リスク
3【事業等のリスク】
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとしては必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、以下に開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防又は回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は本株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点にご留意下さい。
(1)労働者派遣法について
総合人材サービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(現 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」)」(以下、「労働者派遣法」という。)に基づく厚生労働大臣の「一般労働者派遣事業」の許可を取得しており、労働者派遣法に基づく規制を受けております。
当社グループが労働者派遣法第14条のいずれかに該当するときは、厚生労働大臣は一般労働者派遣事業の許可を取り消すことができる旨が定められておりますが、現時点において、当社は許可の取消しに該当する事実はないと認識しております。しかしながら、将来、何らかの理由により許可の取消し等があった場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)保育に関する国の方針
2000年に認可保育園の運営主体に株式会社も認められることになり、当社グループの子育て支援サービス事業においても、認可保育園の運営を事業として行っております。今後、国の方針が変わり、株式会社による認可保育園の開設や既存の公立保育所の民営化が認められなくなった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)介護保険について
介護関連サービス事業におきましては、老人福祉法、介護保険法等に基づく規制を受けております。当社グループは、関連する法律に基づき適正にサービスを提供しておりますが、今後法律の改正及び介護報酬額の改定等があり、サービスの内容及び料金体系の見直しが必要となった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法令遵守に関するリスクについて
当社グループでは、従業員、スタッフに対する入社時及び継続的なコンプライアンス研修の実施、より充実した内部管理体制の構築など、法令を遵守するための体制を整え、社会的責任を果たすべく努力を重ねております。しかしながら、これらの教育研修及び内部管理体制の整備は、従業員、スタッフの違法行為をすべて排除することを保証するものではありません。法令遵守体制の強化については今後も継続して取り組んでまいりますが、従業員、スタッフによる重大な過失、不正、違法行為等が生じた場合には、当社グループに対する訴訟や損害賠償請求、信用の低下といった金銭的・社会的な影響が予想され、これにより業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)個人情報の管理
当社グループは、サービス利用者の個人情報を有しており、また、スタッフの就業先においても、個人情報を取扱うことが多いことから、個人情報の管理は重要なものであると認識しております。当社グループでは、従業員、スタッフ全員に情報漏洩に関する意識を徹底し、業務に携わる前には必ず個人情報の適正利用に関する指導を行うとともに、継続的に研修を行っております。当社グループでは個人情報の保護管理体制を整備しており、今後も重要課題として個人情報の保護管理に取り組んでまいります。また、個人情報漏洩にかかる金銭的なリスクを回避するため、個人情報漏洩保険に加入しております。しかし、何らかの理由により個人情報が外部に漏洩するような事態が生じた場合には、当社グループに対する損害賠償請求や信用の低下といった金銭的・社会的な影響が予想され、これにより業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)優秀なスタッフの確保
総合人材サービス事業、子育て支援サービス事業、介護関連サービス事業と当社グループのどの事業においても、成長意欲のある優秀なスタッフを確保することが必要不可欠であります。よって、今後、当社グループが成長していくためにも、スタッフの確保は重要な事項であります。
優秀なスタッフを確保するためには、採用活動と研修活動がともに重要であると認識しております。採用活動においては、独自の求人サイトの構築等、求職者が応募しやすい環境を整えており、研修活動においては、採用したスタッフについて、社会で活躍するにあたり必要なマナー等の基礎知識、スタッフの従事する業務に対する知識の向上、就業に際するスタッフ満足度の向上に努めております。
しかし、このような諸施策を実施するにもかかわらず、当社グループの計画どおりに優秀なスタッフの確保ができないことも想定されます。この場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)総合人材サービス業界におけるサービス提供業界の構成比について
当社グループの総合人材サービス事業のサービス提供業界について、モバイル業界の割合が高くなっております。これは、業界特化型で事業を展開することにより、当社グループが他の人材サービス企業との差別化を図ってきたことによります。
総合人材サービス事業における当連結会計年度の業界別売上高は、次のとおりであります。
業 界 |
売上高(千円) |
構成比(%) |
モバイル業界向け |
9,771,598 |
44.7 |
その他業界向け |
12,092,044 |
55.3 |
合 計 |
21,863,642 |
100.0 |
現在、物流・製造、コールセンター、保育・介護、建設業界と積極的な事業展開を行っており、総合人材サービス事業全体に対するモバイル業界向けの割合は下がってきておりますが、今後も需要が高水準で推移する業界であると考えており、売上高を伸ばしていく方針であるため、モバイル業界の動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)社会保険について
当社グループのスタッフにおいても、一定の条件を満たした場合は社会保険(厚生年金及び健康保険)への加入が義務付けられております。当社グループでは、既に加入義務者全員が社会保険に加入しておりますが、社会保険加入要件について、今後加入対象者が短時間労働者まで広がった場合、スタッフの社会保険加入人員数が増加します。人件費の増加により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)事業投資について
当社グループは、成長を加速するための有効な手段として同業又は関連する分野を中心に企業又は事業の買収を積極的に検討してまいります。
これらに伴って多額の資金需要が発生する可能性があるほか、のれんの償却等により業績が影響を受ける可能性があります。また、これらの事業投資が必ずしも見込みどおりに当社グループの業績に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、買収した企業の収益性が著しく低下した場合、のれんの減損が生じるなど当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)減損会計の適用について
当社グループの子育て支援サービス事業セグメントのライクキッズ株式会社及び介護関連サービス事業セグメントのライクケア株式会社が保有する有形固定資産及び無形固定資産合計額が連結総資産の42.9%を占めているため、当該事業環境の変化や経済的要因から各資産グループの営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなる等、投資回収が不可能となった場合、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)自然災害等の影響について
当社グループは、日本全国に営業拠点を有しており、想定を大きく上回る規模での台風・地震・洪水・疫病等の自然災害や事故が発生した場合、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があり、これらを完全に回避することができず被害が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、財務体質を強固なものとすること及び事業への再投資による企業価値の向上を図りつつ、その一方で、利益還元を積極的かつタイムリーに行うべく、連結配当性向30%程度を目安とし、中間配当及び期末配当の年2回配当を実施する方針としております。
これら配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
この方針のもと、当期の配当金につきましては、1株につき年間58円の配当を実施することといたしました。内訳としては、中間配当金として1株につき29円、期末配当金として1株につき29円であります。これにより、当期の連結配当性向は45.5%となりました。
内部留保資金につきましては、経営基盤の強化並びに将来の事業展開に向けた投資等に活用したいと考えております。
当社は、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議により、毎年11月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、当期に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(千円) |
1株当たり配当額(円) |
2024年1月12日 |
556,512 |
29 |
取締役会決議 |
||
2024年8月29日 |
556,511 |
29 |
定時株主総会決議 |
当社は、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる。」旨を定款に定めております。