2024年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 3,736 100.0 577 100.0 15.4

事業内容

3 【事業の内容】

当社の事業は、タウンニュースを発行し、その広告枠の販売を主業務としております。

タウンニュースは、購読料のかからない地域情報紙(フリーペーパー)であり、紙面の中に地域の政治、経済、社会、文化、スポーツ等の身近な情報(記事)を載せ、継続的に紙面を発行しております。また、読者・クライアントのニーズを意識した企画特集やテーマを絞った特別号の発行にも注力し、地域の社会的課題解決に資する情報についても発信しております。主たる収益源はこれら紙面の広告枠販売であり、その広告枠をクライアント(広告主)に直接販売するとともに、広告代理店を経由しても販売しております。

発行エリアは基本的に行政区単位としており、それぞれ掲載内容の異なる紙面を神奈川県内全域と東京都町田市、八王子市、多摩市において計39地区39版発行しております(2024年6月末時点)。

紙面発行にあたっては、仕入印刷業者に紙面の印刷を委託し、折込配送委託業者を通して日刊紙(朝日、毎日、読売、日経および神奈川、産経、東京の各紙)に折込み、各家庭や事業所等に配布しております。

また、2010年4月には紙面に掲載した広告がパソコンやスマートフォン等でも見られる「Web版タウンニュース」の広告販売を開始、そして、2012年2月に紙面発行エリア内の政治家データベース「政治の村」を開設、さらに2016年2月にはご近所情報サイト「RareA(レアリア)」をスタートし、2017年7月には「メール版タウンニュース」を、2022年2月に「タウンニュースfor LINE」の配信サービスを開始しました。

事業系統図は以下のとおりであります。

 

 


業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は企業部門の生産活動が持ち直し、個人消費の回復を凌ぐインバウンド消費の高まりにより雇用環境の改善など緩やかな景気の回復がみられるようになりました。その一方、長期化するロシアのウクライナ侵攻や中東情勢など地政学的リスクの影響によりエネルギー価格の高止まりや行き過ぎた円安の進行など、先行きは依然として不透明な状況が続いています。

このような経営環境のなか、当社では中期経営計画(2021年度~2023年度)の最終年となる当事業年度において計画の基本ビジョンである「『地域情報紙を発行する会社』から『地域情報紙も発行する総合情報企業』へ」を実現すべく様々な課題と向き合ってまいりました。コア事業である紙面発行事業では、地域のニュースや身近な話題に加え、地域課題解決に向けたアプローチや「SDGs」「介護」「安全・安心」といった読者・クライアントのニーズを意識した全版一斉企画の実施など、真に地域に密着した話題性の高い紙面を提供することにより、他のメディアとの差別化を図ってまいりました。また、近年における人口・世帯数動態、文化圏や経済圏、地域住民の生活動線、歴史的背景などを考慮した発行版の再編・見直しも適宜実施しました。

デジタル事業においては、「Web版タウンニュース」や「メール版タウンニュース」および「タウンニュース for LINE」を軸とした、新聞購読者以外の地域住民にも身近な情報を届ける情報発信の多様化にも引き続き取り組んでまいりました。またスピンオフサイトであるご近所情報サイト「RareA(レアリア)」や「政治の村」などによる地域情報の充実とともに、インライン広告や記者レポート記事の商材化などに取り組み、デジタル広告の販売ならびに収益の強化を図ってまいりました。

非紙面事業では企業・学校・団体の記念誌、自費出版物、販促グッズ、ホームページ・動画制作などの企画提案のほか、イベントの企画運営、地元自治会向け防災グッズの開発・販売なども積極的に進め、地域における多様なニーズに対応した各種事業展開を進めてまいりました。PPP(公民連携)事業では、自治体が実施する各種のプロポーザルへの参加で着実な実績を積み上げたほか、「秦野市文化会館」に次ぐ第2弾となる「茅ヶ崎公園体験学習センター」(愛称:うみかぜテラス)の指定管理業務を受託し、本年4月から事業を始動しております。

中期経営計画に基づくこうした各種施策の結果、WebやSNSなどによる広告媒体の多様化や価格競争の恒常化、紙面原材料費をはじめとした各種コストの高騰など厳しい経営環境下ではありましたが、売上高は前年実績を上回り、昨年に続き過去最高を更新することができました。利益につきましても、人件費を中心としたコストアップが進むなか、売上原価ならびに諸経費の節減に努めた結果、営業利益、経常利益、当期純利益ともに前事業年度を上回り、いずれも2年連続で過去最高を更新する結果となりました。

以上、当事業年度の業績は、売上高3,736百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益576百万円(前年同期比1.3%増)、経常利益686百万円(前年同期比10.4%増)、当期純利益492百万円(前年同期比14.6%増)となりました。

 

 当事業年度における財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

事業年度末の資産合計につきましては、前事業年度末に比べ463百万円増加し5,440百万円(前年同期比9.3%増)となりました。これは主に、現金及び預金が34百万円、有価証券が100百万円、投資有価証券が165百万円、投資不動産が91百万円、長期預金が61百万円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

負債合計につきましては、前事業年度末に比べ15百万円増加し、640百万円(前年同期比2.4%増)となりました。これは主に、未払消費税等が20百万円減少したものの、未払費用が33百万円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

純資産合計につきましては、前事業年度末に比べ448百万円増加し、4,800百万円(前年同期比10.3%増)となりました。これは主に、利益剰余金が398百万円、その他有価証券評価差額金が49百万円増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ26百万円減少し、691百万円となりました。

当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は、428百万円(前年同期比36百万円減)となりました。これは主に、税引前当期純利益(690百万円)、減価償却費(49百万円)、その他の流動負債の増加(15百万円)等の増加要因が受取利息及び受取配当金(18百万円)、不動産賃貸料(20百万円)、投資有価証券売却益(60百万円)等の減少要因を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出された資金は、361百万円(前年同期比56百万円減)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出(282百万円)、有価証券の取得による支出(200百万円)、投資有価証券の取得による支出(127百万円)、投資不動産の取得による支出(121百万円)等の要因が、定期預金の払戻による収入(160百万円)、有価証券の償還による収入(99百万円)、投資有価証券の売却による収入(93百万円)等の要因を上回ったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、93百万円(前年同期比11百万円増)となりました。これは主に、配当金の支払い額(93百万円)であります。  

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当社は単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況については、主要な事業部門であるタウンニュース事業について記載しております。

(1) 生産実績

当事業年度の主要な事業部門の生産実績を示すと、次のとおりであります。

 

事業部門

当事業年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日

(千円)

前年同期比(%)

タウンニュース事業部門

1,248,337

△3.7

 

(注) 金額は売上原価によっております。

 

(2) 受注状況

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当事業年度の主要な事業部門の販売実績を示すと、次のとおりであります。

 

事業部門

当事業年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日

(千円)

前年同期比(%)

タウンニュース事業部門

3,736,173

1.2

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当社の自己資本比率は、当事業年度末において88.2%となっており、現状、財政状態につきましては大きな懸念はないものと認識しております。当事業年度末において、当社は無借金経営であり、今後もその健全な財務状態を基盤として、将来の事業展開のための設備投資や安定配当の継続など、企業価値の向上に努めてまいります。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

売上高につきましては、前事業年度に比べ43百万円増加し、3,736百万円(前年同期比1.2%増)となりました。主な要因等については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価は前事業年度に比べ47百万円減少し、1,248百万円(同3.7%減)となりました。これは、折り込み部数の適正化を図ったことによるものです。
 販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ84百万円増加し、1,911百万円(同4.6%増)となりました。これは、主に給与や賞与等人件費や福利厚生費等が増加したことによるものであります。

 

(営業利益)

営業利益は、前事業年度に比べ7百万円増加し、576百万円(同1.3%増)となりました。売上高の増加分に加えて売上原価の減少分の合計が販売費及び一般管理費の増加分を上回り、前年を上回りました

 

(営業外収益、営業外費用)

営業外収益は、前事業年度と比較して株式売却益があったことにより59百万円増加し、前事業年度の二倍以上となる114百万円となりました

営業外費用は、主に不動産賃貸費用4百万円を計上し、前事業年度より増加して5百万円となりました

 

(経常利益)

経常利益は、前事業年度に比べ64百万円増加し、686百万円(同10.4%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失)

特別利益は、固定資産売却益4百万円を計上し、前事業年度より増加して4百万円となりました。

 

(税引前当期純利益)

税引前当期純利益は、前事業年度に比べ69百万円増加し、690百万円(同11.2%増)となりました。

 

(当期純利益)

当期純利益は、前事業年度に比べ62百万円増加し、492百万円(同14.6%増)となりました。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、経営活動に必要な資金の調達を自己資金にて賄っており、借入等の予定はありません。余裕資金の運用は定期預金を中心とした安全で流動性の高い金融資産であり、流動性を確保しております。 

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況1.財務諸表等」の注記事項(重要な会計方針)に記載しております。財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なる場合があります。

 

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(繰延税金資産)

当社は、繰延税金資産の回収可能性の判断について、将来の課税所得等の前提条件に基づき算出しております。従って、税制改正や経営環境の変化等により当初見込んでいた課税所得が得られなかった場合、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。