2024年12月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)トップリスク

 当社グループは、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識しているリスクのうち、「発生頻度又は発生可能性」及び「影響度」の観点から、特に重要度が高いリスクを「トップリスク」として選定し、管理しております。

財務リスク

発生頻度又は発生可能性

影響度

関連する機会とリスク

(○機会●リスク)

主要な取り組み

特定サービスへの依存(*)

(*)

●「Yahoo!ショッピング」等の特定サービスへの依存度が高いことによる、同サービスの停止又は業績低迷、当社と競合する機能等の影響

・同サービスに依存しない新規事業の検討

ビジネスモデル

○独自のトラッキング技術による競合との差別化

●クッキーを利用したトラッキングが制限されることによる広告効果の計測困難

・トラッキング規制及びブラウザーベンダーやWorld Wide Web Consortium(World Wide Webで使用される各種技術の標準化を推進する為に設立された団体)等の動向調査

・独自トラッキングの技術開発、回避策の検討

その他の関係会社であるLINEヤフー株式会社

(*)

(*)

〇その他の関係会社であるLINEヤフー株式会社内でのシナジー効果による業績の向上

●その他の関係会社であるLINEヤフー株式会社内において当社グループが行う事業に競合関係が生じた場合やその他の関係会社であるLINEヤフー株式会社の経営方針変更による提携関係解消に伴う業績への影響

●主要株主以外の株主の利益毀損

・その他の関係会社であるLINEヤフー株式会社内での定期的な情報共有

・社外取締役より構成される特別委員会で関連当事者間取引の相当性を審議・検討

グループガバナンス

○当社グループ会社とのシナジー効果による連結業績の向上

●当社グループ会社のガバナンス不足によるグループ経営の品質の低下や、連結業績への影響

・週次の事業報告、月次のステアリングコミッティ、四半期ごとのモニタリング実施によるガバナンスの強化

事業継続/危機対応

●大規模災害発生時等の物的資源(サーバ等)、情報システムの東京集中による事業継続の困難

・複数クラウドサービス利用によるデータセンターの分散化・多重化の実施

・他地域への展開の検討

・障害発生時の復旧手段の明確化

自然災害

●非常災害時におけるサービスの提供停止による業績への影響

●災害後の事業復旧作業の遅れによる業績への影響

・リモートワーク下を意識したBCPの策定

・BCPの定期的訓練

個人情報管理

●当社グループ又は委託先の関係者の故意・過失、悪意を持った第三者の攻撃又は不測の事態によるサービス利用者の個人情報の漏洩

・ISMS認証に基づくセキュリティレベルの維持・管理のための運用遵守

・セキュリティチェックプロセス実施の徹底

・従業員に対する教育の継続

データガバナンス

〇データガバナンスにおける信頼の向上

●データガバナンスの不徹底を原因とする、データの取得方法やデータ管理上のトラブルによる信用の毀損、顧客離れの発生

・データガバナンスの運用ルールの整備、規約の検討

・データガバナンスに関する従業員教育の実施

サイバーセキュリティ

●業務上の人為的ミス又は故意による不法行為、災害等によるシステム障害、マルウェア感染や標的型攻撃等のサイバー攻撃、システムや製品等の脆弱性等による、情報漏洩、データの破壊や改竄、サービス停止の発生

・システム管理体制の構築、継続運用

・定期的バックアップの実施

・脆弱性情報のチェックと対策実施

・社外からのサイバー攻撃による不正アクセスの監視・防御

システム障害

●システムの不具合、仕様、運用の誤りに起因する集計ミスによる売上の毀損又は過大請求の発生

・開発レビュー、テストの徹底

・精度の高いデータへの変更

・定期的なモニタリング

投資戦略

〇M&A及び新規事業による事業領域の拡大

●市場環境や競争環境の変化による、M&A及び新規事業への投融資の回収遅延からなる連結業績や成長及び事業展開等への影響

・M&A及び新規事業投資における当社グループの既存事業とのシナジー効果、事業計画、財務内容及び契約関係等の慎重な調査・検討

(*)「特定サービスへの依存」の財務リスクについて、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(オンラインモールのストア向けクリック課金型広告「StoreMatch(ストアマッチ)」及びCRMツール「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」に係るLINEヤフー株式会社との取引契約の終了及びこれに伴う移行サポート業務の提供に係る基本合意書の締結)」に記載のとおり、当社と当社の主要取引先であるLINEヤフー株式会社(以下「LINEヤフー」という。)との間におけるオンラインモールのストア向けクリック課金型広告「StoreMatch(ストアマッチ)」及びCRMツール「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」(以下「両サービス」という。)に係る取引契約が、2025年7月31日をもって終了することとなりました。これに伴う2025年12月期の両サービスを通じた売上高の減少は、2024年12月期の8月から12月までの実績より概算で73億円を見込んでおります。その影響を最小化すべく、当社としてはこれまでに蓄積したオンラインマーケティングに関するノウハウと技術力を活かし、ソーシャルコマース領域及びリテールメディア領域の強化、並びにトラベルテック事業の拡大により業績回復に努めてまいります。

 

 

(2)発生頻度又は発生可能性及び影響度

「発生頻度又は発生可能性」及び「影響度」それぞれのレベル選択の目安は以下のとおりであります。

発生頻度又は発生可能性

影響度

レベル

目安

レベル

目安

(低い)

5年に1回程度発生、又は今後5年以内に発生する可能性が高い

(軽微)

“事業に多少の影響が出る/事業に直接的な影響が生じない”ようなリスク

 

・収益への影響

売上高等の主要な経営指標の1%程度の軽微な損失、又は直接的に生じない

・信用への影響

顧客からの問い合わせ等による極めて限定的な影響、又はほとんど生じない等

(偶発的)

1年~2年に1回程度発生、又は今後1年~2年以内に発生する可能性が高い

(限定的)

“事業に一定の影響が出る”ようなリスク

 

・収益への影響

売上高等の主要な経営指標の5%~10%程度の損失

・信用への影響

不祥事や事故が一部メディアで報道されて一定程度毀損される、SNSのユーザー投稿等に基づく炎上による限定的な影響、秘密・極秘には至らない情報の漏洩や消失、主要でないサービスの停止等

(高い)

6ヶ月に1回程度発生、又は今後6ヶ月以内に発生する可能性が高い

(重大)

“長期的に経営に大きな影響が出る/主要な事業の継続が危ぶまれる”ようなリスク

 

・収益への影響

売上高等の主要な経営指標の20%程度の損失

・信用への影響

不祥事や事故が主要メディアで報道される等して毀損される、秘密・極秘情報の漏洩や消失、主要なサービスの停止等

(頻発)

1ヶ月~2ヶ月に1回程度発生、又は今後1ヶ月~2ヶ月以内に発生する可能性が高い

10

(深刻)

“経営の存続が危ぶまれる”ようなリスク

 

・収益への影響

売上高等の主要な経営指標の60%程度以上の巨額な損失

・信用への影響

不祥事や事故が多くの主要メディアで報道される等して著しく毀損される、秘密・極秘情報の大規模な漏洩や消失、主要なサービスの回復が困難なレベルでの停止等

 

配当政策

3【配当政策】

当社では、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要な課題の一つとして位置付けております。配当政策につきましては、将来の成長に向けた投資のための内部留保を確保しつつ、業績に応じた配当を実施することとしております。基本目標を連結配当性向30%以上とする中、2024年度の目標を連結配当性向50%以上としております。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の配当を実施することを基本方針としております。また、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。

上記方針に基づき、当事業年度の配当につきましては、1株当たり25円の中間配当と1株当たり32円の期末配当を実施いたしました。この結果、当事業年度の連結配当性向は50.3%となりました。

内部留保資金につきましては、財務体質の強化と今後の事業展開のための備えとしております。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2024年7月26日

541

25.0

取締役会決議

2025年1月31日

693

32.0

取締役会決議