2025年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

国内加工食品事業 国際事業 その他 調整額 国内農事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
国内加工食品事業 157,324 53.5 - - -
国際事業 129,837 44.1 - - -
その他 22,361 7.6 - - -
調整額 -15,259 -5.2 - - -

3 【事業の内容】

当社の企業集団は、当社、子会社39社及び関連会社3社で構成され、国内外での食品の製造、仕入及び販売を主な事業内容としております。

当社グループ各社の事業に係る位置付けは、次のとおりであります。

 

 

当社グループは、国内において、飲料や調味料の製造・販売を行っている国内加工食品事業、また海外において農業生産、商品開発、加工、販売事業を展開する国際事業の2つを主たる事業としております。なお、当社グループは製品、顧客等の要素及び経済的特徴の類似性を考慮し、飲料、通販及び食品他については事業セグメントを集約して「国内加工食品事業」、トマト他一次加工、トマト他二次加工(※1)についても集約の上「国際事業」を報告セグメントとしております。

したがって、当社グループは「国内加工食品事業」、「国際事業」及び「その他」の3つを報告セグメントとしております。また、セグメント利益は、「事業利益(※2)」であり、取締役会は事業利益に基づいて事業セグメントの業績を評価しております。

 

※1 トマト他一次加工…農作物を加工した、ペーストなどの製造・販売

トマト他二次加工…主に、農作物の一次加工品に調味料などを加えて加工した、ピザソースなどの製造・販売

 

※2「事業利益」は、「売上収益」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」を控除し、「持分法による投資損益」を加えた、経常的な事業の業績を測る利益指標です。

 

各報告セグメントの主要な製品は、以下の通りであります。

 

セグメントの名称

主要製品及び商品等

 

飲料

野菜生活100シリーズ、トマトジュース、野菜一日これ一本、他

 

通販

野菜飲料、サプリメント、スープ、他

 

食品他

トマトケチャップ、トマト調味料、ソース、贈答品、他

国内加工食品事業

 

 

トマト他一次加工

トマトペースト、ダイストマト、にんじん汁、冷凍地中海野菜、他

 

トマト他二次加工

ピザソース、バーベキューソース、トマトケチャップ、他 ※3

国際事業

 

その他

国内農事業、種苗の生産・販売、新品種・栽培技術などの研究開発、不動産事業、新規事業、他

 

※3国際事業のうち、一次加工及び二次加工に属さない事業は「トマト他二次加工」に含めております。

 

 

主要な関係会社の事業系統図は、次のとおりであります。

 


 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(重要な会計方針及び見積り)

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。

採用している重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況」における「3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

 (1) CFO/CROメッセージ

財務基盤の安定を維持し、

資本効率を重視した

成長の実現へ

 

取締役常務執行役員

CFO 兼 CRO 兼 財務経理部長

佐伯 健


 

 

① 日本株式市場全体が上昇傾向にある一方で、当社の株価は低迷しています。

前中期経営計画の取り組みが十分な評価につながらなかった要因分析と、Kagome Group Plan 2028へ向けた改善ポイントを教えてください。

日本株式市場全体が堅調な中で、当社株価が低迷している現状を極めて重く受け止めています。これは、資本コストを上回る価値を十分に創出できていないという市場からの評価であり、早急に改善すべき最重要課題と認識しています。

成長ドライバーと位置付けた国際事業(トマト他二次加工)において、想定していた成長に届かなかったこと、またトマトペースト市況の低迷に伴い、Ingomarの利益が伸び悩んだこと。この2つが前中期経営計画(以下、前中計)で掲げたROE(※1)9%を達成できなかった要因です。

Kagome Group Plan 2028(以下、Plan 2028)では、ROIC(※2)経営とポートフォリオマネジメントをより進化させ、従来の延長線上にとどまらない経営改革に取り組みます。

※1 ROE: 自己資本利益率のこと。

資金(自己資本または純資産)を有効活用し、それによってどれだけ収益を上げているかを表す指標

※2 ROIC: カゴメROICのこと。EBITDA÷投下資本で算出

株価推移(※3) 当社株価とTOPIX(東証株価指数)

ROEの推移 



※3 2021年12月末を100とした月末の相対株価

※4 Ingomarの連結子会社化に伴う、一時的な利益93億円を含む

※5 当社認識の株主資本コスト。CAPM及び投資家との対話を踏ま

  えて推定

 

 

② 前中計で未達となったROE9%以上の目標を、Plan 2028でも据え置いています。

この水準は、当社が認識する資本コストに対して十分なスプレッドを確保できるものなのでしょうか。また、ROIC経営の深化に向けて、事業ポートフォリオマネジメントをどのように加速させるか、ROE目標達成に向けた具体的な道筋と決意をお聞かせください。

当社の現在の株主資本コスト(※5)は約5~6%と認識しています。したがって、Plan 2028で掲げるROE9%は、最低限達成すべき水準であり通過点にすぎません。将来的にはさらなる改善を目指します。

ROE向上のためにはROIC経営をより前進させることが必要です。前中計期間中はROICの可視化に取り組みました。本中計では、売上収益利益率の向上と総資産回転率の向上の両面から改善を推進します。

もう1つは、ポートフォリオマネジメント(※6)です。取締役会の監督・意思決定体制をより明確にし、最適な仕組みを構築していきます。

※6 ポートフォリオマネジメント:複数の事業やプロジェクト、資産等を適切に管理し、リスクとリターンの最適化や企業価値の

向上を図るマネジメント手法

 

 

③ Plan 2028における財務方針は「『資本コストを意識した経営の実践』と、『成長投資と株主還元の両立』」を

掲げています。

持続的成長に向けたキャッシュ・アロケーションの優先順位と、M&A等のインオーガニック戦略を含む投資の方向性を教えてください。

持続的な企業価値向上のためには、安定的な営業キャッシュ・フローの創出が前提となります。営業キャッシュ・フローは、株主還元と既存事業の成長・維持投資の源泉とします。

株主還元については、Plan 2028期間で総還元性向(※7) 50%以上を目標とします。また、配当水準も引き上げ、株主の皆様との信頼関係をより強固なものにします。

成長・維持投資の対象は、国際事業における北米・ヨーロッパ拠点の生産性の向上やインドにおける垂直統合型トマト事業の確立、国内加工食品事業における国産トマト拠点の整備や飲料容器バリエーション拡充など収益基盤の強化と、農と食のウェルビーイング事業など新規価値領域への挑戦です。

その他、戦略投資枠として500億円を計画しています。これはインオーガニック成長のためのM&Aなどへの投資であり、主に借り入れによる資金調達を予定しています。

Plan 2028 キャッシュ・アロケーション


 

※7 総還元性向: 企業が得た当期利益に対し、配当金と自社株買いの合計額が占める割合を示す指標。

(配当金+自社株買い)/当期利益で求めることができる

 

 

④ 企業価値最大化には、財務健全性を維持しつつ、資本効率を高めるバランスが重要です。

最適資本構成の観点から、現状の財務レバレッジや自己資本比率(※8)をどのように評価していますか。

当社の財務基盤は健全だと評価していますが、成長を促進するためには、資本効率を高める必要があると認識しています。

Plan 2028では、信用格付の維持を前提とし、D/Eレシオ0.6程度を視野に入れ、成長投資に必要な負債を積極的に活用していきます。

バランスシートのスリム化にも取り組みます。具体的には、適正在庫水準の徹底した見極め、稼働率の低い資産や遊休資産の売却、政策保有株式の縮減などを継続して進めていきます。

資産合計/自己資本比率

 


 

 

 

※8 自己資本比率:親会社所有者帰属持分比率

 

 

⑤ 株主還元方針について、Plan 2028では大きく変化しています。どのようにお考えですか。

前中計期間の総還元性向は41.3%と、目標の40%を上回る水準を実現しました。また、2025年度は1株当たり配当金を48円としました。

Plan 2028では、資本市場とより誠実に向き合う姿勢を明確にするため、総還元性向目標を10ポイント引き上げ50%とします。さらに、2026年度の配当金額は58円とし、累進配当とします。

 1株当たり配当金額の推移

 


 

 

 

 

 

⑥ 当社の成長戦略や独自の強みが資本市場に十分に浸透しておらず、情報の非対称性が存在することが、株価低迷

の一因とも考えられます。

「開かれた企業」を企業理念の1つとするカゴメとして、このギャップを埋めるために、IR・SR活動や非財務情報を含む情報開示をどのように強化・改善していく方針でしょうか。

当社の成長戦略や強みを資本市場に十分浸透させられていない点は真摯に受け止めています。情報の非対称性を解消することはCFOとしての重要な責務です。

特に、急速に成長した国際事業については、開示情報の充実や現地視察の受け入れなどを通じて理解促進に努めます。

投資家との対話は、当社の現在地を映す鏡です。対話を通じて事業の方向性を磨き上げ、確実に実行していくことが私たちの使命だと考えています。このことは「開かれた企業」という理念をこれまで以上に体現していくことにほかなりません。

 

 

 

 

〈財務戦略〉

Kagome Group Plan 2028(以下、Plan 2028)の事業戦略実行に向けて、健全な財務基盤を基に、成長投資と株主還元を両立します。

 


 

ROIC向上へのアクション

① 前中期経営計画(2022年~2025年)の取り組み

カゴメROICによる管理基盤の確立、及びセグメントのカゴメROIC(※)の可視化に取り組みました。またこれに基づくROICツリーの展開によりブレイクダウンしたB/S指標を、各部門のKPIに落とし込み、各社・各部門にて指標の改善を図りました。

2025年度のカゴメROICはEBITDAマージンが1.0ポイント悪化、投下資本の増加により0.8ポイント悪化し、10.6%となりました。2026年度はEBITDAマージンの0.3ポイント悪化、投下資本回転日数の改善0.1ポイントにより、10.4%を見込んでいます。

 

※ カゴメROIC:EBITDA÷投下資本

 


 

ROIC:事業利益×(1-税率)/(株主資本+有利子負債)

WACC:3.5~5%程度


 

 

② Plan 2028におけるROIC向上へのアクション

2025年度のROEは7.9%となり、前中期経営計画で掲げた目標値(9%)には届きませんでした。これは、親会社の所有者に帰属する当期利益の伸び悩みと、総資産回転率の改善不足が主な要因と認識しています。

Plan 2028で掲げるROE9%以上の達成には、ROICの向上、すなわち「事業の稼ぐ力」と「資産の効率的な活用」の両面での改善が不可欠です。

この実現に向け、右記の2つの重点アクションを推進します。

 


 

 

 

 (2) 経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次の通りであります。

①  売上収益

売上収益は、2,942億64百万円となり、前連結会計年度の3,068億69百万円に比べ、126億5百万円の減少(4.1%減)となりました。

国内加工食品事業は、植物性ミルクの新領域の挑戦に加え、各カテゴリーの需要拡大に注力し増収となりました。一方国際事業においては、トマトペーストの国際的な市況が下降に転じたことに伴い、同商品を主に扱うトマト他一次加工、トマト他二次加工の販売価格を引き下げたことにより減収となりました。

 

② 事業利益

事業利益は、226億94百万円となり、前連結会計年度の270億94百万円に比べ、44億円の減少(16.2%減)となりました。

国内加工食品事業は、売上収益は増収となったものの、原材料などの製造費用の継続的な上昇などにより前年同水準となりました。国際事業においては、販売価格の引き下げや製造工程の不具合などにより減益となりました。

 

③ 営業利益

営業利益は、226億38百万円となり、前連結会計年度の362億21百万円に比べ、135億83百万円の減少(37.5%減)となりました。

事業利益の減益に加え、前連結会計年度において、Ingomarの連結子会社化に伴い、従前から保有していた20%出資持分を50%の追加取得日における公正価値で再測定した結果、段階取得に係る差益93億23百万円をその他の収益として計上していた反動により、減益となりました。

 

④  親会社の所有者に帰属する当期利益

親会社の所有者に帰属する当期利益は、148億円となり、前連結会計年度の250億15百万円に比べ102億15百万円の減少40.8%減)となりました。

減益に伴う法人所得税費用の減少などにより、営業利益と比べて減益幅は縮小しました。

 

以上により、当連結会計年度の売上収益は、前期比4.1%減2,942億64百万円、事業利益は前期比16.2%減226億94百万円、営業利益は前期比37.5%減226億38百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比40.8%減148億円となりました。

 

 

セグメント別の業績の概況は次の通りであります。

 (単位:百万円)

セグメントの名称

売上収益

事業利益(△は損失)

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

飲料

82,721

84,185

1,463

9,102

8,616

△486

通販

13,361

13,993

631

239

990

750

食品他

59,628

59,145

△482

6,233

5,900

△332

国内加工食品事業 計

155,711

157,324

1,612

15,575

15,507

△68

 

トマト他一次加工※1

82,267

69,639

△12,627

8,399

5,376

△3,022

トマト他二次加工※2

70,543

63,617

△6,925

7,000

4,419

△2,580

調整額

△3,507

△3,419

87

△1,467

△512

954

国際事業 計

149,303

129,837

△19,465

13,932

9,283

△4,649

その他

21,861

22,361

499

605

455

△150

調整額

△20,007

△15,259

4,747

△3,019

△2,552

467

合計

306,869

294,264

△12,605

27,094

22,694

△4,400

 

※1トマト他一次加工:農作物を加工した、ペーストなどの製造・販売

※2トマト他二次加工:主に、農作物の一次加工品に調味料などを加えて加工した、ピザソースなどの製造・販売

 

 

 

各セグメントの概要及び成果については以下の通りです。

 

 

<国内加工食品事業>

トマト、にんじん、その他の多様な野菜を使用した野菜飲料や食品などの商品を展開しています。お子様からご高齢の方まで、幅広い世代の方々に、日常生活の様々な場面においてご利用いただくことで、野菜の摂取量を増やし、健康寿命の延伸に貢献します。

当事業における売上収益は、前期比1.0%増1,573億24百万円、事業利益は、前期比0.4%減155億7百万円となりました。

 

① SWOT分析

SWOT分析

STRENGTH 強み

WEAKNESS 弱み

 原材料調達における、海外ネットワーク力と
品質保証力

 127年の歴史で培われたブランド力

 素材の力を活かした機能性研究、商品開発力

 多様な販路と、顧客に応じた商品提案力

 環境変化へ対応できるバリューチェーンの

柔軟性

 幅広いカテゴリー対応維持のための資源分散

 コモディティ市場における価格競争力

 若年層への浸透

OPPORTUNITY 機会

THREAT 脅威

 生活者の健康、自然素材、環境意識のさらなる高まり

 生活者の購買行動・ブランド選択基準の多様化

 生活者との新たな情報、購買接点の拡大

 体験を含めた新たなサービス領域の顕在化

 継続的な原材料価格上昇

 健康関連商品・サービス多様化による既存領域の相対的地位低下

 各分野でのイノベーションによる異業種からの競合参入

 日本国内における人口減少、高齢化による市場の縮小

 

 

② 第3次中期経営計画の振り返り

成果

課題

第3次中期経営計画では、利益の回復と挑戦の継続を基本方針として、既存商品群のバリューアップとともに、新規領域への挑戦に取り組み、ベジチェック®などを活用した野菜摂取を推進する需要創造活動や食育などによるファン化促進、トマトや野菜の機能性訴求を進めてきました。期中、想定外の原材料価格の急騰に見舞われ、数度の価格改訂を余儀なくされましたが、商品価値強化並びに需要創造プランを推し進め、計画を概ね達成することができました。

その結果、売上収益1,573億円、事業利益155億円と、2021年度対比でそれぞれ、+205億円(+15.1%)、+23億円(+18.1%)となりました。特に、トマトジュースは、機能性訴求を全面的に進め、2025年度売上収益が2021年度対比で、+118億円(2.0倍)と大きく成長しました。

国内の人口減少の影響が顕在化するとともに、製造コストが継続的に上昇している環境下においても持続的に利益を生み続ける構造へ変革することが大きなテーマです。

また、次の成長の柱づくりとして、野菜スープや、植物性食品・飲料など新領域への挑戦をさらに加速する必要があります。まだ売上規模としてはわずかですが、リピート率は増加しており、手ごたえをつかみつつあります。2025年度より本格展開を開始した「アーモンド・ブリーズ」についても市場定着に向けて引き続き活動していきます。



 

 

 

③ Kagome Group Plan 2028 事業戦略

国内人口は減少する一方で、高齢者率の上昇などにより健康への関心は高まっています。また、農家数の減少などにより、国産野菜や果実を安定的に確保することが年々難しくなってきています。国内加工食品事業はこの構造的な課題と向き合い、カゴメらしい野菜と健康の価値提供を起点としたバリューチェーン最適化による収益獲得力の強化を進めます。中長期的な取り組みの一例として、「めぐみめぐるAction!」を開始しました。この取り組みは、地域ならではの野菜や果実の恵みや生産者の想いを発信・訴求するとともに、消費者が産地を応援し、生産者支援につながる循環を創出するものです。

また、バリューチェーンの最適化として北海道に新たな国産トマト工場を新設します(2028年稼働開始予定)。

農産原材料費を含む製造コストの継続的な上昇に対しては、2026年2月に家庭用・業務用飲料を中心に価格改定を実施しました。併せて、需要喚起策の1つとして「野菜生活100オリジナル」をリニューアルし(2026年3月中旬より順次切り替え)、飲みやすいおいしさはそのままに、野菜配合率を70%から88%へ高め、バリューアップします。これらの取り組みに加え、野菜スープや植物性の新領域への挑戦を加速し、収益獲得力の強化と持続可能な価値創造を目指していきます。

 

 

 

 

<国際事業>

国際事業は、農業生産、加工、販売事業などを展開しています。加工はトマトペーストなどを製造する一次加工と、トマトペーストを原材料としてトマトソース、ピザソースなどを製造する二次加工に大別されます。国際事業の主な顧客は調味料メーカーや外食企業などで、米国、ヨーロッパ、オーストラリアなどでBtoBビジネスを展開しています。

当事業における売上収益は、前期比13.0%減1,298億37百万円、事業利益は、前期比33.4%減92億83百万円となりました。

 

① SWOT分析

SWOT分析

STRENGTH 強み

WEAKNESS 弱み

 フードサービス企業に向けた商品開発提案によるソリューション力

 グローバルに展開するグループ会社による
トマト原材料の安定した供給力

 グループ会社共通の品質管理基準の展開による品質力とESG課題の推進

トマトペースト市況の変動に伴う収益
ボラティリティ

 購入額の大きい特定顧客への依存度の高さ

 BtoCにおけるブランド認知の不足

OPPORTUNITY 機会

THREAT 脅威

 米国・ヨーロッパ・インドなどを中心としたフードサービス市場の成長ポテンシャル

 原材料となる加工用トマトの生産性向上技術に対するニーズの高まり

 原価・運営コスト高騰に伴うフードサービス企業からのソリューションニーズの高まり

 トマトペースト市況下落による収益の悪化

 異常気象などの天候リスクによる事業活動への影響

 サプライチェーンの分断による原材料・製品供給不足

 各国拠点の従業員の確保難、労務費の高騰

 

 

② 第3次中期経営計画の振り返り

成果

課題

国際事業は2023年にカゴメ・フード・インターナショナルカンパニーとしてカンパニー化し、一部の権限を委譲して事業運営の迅速化を図ってきました。トマト他一次加工においては、2021年~2023年にかけてトマトペーストの世界的な需給逼迫を背景に市況が高騰したほか、2024年に当時世界第4位のトマト一次加工会社、Ingomarを連結子会社化し業績が拡大しました。トマト他二次加工においても、トマトペースト価格に連動した価格改定を実施したほか、米国を中心に外食需要が堅調に推移したことを背景に業績が拡大しました。この結果、2025年度の国際事業は2021年度対比で売上収益は2.6倍、事業利益3.9倍となりました。

価格が高騰したトマトペースト市況は世界的な加工用トマトの増産などにより、需給緩和が進み、2024年以降、下落に転じました。

製造効率を高めていくとともに、トマト他一次加工においては、新規顧客の開拓を進めて長期契約比率を伸ばすことなどにより、トマト他二次加工においてはソリューション提案力を強化し、新規案件を獲得することにより、市況に左右されない安定的な利益獲得ができる体質を目指します。



 

 

 

③ Kagome Group Plan 2028 事業戦略

カゴメグループの成長をドライブする二次加工の成長を目指していきます。特にフードサービスの市場規模が大きい北米・ヨーロッパ並びに潜在的な成長率が高いと期待できるインドを重点エリアとします。北米においては、ソリューション開発力を強化し顧客に寄り添った営業を推進するとともに、ピザソースなどのトマトベースソースを中心に、より付加価値が高いオイルソースやアジアンメニューソースの開発にも注力し、新規案件の獲得を目指します。

インドはトマト生産量世界2位の生産国であり、大半が生鮮トマトから調理され、国内で消費されます。インドのトマト加工産業の成長力を見極め、競争力を確保するために川上から川下まで広く関与することを検討していきます。

トマト他一次加工においては、Ingomarとの連携をより深め、品質・製造・販売・管理・財務の5つの領域でさらなるシナジーの創出に注力するとともに、新規顧客の開拓を進めることにより国際事業全体の利益水準の底上げと収益安定化を図ります。

その他、DX推進やグローバル人材育成を加速し、品質・コスト・納期を徹底することで、顧客信頼の最大化と持続的な成長基盤の構築を図ります。

 

 

 

なお、今後の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。

また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

 

(3)財政状態の分析

当連結会計年度末は、資産合計につきましては、前期末に比べ134億4百万円増加いたしました。

流動資産につきましては、前期末に比べ68億20百万円増加いたしました。

これは、主に借入の増加などにより「現金及び現金同等物」が55億70百万円、「営業債権及びその他の債権」が11億26百万円増加したことなどによります。

非流動資産につきましては、前期末に比べ65億83百万円増加いたしました。

これは、主に有価証券の時価評価差額により「その他の金融資産」が46億81百万円、設備投資の進捗に伴い「有形固定資産」が27億6百万円増加したことなどによります。

負債につきましては、前期末に比べ101億55百万円増加いたしました。

これは、主に資金需要の高まりにより、「借入金」が77億52百万円、「長期借入金」が20億26百万円、それぞれ増加したことなどによります。

資本につきましては、前期末に比べ32億49百万円増加いたしました。これは「自己株式」の取得により82億35百万円、剰余金の配当により53億44百万円、それぞれ減少した一方で、「親会社の所有者に帰属する当期利益」により148億円、主に有価証券の時価評価差額の影響により、「その他の資本の構成要素」が31億92百万円増加したことなどによるものです。

この結果、親会社所有者帰属持分比率は50.7%、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,097円10銭となりました。

 

(4)連結キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、268億44百万円となり、前期末に比べ55億70百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、269億30百万円の純収入(前期は316億92百万円の純収入)となりました。この主要因は、税引前利益が211億18百万円となったこと、減価償却費及び償却費が118億14百万円となったこと、棚卸資産が21億17百万円減少したこと(以上、キャッシュの純収入)、法人所得税等の支払いにより47億23百万円支出したこと、利息の支払いにより24億30百万円支出したこと(以上、キャッシュの純支出)などによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、114億85百万円の純支出(前期は463億25百万円の純支出)となりました。これは、主に有形固定資産及び無形資産の取得により113億93百万円支出したことなどによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、103億94百万円の純支出(前期は5億71百万円の純支出)となりました。これは、主に長期借入金の収入が103億82百万円あったものの、自己株式の取得等により81億84百万円、長期借入金の返済により57億53百万円、配当金の支払いにより53億35百万円支出したことなどによります。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

 

飲料

43,385

4.3

 

通販

662

△4.4

 

食品他

20,965

△4.3

 

国内加工食品事業 計

65,013

1.3

 

 

トマト他一次加工(注)3

57,494

△44.8

 

トマト他二次加工

50,948

△11.4

 

国際事業 計(注)3

108,442

△32.9

 

その他

5,296

7.8

 

合計(注)3

178,752

△22.6

 

 

(注) 1  金額は製造原価によっております。

2  金額は消費税等を含めておりません。

3  前期比の著しい変動につきましては、前期はIngomar社を連結子会社化したことから、同社の連結時保有在庫分も含めて生産実績額を算定している一方で、当期は単年の生産実績額が集計されていることによるものです。前期に当期と同様の集計方法を適用した場合、「トマト他一次加工」の前期比は△6.6%、「国際事業 計」の前期比は△8.9%、合計の前期比は△5.0%となります。

 

 

b. 受注状況

主要製品の受注生産は行っておりません。

 

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

 

 

飲料

外部顧客に対するもの

84,185

 

1.8

セグメント間取引

 

84,185

28.6

1.8

通販

外部顧客に対するもの

13,993

 

4.7

セグメント間取引

 

13,993

4.8

4.7

食品他

外部顧客に対するもの

59,145

 

△0.8

セグメント間取引

 

59,145

20.1

△0.8

国内加工食品事業 計

外部顧客に対するもの

157,324

 

1.0

セグメント間取引

 

157,324

53.5

1.0

 

トマト他一次加工

外部顧客に対するもの

61,071

 

△14.7

セグメント間取引

8,567

 

△20.0

69,639

23.7

△15.3

トマト他二次加工

外部顧客に対するもの

57,177

 

△7.0

セグメント間取引

6,440

 

△28.9

63,617

21.6

△9.8

調整額

外部顧客に対するもの

△3,419

 

△2.5

セグメント間取引

 

△3,419

△1.2

△2.5

国際事業 計

外部顧客に対するもの

114,829

 

△11.4

セグメント間取引

15,007

 

△24.1

129,837

44.1

△13.0

その他

外部顧客に対するもの

22,109

 

2.3

セグメント間取引

251

 

5.4

22,361

7.6

2.3

調整額

△15,259

△5.2

△23.7

連結売上収益

294,264

100.0

△4.1

 

(注) 1 各セグメント間のセグメント売上収益を消去しております。

   2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社日本アクセス

35,216

11.5

37,271

12.7

 

 

セグメント情報

 

5.セグメント情報

(1) 報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、国内において、飲料や調味料の製造・販売を行っている国内加工食品事業、また海外において農業生産、商品開発、加工、販売事業を展開する国際事業の2つを主たる事業としております。なお、当社グループは製品、顧客等の要素及び経済的特徴の類似性を考慮し、飲料、通販及び食品他については事業セグメントを集約して「国内加工食品事業」、トマト他一次加工、トマト他二次加工(※1)についても集約の上「国際事業」を報告セグメントとしております。

したがって、当社グループは「国内加工食品事業」、「国際事業」及び「その他」の3つを報告セグメントとしております。また、セグメント利益は、「事業利益(※2)」であり、取締役会は事業利益に基づいて事業セグメントの業績を評価しております。

 

※1 トマト他一次加工…農作物を加工した、ペーストなどの製造・販売

トマト他二次加工…主に、農作物の一次加工品に調味料などを加えて加工した、ピザソースなどの製造・販売

 

※2「事業利益」は、「売上収益」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」を控除し、「持分法による投資損益」を加えた、経常的な事業の業績を測る利益指標です。

 

各報告セグメントの主要な製品は、以下の通りであります。

 

セグメントの名称

主要製品及び商品等

 

飲料

野菜生活100シリーズ、トマトジュース、野菜一日これ一本、他

 

通販

野菜飲料、サプリメント、スープ、他

 

食品他

トマトケチャップ、トマト調味料、ソース、贈答品、他

国内加工食品事業

 

 

トマト他一次加工

トマトペースト、ダイストマト、にんじん汁、冷凍地中海野菜、他

 

トマト他二次加工

ピザソース、バーベキューソース、トマトケチャップ、他 ※3

国際事業

 

その他

国内農事業、種苗の生産・販売、新品種・栽培技術などの研究開発、不動産事業、新規事業、他

 

※3国際事業のうち、一次加工及び二次加工に属さない事業は「トマト他二次加工」に含めております。

 

 

(2) 報告セグメントの売上収益及び業績

前連結会計年度(自  2024年1月1日  至  2024年12月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額
(注)

連結財務諸
表計上額

国内

加工食品事業

国際事業

その他

売上収益

 

 

 

 

 

外部顧客に対する
売上収益

155,711

129,534

21,622

306,869

セグメント間の内部
売上収益及び振替高

19,768

238

△20,007

売上収益合計

155,711

149,303

21,861

△20,007

306,869

事業利益(△は損失)

15,575

13,932

605

△3,019

27,094

その他の収益

 

 

 

 

10,073

その他の費用

 

 

 

 

946

営業利益

 

 

 

 

36,221

金融収益

 

 

 

 

1,095

金融費用

 

 

 

 

3,652

税引前利益

 

 

 

 

33,665

セグメント資産

145,534

192,790

24,090

362,415

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

4,822

6,511

666

12,000

減損損失

持分法による
投資損益(△は損失)

219

51

270

有形固定資産及び
無形資産の増加額

3,128

59,950

1,091

64,171

 

(注)事業利益の調整額には、事業セグメントに配分していないグループ本社機能に関する連結共通費用△2,682百万円、未実現利益の消去額△330百万円、及び連結財務諸表上金融収益に含まれる、国内農事業の商品購入価格スワップに係る決済損益△7百万円が含まれております。

 

 

当連結会計年度(自  2025年1月1日  至  2025年12月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額
(注)

連結財務諸
表計上額

国内

加工食品事業

国際事業

その他

売上収益

 

 

 

 

 

外部顧客に対する
売上収益

157,324

114,829

22,109

294,264

セグメント間の内部
売上収益及び振替高

15,007

251

△15,259

売上収益合計

157,324

129,837

22,361

△15,259

294,264

事業利益(△は損失)

15,507

9,283

455

△2,552

22,694

その他の収益

 

 

 

 

644

その他の費用

 

 

 

 

700

営業利益

 

 

 

 

22,638

金融収益

 

 

 

 

1,092

金融費用

 

 

 

 

2,612

税引前利益

 

 

 

 

21,118

セグメント資産

150,982

195,577

29,260

375,820

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

4,629

6,519

666

11,814

減損損失

持分法による
投資損益(△は損失)

262

65

327

有形固定資産及び
無形資産の増加額

3,700

8,446

993

13,140

 

(注)事業利益の調整額には、事業セグメントに配分していないグループ本社機能に関する連結共通費用△2,973百万円、未実現利益の消去額406百万円、及び連結財務諸表上金融収益に含まれる、国内農事業の商品購入価格スワップに係る決済損益15百万円が含まれております。

 

(3) 製品およびサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

(4) 地域ごとの情報

① 売上収益

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

日本

161,226

161,192

米国

92,024

80,323

その他

53,618

52,748

合計

306,869

294,264

 

(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎としております。

 

 

② 非流動資産

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年12月31日)

当連結会計年度
(2025年12月31日)

日本

41,892

41,171

米国

62,215

61,270

ポルトガル

9,328

10,188

台湾

8,157

9,396

その他

8,505

9,832

合計

130,099

131,861

 

(注) 非流動資産は資産の所在地を基礎とし、その他の金融資産及び繰延税金資産を含んでおりません。

 

(5) 主要顧客

(単位:百万円)

 

関連する主な
報告セグメント

前連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

株式会社日本アクセス

国内加工食品事業

35,216

37,271