リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 設備投資需要の変動
製造業の設備投資は景気動向に大きく左右されます。当社グループの主要商品である電子機器、工作機械の需要先は主に電機・機械・工具・自動車等の製造業であり、これら業界の設備投資需要が当社グループの経営成績の大きな変動要素となります。当連結会計年度におきましては、中国経済の減速の影響により、国内外の製造業で生産量が低下し、設備投資需要が低迷いたしました。過去の流れを見ますと設備投資には長期的なサイクルがあり、景気動向など経済状況を見ながら需要が回復する傾向にあります。常に販売力と技術サービス力の向上に努めるとともに、お客様の効率化、省力化の需要に寄与すべく、商品、サービスの提案等を行う、長期的な成長戦略を実施してまいります。
(2) 海外需要の変動
当社グループの取扱商品である電子機器の輸出販売先は主に中華圏(台湾、中国)のユーザーであります。これらのユーザーは大規模な生産設備を有する場合が多く、大型の設備投資となることがあります。その反面、世界的な景気動向により設備投資が大きく変動することがあります。
この状況に対処するため、海外の連結子会社との連携により市場動向の把握と商品在庫の適正化、債権管理の徹底に努めてまいります。
(3) 為替変動が収益に与える影響
当社グループの取扱商品のうち工作機械、産業機械は、海外メーカーからの外貨による仕入れ、支払いであります。これらの商品については基本的に為替予約取引を行い、その他の外貨建買掛金の支払いに関しても短期間で支払いを行うことにより、為替リスクの低減を図っております。また、電子機器の輸出販売は主として円貨建て取引のため、急激な為替相場の変動により、顧客の購入価格が割高になる事があります。その場合、顧客の購入意欲が減退する可能性がありますが、信頼の高い商品及びサービスを提供することで、当社グループの収益への影響は抑えられるものと思われます。当連結会計年度においては、円安の為替相場が継続し、当社グループにおいても、輸入仕入に関してはコスト高となり、販売条件に不利な状況が続きました。しかし、電子機器の輸出販売においては、主に円貨建て取引のため、顧客の支払に有利となり、購入意欲が増す状況にもなり、結果的に輸出入両面の取引を扱う当社グループにおいては、為替変動が収益に与える影響は限定的なものと思われますが、過度な為替変動は販売条件の悪化につながり、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 特定取引先への依存状況
当社グループの主要商品のうち主として電子機器はパナソニックコネクト㈱の製品を、同社及び同社のグループ会社より、工作機械はロロマティック社(スイス)の製品を同社から仕入れ、販売しておりますが、これら2社の製品販売比率が当社グループの売上高の過半数を占めております。
現在、両社(またはグループ)とは代理店契約を締結しており、当該契約は今後も継続される予定ですが、契約が解除された場合及び同社の事業計画の変更により当該事業が縮小された場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。両社とは友好的な関係が継続されておりますが、今後も引き続き代理店として信頼される販売力、技術力の向上に努めて行くととともに、過度な特定取引先への依存を防ぎ、新規分野、新規商品等の開拓を進め、常にお客様のニーズ応えられる商品、サービスの提供に努めてまいります。
(5) 財務制限条項について
当社は、本社ビルの建設資金を安定的に調達するため、取引銀行2行とコミットメント期間付タームローン契約を締結しておりますが、市場環境の悪化により商品需要が縮小し業績が悪化した場合、以下の財務制限条項に抵触する恐れがあります。
㈱みずほ銀行との契約については、各年度の決算期の末日における貸借対照表における純資産の部の金額が、2018年12月に終了する決算期の末日または当該決算期の直前の決算期の末日における貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%以上に維持する。
㈱三菱UFJ銀行との契約については、各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の合計額が、2017年12月決算期の末日における純資産の部の合計額または前年度決算期の末日における純資産の部の合計額のいずれか大きい方の75%以上に維持する。
当連結会計年度末において、上記事象への該当はありません。引き続き安定的な業績を確保するため、利益率の向上に努めてまいります。
(6) 繰延税金資産について
当社グループは税効果会計を適用し、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得等に関する見積りや仮定に基づき計算しておりますが、実際の課税所得等は見積りや仮定と異なる可能性があり、当連結会計年度においては、繰延税金資産の一部が回収できないと判断したため、その一部の取り崩しを行い、損益に影響が及びました。翌連結会計年度以降の経営計画を着実に実行し、業績の改善に努め、当社グループの業績及び財政状態の安定化に努めてまいります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を経営の最重要課題と認識し、安定した経営基盤の確保と自己資本利益率(ROE)の向上に努めるとともに、安定的な配当を継続して行うことを基本方針としております。
当社は、「毎年6月30日を基準日として、取締役会の決議によって中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めており、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記の方針に基づき財務内容及び業績水準等を勘案し、1株当たり5円の配当(中間配当なし)を実施することを決定しました。
内部留保資金につきましては、経営体質の強化並びに事業展開に向けての投資、事業開発活動に活用し、事業拡大に努めてまいる所存であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2025年3月26日 |
58,043 |
5 |
定時株主総会決議 |