2023年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    110名(単体) 6,610名(連結)
  • 平均年齢
    46.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    21.4年(単体)
  • 平均年収
    8,990,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

酒類事業

3,808

(3,383)

食品飲料事業

2,554

(310)

不動産事業

130

(25)

報告セグメント計

6,492

(3,718)

その他

8

(2)

全社(共通)

110

(14)

合計

6,610

(3,734)

 (注)1 従業員数は就業人員であります。

    2 ( )内は、年間平均臨時従業員数を外数で表示しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2023年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

110

(14)

46.8

21.4

8,990

 (注)1 従業員数は就業人員であります。

    2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

    3 ( )内は、年間平均臨時従業員数を外数で表示しております。

    4 当社のセグメントは「全社(共通)」のみのため、セグメント別情報の記載を省略しております。

 

(3)労働組合の状況

当社グループには、サッポロビール労働組合等が組織されております。

なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異

 

①提出会社

2023年12月31日現在

 

会社名

管理職に占める女性従業員の割合(%)(注1、5)

男性従業員の育児休業取得率(%)

(注2、5)

男性従業員の

1名あたり

育児休業取得

日数(日)

(注2、5)

男女間賃金差(%)

(注1、3、4、5)

全従業員

うち

正規雇用

従業員

うち

パート・

有期従業員

サッポロホールディングス㈱

0.0

*

*

**

**

**

 

②連結子会社

2023年12月31日現在

 

会社名

管理職に占める女性従業員の割合(%)(注1、5、6)

男性従業員の育児休業取得率(%)

(注2、5、6)

男性従業員の

1名あたり

育児休業取得

日数(日)

(注2、5、6)

男女間賃金差(%)

(注1、3、4、5、6)

全従業員

うち

正規雇用

従業員

うち

パート・

有期従業員

サッポロビール㈱

6.9

114.0

32.1

67.8

67.8

53.6

ポッカサッポロフード&ビバレッジ㈱

5.7

87.0

9.3

69.7

69.6

67.4

サッポロ不動産開発㈱

28.6

*

*

80.9

80.5

**

㈱サッポロライオン

5.9

25.0

143.0

42.3

74.3

72.3

サッポロフィールドマーケティング㈱

32.7

80.9

34.7

㈱新星苑

53.9

65.2

78.5

㈱PSビバレッジ

65.3

71.1

68.3

㈱北海道サッポロライオン

44.7

83.0

75.3

 (注)1 管理職に占める女性従業員の割合および男女の賃金差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、海外子会社を含めたサッポログループ全体の女性管理職比率は14.4%となっております。

2 男性従業員の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。「*」は育児休業等及び育児目的休暇の対象となる男性従業員がいなかったことを示しております。

3 男女の賃金の差異については、「源泉徴収票」の給与・手当・賞与を含めた総支給額の平均額に基づき算出しております。1名当たり賃金に差が出ておりますが、賃金制度・体系において性別による処遇差は一切なく、役割等級や雇用形態別の人数構成の差によるものだと捉えております。具体的には、正規雇用従業員における賃金差については、グループ全体において、給与の高い職群である管理職において男性比率が高いことによるものです。また、全従業員の賃金差については、㈱サッポロライオン、サッポロフィールドマーケティング㈱、㈱新星苑、および㈱北海道サッポロライオンにおいて、女性従業員の中で、短時間で働く有期雇用者の比率が高いことによるものです。これらの是正に向け、現在推進している女性活躍への取り組みにより、管理職を最優先とし女性比率を適正に高めていくこと、働き続けられる環境の整備等を進めることで、男女の賃金差異の解消につなげていきたいと考えております。詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 〈サッポログループ人財戦略〉①グループ人財戦略および人財育成方針・社内環境整備方針」に記載のとおりです。

4 「**」は算定に必要な従業員が在籍していないことを示しております。

5 出向者は出向元の従業員として集計しております。

6 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)又は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づく公表義務の対象ではない連結子会社は、記載を省略あるいは「-」と記載しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<サッポログループのサステナビリティに関する考え方>

サッポログループは、1876年の創業以来、酒類事業、食品飲料事業など、「食べる」「飲む」という人の根源的な営みに関わる事業を展開してきました。そして外食事業や不動産事業では、食事やショッピングを楽しむ、快適に住む・働くといった、人々が心豊かな時間を過ごせる空間を提供しております。このように、当社グループの事業はいずれも、人々の暮らしや社会に潤いをもたらし、その豊かさに貢献することを目指しており、こうした考え方のもと、グループの提供価値を「すべての事業が提供する時間と空間で、人々と地域社会のWell-beingに貢献」と定義しております。

サステナビリティ経営の推進にあたっては「サッポログループ サステナビリティ方針」のもと、「環境との調和」「社会との共栄」「人財の活躍」を柱とする重点課題9項目を特定し、それぞれ目標を設定しその達成に向けて、進捗をモニタリングしながら取り組みを推進しております。

これからも、世界中のサッポログループ従業員と、ステークホルダーとのパートナーシップのもとに、社会価値と経済価値の創出を両立させ、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。

 

① ガバナンス

サッポログループは、サッポロホールディングス代表取締役社長を委員長とする「グループリスクマネジメント委員会」「グループサステナビリティ委員会」を「経営会議」の諮問機関として設置しております。

「グループリスクマネジメント委員会」では、委員会事務局が半期ごとにグループにおけるサステナビリティ関連リスクの発生状況や対応、再発防止について取締役会へ報告します。「グループサステナビリティ委員会」では、グループ全体でサステナビリティ経営を推進するための全体方針を策定し、グループ内の調整を行い、担当取締役が半期ごとに気候変動や人財に関する課題を含めたサステナビリティ全般に関する課題対応の進捗状況について取締役会へ報告しております。取締役会は、これら報告を受けた課題への取り組みや設定した目標をモニタリングし、監督しております。また、グループ各社のサステナビリティ活動推進のための諸施策を立案・実施しているほか、事業会社と連携し、情報共有と進捗の確認を行っております。

取締役の報酬に関して、業績連動型株式報酬の項目に、「ESG指標」「従業員エンゲージメント」を組み入れ、サステナビリティに関する取り組みを役員報酬に反映させております。

 

 

② 戦略

サッポログループは幅広い社会課題について、各事業との関連性を「事業による社会・環境への影響度」と「社会・環境による自社財務への影響度」の両面から、リスク・機会の観点で評価し、「環境との調和」「社会との共栄」「人財の活躍」を柱とするサステナビリティ重点課題9項目を特定しております。各課題の具体的取り組みを進めることで、経済価値創出に繋げます。中でも、グループの事業との関連性およびリスクと機会の影響度の大きさから、「脱炭素社会の実現」「地域との共栄」「多様な人財の活躍」を最注力課題と位置づけております。気候変動に対する戦略は<TCFDへの対応>に、人財に対する戦略は<サッポログループ人財戦略>にそれぞれ詳細を記載しております。

 

③ リスク管理

サッポログループは「事業と環境にかかわるリスクを包括的に把握し、重点的に対応すること」により事業の永続性を図っています。リスクを「将来に向けた不確実な事象」と定義し、未だ顕在化していない広義のリスクとすでに具現化した狭義のリスクをそれぞれ担当する機関がアプローチし、リスク管理を重点化することで、脅威の極小化、機会の最大化に努めています。

なお、「経営会議」、「グループサステナビリティ委員会」および「グループリスクマネジメント委員会」は、相互の役割を認識し、それぞれの機能に応じたアクションプランを設定して、「機会」と「脅威」のリスクに対応しております。

 

④ 指標および目標

サステナビリティ重点課題に対し、それぞれ目標を設定し、その達成に向けて、進捗をモニタリングしながら取り組みを推進しております。最注力課題3点の目標と実績は以下のとおりです。

*会社名の表記については以下の略称を使用しています。

SH:サッポロホールディングス㈱、SB:サッポロビール㈱、PS:ポッカサッポロフード&ビバレッジ㈱、SGF:サッポログループ食品㈱、SRE:サッポロ不動産開発㈱、SLN:㈱サッポロライオン、SBL:SLEEMAN BREWERIES LTD.、SVL:SAPPORO VIETNAM LTD.、PK:POKKA PTE. LTD.

SH+4事業会社:SH,SB,PS,SRE,SLN

*「☆」マークがついている、温室効果ガス排出量は、当社により策定した算定ルールおよび算定結果について国際的な基準であるISO14064-3に準拠した第三者検証を一般財団法人日本品質保証機構から受けています。算定範囲などの詳細は、当社WEBサイト(ESGデータ集)を参照願います。

https://www.sapporoholdings.jp/sustainability/esg/

*温室効果ガス排出削減目標はSBT認定を取得しています。

*他の項目に関する目標及び最新の実績は下記に掲載しております。

https://www.sapporoholdings.jp/sustainability/policy/systems/

*気候変動に対する指標及び目標は<TCFDへの対応>に、人財に対する指標及び目標は<サッポログループ人財戦略>にそれぞれ詳細を記載しております。

 

<TCFDへの対応>

① ガバナンス

「<サッポログループのサステナビリティに関する考え方>①ガバナンス」に記載の通り、サッポロホールディングス代表取締役社長を委員長とする「グループサステナビリティ委員会」を「経営会議」の諮問機関として設置し、環境保全活動を推進・統括するとともに、各事業会社の環境経営の取り組みをサポートしております。

 

② 戦略

「サッポログループ環境ビジョン2050」に基づき、脱炭素を志向した事業構造改革、省エネ対策の徹底に加え、再生可能エネルギーの活用で脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めております。グループ全体での徹底した脱炭素の取り組みと、ビール事業で培ってきた原料づくりの取り組みで、気候変動へ緩和と適応の両面から課題解決に挑んでおります。なお、気候変動による影響が想定されるビール原料農産物の調達地域を対象としたシナリオ分析を実施し、戦略に反映しております。

 

Ⅰ.シナリオ分析結果

基軸のビール事業で気候変動による影響が想定されるビール原料農産物の調達地域を対象とした、シナリオ分析を実施しました。国際連合食糧農業機関(FAO)のシナリオ分析データなどを基に、異常気象などの要因を考慮して補正しており、気候変動要因、経済社会要因、生産量に関する要因がそれぞれ異なる3つのシナリオについて、2050年までの収量の変化を想定しております。

 

〇主要調達国の収量増減予想

サステナビリティ進展シナリオでは、化学肥料使用に規制がかかる影響等によって、収量に対してマイナスの影響が出る事を想定しております。収量推計が増加基調の国では上表のマイナス要因を受けても増加や横ばいを保つ場合があります。

 

 

〇財務影響

上記のシナリオ分析の結果をもとに、原材料の調達コストに影響が大きいと予想される以下の項目について財務影響を分析しました。本分析は、2022年度における全調達をもとに、気候変動関連の影響による価格増加分のみを試算しております。

・環境規制の強化による有機栽培の拡大

・エネルギー価格高騰による調達価格の上昇

・原材料(大麦、ホップ、トウモロコシ)の収量減少による原材料価格の上昇
 

各シナリオで最も財務影響の大きかったものは、停滞シナリオでした。停滞シナリオでは、「エネルギー価格高騰による調達価格の上昇」による影響が最も大きく、「原材料の収量減少による原材料価格の上昇」による影響で、2030年時点で2.5億円、2050年時点で7.7億円という結果になりました。次に影響の大きかった進展シナリオでは、「環境規制の強化による有機栽培の拡大」による影響で、2030年時点で2.0億円、2050年時点で5.5億円という結果になりました。標準シナリオでは、「原材料の収量減少による原材料価格の上昇」、「環境規制の強化による有機栽培の拡大」による影響で、2030年時点で1.3億円、2050年時点で5.0億円という結果になりました。

 

品目別にみると調達額の一番大きい大麦(麦芽含む)が、各シナリオで最も価格上昇のある品目となりました。進展シナリオでは、調達金額の大きさに連動して各品目の影響が生じていますが、標準シナリオと停滞シナリオでは、調達金額の一番少ないトウモロコシが2番目に高い金額となりました。これは、標準シナリオと停滞シナリオ共に、トウモロコシの収量が大きく減少することが予想されており、その影響が大きいと考えられます。

 

Ⅱ.炭素税導入によるスコープ1,2への影響

炭素税導入による財務影響は、国際エネルギー機関(IEA)のNZEシナリオ(Net Zero Emissions by 2050 Scenario)に基づき、当社拠点のエネルギー使用量から試算をしました。2030年、2050年時点において、当社もCO2削減目標が達成できた場合と出来なかった場合の財務影響を分析しました。

 

1USD=133.36円

IEA:NZEシナリオ

炭素税2030年:先進国130USD、新興国90USD、発展途上国15USD

炭素税2050年:先進国250USD、新興国200USD、発展途上国55USD

 

計画通りに排出量を削減できた場合、2030年:110千t、2050年:0tをそれぞれ見込んでおります。一方で、削減目標を達成できなかった場合、2022年の排出量が継続することを想定し2030年、2050年それぞれの排出量を189千tと見込みました。

削減目標を達成できなかった場合、できた場合をそれぞれ比較すると、2030年は約31.3億円、2050年は約60.6億円のインパクトがあるという結果となりました。

 

③ リスクと機会、対応・施策の方向性

シナリオ分析の結果によると、各シナリオでビール原料農産物の収量が減少する地域があることがわかりました。これらの影響を含めて、3つのシナリオが現実化した場合を想定し、サッポログループが直面するリスクと機会について検討を行いました。

リスクについては、異常気象による農作物の収量減少、規制強化、病虫害などによる品質低下などを認識しております。一方で機会については、品種改良による品質の安定化、新品種の開発、商品開発等による競争力の強化を認識しております。緩和策や適応策を強化することで、リスクの影響が低減され、機会を獲得できる可能性が大きくなると捉えております。

収量減少の傾向が各地域で生じますが、地域差に応じて、多角的に調達先を確保することにより対応します。また、農薬に関する規制強化、病害による収量減や品質低下には、協働契約栽培の活動や新品種の開発・実用化で対応していきます。これらは、いずれのシナリオに対しても効果を発揮する施策です。

 

〇移行計画

 

 

サッポログループは温室効果ガス削減目標についてSBT認定を取得しております。SBT1.5℃基準では、目標年に向かう毎年の削減水準が定められており、グループ全体で一定の傾きの削減を目指しております。

このような削減計画を達成させるため、2022年から2030年の8年で約21億円の脱炭素投資を行います。生産拠点では設備の老朽化対策に合わせて高効率化への更新や工程の合理化などの省エネ活動、また、電力を中心に再エネの転換を進めます。脱炭素を目的とした投資判断の枠組みでは、ICP(Internal Carbon Pricing)を主要事業会社で導入しており、今回投資額の試算では6千円/t-CO2を採用しています。


 

 

基幹事業である酒類事業では、サッポロビール原料開発研究所を拠点に国内外の大学や研究機関、サプライヤーと連携しながら新品種の開発に取り組んでいます。気候変動により影響が大きくなると想定されるビール主原料について、病害抵抗性に優れ、異常気象でも収量や品質が安定している品種の実用化を目指し、開発を進めております。

 

④ 指標および目標

緩和策

2030年

・自社拠点からの温室効果ガス排出量(スコープ1,2)を2022年比で42%削減する

・バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量(スコープ3)を2022年比で25%削減する

・FLAGスコープ1,2,3の温室効果ガス排出量を2022年比で31%削減する

- 排出削減活動を国内の協働契約栽培全産地で展開

2050年

・スコープ1,2,3で温室効果ガス排出量ネットゼロを目指す

- 使用電力を100%再生可能エネルギー由来にする

 

適応策

・2030年までに気候変動に適応するための新品種(大麦、ホップ)を登録出願

・2035年までに気候変動に適応するための新品種(大麦、ホップ)を国内で実用化

・2050年までに上記品種の他、新たな環境適応性品種を開発し、国内外で実用化

 

*その他TCFDへの対応に関する詳細な情報は下記に記載しております。

https://www.sapporoholdings.jp/sustainability/environment/nature/climate/

<サッポログループ人財戦略>

① グループ人財戦略および人財育成方針・社内環境整備方針

サッポログループは、「中期経営計画(2023~26)」の基本方針「Beyond150 ~事業構造を転換し新たな成長へ~」を実現するための重要な経営基盤を人財と位置づけ、2023年に新たな人財戦略を策定しました。

人財戦略では、北海道開拓使をルーツとする、創業以来の私たちの強みをベースとしながら、大きく変化する事業環境に合わせ、必要な場所で必要な力を蓄えた多様な人財が「ちがいを活かして変化に挑む越境集団となる」ことを目指しております。

人財は私たちすべての価値創出の源泉であるとの考えの下、3つの戦略、優先課題・主な方策とKPIを定め人財育成、社内環境整備に取り組むこととしております。


 

 

戦略①多様性×流動化=変化への挑戦

「1.多様性促進」

事業構造を転換し、新たな成長を目指す当社にとって、同質性の高さから脱却し、多様性を推進することは最重要課題であり、その中でも、女性活躍を優先課題と考えております。

2026年の最終目標をサッポロホールディングス社+4事業会社で女性取締役・管理職比率共に12%とし、ロードマップを作成、ローリングしながら確実な目標達成に向け取り組みを進めております。

2023年度は、女性中堅層の早期育成に向け、経営トップとの対話会やセミナー実施、現場TOPを育成責任者とし、育成計画への積極的関与のしくみづくりを行いました。結果、2023年12月末現在サッポロホールディングス社+4事業会社女性取締役比率7.9%、管理職比率6.7%となり、取締役比率は一時的に0.4%下がりましたが、管理職比率は、1.3%上昇しました。更に、2030年には、サッポロホールディングスの取締役比率30%、管理職比率20%の目標を掲げ、ちがいを活かして変化に挑む会社への進化を目指します。

 

これらスピードを上げた多様性の促進への取り組みを通じて、KPIとして掲げている社員意識調査「D&Iチーム力」3.2以上(現在3.0)の向上につなげていきたいと考えております。

 

「2.社内外人財の流動的な活用」

社員全員が「自分のキャリアは自分で切り拓く」ことを目指し、キャリア自律と挑戦できる風土を推進するための支援を強化しております。

 

(1)キャリア実現の場・機会の拡大

当社では30年以上前から、人財公募、フロンティア休職制度の導入等、自らの主体的意思でキャリアを選択・実現する場の拡大に取り組んでまいりました。その結果、人財公募は、2023年は年間35件、応募者68件と年々増加しております。2020年以降、社内外副業制度・社内インターン制度も導入し、2023年現在、社内外副業の経験者は累計175名となりました。2026年KPIである社内外副業経験者300名を目指し、2024年度以降も、社外での副業、社外からの副業者受入による他流試合の場を更に拡大することで、個々の社員のキャリアを拡大、挑戦への風土づくりを加速してまいります。

 

(2)一人一人に寄り添い、キャリアを丁寧に考える機会の提供

異動希望者全員、入社3年以内社員への人事配置担当との直接面談の実施、2010年より社内キャリアカウンセラーによるキャリアサポート制度導入等、一人一人のキャリアオーナーシップの意識向上を進めてまいりました。

2023年は、特に守りに入りがちなシニア層のキャリア開発を攻めに転換するマインドセットを目的に、希望者を対象にキャリア面談を導入し、2023年末現在50歳以上の約9%が面談を実施しております。

人生100年時代を見据えた新たなキャリアづくりへの積極的な支援も進めております。

 

戦略②人的資本投資=個と組織の強化

「3.経営人財育成」

「4.スピードある成長への積極投資」

中期経営計画で目指す「海外事業の成長」「コア事業における収益力向上」を実現するため、スピードを上げ集中投資する人財として経営、グローバル、DX・ITの3つを掲げ、人財確保・育成を重要課題と位置付けております。2023年は経営人財の潤沢な人財プールづくりにむけた計画的育成の仕組みづくり、グローバル中核人財は2026年100名の確保を目指し、人財のリストアップ、戦略的育成配置プランの策定、中堅層以上を対象とした新たな研修の展開、グローバルコミュニケーション力・ビジネススキル強化等に取り組んでおります。

*DX基軸人財戦略に関しては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

また、2023年11月、サッポロビール社では、ビジネスのタネ探索の仕組みづくりとして、「Wonder Works(未来を拓く挑戦)」を本格始動しております。新しいことにチャレンジしたくなる気運を全社で醸成、それを実現する人財を数多く生み出し、将来の新規事業創出に繋げることを目指しております。

このように、事業戦略を担う重要な経営基盤である人財への積極的な投資を進めてきた結果、2023年の人財育成投資額は279百万円、2020年の約3倍となりました。今後も必要な人財投資を進めるとともに、これらのKPIとして掲げている、社員意識調査「未来価値創造への挑戦」3.0以上(現在2.7)達成を目指します。

 

戦略③働き続けたい環境整備=100%の力発揮

「5.エンゲージメント向上と健康促進」

 

(1)多様な価値観に対する柔軟な働き方

10年前より在宅勤務、フレックスタイム制度、2016年には一時的に地域を限定して勤務できる制度の導入等、柔軟な働き方への対応を進めてまいりました。2024年以降、サッポロビール社では「リージョナル型社員のどこでも勤務制度」や出張型の営業職において単身赴任又は自宅から通勤を選択できる制度、サッポロライオン社では、管理職時短制度導入を予定しております。

また、サッポロビール社では2017年よりプラチナくるみん、ポッカサッポロフード&ビバレッジ社ではくるみんの認定を取得する等、子育て支援へも積極的に取り組んでまいりました。男性育児休職者増加に向け、休職中の年収試算ツールの開発や管理職の意識改革への粘り強い取り組みの結果、2023年サッポロビールでは男性育児休職率の目標であった100%を2年前倒しで達成となりました。サッポロホールディングス社+4事業会社平均の休職率は97.5%。育児休職日数は29.1日となりました。

 

更に病気と仕事の両立では、社内外へ越境し活動を深化させてきた取組みも評価され、「がんアライアワード2023」において、サッポロビール社は新設された最上位ランクの初代ダイヤモンド賞、ポッカサッポロフード&ビバレッジ社はシルバー賞を受賞致しました。今後も、仕事と個々のメンバーが抱える課題との両立への環境づくりを進めてまいります。

 

(2)支援型マネジメント力の強化

心理的安全性やアンコンシャスバイアス研修の展開、1on1の実施や人財育成会議をはじめとする支援型マネジメントの更なる推進徹底等により、社員意識調査のメンバー自身の仕事への自信、強みの発揮、働きがいの3項目においていずれも、前年より0.2~0.4数値が向上致しました。

 

(3)健康経営の推進

2023年よりスタートした健康経営の中期経営計画では、重症化予防・こころと体の健康づくりを重点課題として掲げ、2026年迄のKPIを策定、健康意識の向上、健康行動の習慣化、職場での話題性喚起等をテーマに取り組み、2023年度大規模法人、中小規模法人健康経営優良法人で、グループ計7社が認定されました。

 

このような取り組みの結果、KPIとして掲げるワークエンゲージメント(2026年KPI54以上)は、前年より0.4上昇し、2023年度に54を達成しました。

また、出勤時の労働遂行能力の低下による労働損失の指標であるプレゼンティーズム(2026年KPI 33.4%以下)は、前年より120百万円の損失改善となり、0.6%改善され33.8%となりました。

今後も、健康、安全・安心、人権尊重を推進し、個の持てる力を100%発揮できる環境づくりを加速してまいります。

 

② 指標および目標

Ⅰ.多様性の促進

・女性取締役・管理職比率12%

Ⅱ.社内外人財の流動的な活用

・社内外副業経験保有者増、グループへの拡大

Ⅲ.経営人財育成

・サッポロホールディングス社+4事業会社の経営人財 サクセッションプラン実施

・人的資本情報の見える化

Ⅳ.スピードある成長に向けた積極投資

・グローバル中核人材100名 ※海外業務経験者、グローバル人財強化策対象者等

・DX・IT基幹人財200名

Ⅴ.エンゲージメント向上と健康促進

・ワークエンゲージメント 54以上 (2023年54.0)

・プレゼンティーイズム損失 33.4%以下 (2023年33.8%)