2025年11月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,388名(単体) 10,773名(連結)
  • 平均年齢
    42.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.1年(単体)
  • 平均年収
    6,888,822円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2025年11月30日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

市販用

2,448

(2,711)

業務用

3,247

(1,062)

海外

3,645

(103)

フルーツ ソリューション

427

(182)

ファインケミカル

284

(54)

共通

460

(77)

全社

262

(19)

合計

10,773

(4,208)

(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含むほか、嘱託を含む)であり、臨時雇用者数は(  )内に年間の平均人員を外数で記載しています。

2.全社は、特定のセグメントに区分できない提出会社の管理部門に所属している従業員数です。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

2025年11月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

2,388

(427)

42.1

16.1

6,888,822

 

セグメントの名称

従業員数(人)

市販用

900

(149)

業務用

879

(199)

海外

85

(7)

フルーツ ソリューション

(-)

ファインケミカル

261

(53)

共通

(-)

全社

263

(19)

合計

2,388

(427)

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含むほか、嘱託を含む)であり、臨時雇用者(パートタイマー、アルバイトおよび季節社員)の人数は(  )内に年間の平均人員を外数で記載しています。

2.平均年間給与は税込み実績であり、基準外賃金および賞与を含めています。

3.全社は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属している従業員数です。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおける主な労働組合であるキユーピー労働組合は、1962年7月14日に結成されています。

労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

 

◇ 管理職に占める女性労働者の割合

 

2025年11月30日現在

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

キユーピー株式会社(提出会社)

19.9

キユーピータマゴ株式会社

3.7

階上キユーピー株式会社

8.3

株式会社ハンシンデリカ

6.7

株式会社サラダクラブ

4.8

株式会社旬菜デリ

3.1

アヲハタ株式会社

7.6

(注)1.集計対象は、各社勤務者としており、出向者については出向先会社の従業員として集計しています。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

 

◇ 男性労働者の育児休業取得率

 

 

当事業年度

名称

男性労働者の

育児休業取得率(%)

取得者数(人)

(取得者/対象者)

キユーピー株式会社(提出会社)

102.4

43/42

キユーピータマゴ株式会社

100.0

6/6

階上キユーピー株式会社

100.0

1/1

株式会社ハンシンデリカ

0.0

0/1

株式会社サラダクラブ

100.0

7/7

株式会社旬菜デリ

100.0

2/2

アヲハタ株式会社

100.0

4/4

(注)1.集計対象は、各社勤務者としており、出向者については出向先会社の従業員として集計しています。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.子の出生年度とその子に対する育児休業等の取得開始年度のずれにより、育児休業取得率が100%を超える場合があります。

 

◇ 男女の賃金の差異

 

 

 

当事業年度

名称

労働者の男女の賃金の差異(%)

全労働者

 

 

正規労働者

非正規労働者

キユーピー株式会社(提出会社)

60.3

62.6

72.8

キユーピータマゴ株式会社

66.9

70.8

78.7

階上キユーピー株式会社

69.8

85.4

87.4

株式会社ハンシンデリカ

63.2

83.2

82.0

株式会社サラダクラブ

74.1

76.1

86.8

株式会社旬菜デリ

59.5

75.8

80.4

アヲハタ株式会社

54.9

62.6

70.3

(注)1.集計対象は、各社在籍者としており、出向者については出向元会社の従業員として集計しています。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

 

<当社(提出会社)における男女の賃金の差異の要因について>

 当社における男女の賃金の差異は、主に人員構成上の構造的要因および働き方の実態に起因するものです。当社では、職務の内容や責任に応じた等級制度および賃金体系を導入しており、同一の等級・役職においては性別に関わらず同一の賃金体系を適用しているため、人事制度上の性別による賃金差異は存在しません。平均賃金に差異が生じている主な要因および差異の解消に向けた取り組みは以下の通りです。

 

1. 等級および役職者構成の差異

 平均賃金に差異が生じている最大の要因は、賃金水準の高い管理職層や上位等級者において男性が占める割合が高いことにあります。現在、当社では重点課題の一つとして女性管理職比率の向上を掲げて取り組みを進めており、その結果、同比率は前年比で4ポイント増加しました(下記資料①参照)。

 また、将来の基幹職候補となる総合職採用において、男女人数を概ね同数としており、次世代のリーダー候補の育成を加速させています。今後も、女性管理職比率のさらなる向上を推進することで、男女間賃金格差の解消を進めていきます。

 

2. 労働時間および働き方の差異

 平均賃金に差異が生じるもう一つの要因として、男女間の実労働時間の差が挙げられます。等級および役職別に比較しても賃金格差は存在しており、これには男性の時間外労働時間が女性を上回る傾向にあることや、短時間勤務制度の利用状況に男女差があることが背景として挙げられます(下記資料②参照)。

 当社は、これらの格差を是正するため、男女ともに長時間労働を前提としない働き方をめざし、「時間外労働の削減」を進めています。全社的な業務効率化を通じて男女間の労働時間の差異を縮小させ、働き方による賃金格差の解消をめざしていきます。

 

資料① 女性管理職比率 目標および実績数値 ※1 ※2

 

 

2022年度

実績

2023年度

実績

2024年度

実績

2025年度

実績

2030年度

目標

女性管理職比率(%)

(提出会社)

12.5

14.5

15.9

19.9

30.0

※1 集計対象は、提出会社の勤務者としており、出向者については出向先会社の従業員として集計しています。

※2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもので

   す。

 

 

資料② 平均時間外労働時間および短時間勤務制度利用状況 ※3

                                 当事業年度

 

                                      2025年11月30日現在

※3 集計対象は、提出会社の勤務者かつ時間管理の社員としており、出向者については出向先会社の

   従業員として集計しています。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

   当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ全般

当社グループは、「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって世界の食と健康に貢献することで、社会に貢献し続ける企業でありたいと考えています。サステナビリティ活動を重要な活動と位置づけ、グループ理念と規範の実践を通じて、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、グループの持続的な成長の基盤として、「キユーピーグループ サステナビリティ基本方針」を定め活動を推進します。

 

サステナビリティ基本方針

 

1) ガバナンス

サステナビリティ関連の重点課題については、経営会議(代表取締役社長執行役員の諮問機関)から権限を委譲されたサステナビリティ委員会が目標達成に向けた方針・計画の策定を行うとともに、重要事項の決定、重点課題の取り組みを推進しています。サステナビリティ委員会で検討した内容は取締役会でも適宜審議または報告がなされるなど、取締役会による適切な監督体制を整えています。当事業年度は、取締役会において脱炭素と食と健康の取り組み状況を報告するとともに今後の取り組みについて意見交換を実施しました。また、サステナビリティ委員会を4回開催し、気候変動対応を含めたサステナビリティ関連の方針・計画の策定、重要事項の決定、重点課題の取り組みの推進を議論しました。

 

サステナビリティ推進体制

 

取締役会

サステナビリティ委員会

メンバー

・社内5名・社外4名で構成

・議長は取締役会長が務める

・社内17名で構成

・委員長はコーポレート担当 取締役常務執行役員が務める

開催数

2回以上/年

4回/年

役割

サステナビリティ関連の監督

サステナビリティ関連の方針・計画の策定、重要事項の決定、重点課題の取り組みの推進

備考

・取締役会には環境問題に焦点を当てた職務におけるマネジメントレベルの経験のある役員を含む

・環境問題に関する社外の利害関係者や専門家と定期的に連携している

・委員会の結果を取締役会にて報告し、監督を受けている

 

 

2) 戦略

当社グループでは「キユーピーグループ 2030ビジョン」の実現やSDGsへの貢献など、2030年からバックキャスト思考で検討し、以下のサステナビリティに向けての重要課題を特定しました。

・食と健康への貢献

・資源の有効活用・循環

・気候変動への対応

・生物多様性の保全

・持続可能な調達

・人権の尊重

サステナビリティに向けての重点課題は、持続可能な社会の実現への貢献とグループの持続的な成長をめざす上で、事業と社会の双方にとって重要と考えています。社会・地球環境変化に応じて、定期的に重点課題の見直しを行います。

また、「キユーピーグループ サステナビリティ基本方針」に基づく重点課題を指標化したサステナビリティ目標を設定し、取り組みを進めています。

① 食と健康への貢献

昨今の社会変化を踏まえ、世界中で健康に関する意識が高まっています。「健康寿命延伸への貢献」および「子どもの心と体の健康支援」に取り組むことで、当該意識の変化に対応することができ、機会創出につながると考えています。

生涯を通じて健康な食生活を送るためには「栄養」「運動」「社会参加」の3つをバランスよく取り入れることが大切です。当社グループは特に「栄養」に関して、食卓に自然と野菜を入れられるようなグループ全体の取り組み「サラダファースト」を推進し、サラダの喫食機会の向上に取り組んでいます。また、タマゴの付加価値化の取り組みを通じて、バランスの良い食生活をサポートしています。

また、講演会やマヨネーズ教室、オープンキッチン、WEBサイトコンテンツでのさまざまな食育活動を行っています。さらには、子どもたちが食生活に関して主体的に学び・考え・判断する力を育むためのサイト「食生活アカデミー」を立ち上げています。

 

② 資源の有効活用・循環

限りある食資源や自然エネルギーを無駄なく有効活用することは、食糧危機などのリスクをはらんだ昨今において食品メーカーの重要な責任であると考えており、具体的に「食品ロスの削減・有効活用」「プラスチックの削減・再利用」「水資源の持続的利用」に取り組んでいます。

食品ロスの削減・有効活用では、卵においては、卵黄、卵白は商品や食品原料として使用しているのはもちろんのこと、卵殻においても土壌改良材やカルシウム強化商品として活用、卵殻膜も化粧品として活用することで、卵の100%有効活用を実現しています。

 

また、野菜の未利用部(キャベツ・レタスなど葉物野菜の残さ)を、乳牛用飼料として再生利用することに成功しています。東京農工大学と当社の共同研究で、この飼料を与えた乳牛は乳量が増加することが報告されています。さらに、パッケージサラダを製造・販売する子会社である株式会社サラダクラブでもパッケージサラダを製造する直営7工場で発生する野菜の外葉や芯などの未利用部を、堆肥や飼料として契約農家などで活用いただくことですべて再資源化しています。

プラスチックの削減・再利用の取り組みの1つである製品で使用するプラスチックについても、石油由来のプラスチックの削減に向け、プラスチックの軽量化や再生プラスチックを使用する取り組みを進めています。また、油付きPETボトルおよびマヨネーズボトルの資源循環に向けて、他社と協働して取り組みを進めています。前期から引き続き、技術の確立と技術検証を進めるため、大手小売店と連携しながらボトルの回収実証実験を実施しました。

また、水資源の持続的利用においては、事業継続のために水は限りある貴重な資源と認識し、効率的な利用と取水・排水における環境負荷の低減に取り組んでいます。

 

 

 

③ 気候変動への対応

当社グループは気候変動におけるリスクと機会についてTCFD※1(Taskforce on Climate-related Financial Disclosures、以下TCFDと表記)の枠組みに従い下記「気候変動への対応および生物多様性の保全に向けた取り組み」のとおり開示しています。気候変動の原因となるCO排出量削減に向けて、原料調達から消費までのバリューチェーン全体で、省エネルギーや再生エネルギーへの転換を積極的に行うことが重要と考えています。

当社グループでは国内外で再生可能エネルギーの導入を順次進めています。また、生産事業所の各工程にエネルギー測定装置を設置するなど「エネルギー使用の見える化」を進め、設備運用改善・メンテナンスの徹底、省エネ型機器を導入し省エネルギー化を推進しています。さらに輸配送距離の短縮化と積載効率向上による輸配送効率化、低燃費で安全にもつながるエコドライブなどを実施しています。加えて、長距離トラック輸送の鉄道や船舶への切替え(モーダルシフト)を推進して、CO排出削減を実現しています。

TCFD報告書

URL https://www.kewpie.com/sustainability/climate-change/co2/

 

④ 生物多様性の保全

当社グループの事業活動は、豊かな自然環境と密接な関わりを持っています。「良い商品は良い原料からしか生まれない」という考えを大切に、「生物多様性方針」のもと、原料を生み出す自然の恵みに感謝し、豊かな自然と生物多様性の保全に努めていきます。

当社グループは、2024年4月にTNFD※2(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures、以下TNFDと表記)に賛同し、TNFDフォーラムへ参画しました。さらに、課題に対応すると同時に、新たな機会も見いだし、企業戦略にも活かしていくためのプロジェクトを発足しました。TNFDフレームワークのLEAPアプローチを活用して、当社グループの主要な原料と直接操業(生産拠点)を対象に分析を行っていきます。

TNFD報告書

URL https://www.kewpie.com/sustainability/nature/biodiversity/

 

⑤ 持続可能な調達

自社だけでなくサプライチェーン全体で環境や人権に与える影響に配慮する必要があると認識しています。特に調達における影響を最小限にする取り組みは重要です。当社グループでは「キユーピーグループ 持続可能な調達のための基本方針」を2018年に策定し、環境や人権に配慮した調達を推進しています。さらにサプライヤーガイドラインを定め、本ガイドラインをもって相互理解のもと、サプライチェーンにおけるさまざまな課題解決を行い、安全性はもとより、環境や人権への影響に配慮した安定調達を取引先と協働して進めます。また、当社グループの主要取引先に対してアンケートを実施し、サプライヤーガイドラインに準じた行動がなされているか確認を行いました。そしてアンケートの内容に応じて個別にヒアリングして詳細に把握するなど、サプライヤーとの協力体制を強化しています。

 

⑥ 人権の尊重

事業活動のすべての過程で、直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識し、ビジネスに関わるすべての人の人権を尊重することをめざしています。当社グループはビジネスに関わる全ての人の人権を尊重するために、「キユーピーグループ人権方針」を策定しています。 また、人権に関する国際基準やヒアリングなどを通じて得られた情報に基づき、外部専門家により特に重要と判断されたリスクも特定しています。抽出された人権リスクについては、サステナビリティ委員会にて取り上げ、関連する委員会や部門と連携し、対応策の計画や実施を行っています。 また内部統制システムの中に違反行為の発見と是正のための通報・相談窓口「ヘルプライン」を設置しています。 違反行為があれば担当部門との協議の上、再発防止策を実施しています。

 

※1 TCFD

G20からの要請を受け、金融安定理事会(FSB)が2015年に設立しました。気候変動によるリスクおよび機会が経営に与える財務的影響を評価し、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標について開示することが推奨されています。

※2 TNFD

自然資本と生物多様性に関するリスクや機会を評価するタスクフォースです。金融機関や企業に情報開示を促し、資金の流れをネイチャーポジティブに転換することをめざし、自然関連リスクに関する情報開示フレームワークの構築を推進しています。

 

当社グループの特に注意すべき重要人権リスクと防止・軽減に向けた対応

リスク

対象

当社グループにおける

対応・対象のURL

自社

従業員

一次

サプライヤー

原材料

生産者

顧客・消費者

労働安全衛生

 

 

https://www.kewpie.com/sustainability/human-rights/healthcare-management/#sec02

強制労働

 

https://www.kewpie.com/sustainability/human-rights/initiatives/

児童労働

 

上記と同じ

ハラスメント

 

 

上記と同じ

長時間労働・

過重労働

 

 

 

日々の時間管理の徹底

注意喚起と啓発

製品の欠陥による健康・安全の侵害

 

 

 

https://www.kewpie.com/sustainability/quality/manufacture/

 

 

3) リスク管理

社内外の経営環境の変化を広く見据え今後リスクおよび機会となりうることを洗い出し、それらの評価を行うことで重要なリスクおよび機会を見極めています。リスクの評価は、気候変動・自然資本で共通しており、「各リスクの経営への影響の大きさ」と「そのリスクの管理の程度(マネジメントコントロール度)」の2軸で行っています。経営への影響度については、グループ全体に影響を及ぼす、中長期戦略の達成に重大な影響を及ぼすリスクについて5段階の5に設定しています。また、マネジメントコントロール度については、当社がリスクをコントロールできているかを指標とし、リスクに対して仕組みがない、仕組みがあっても機能していない状態を5段階の5に設定しています。

リスク評価に基づき、対策すべきリスクを選定し優先順位づけしています。経営への影響度が大きいにもかかわらずマネジメントコントロールが不十分なリスクは「全社主要リスク」として全社横断的なプロジェクトにより最優先でリスク低減に努めています。活動を通じて対策が効果を上げ、マネジメントコントロール度が高まったとしても依然として経営への影響度が大きい場合はその後の状況を監査などにより確認しています。経営への影響度が小さく経営課題とならない場合においても感度高く社外情報の収集、モニタリングに努めています。このように社内外両面からモニタリングを行い状況変化に応じた重要性を適時評価し機敏にリスクに向き合うように努めています。

 

 

当社グループでは、経営の継続的、安定的発展に影響しかねない事象をリスクと認識し、リスクマネジメントの実践を通じ、内部統制システムの充実に取り組んでいます。個々のリスクを各担当部門が継続的に監視するとともに、全社的なリスクはリスクマネジメント委員会で情報を共有し、そのリスクを評価し、優先順位や対応策の効果などを包括的に管理し、下記の8つを主要なリスクに位置づけて抑制・回避に努めています。

 

8つの主要リスク

 ①市場の動向 ②製造物責任 ③システム障害 ④海外展開 ⑤原材料の調達

 ⑥自然災害などの不測の事態 ⑦人材、労務関連 ⑧地球環境問題、気候変動

 

これら全社的なリスク評価やリスク対応の方針・状況については、リスクマネジメント担当取締役が定期的に取締役会へ報告しています。

 

キユーピーグループのリスクマネジメントの体制と全社主要リスク

 

4) 指標および目標

当社グループではサステナビリティに向けた重点課題に紐づけ、当社グループとして取り組むテーマごとにサステナビリティ目標を設定しています。従業員一人ひとりが、サステナビリティの意識と視点を持ち、当社グループの理念と規範の実践により、目標達成に向けて取り組んでいます。

 

◆サステナビリティ目標

目標の詳細や現在の進捗状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等<サステナビリティ目標>」および当社ウェブサイトをご参照ください。

URL https://www.kewpie.com/sustainability/management/materiality/#sec05

 

(2)気候変動への対応および生物多様性の保全に向けた取り組み

当社グループのサステナビリティ基本方針には気候変動への対応や生物多様性の保全、持続可能な調達について記載しており、当社の事業活動と気候変動や自然資本との関わり(依存と影響・リスクと機会)を把握して、幅広いステークホルダーの皆様に対して情報開示を行うことは重要と考えています。このような認識のもと、気候変動への対応についてはTCFDと生物多様性の保全についてはTNFDの開示提言をふまえ、取り組んでいます。当事業年度は、新たな取り組みとしてTCFDとTNFDを統合したレポートを作成しました。今後も、気候変動と自然資本の関連性を考慮したリスクと機会に関わる分析を進めることで統合的なアプローチを検討し、当社グループのサステナビリティの向上や持続可能な社会の実現につなげてまいります。

 

当社グループの各事業について、その事業規模や自然への依存・影響をバリューチェーンの上流から下流にわたって総合的に評価した結果、下記の表のとおりの対象範囲になっています。なお、中期経営計画において、段階的に分析範囲を拡張していく予定です。

TCFDに関して、2024年度に惣菜(主要原料のじゃがいも、にんじん、たまねぎ)に対する気候変動リスクと機会の分析を行いました。特に主原料の食油・卵・食酢においての穀物などの農作物に加え、キャベツ、レタス、じゃがいも、にんじん、たまねぎなどの農作物も気候変動が影響することを認識しました。これに対し、特定の農作物への依存度合いを中長期的に引き下げていく戦略を検討しています。

TNFDに関して、開示初年度である2024年度は当社グループにおける直接操業および、当社主要事業であるマヨネーズ・ドレッシング(特にごまドレッシング)事業を対象に、バリューチェーンの上流である原材料生産地域に注目しました。分析の対象として、ごまドレッシングの主要原材料である大豆、菜種、パーム、トウモロコシ、ごま、リンゴおよび鶏卵を特定しました。

 

 

開示の範囲(TCFD)

2021年度

マヨネーズ・ごまドレッシング

2022年度

マヨネーズ・ドレッシング・タマゴ(液卵・加工品)

2023年度

マヨネーズ・ドレッシング・タマゴ・パッケージサラダ(キャベツ・レタス)

2024年度

マヨネーズ・ドレッシング・タマゴ・パッケージサラダ・惣菜(じゃがいも・にんじん・たまねぎ)

 

 

開示の範囲(TNFD)

2024年度

マヨネーズ・ごまドレッシング

 

① ガバナンス

気候変動に対するガバナンスについては「1)ガバナンス」に準じます。追記事項として当社は気候変動関連リスクと機会の評価および管理を強化するため、インターナルカーボンプライシング(ICP)を導入しています。ICPの設定および見直しはサステナビリティ委員会で検討、承認されます。その内容は、取締役会に適宜報告され、必要に応じて審議されるなど、取締役会による適切な監督を行っています。

 

② 戦略

・TCFD

当社グループでは気候変動に伴うさまざまなリスクと機会について、その重要性に応じて短期・中期・長期の観点から特定を行い、また外部環境の変化も踏まえ、定期的に分析・評価の見直しを行っています。リスクと機会の特定においてはIPCC※1や IEA※2などが発表しているシナリオを用いて、2つのシナリオを描いています。1つ目のシナリオは2100年時点において産業革命以前より1.5~2℃気温上昇し、環境政策が進展するシナリオ(以下「環境政策進展シナリオ」と表記)、2つ目のシナリオは2.7~4℃気温上昇し、気候変動に対し必要な施策や追加の対策が講じられない場合の成り行きシナリオ(以下「成り行きシナリオ」と表記)とし、2030年の事業におけるインパクトを算出しました。特定されたリスクと機会について対応策を検討し、単年度計画および中期経営計画に組み込んで、推進しています。

 

シナリオ

内容

環境政策進展シナリオ

(移行リスクと機会の特定に使用)

厳しい環境規制・高い炭素税が導入され、世界ではカーボンニュートラルが達成されます。農林水産部門ではCOゼロエミッション化を実現する一方で、サプライヤーの環境対応コストが高まります。健康意識が高い消費者が増加し、サラダなど野菜の摂取量が増加します。また、環境意識の高まりからサステナビリティ性が高い商品の需要も増加します。

成り行きシナリオ

(物理リスクと機会の特定に使用)

低炭素化は進展するものの、2050年カーボンニュートラルは達成せず、気温が上昇する影響により、自然災害は激甚化・頻発化し、サプライヤー・自社の生産拠点で浸水被害発生頻度が上昇します。熱ストレスによる農作物の収量低下により、原材料調達コストが増加します。一方で気温上昇に伴い免疫事業などの需要が増加します。

 

※1 IPCC

IPCCとは、気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)のことで、世界気象機関(WMO)および国連環境計画(UNEP)により1988年に設立された政府間組織です。各国政府の気候変動に関する政策に必要な科学的情報を提供しています。

※2 IEA

IEAとは、国際エネルギー機関(International Energy Agency)のことで、OECD(経済協力開発機構)の枠内における自律的な機関として第1次石油危機後の1974年に設立された組織です。エネルギー政策に必要な中長期の需給見通しなどの情報を提供しています。

 

シナリオに沿って、以下の通り当社グループのリスクと機会を特定し、対応を進めています。なお、TOPIC 1~5の詳細は「TOPIC:重点課題への取り組み」に記載しています。

 

 

分野

バリューチェーン

リスクの概要

影響度※3

緊急度※4

対応策

移行リスク

政策

規制

直接操業

炭素税の導入

中期

〇CO排出量の削減

 ・インターナルカーボンプライシング活用による低炭素投資の促進(TOPIC 1)

 ・CO削減を指標とした設備投資(電化の推進など)

 ・製造工程見直しによる省エネ化

 ・再生可能エネルギーの活用・導入

 ・サプライヤーとの協働

政策

規制

直接操業

プラスチック・包装材への規制

中期

〇使用したプラスチックの再利用

(TOPIC 2-1・2-2・2-3)

市場

直接操業

環境に配慮した原資材の調達コスト増加

中期

〇持続可能なパーム油の調達

 ・RSPO認証のパーム油の購入

〇持続可能な紙の調達

 ・森林認証紙(FSC認証等)の調達

物理リスク

慢性

上流

熱ストレスによる収量減少に伴う農作物の調達コストの増加

中期

○持続可能な農作物の調達

 ・農作物の調達先の検討(産地の分散化、環境負荷の少ない原料の調達等)

 ・農作物を使いこなす技術開発(代替油脂の使用検討等)

急性

上流

洪水による生産設備の被災

・停電、操業の停滞・停止

小~大

短~長期

〇洪水への備え

 ・洪水リスク評価に応じ重点的な対策

 ・主力製品のBCP(被災時に備えた事業継続計画)

機会

市場

直接操業

サステナビリティ性が高い商品の需要増加

中期

〇環境政策の進展した市場への対応

 ・環境配慮型商品の需要増加への対応  (TOPIC 3)

 ・農作物(食油)などを使いこなす技術革新

 ・原料相場に強い体質への転換

 ・容器包装プラスチック軽量化

 ・使用したプラスチックの再利用(TOPIC 2-1・2-2・2-3)

 ・再生プラスチックやバイオマスプラスチックの積極導入(TOPIC 4-1・4-2)

 ・商品の使い方提案による環境負荷低減

〇食品ロスの削減と有効活用

 ・野菜未利用部の有効活用(飼料・肥料化)(TOPIC 5)

急性

直接操業

気温の上昇に伴う、新製品・新規事業の需要増加

中期

〇温暖化による感染症への関心拡大への対応

 ・酢酸菌ビジネスの展開

※3 影響度

各リスクや機会の対応策に関する「2030年の売上計画×直近3年間の市販用、業務用および海外の営業利益率平均割合」が「直近4年間の当社の連結営業利益平均」に占める割合で検討しています。

(大:30%以上、中:15~30%、小:1~15%、なし:1%未満)

※4 緊急度

時間軸を設定しています。

(短期:2024年まで、中期:2030年まで、長期:2050年まで)

 

・TNFD

自然関連のリスクと機会は、当社グループやバリューチェーン上のサプライヤーなどの事業者が自然と関わることで生じます。当社はTNFDの枠組みをふまえて、直接操業およびバリューチェーン上流における自然への依存と影響を把握すべくENCORE※5(Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure)を用いた分析を行いました。

その結果、直接操業においては、水資源の使用および固形廃棄物への影響が大きいことが、またバリューチェーンの上流における原材料生産においては、陸域生態系の利用、水資源の使用、水質汚染物質、土壌汚染物質への影響が相対的に大きいことがわかりました。

特定した優先地域をふまえて当社バリューチェーンにおける自然関連のリスクと機会を洗い出し、「事業への影響」と「環境・社会への影響」の2軸でそれぞれのリスクと機会の重要度を試行的に特定しました。TCFD/TNFD報告書ではシングルマテリアリティの考え方を基本とするものの、リスクと機会の重要度評価にあたっては、事業活動を通じた環境・社会への影響が、将来的な規制強化やレピュテーション低下につながり、最終的に当社の財務状況などにまで影響するというシナリオも考慮しています。今回把握した重要なリスクと機会をふまえた対応策については、今後さらに分析を深め、社内での議論を通じて検討を進めていきます。なお、TOPIC 6の詳細は「TOPIC:重点課題への取り組み」に記載しています。

 

 

分野

バリューチェーン

要因

リスクの概要

移行リスク

評判

上流

陸域生態系の劣化

農地確保のために生態系を破壊するサプライヤーから調達することによる社会的信用の失墜

水資源の枯渇

過度な取水で周辺の自然環境に悪影響を及ぼすサプライヤーから調達することによる社会的信用の失墜

市場

上流

陸域生態系の劣化

認証パームの需要拡大に伴う調達コストの増加

消費者嗜好の変化

消費者嗜好の変化に伴う調達コストの増加

政策

直接操業

水利用規制の強化

取水量と同等の量の水源涵養が求められる規制など対応コストの増加

訴訟

直接操業

水資源の枯渇

過度な取水で拠点周辺の水資源量が減少し周辺の水利用を阻害することによる周辺住民などから訴訟を受けるリスクの増大

技術

消費

陸域生態系の劣化

環境負荷低減製品への置き換えによる売上高の減少

物理リスク

慢性

上流

水質の悪化

水質悪化による生産性低下と調達難化

気象条件

(降水量変化)

降水量変化による生産性低下と調達難化

気象条件

(平均気温上昇)

平均気温上昇による生産性低下と調達難化

慢性/

急性

上流

水資源の枯渇

水資源の枯渇による生産性低下と調達難化

直接操業

水資源の枯渇

水ストレスの高まりや災害発生による水不足で操業の停滞・停止

水資源の枯渇

過度な取水で拠点周辺の水資源量が減少することによる周辺の自然環境への悪影響

機会

評判

上流

消費者嗜好の変化

サステナビリティ、アニマルウェルフェア対応製品を好む顧客層の獲得(TOPIC 6)

技術

上流

陸域生態系の劣化

生態系の保護、再生が作物調達の持続可能性を向上

水資源の枯渇

取水量低減に資する設備などの導入により水使用量低減

気象条件

(降水量変化)

自然災害に強い品種を他企業と共同開発し、災害によるリスクを低減し持続可能な調達を実現

製品

消費

陸域生態系の劣化

環境負荷低減に資するパッケージ導入によって廃棄物削減や有益利用による持続可能性実現

上流

気象条件

(平均気温上昇)

生産性が低下して調達が難化するリスクを低減すべくグローバル調達を最適化することで安定した調達を実現

 

※5 ENCORE

ビジネスの自然関連リスクへの曝露を調査し、自然への依存とインパクトを理解するために役立つ無料オンラインツール。

 

・TOPIC:重点課題への取り組み

当事業年度においては、重点課題に対応して実施した内容は下記のとおりです。なお、TOPIC 1~5は「主な気候変動関連のリスクと機会」で抽出したリスクと機会、TOPIC 6は「主な自然関連のリスクと機会」の機会に対応しています。

 

対応策

(TOPIC 1)インターナルカーボンプライシング活用による低炭素投資の促進

取り組み

気候変動リスクを財務的視点で評価し、低炭素投資を促進するため、ICPを導入

概要

 ICP導入は主に以下の目的で活用されています。

・設備投資の意思決定における炭素排出コストの考慮

・低炭素技術への投資促進

・社内での気候変動リスクに対する意識向上

 

 当社では、2022年度より社内炭素価格の運用を開始し、その内部炭素価格をベースに2028年までの環境投資計画の立案を社内で進めています。これまでの運用では投資対効果が薄いとの理由から社内承認が難しい低炭素投資がありましたが、社内炭素価格の導入により、脱炭素を含めたトータルの投資対効果を示すことができ、より脱炭素への取り組みが加速することが期待されます。直近では、太陽光パネル導入などにおいて、社内炭素価格を用いた投資対効果を基に決裁が実行されています。

 

 

対応策

(TOPIC 2-1)使用したプラスチックの再利用

取り組み

・油付きPETボトル(ドレッシングボトルなど)の資源循環

・マヨネーズボトルの資源循環

概要

 油が付着したPETボトルは、リサイクルの洗浄工程で油が残り、再生PETの品質に影響を与えることが懸念されており、リサイクルの仕組みが社会的に実装されていません。また、国内のマヨネーズボトルには、主にポリエチレン(PE)というプラスチック素材が使用されており、PEは食品包装に多く使用されていますが、素材の種類や他素材と複合しているものが多いことから、飲料PETボトルに代表されるような水平リサイクルの仕組みが社会的に実装されていません。これらの課題に対して企業の枠を超えて協働することで、ボトルを資源循環できる社会をめざします。技術の確立と使用済みの油付きPETボトルの排出量や性状(汚れ具合など)の検証を行うため、小売店の店舗でボトルの回収実証実験を実施しました。

 

・ 油付きPETボトル(ドレッシングボトルなど)

 当社は、日清オイリオグループ株式会社とドレッシングや食用油に使用されるPETボトルの資源循環に向けて協働を開始しました。

 前期は、両社の知見を生かした技術の確立と使用済みの油付きPETボトルの排出量や性状(汚れ具合など)の検証を行うため、千葉市内のイオン・イオンスタイル8店舗で、使用済み油付きPETボトルの回収実証実験を実施しました。

 

・マヨネーズボトル

 当社は、味の素株式会社と両社が参画する海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて官民連携で取り組む、業種を超えたプラットフォーム「CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)」の活動として、マヨネーズボトルの資源循環に向けて協働を開始しました。回収拠点を川崎市内のイトーヨーカドー3店舗に拡大し、使用済みマヨネーズボトルの回収実証実験を実施しています。

 

 

 

対応策

(TOPIC 2-2)使用したプラスチックの再利用

取り組み

持続可能な社会の実現に向けた、株式会社アールプラスジャパンへの資本参加と使用済みプラスチック再資源化への取り組み

概要

 ペットボトル以外のプラスチックは、現在国内では多くが燃焼※1されていると言われています。開発中の新技術は、ペットボトルを含むその他一般のプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクル※2の技術です。

 従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理でき、CO排出量やエネルギー必要量の抑制につながるものと期待しています。この技術が確立できれば、より多くの使用済みプラスチックを効率的に再生利用することができると考えています。

 

参画企業一覧(2025年3月時点)

 

※1 燃焼

焼却時に発生する熱を回収し、発電や熱供給に活用するサーマルリカバリー(熱利用)を含みます。

※2 ケミカルリサイクル

使用済みの資源をそのままではなく、化学反応により組成変換した後にリサイクルすることを指します。

 

 

対応策

(TOPIC 2-3)使用したプラスチックの再利用

取り組み

鹿嶋市、リファインバース株式会社、三菱ケミカル株式会社、東洋製罐グループホールディングス株式会社、株式会社カスミおよび当社の6者連携で、プラスチック容器の循環をめざす包括連携協定を締結

国内初、調味料キャップのサーキュラーエコノミー

概要

 本取り組みは「プラリレープロジェクト」と称して、6者それぞれがプラスチックをリレー形式で繋ぎ、循環をめざす実証実験プロジェクトです。

 2025年夏から、鹿嶋市内で排出された使用済みプラスチックをリファインバース株式会社で回収・一次加工し、三菱ケミカル株式会社が新設したケミカルリサイクルプラントにて再資源化します。その再生プラスチックを使用して東洋製罐グループホールディングス株式会社にて容器を製造、当社にて製品化、株式会社カスミにて販売するという、実証実験を行っています。

 実証実験の前後の期間では、鹿嶋市内の公立小中学校にて、プラスチック資源の調査学習や各社のプラント見学、リサイクルに関する教育プログラムなどを行います。また、2026年内に実証実験や取り組みで見えた課題点やフィードバックを基に、6者共同で「プラスチック容器の循環に関する検証レポート」を作成・発表する予定です。

プラリレープロジェクト

 

※国内初

超臨界水を用いた廃プラ油化リサイクル由来の樹脂(マスバランス方式)の利用は国内初です。

 

 

対応策

(TOPIC 3)環境配慮型商品の需要増加への対応

取り組み

協働による環境負荷低減をめざした取り組み

-国内初の紙製小袋ドレッシングが一部の日本航空株式会社国際線機内食に採用決定-

概要

 当社とJALグループの商社である株式会社JALUXは、両社が共同で国内初となる紙製小袋ドレッシングを企画開発し、2025年9月から一部の日本航空株式会社の国際線機内食で提供を開始しました。採用されたのは、当社のサステナブルな食を提案する「GREEN KEWPIE※1」ブランドの「植物生まれのごまドレッシング」です。

 

・プラントベース※2のドレッシングと環境に配慮した紙製小袋の融合

 日本航空株式会社の一部の国際線で提供している「GREEN KEWPIE 植物生まれのごまドレッシング」は、植物性原材料から作られたプラントベースのドレッシングです。プラントベースのドレッシングと紙製小袋の組み合わせにより、内容物から容器まで環境に配慮した商品として機内食に初登場しました。

 

・従来品に比べ、プラスチック使用量、CO排出量を削減

 従来の同一包材メーカーのプラスチック製パッケージと比較すると、1袋当たりプラスチック使用量は44%削減、CO排出量は25%削減となります。今回の採用により、当社と株式会社JALUXのサステナブルな取り組みに貢献します。

 

※1 GREEN KEWPIE

プラントベースフードなど「サステナブルな食」を展開する当社のブランドです。地球と人の双方が持続可能で、日々続けられる食生活を実現したいという思いで立ち上げました。環境や健康の今と未来のためを考えている世界の方々に向けて、価値観の多様性や社会環境の変化に適応した、新たな食の提案に挑戦しています。

※2 プラントベース

プラントベースフードの社内基準に沿って、一次原料および二次原料に動物性由来原料(肉類・魚介類・卵・乳成分)を使用しない食品のことです。

 

 

対応策

(TOPIC 4-1)再生プラスチックやバイオマスプラスチックの積極導入

取り組み

市販用ドレッシング類※1の380mlサイズ全10品に100%再生PET樹脂ボトル※2を採用

概要

 380mlサイズの市販用ドレッシング類全10品について、100%再生PET樹脂を使用したボトルを採用し、2025年9月上旬以降、順次切り替えました。これにより、年間で新たなプラスチック使用量を約1,600トン削減、CO排出量を約1,400トン削減できる見込みです(前年出荷実績に基づく当社試算)。新たなプラスチック使用量の削減見込みは年間で約1,600トンと、当社が進めてきたドレッシングの再生PET化の中では最大規模です。切り替え後には、順次パッケージに独自のecoラベルを付与し、環境に配慮した容器であることをお客さまに訴求していきます。

 

・キユーピードレッシングにおける再生PETボトル採用の取り組み

URL https://www.kewpie.com/newsrelease/2025/3826/

 

※1 ドレッシング類

ドレッシングおよびノンオイル等のドレッシングタイプ調味料のことです。

※2 100%再生PET樹脂

主に清涼飲料水用のペットボトルを回収し、粉砕・洗浄後、高温下で一定時間処理し、汚れを除去する方法「メカニカルリサイクル(物理的再生法)」で再生したPET樹脂。

 

対応策

(TOPIC 4-2)再生プラスチックやバイオマスプラスチックの積極導入

取り組み

2024年2月から、市販用ドレッシングやスープの素など、環境に配慮した容器包装の商品に対して独自のecoラベルの付与を開始

概要

 容器包装に対する環境配慮基準を策定し、基準を満たした商品には、パッケージに当社グループ独自のecoラベルを付与しています。

・当社グループecoラベル付与項目と基準

・当社グループecoラベル付与商品一覧(2025年1月時点)

 URL

https://www.kewpie.com/sustainability/pdf/sustainability_20250130_eco_management_ecolabel_list.pdf

 

ecoラベルを付与した対象商品(一部)

 

 

 

対応策

(TOPIC 5)野菜未利用部の有効活用(飼料・肥料化)

取り組み

協働による持続可能な農業の実現と環境負荷低減をめざした取り組み

当社とカゴメ株式会社が未利用野菜資源のバイオ炭化※1で共同研究を開始

概要

 未利用野菜資源をバイオ炭化する取り組みについて共同研究を2025年5月から開始しました。本研究は、野菜に関わる事業に注力する両社が協力して、野菜の栽培・加工に関するサステナビリティ課題を解決することをめざし、持続可能な農業の実現に貢献する取り組みです。

 

・共同研究の目的

1.バイオ炭化するための技術確立

 野菜という水分含有量が高い資源を効果的にバイオ炭化する技術を開発します。効率的な脱水方法や炭化技術の確立をめざします。

2.バイオ炭を施用した際の栽培特性の評価

 野菜由来のバイオ炭の農業利用における有効性を検証し、土壌改良効果や作物の生育促進効果を明らかにします。

3. カーボンネガティブな事業モデルの確立

 バイオ炭の生産・利用を通じて、COの固定化と排出削減を図り、J-クレジット制度※2を活用して、継続的にカーボンネガティブな事業モデルの確立をめざします。

 

 

※1 バイオ炭

植物性バイオマスを酸素が少ない状態で加熱し炭化させたものです。土壌改良や炭素貯留に効果があるとされ、通常の堆肥と比べ分解されにくく、長期間土壌中に留まることができる特徴があります。

※2 J-クレジット制度

温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度です。

 

 

対応策

(TOPIC 6)サステナビリティ、アニマルウェルフェア対応製品を好む顧客層の獲得

取り組み

生物多様性の保全のためのコンソーシアム「SHIBUYA Urban Farming Project」の活動を本格化

概要

 当社は、一般社団法人渋谷未来デザインとともに、都市の緑地化と生物多様性を促進し、渋谷らしいコミュニティ形成と新たな食文化を実現する「SHIBUYA Urban Farming Project」を2024年6月に設立しました。

 アーバンファーミングを軸とし、当社グループの強みを生かしながら、参画企業と共にネイチャー・ポジティブに向けた取り組みを推進しています。

 渋谷区内の小中学生を対象とした「シブヤ未来科」に対し、小学校2校を対象にアーバンファーミングに関するプログラムを提供しました。これにより、野菜の栽培・収穫から調理までを体験する、農と食の教育を融合した新たな機会を創出しました。

 また、都市空間における野菜の栽培・収穫を通じて、食と自然のつながりを体験できるイベントを開催し、都市生活者に対して生物多様性の重要性や、食を支える自然資本の役割について啓発活動を行い、地域社会との対話と交流を深めました。

 

③ リスク管理

気候変動への対応および生物多様性の保全に関するリスクに関しては「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ全般 3) リスク管理」 をご参照ください。なお、当社はTNFDが推奨するツールを用いて事業と自然との関係(依存および影響)を把握し、自然に関するリスクと機会を試行的に特定しました。特定したリスクと機会について、「事業への影響」、「環境・社会への影響」の2軸で優先付けを行い、優先度の高いものからサステナビリティ委員会などで対応策を策定してモニタリングするなど、個別具体的な状況を考慮した上でリスクを管理しています。

 

④ 指標と目標

気候変動への対応および生物多様性の保全に関する指標と目標に関しては「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ全般 4) 指標および目標」 をご参照ください。

 

(3) 人的資本

① 人材育成方針

当社グループは、「社是・社訓」「めざす姿」など、当社グループの理念を経営の根幹に据えています。国内外の幅広い事業領域において、多様な価値観を持つ従業員が理念を共有し、「誠実に仕事に向き合い、一致協力して同じ志の実現をめざす」組織文化と人材は、ユニークな強み(競争優位性)であると位置づけています。これからの未来に向けてグローバル化やデジタル化の進展により事業環境が変化する中、持続的な成長を実現するためには、当社グループの強みを基盤としつつ「新たな価値を創造する力」を強化することが不可欠です。世界の食と健康に貢献し続けるため、多様な視点を融合させイノベーションを創出する原動力として、従業員一人ひとりの「個の力」を最大化させることをめざします。

2025-2028年度 中期経営計画では、当社グループの人材との向き合い方を示す「人材ポリシー」として、「一人ひとりの生き方と向き合い、自己実現への挑戦を成長の原動力とする」という方針を掲げています。一人ひとりが主役としてお互いの生き方を尊重し、仕事を通して自己実現に挑戦することが、当社グループの人材と組織の成長の原動力になるという考え方です。当社グループの人的資本への投資や、人材戦略としての取り組みは、この人材ポリシーの考え方が土台となっています。

 

② 人的資本の価値を拡大する人材戦略

2025-2028年度 中期経営計画では、人材ポリシーを実現するための仕組みや動きをつくる投資を進めていきます。金額的な投資だけではなく、自身の生き方と向き合い挑戦するための時間や、新しい機会を提供することも人的資本の価値を高める大切な人材投資と捉えています。これらの投資を通じて組織基盤を強化し、経営戦略を遂行する人材の育成と、成長領域への挑戦の機会創出を進めます。エンゲージメント向上とパフォーマンス発揮との好循環を構築することが、新たな価値の創出と当社グループの持続的成長につながると考えています。

 

③ 具体的な取り組み

◇新しい活躍の機会創出 <成長分野への人材シフト>

・挑戦の機会の提供

海外やDXなど、当社グループとして優先的に進めるべき戦略と位置付けた領域への人材配置にあたり、当社グループ全従業員に対する公募を実施し、挑戦意欲や、キャリア実現への強い想いを持った従業員を抜擢する取り組みを、継続して進めています。海外事業への挑戦を希望する人材を対象にした選抜型の海外人材育成プログラム第3期を実施しました。そのうち約30%が、現在海外駐在の希望を叶えており、グローバル化を進める人材の育成と配置が進んできています。今後も、海外に限らず当社グループの様々な仕事に自ら手を挙げてチャレンジできる様に、社内公募の実施等を進めていきます。

 

◇多様な個の力の強化  <競争優位の専門性>

・期待役割の明文化

2026年度からスタートする新人事制度の導入と併せて、当社グループ内の仕事に対する「期待役割書」を当社版のジョブ・ディスクリプションとして明文化し、当社グループ全従業員に開示しました。当社グループ国内外に展開する様々な仕事の役割と、求める専門性を明確にすることによって、多様なチャンスがあふれる当社グループで個々の強みやスキルを最大限に発揮し、活き活きと活躍する人材が増えていくと考えています。

・自律的な学びの拡充

当事業年度においては、自律的な学習を支援する研修プログラムを、当社グループ全階層を対象としてさらに拡大しました。重要なスキルと位置付けた9つのテーマを学ぶ「スキル研修」や、語学等の学習を支援する「自己啓発研修」、そして基幹職向け動画配信「基幹職の学び」など、自律的に学ぶことができる機会を拡充することで、4,800人の新たな学びを支援しました。

 

◇自己実現のキャリア改革  <従業員の働きがい向上>

・従業員の自己実現の支援

当社では、従業員のキャリア自律を支援する仕組みとして、キャリア自己申告制度を導入しています。当社グループの事業領域の広さを活かして、従業員が仕事を通じて自己実現できる環境づくりを進めています。具体的には、各部署の役割や仕事を知る機会の創出、希望の職場への異動実現支援などにより、定量的にキャリア自己申告の実現率の向上を推進しています。この取り組みをさらに強化し、目標であったマッチング率22%を達成しました。

・グローバルを対象にした理念研修の実施

当社グループでは、前期より海外ナショナルスタッフも含めた新しい理念研修を実施しています。グローバル展開によってますます価値観が多様化する中、理念を伝達して「浸透」させる研修ではなく、対話を通じて一人ひとりが理念に「共鳴」することをめざしています。海外4拠点のナショナルスタッフ約600人との対話を実施しました。当社グループの理念と自分の価値観が共鳴し、従業員が働きがいを感じながら活躍できる環境づくりを進めます。

 

◇組織基盤の強化

・エンゲージメントの向上

エンゲージメントサーベイを人的資本への投資効果を測る重要指標と位置づけ、スコアの向上をめざしています。「仕事をする上での環境」、「仕事における貢献感・受容感」、「職場で働く意義、モチベーション」、「職場における成長実感」の4つの領域に分類して分析を行います。分析結果は当社グループ内で共有し、各職場でのコミュニケーションや働きがいの向上に活用しています。エンゲージメント向上につながる様々な取り組みを実施し、目標であった当社グループ国内スコア70点を達成しました。

・DE&Iの推進

多様な人材が理念で結びつきながら、それぞれの専門性と個性を発揮する状態をめざし、社内セミナーやコミュニケーションの機会を創出しています。2017年度より実施している当社グループ従業員を対象とした「ダイバーシティアンケート」では、「多様性」、「公正性」、「受容」の各項目に対する従業員の実感を調査しています。当事業年度は、95%以上が「ダイバーシティ推進に共感している」という高い結果を維持しました。

・多様な人材が働きやすい環境づくり

当社グループの約半数を占める女性従業員が活躍できるよう、女性総合職の育成や、転居を伴う異動のない総合職制度の導入、地域職から総合職への転換、男性育休の取得推進や育休復帰セミナーなども進めています。また、LGBTQ+の観点から、従業員の同性パートナーを当社制度上の「配偶者」に含めて運用しています。人事制度や労務制度に加えて、マネジメントや風土もあわせて変えていくことで、意欲ある、多様な人材が安心して働き続けられる会社をめざしています。

・新人事制度の導入

当社グループの強みである人的資本の価値拡大を、持続的に実践していくことを目的として、新人事制度を導入しました。本制度では、従来のマネジメント職の強化に加え、高度な専門性を発揮するスペシャリスト職の拡充や、一般職から基幹職への早期抜擢を可能とする仕組みを構築しています。「期待役割の明確化」「専門性の向上」「キャリア自律の促進」「職務基準の公正な処遇」を柱とし、多様な価値観を持つ従業員が自己実現を図りながら最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整備していきます。

 

 

④ 指標および目標

当社グループの人的資本の価値を拡大する人材戦略については、以下の指標をモニタリングし、目標達成に向けたアクションプランの実践と、その実効性の検証を行います。

なお、以下表のうち、指標によって取り組みの範囲が異なるため、海外を含むグループ全体での数値の計測が困難な項目については、キユーピー単体またはグループ国内のみの数値を記載しています。

 

人的資本に関する指標

2023年度

実績

2024年度

実績

2025年度

実績

2030年度

目標

従業員エンゲージメント

エンゲージメントスコア※1

(当社グループ 国内)

計測なし

69点

70点

75点

組織基盤の強化

女性管理職比率

(当社グループ 海外含む)

19.5%

20.3%

20.5%

30%

女性管理職比率

(キユーピー単体)

14.5%

15.9%

19.9%

30%

理念研修の実施人数

(各社グループ 海外含む)累計

計測なし

693人

1,314人

3,000人

新卒総合職入社3年の定着率

(キユーピー単体)

84.9%

83.3%

95.8%

100%

新しい活躍の機会創出

<成長分野への人材シフト>

グローバル人材の創出

(キユーピー単体)累計

計測なし

19人

49人

100人

多様な個の力の強化

<競争優位の専門性>

スペシャリスト創出人数

(当社グループ 国内)

計測なし

計測なし

3人

150人

一人あたりの研修時間

(当社グループ 国内)

計測なし

3.4時間/人

6.8時間/人

12時間/人

自己実現のキャリア改革

<従業員の働きがい向上>

キャリア自己申告実現率※2

(キユーピー単体)

14%

18%

22%

30%

 

※1 エンゲージメントスコア

エンゲージメントスコアは、仕事環境・貢献感・働く意義・成長実感の観点で従業員アンケートを実施し、第三者機関による分析から、100点満点で点数化しています。今後、海外を含む当社グループ全体に対象を拡大して実施していきます。

※2 自己申告実現率

職務の変更希望を申告した従業員のうち、希望の職務に従事できている比率です。今後、キャリア自己申告制度の導入を当社グループ会社にも段階的に拡大し、取り組みを進めます。