リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)出店に係る法的規制
当社における100円ショップ専門店の出店政策として、対象地域は全国で、出店地域における商圏等を考慮して「インショップ常設店」「商業集積施設テナント」及び「ロードサイド独立店」の3つのタイプで出店しております。当社の現在の店舗又は今後出店を予定している店舗はすべて1,000㎡未満であり、「大規模小売店舗立地法」による規制を受けておりません。しかしながら、当社における出店形態のうちロードサイド独立店については、さまざまな業界のオーバーストアによって退店した跡地に賃借して出店する方法を主に採用しており、将来発生する物件のなかには同法による規制を受ける可能性があり、当社の出店計画及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、インショップ常設店及び商業集積施設テナントが入居する商業施設は同法による規制を受けており、間接的にではありますが、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
(2)出店環境
当社は出店に際し、個別店舗の採算を重視した政策をとっており、既存店舗の退店等、不採算店舗の見直しを随時行ってきました。しかしながら、業界の垣根を越えた競争は一段と激化してきており、当社の店舗においても今まで以上に戦略的及び積極的な店舗展開が必要であると考えております。
具体的には出店地域、商圏分析、出店タイプ、投資収益性等の開発戦略に基づく出店規模の拡大や、契約内容・条件、採算性に基づく退店であります。
また、当社の店舗はすべて賃借物件であり、現段階では、土地の取得を伴う出店は行っておりません。
したがいまして、当社の店舗政策及び計画に対して、出店条件に合致する物件が不足した場合や、出店先である大手スーパー等のテナントの入れ替え、又は商業施設の閉鎖等により退店を余儀なくされる場合には、当初の出店計画を達成することが不可能となり、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があることや、新規出店に係る投資割合が、新規出店による売上高増加割合を上回る場合には、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
(3)貸倒損失(貸倒引当金繰入)
当社は、出店に際し家主に対し敷金保証金の差入を行い、また一部の店舗では売上金についてディベロッパー等への預け金としております。さらに、FC店舗及び大口顧客に対しては掛売による取引を行っております。
当社は、これらの取引先の信用状態の変化には注意を払いながら取引を行っておりますが、取引先の予期せぬ破綻等により貸倒損失が発生するおそれがあります。また、貸倒実績率に基づき貸倒引当金を計上しておりますが、取引先の信用状況が悪化した場合、個別に貸倒引当金を計上することがあります。
このように、取引先の予期せぬ破綻、信用状況悪化によっては当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
(4)商品在庫
当社の商品在庫は、積極的な店舗展開による店舗の増加に伴い店頭在庫が増加し、今後についても、出店の拡大及び売場面積の拡大を図る計画であることから、商品在庫は必然的に増加していく見込みであります。
当社は、最新のインターネット技術を活用したリアルタイムPOSシステムを中核とした商品管理システムを構築し、商品の販売動向、在庫の推移等の全社的なデータ管理及び各店舗での発注状況や商品陳列状況のモニタリングにより、欠品防止や商品回転率の向上に努めております。店舗では劣化、破損等による販売可否を判断し販売不能品の廃棄を行っております。また、取扱アイテム数の増加に伴う商品管理の負担等の観点から取扱アイテム数は約20,000点と定め、常に消費者に飽きられないための工夫として月間500から700アイテムを入れ替え、旧来の類似商品を廃止するなど、消費者ニーズや購買動向にも留意しております。
しかしながら、今後の消費者ニーズ、購買動向等の急激な変化により、滞留在庫が発生する可能性があり、そのような場合には短期的には売上高の急減、中長期的には在庫処分損の急増という経路で、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
(5)為替相場及び商品市況の変動
当社は取扱商品のほとんどを、国内のメーカー、ベンダーから調達しており、外貨建仕入の割合は僅少であるため、為替相場の変動が及ぼす直接的な影響は限定的であります。しかしながら、国内メーカー、ベンダーは多くの原材料、商品等を海外から輸入しているため、為替相場変動の影響は、間接的にタイムラグを伴って、当社の業績に影響を与える可能性があります。
また、商品市況、とりわけ原油価格の動向によってプラスチック製品等石油を原材料とする商品を主として、幅広い商品の仕入価格、物流費、光熱費等を通して、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
(6)固定資産の減損
当社は「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、毎期、固定資産の価値を計測しております。したがって、固定資産の価値が下落した場合、減損損失を計上するため、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
(7)災害等の発生
自然災害、その他突発的な事故等により、店舗・施設等の物理的な損害、停電、通信ネットワークの途絶、物流網の遮断等が生じ、円滑な営業活動が阻害された場合、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
(8)感染症による影響
今般の新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言に際して、生活必需品の販売業として当社の業態自体は営業自粛の対象とされず、基本的に営業を継続できましたが、当社がテナントとして入居する大型商業施設等については営業自粛が求められたため、休業となる施設内店舗が多数発生しました。このように感染症拡大の状況によって、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、企業価値を向上させることによって株主利益を増大させることを重要な課題としております。利益配分につきましては、経営基盤や財務体質の強化を図り、利益水準や配当性向を考慮しつつ安定的な配当の継続を目指しております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり70円の配当(うち中間配当35円)を実施することを決定いたしました。この結果、当事業年度の配当性向は53.6%となりました。
内部留保資金につきましては、新店の設備投資や既存店舗のリニューアル資金に充当し、売上高の拡大、株主資本利益率の一層の向上により、長期的な株主利益の増大を図ってまいります。
当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年10月31日 |
2,633 |
35 |
取締役会決議 |
||
2024年6月20日 |
2,633 |
35 |
定時株主総会決議 |