2024年9月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると判断した事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。

 本項の記載内容は当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではなく、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針であり、当社のリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」に記載のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)競合について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高)

 社会人教育市場については、多くの企業が参入しております。その中でも、当社と同様のビジネスモデルを有している企業は複数社ありますが、サービスの特性、その導入実績、ノウハウによる技術等、様々な点から他社と比較して優位性を確保できていると認識しております。しかしながら、将来の成長が期待される市場であり、国内外の事業者が新たに参入してくる可能性があります。このため先行して事業を推進していくことで、さらに実績を積み上げて市場内での地位を早期に確立してまいります。しかしながら、今後において十分な差別化等が図られなかった場合や、新規参入により競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)想定以上の解約が生じるリスクについて

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高)

 当社の主力サービスである「Schoo for Business」はサブスクリプションモデルであることから、当社の継続的な成長には新規顧客の獲得のみならず、既存顧客の契約継続が重要であると考えております。予算及び経営計画には、実績をもとに一定の解約率を踏まえた継続率を見込んでおりますが、サービスの魅力の低下、追加機能やサポートに対する満足度の低下などにより、当社の想定以上の解約が生じた場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため当社では、カスタマーサクセス体制の強化によって顧客満足度を高める施策を実施するとともに、機能開発やサポートの充実により継続率の維持・向上を図っております。

 

(3)継続的な投資と損失計上について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高)

 当社は、継続的な成長のため、事業に対する投資を積極的に進めていく方針であります。近年、オンライン広告等を活用した顧客の集客及び優秀な人材獲得を積極的に進めていることや、当社のビジネスモデル上、継続的に当社サービスを利用する顧客を増加させることで収益を積み上げ、投資回収を図る形態であることから、2023年9月期までの経営成績は営業損失の計上となっております。当社は、継続的な成長のために、営業や開発等における優秀な人材の採用・育成を計画的に行うとともに、知名度と信頼度の向上のための広報・PR活動、顧客獲得のためのマーケティングコスト投下等を効果的に進め、売上高拡大及び収益性の向上に向けた取り組みを行っていく方針であります。しかしながら、先行投資に応じた結果の収益を確実に予測することは困難であり、需要が予測と比較して低迷する可能性を含んでおります。今後も引き続き、費用対効果を慎重に検討の上、継続的な投資を進めていく予定ですが、一定期間内で投資に応じた効果が得られない場合には、営業損失の計上が継続するなど、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、営業利益を定常的に創出するべく、新規顧客の獲得や既存顧客の解約防止等に注力してまいります。

 

(4)システムトラブルについて

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高)

 当社が展開する事業は、インターネットを介してサービスを提供する形態であり、アクセスの急激な増加等による負荷の拡大、自然災害、事故、不正アクセス、その他何らかの要因によりシステム障害やネットワークの切断等予測不能なトラブルが発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社のサービスは、外部クラウドサーバAmazon Web Services社が提供するサービス(以下「AWS」という。)を利用して提供しており、AWSの安定的な稼働が当社の事業運営上、重要な事項となっております。これまでのところ、当社においてAWSに起因する重大なサービスの停止やトラブル等は起こっておりませんが、システムエラーや人為的な破壊行為、自然災害等の当社の想定していない事象の発生によりAWSが停止した場合には、顧客への損害の発生やサービスに対する信頼性の低下などにより、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があり、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化のリスクは高くないと認識しております。

 当社ではAWSが継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整備しております。AWSは、FISC安全対策基準(注)を満たす安全性を備えております。

(注)FISC安全対策基準とは、金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準のことを指します。

 

(5)提供するアプリケーションの重大な不具合について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高)

 当社が提供するアプリケーションは、開発計画から本番リリースに至るまでの開発プロセスが定められております。顧客へ提供する前に、品質のチェックを十分に行った上で本番リリースをしておりますが、顧客への提供後に重大な不具合(バグ等)が生じ、補修等追加コストの発生や信用の失墜、損害賠償責任が発生した場合、当社の事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)情報管理体制について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高)

 当社では、業務に関連して多数の個人及び顧客企業の情報資産を取り扱っております。万が一、こうしたデータの情報漏洩、改ざん、又は不正使用等が生じた場合、若しくは何らかの要因からこれらの問題が発生した場合には、顧客への損害賠償やサービスに対する信頼性の低下などにより、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があり、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する可能性は高くないと認識しております。

 当社においては、2021年8月に情報セキュリティマネジメントシステム(JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013))の認証を取得し、当該公的認証に準拠した体制を整備しております。また、個人情報保護管理規程、機密情報管理規程など、重要な情報資産の保護に関する規程等を整備運用するとともに、役職員に対し研修等を行い、情報管理の強化を図っております。加えて、情報セキュリティについては外部からの不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入防止についてもシステム的な対策を講じております。

 

(7)自然災害等の予期せぬ事象により、特徴である生放送ができなくなるリスクについて

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高)

 当社の本社及び放送スタジオは東京都渋谷区にあり、首都直下型地震や南海トラフ地震等を例とする大規模自然災害等が発生した場合、被災地域における本社及び放送スタジオの損壊、停電、及び交通、通信、物流といった社会インフラの混乱及び途絶、取引先の被災、設備の損壊や電力供給の制限等の影響等を受け、業務の停止やコンテンツの収録及び生放送の配信ができなくなる可能性があります。自然災害等の事象が発生する場合に備えて、代替となる放送スタジオの確保、リモートワークに対応したシステムとセキュリティ整備等、不測の事態に伴うリスクを最小限に抑えるよう努めてまいります。

 

(8)配当政策について

(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。

 将来的には、各事業年度における経営成績を勘案しながら、株主への利益還元を検討していく所存でありますが、現時点において、配当実施の可能性及び実施時期は未定であります。

 

(9)税務上の繰越欠損金について

(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 2024年9月期末時点で、当社に税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりません。今後当社の業績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合は、課税所得に対して通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10)新株予約権の行使による株式価値の希薄化

(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社では、当社の役職員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しております。また、資金調達を目的とした新株予約権を発行しております。

 提出日現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は9.4%となっております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

(11)コンテンツの優位性が低下するリスクについて

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、自社で企画・制作をした豊富な学習コンテンツを当社サービスの強みの1つとして認識しております。これらのコンテンツは、「学びの場」として提供するプラットフォームを通して優秀な人材の確保及び教育等により品質の維持・向上を図るとともに、日本国外の同業種の動向分析や他社との差別化を進めることで競争優位性を高めるよう努めております。しかしながら、巨大資本等を背景にした新規参入事業者等により、短期的に数多くの学習コンテンツが構築される脅威が発生する可能性等があり、その結果、当社の提供するコンテンツの情報価値が相対的に低下し、当社の提供するサービスの価値が比例して低下した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(12)コンテンツ管理体制の整備・強化について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 オンライン学習サービス「Schoo」では、ライブ配信コンテンツのタイムラインにユーザー自身がコメントを投稿できる仕組みとなっています。したがって、健全性に欠けるコメントや他のユーザーを誹謗中傷するようなコメントがユーザーによって投稿される可能性があります。

 当社では、コミュニティガイドラインを策定し、サイト上に明示することによってサービスの適切な利用を促すよう努めています。また、ユーザーによる投稿内容が、利用規約で禁止している他のユーザーに対する脅迫、嫌がらせ等に該当する又は公序良俗に反する等、不適切と判断される場合には、運営会社が投稿情報の削除を行うことによって、健全なサイト運営を維持しています。また、専用のカスタマーサポートチームを設け、ユーザーからの問合せやクレームに対応することでユーザーコミュニティーとの良好な関係の構築にも努めています。

 このような体制を構築しているにもかかわらず、不適切な投稿に対して当社が十分な対応ができない場合には、当社がサイト運営者として信頼を失う可能性があり、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)インターネット関連市場について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社はインターネットを介してサービスを提供しており、インターネット及び関連サービス等の更なる発展が、当社が今後成長を図る上で重要であると考えています。

 しかしながら、当社が事業環境の変化に適切に対応できなかった場合、又は、新たな法的規制の導入等の予期せぬ原因によりインターネット関連市場の成長が鈍化した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、最新の市場環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や法的規制の変化に迅速に対応できるよう努めております。

 

(14)技術革新について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社が事業展開しているインターネット関連市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、インターネット関連事業の運営者はその変化に柔軟に対応する必要があります。当社が技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、又は、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対しては、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。

 

(15)Apple Inc. 及び Google LLC.の動向について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社の提供するオンライン学習サービス「Schoo for Personal」及び「Schoo for Business」は、ユーザーにスマートフォン向けアプリを提供しており、Apple Inc.及びGoogle LLC.の両社が運営するプラットフォームにアプリを提供することが現段階における事業展開の重要な前提条件です。当社はプラットフォーム事業者の規約や方針変更に対する情報を収集し、適切に対応する方針であり、また、Webサイトによるコンテンツの配信も行っておりますが、これらプラットフォーム事業者の事業戦略の転換並びに動向によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)著作権等の知的財産権が侵害される、ないしは侵害してしまうリスクについて

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社のコンテンツについて、第三者から意図せずに著作権を侵害される可能性や第三者の権利を侵害してしまう可能性があり、権利侵害による信用力の低下や損害賠償請求等が発生した場合には、当社の事業が影響を受ける可能性があります。

 これに対して当社は、コンテンツ作成時における商標権、著作権の侵害有無の確認、各契約の著作物に関する権利帰属の契約書レビューを実施しております。加えて、当社が事業活動を行うに当たり、第三者が保有する商標権、著作権、特許権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払い、著作権に関する社内研修の実施や弁護士に随時相談する体制の構築などの対策を行っており、当該リスクに一定程度対処できているものと考えております。なお、当社は、著作権、商標権、知的財産権等に関連する法令等の下で事業活動を行っており、現段階において事業及び業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。

 

(17)訴訟等について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社では、本書提出日現在において業績に影響を及ぼす訴訟や紛争は生じておりません。当社は法令違反となるような行為を防止するための内部管理体制を整備しておりますが、今後何らかの事情によって当社に関連する訴訟、紛争が行われる可能性は否定できず、かかる事態となった場合、その経過又は結果によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)広告等の販促効果低下のリスクについて

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、持続的な成長のため、興味関心・利用意向の高いより多くのユーザーを獲得し、また既存のユーザーを維持していくことが必要であると考え、インターネット広告の出稿を主とした広告宣伝活動を実施しています。

 出稿媒体や実施タイミング及びその内容について費用対効果を検討したうえで、広告宣伝活動を行っております。販促効果の定量的なモニタリングなどの対応策も実施しているものの、マーケティング効果が十分に得られない場合に、新規ユーザーの獲得等が低下する可能性があり、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)法的規制等について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 現在のところ当社の事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、当社は、事業者又は個人との間で業務委託契約を締結し、業務を委任する場合があり、「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)が適用される場合があります。

 当社は、教育・研修体制を充実すること等により、法令を遵守し事業運営を行う体制を整備しておりますが、運用の不備等により法令義務違反が発生した場合には、当社の社会的信用の失墜等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)人材の確保や育成について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、継続的な事業拡大のためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が最も重要であると認識しております。しかしながら、当社が求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び事業拡大等に支障が生じることや、採用経費が計画から乖離すること等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対しては、従業員が働きやすい環境の整備や人事制度の構築、教育・研修体制の充実化に努めてまいります。

 

(21)内部管理体制について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制をさらに強化する必要があると認識しております。今後も人材採用及び育成を行うこと等により内部管理体制の強化を図っていく方針であります。しかしながら、事業の拡大ペースに応じた内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社の事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(22)特定人物への依存について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社の代表取締役社長である森健志郎は、当社の創業者であり、創業以来の最高経営責任者であります。当社事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、当社の事業活動全般において重要な役割を果たしておりますが、何らかの理由により同氏による当社業務の遂行が困難となった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 当該リスクに対しては、現在、同氏に過度に依存しないよう、経営体制の整備、人材の育成を行う等リスクの軽減に努めております。

 

(23)単一事業であることのリスク

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社の売上は、オンライン学習サービス「Schoo」とその関連サービスで構成されており、単一事業となっております。社会人向けのオンライン教育市場の成長傾向は継続するものと見込んでおり、また、新規事業の企画立案に取り組んでおりますが、当該市場の成長が鈍化するような場合、事業環境の変化等への対応が適切でない場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(24)財政状態に関わるリスク

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、必要に応じて資金を金融機関からの借入金により調達していますが、業績や財政状態の悪化あるいは金融不安等が発生した場合には、必要な資金を合理的な条件で確保できず、資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。また、今後の金利動向に著しい変化が生じた場合には、支払利息の増加等により当社業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。想定外の経営環境の悪化等がない限り、適切な事業運営を継続することによりリスクに一定程度対処できるものと考えておりますが、金融機関との良好な関係の維持・強化に努めるとともに、手元流動性の確保や資本効率の向上等の観点から検討を行い財務基盤の強化に取り組むとともに、資金調達手段の多様化等を進め、低利かつ安定的な資金の確保に努めてまいります。

 

(25)外部講師の確保について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)

 当社のコンテンツ制作にあたっては、最新の経済・経営の諸問題や自己啓発等をテーマとして取り上げると共に、適確な見識をもって講義を行うことができる外部講師への委託が必要となります。現時点において当社では、これらの講師を確保し、継続してコンテンツを企画・制作して提供できているものと認識しております。

 当社は、引き続きこれらの講師の確保に努めていく方針でありますが、今後将来において、当社が求める適確な見識をもって講義を行うことができる講師を適切な契約条件によって確保できなくなった場合、当社のコンテンツ制作に重大な支障が生じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(26)コンテンツ出演者の不祥事・風評等について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)

 当社は、講師や受講生代表等といった当社コンテンツの出演者が、事故、事件、不祥事等を起こした場合、又は巻き込まれた場合、風説、風評及び報道等が為された場合等には、適切に対応することが必要となります。その結果、これまで蓄積してきたコンテンツにおいて、該当する出演者が出演するコンテンツが使用できず、今後、新たなコンテンツの制作に支障が生じた場合には、当社の業績等に影響を与える可能性があります。これらの発生事象に対し、当社が適切に対応できなかった場合、当社対応の如何に関わらず、当社にとって悪影響がある形で当該発生事象が投資家、マスコミ報道、インターネット、その他社会一般に広まった場合等には、当社のブランドイメージ等が損なわれ、当社の業績等に影響を与える可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、財務体質の強化及び収益基盤の多様化や収益力強化のために必要な内部留保を確保することを最優先としつつ、配当を実施していくことを基本方針としております。

 内部留保資金につきましては、今後の成長に資する人員の採用や広告宣伝に係る支出に有効活用していく方針です。一方で、株主に対する安定的な利益還元の実施は重要な経営課題であると認識しており、今後の利益配分につきましては、業績動向を考慮しながら、将来の事業拡大や収益の向上を図るための資金需要や財務状態を総合的に勘案し、適切に実施していく方針であります。また、現在当社は成長過程にあると認識しており、事業上獲得した内部留保資金については事業拡大のための成長投資に充当することを優先し、当事業年度の剰余金の配当につきましては、無配当としております。

 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。期末配当の基準日を9月30日、中間配当の基準日を3月31日としており、会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めております。