影響について
当社グループは、建設用仮設機材の開発・製造・販売及びレンタルを主たる事業としております。当社グループの主要取扱品目は、主に建設現場で使用される仮設機材であるため、当社グループの業績は建設投資動向の影響を受ける傾向にあります。建設投資動向は、民間設備投資や国及び地方公共団体の公共事業予算に影響を受けます。そのため、建設投資動向が著しく変動した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)貸倒れリスクについて
当社グループの取引先は3,000社以上に及んでおり、売上債権は特定の取引先に集中することなく、多数の取引先に対して分散されております。売上債権の貸倒れリスクは、これら多数の取引先の財務状況に影響を受けることになりますが、当社グループの取引先のほとんどは建設会社であり、建設業界を含む全般的な景気低迷の結果、売上債権の貸倒れが増加し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。そのため当社グループでは、信用不安のある取引先とはその信用状況を勘案して慎重に取引を行うように努めております。
(3)借入金を中心とした有利子負債への依存について
当社グループは、仮設機材の購入代金の大部分を借入金、社債及び割賦払いにより調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率は下表のとおり高い水準で推移しております。今後、借入金利が上昇に転じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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2023年3月期 (百万円) |
2024年3月期 (百万円) |
有利子負債残高 (対総資産額比率) |
30,143 (48.0%) |
34,164 (49.6%) |
純資産額 (自己資本比率) |
20,522 (31.7%) |
22,157 (31.1%) |
総資産額 |
62,749 |
68,945 |
支払利息 |
211 |
269 |
(注) 有利子負債残高は、短期借入金、長期借入金(1年内返済予定のものを含む)、社債(1年内償還予定のものを含む)、リース債務(流動負債及び固定負債)、流動負債の「その他」のうちの未払金、固定負債の「その他」のうちの長期未払金の合計であります。
(4)長期借入金等の財務制限条項について
当社は、金融機関数社とシンジケートローン契約を締結しておりますが、これらの契約には、各年度の第2四半期会計期間末及び年度決算期末における連結貸借対照表において、純資産の部の金額が資産の部の合計額の10%を下回らないことや、各年度の決算期末における連結損益計算書の経常損益の額が2期連続して赤字とならないこととする財務維持要件が付加されております。これらの条件に抵触した場合には、シンジケート団の貸付金額の三分の二以上を占める多数貸出人の要請があれば、当社は期限の利益を喪失し直ちに返済義務を負うこととなり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)仕入価格の変動について
当社グループが取り扱う仮設機材は、主に鋼製品であり、鉄鋼原材料市況に大きく影響されます。そのため、当該市況により仕入価格が著しく変動した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)建設業法について
当社工事部が行う仮設工事事業及びアグリ事業部が行う農業用ハウス建設工事事業は、建設業法に定められた特定建設業「とび・土工工事業」の許可を受け施工しております。工事部の主な取引先は建設会社又はリフォーム業者等、アグリ事業部の主な取引先は農業協同組合等であり、取引を行う場合建設業の許可を取得していることは必須事項となっておりますので、建設業許可の取消や停止事由が発生した場合は当社の業績に影響を及ぼす可能性がございます。
(7)為替変動リスクについて
為替相場の変動は、連結決算における在外子会社財務諸表の円貨換算額に影響を与えるため、為替相場に著しい変動が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)製造物責任(PL)について
当社グループの製品及び商品には、製造物責任のリスクが内在しております。製品の欠陥や商品の経年劣化に起因して大規模な製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化し、これを保険により補填できない事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)自然災害・感染症の流行について
当社グループでは、地震、台風等の自然災害及びウイルス等の感染症の流行により操業停止をせざるを得ないような事態の発生に備え、国内外での生産拠点及びレンタル機材物流拠点の分散や従業員の安全確保及び早期復旧対策等を実施しておりますが、予想を超える規模・範囲での従業員や建物の被災や新型インフルエンザ等世界規模での感染症流行が発生した場合、操業停止・各国の経済停滞やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営・業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、流行中の新型コロナウイルスについては、在宅勤務比率の引上げや交代勤務、営業人員の直行直帰徹底により従業員の感染リスクを抑えながら、顧客への製品・サービス供給を維持しております。今後も供給責任を果たすべく、働き方と生産性の検証を進めて参ります。
(10)システム及び情報セキュリティに関するリスクについて
当社グループのシステムは、事業を行う上の重要なITインフラであり、システム障害の未然防止や障害発生時の早期復旧や冗長化を前提とした適切な設計を行い、セキュリティ面の安全性に配慮したシステムの導入及び構築に努めております。しかしながら、システム上に新たな脆弱性が出現した場合や新型のサイバー攻撃を受けたことに起因し、情報セキュリティ事故が発生した場合、これらにより業務遂行に支障をきたす可能性、また保有している個人情報や機密情報等に毀損又は漏洩が生じる可能性は排除できません。このような事態が発生した場合、損害賠償金や対策費用を支払うことにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、株主への利益還元を重視し、安定した配当を継続して実施していくことを基本としております。
当社の剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金配当を行うことを基本方針といたしております。
当事業年度の配当につきましては、自己資本を充実させるため、財務体質の健全性を維持・強化するため、2024年5月10日開催の取締役会において1株につき普通配当8円の配当を実施することを決定いたしました。この結果、中間配当を含めました年間配当額は1株当たり14円となり、当事業年度の配当性向は59.5%となりました。
内部留保につきましては、健全な財務基盤を確立するとともに、自己資本の充実のために充ててまいりたいと考えております。
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって、毎年3月31日又は9月30日を基準日として、剰余金の配当等を行うことができる旨、定款に定めております。当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 |
2023年11月9日 |
279 |
6円 |
取締役会決議 |
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2024年5月10日 |
372 |
8円 |
取締役会決議 |