人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,737名(単体) 3,253名(連結)
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平均年齢42.4歳(単体)
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平均勤続年数18.0年(単体)
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平均年収9,036,730円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人数を外数で記載しております。
2 臨時従業員には、パートタイマー及び派遣社員を含んでおります。
(2) 提出会社の状況
2025年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人数を外数で記載しております。
2 臨時従業員には、パートタイマー及び派遣社員を含んでおります。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
当社グループでは、提出会社において労働組合が組織されております。
提出会社の労働組合は1972年4月9日に結成され、2025年12月末現在における組合員数は989人であります。
労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
② 連結子会社
連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】
(1) サステナビリティガバナンス
1.カゴメのサステナビリティに対する考え方
2.サステナビリティ推進体制
当社では、関連部門で進めてきたサステナビリティへの取り組みを全社での活動として強力に推進するため、「長期視点の議論ができる場」として、2022年10月に経営会議の下にサステナビリティ委員会を設置しました。傘下の分科会からの提言に基づいて、マテリアリティ推進に向けた重点テーマに対する全社の取り組み方針やKPIについて審議し、進捗のモニタリングも担っています。サステナビリティ委員会での審議事項は経営会議や取締役会へ報告・付議され、経営戦略への反映が図られています。
2025年には、新たに策定された2035ビジョンと、連動して刷新されたマテリアリティに対応すべく、2026年以降に委員会で取り扱う重点テーマ及び委員の見直しを行いました。引き続き、同委員会を中心にカゴメのサステナビリティ経営を前進させていきます。
3.重点テーマ別分科会
サステナビリティ委員会ではマテリアリティ、特に2035ビジョンや環境マネジメント計画(2026年度~2028年度)を強力に推進すべく、2026年から重点的に取り扱うテーマを見直しました。設定した重点テーマについては、全社横断的に取り組み、少なくとも年1回以上は委員会で審議や進捗報告を行うことで、推進力を高めていきます。重点テーマの設定にあたっては、他の会議体・セッションで審議されないマテリアリティを優先的に取り扱い、該当するマテリアリティから特に2035ビジョンや環境マネジメント計画の推進に寄与する重点テーマを設定しました。
※FLAG: 農業や林業、その他土地利用に関連するセクター(Forest, Land and Agriculture)における温室効果ガス排出を表す。
(2) カゴメのマテリアリティ
1.マテリアリティに対する考え方
カゴメグループでは、マテリアリティを「カゴメグループの持続的な成長と、すこやかで持続可能な地球環境と社会を実現するための重要な経営課題」と位置付けています。マテリアリティは2035ビジョン実現に向けた取り組みや持続的な経営・事業を支える基盤の取り組みを包括し、長い時間軸で取り組んでいく課題です。
これらのマテリアリティに取り組むことで、持続可能な社会の実現と、持続的に成長できる強い企業の両立を目指していきます。
2.マテリアリティの特定プロセス
マテリアリティ・マトリックス
3.カゴメグループのマテリアリティ
(3) トマトに関連するグローバル・バリューチェーンの環境負荷極小化と気候変動の克服
トマトの品種開発や栽培技術の高度化を通じて、世界で最も環境負荷が小さく、気候変動に適応したトマト・トマト加工品の提供者を目指します。
1.品質・環境方針
自然の恵みを活かして人々の健康に貢献してきたカゴメのものづくりは、「畑は第一の工場」という考えのもと、野菜の種子や土づくりから取り組み、安全で高品質な原材料づくりを基本としてきました。その自然の恵みを享受し続けるためには、豊かな自然環境のもとでの持続的な農業の営みが欠かせません。地球環境の保全と自然を活かしたものづくりを両立させていくことは、カゴメグループの事業活動が将来にわたり成長し続けるために不可欠なことです。
このような品質(ものづくり)と環境に関する理念の共通性や活動上の関連性から、従来それぞれに「品質方針」「環境方針」として掲げられてきたものを統合し、「品質・環境方針」を2017年10月に制定しました。カゴメが情熱を込めて取り組んできたものづくりと同じ想いで環境保全活動にも注力することで、持続可能な社会の実現を目指す、という経営の意思が込められています。
2.ガバナンス
3.気候変動・自然資本への対応と情報開示への取り組み(TCFD、TNFD)
カゴメグループは、自然の恵みを原材料とする企業として、自然環境の保全を事業継続と持続的成長に不可欠な最重要課題と位置付けています。気候変動や自然資本の損失は、農業や社会の持続可能性、さらには事業成長に重大な影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対応するため、当社は国際的な枠組みに基づく取り組みを推進しています。
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応
気候変動が事業に与えるリスクと機会を明確化するため、2019年に一部部門でシナリオ分析を実施しました。2022年にはTCFD提言への賛同を表明し、2023年には全社横断的なプロジェクトを立ち上げました。バリューチェーン全体における気候変動の影響を再分析し、事業の持続的成長に向けた対応を強化しています。
TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)への対応
自然資本の重要性を踏まえ、2023年9月に公表されたTNFD提言に沿って対応を開始しました。事業活動で最も重要な原材料である「トマト」に焦点を当て、自然資本へのインパクトや生態系サービスへの依存をLEAPアプローチで評価しています。
2024年度にTCFD及びTNFD対応として実施した検討結果を踏まえ、2025年度、カゴメ環境マネジメント計画(2026年度~2028年度)を策定しました。本計画はTCFD・TNFDと連携した包括的な戦略であり、計画策定にあたっての検討プロセスで新たに設定したKPIを、本報告書に示すTCFD・TNFD対応内容にも反映しています。これにより、気候変動や自然資本リスクに対する事業のレジリエンスを強化しています。
カゴメグループは、気候変動と自然資本が相互に影響し合う複雑な関係にあると認識し、TCFDとTNFDの情報を統合的に開示する取り組みを進めています。今後も、これらの枠組みに基づく情報開示を拡充し、気候変動や自然資本に関する課題への対応を通じて、持続可能な社会と農業の実現、そして事業の持続的成長を果たしていきます。
TCFD・TNFDの一般要件
4.戦略
〈 気候変動に関するシナリオ分析(TCFD)〉
①リスク・機会の特定
カゴメグループでは、2050年までに当社グループの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指して、2030年に向けた温室効果ガス排出量の削減目標を策定し、SBTイニシアチブから「1.5ºC目標(※)」の認定を取得しています。この目標に整合するため、TCFDのシナリオ分析をこれまでの「2ºC」及び「4ºC」シナリオから、「1.5ºC」及び「4ºC」シナリオに変更し、気候変動が事業に与えるリスクと機会を特定しました。
※ 産業革命前からの気温上昇を1.5ºCに抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標
気候変動に関するリスク・機会の一覧
※分析の時間軸として、短期は中期経営計画の最大4年間、中期は次の長期ビジョン終了年2035年、長期は2050年としています。
※TCFDにおける物理的リスクでは平均気温上昇幅に応じたIPCCの各SSPシナリオ、移行リスクでは主にIEAのNZEシナリオを
参照しています。
※影響度は「小」を20億円未満程度、「中」を20~50億円程度、「大」を50億円以上を目安としています。
②リスク・機会による財務影響とその対応策
イ. 気候変動(GHG・炭素税) ~ 気候変動に関するリスク・機会への対応戦略(緩和)~
当社は、炭素税導入やエネルギーコスト上昇を気候変動に関する移行リスクとして認識しています。国際エネルギー機関(IEA)の「世界エネルギー見通し(WEO)」で提示されている気候変動シナリオを参照し、炭素税支払金額、エネルギー需要・価格をもとに影響を予測しました。炭素税導入による支払いコスト増としては、ネットゼロ排出(NZE:1.5ºCシナリオ)では約18億円、公表政策シナリオ(STEPS:4ºCシナリオ)では約16億円のコスト増が見込まれます。
当社は、SBTイニシアチブの認定を取得し、工場のエネルギー効率向上や再生可能エネルギーの活用等の温室効果ガス排出量削減に継続的に取り組みます。また、サプライヤーとの連携を強化し、輸送効率の改善、容器包装をはじめとした原材料調達における温室効果ガスの排出量削減を目指します。
SBT認定
気候変動対策を強化するため、温室効果ガス(GHG)排出量削減の新目標を策定し、2025年に新たなSBTイニシアチブ(※1)の認定を取得しました。今回の更新では、農業など土地利用に関するFLAG削減目標を設定し、Scope3削減目標も上方修正しています。
対応策
※2 電力購入契約(Power Purchase Agreement)
ロ. 持続可能な農業 ~ 気候変動に関するリスク・機会への対応戦略(適応)~
気温上昇をはじめとした気候変動がトマトの収量に大きく影響する可能性が懸念されています。2017年6月、米国カリフォルニア州で高温が続き、トマトの収量が平年と比べて16.1%(米国農務省)減少する実害も出ています。
当社グループの原材料トマトの主要産地である同州のトマト収量データをもとに「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書」の各シナリオでの収量変化予測を分析しました。同州における6月の最低気温を分析し、2050年においてSSP1-1.9(1.5ºCシナリオ)では71億円、SSP5-8.5(4ºCシナリオ)では147億円の日本カゴメの調達コスト増が見込まれました。トマトの収量が低下した場合は、実際は生トマト単価やトマト加工品(原材料)の売値が上がり、海外子会社は利益増となるため、グループ全体の利益減となるわけではありません。当社は川上のバリューチェーンを持つことで収益の安定性を保っています。安定的な原材料トマトの確保に向け、気候変動への対応戦略として、高温耐性品種への改良(栽培技術・品種開発)、乾燥耐性品種の開発、節水・減肥栽培技術の導入、新たな産地の開発調査を実施していきます。
対応策
ハ. 水 ~ 気候変動に関するリスク・機会への対応戦略(適応) ~
台風や集中豪雨、水害が発生すると、トマトをはじめとする原材料の調達が困難になります。オーストラリア工場では2017年4月、記録的な大雨によってトマトの裂果や病気などで収量が低下し、工場も稼働が停止しました。他方で、カゴメグループは商品の原材料となる作物の栽培に水を使い、加工段階でも多くの水を使用しています。渇水が発生すると水使用コストが増加し、原材料収量が低下する可能性があります。実際に過去に干ばつが発生した際には水価格が400%上昇するなど、渇水によるリスクにさらされています。
カゴメグループの工場では、活動する地域の水資源を守るため、国内6工場、海外7工場で水管理計画を策定し、取水量・排水量、水リサイクル量、排水の水質などを管理して、それぞれの地域に合ったサステナブルな対応を進めています。また、国内6工場と海外7工場を対象に水リスク評価を行い、水リスクが高い海外の優先拠点においては、カゴメグループの各海外工場と現地関係者などでエンゲージメントを行い、各工場や地域に応じた様々な対策を講じています。
さらに、工場に対する水害や渇水の影響に対しては既に小坂井工場に防水壁を設置するなど、国内工場においてはリスク軽減措置を講じています。こうした取り組みをグループ全体に波及させていきます。
対応策
※2022年:国内全工場ハザード対策完了
二. サステナブル製品・事業活動の多様化 ~ 気候変動に関する機会への対応戦略 ~
気候変動によるリスクに適切に対応していくことで、カゴメグループにとっての事業機会が生まれます。例えば、異常気象や自然災害の増加により、長期保存可能な災害用保存野菜商品の需要が高まり、また、気候変動への関心が高まれば、「できるだけ環境にやさしい商品を選びたい」というサステナブルな選択肢の需要を増加させます。
その一例として、気候変動により災害が増加した場合の長期保存可能(賞味期間5.5年)な災害用保存野菜商品の売上の影響を試算しました。当社災害用保存野菜商品の平均年間売上金額と国土交通省の「気候変動を踏まえた治水計画のあり方」のシナリオ別洪水発生頻度をもとに算定したところ、1.5ºC(2ºC)シナリオでは7億円、4ºCシナリオでは10億円の財務影響(売上収益増)が見込まれました。
また、事業活動の多様化において、カゴメは世界各国の革新的な農業技術を有する優れたスタートアップ企業への出資及び協業を行うCVCファンドを設立しました。このファンドの取り組みにより、気候変動に適応する新品種や栽培技術の開発及び実装を目指すとともに、出資先とのオープンイノベーションによる新事業の開発を目指します。
対応策
〈 自然関連に関するLEAPアプローチ(TNFD)〉
カゴメグループ売上の多くを占める「トマトに関連する事業」を対象範囲として、自然への依存とインパクト、及び自然関連のリスクと機会をTNFDフレームワークのLEAPアプローチによって評価しました。
① Locate:自然との接点の発見
カゴメグループのトマトに関係する事業の自然との接点を、グローバルなデータに基づく評価ツールであるBRFを中心に、一部ENCOREを用いて評価しました。その結果、自然の状況の観点から43拠点を「優先地域の候補」として挙げました。
分析対象(270拠点)
・生鮮事業(14拠点):国内菜園(直轄、契約)
・加工事業(256拠点):国内工場(食品製造、農場)、海外工場(食品製造、農場)、国内委託加工、
海外サプライヤー(二次含む)
分析ツールで抽出した優先地域の候補
拠点評価における優先地域の候補と、該当拠点でのトマト購入金額やトマト関連製品生産金額などからの拠点重要度を踏まえ、以下の通り、優先地域を特定しました。
• 日本の菜園、農場
• ポルトガル、米国、オーストラリアの3ヶ国の農場、工場
優先地域
② Evaluate:依存とインパクトの分析
優先地域、かつBRF分析でリスクが「Very high」となった指標の依存とインパクトについて詳細分析を実施しました。
分析の結果、TCFDで調査した水の供給や物理的リスクへの依存のほかに、土壌や水質(富栄養化)、農地拡大・河川の利用による自然の変化や森林破壊、保護区・保全地域へのインパクトなどを特定しました。またトマトは花粉媒介への依存は低いですが、トマト栽培での農薬による周辺の生態系への影響などのほかへのインパクトについても特定しました。
詳細分析使用ツール
FAO GLoSIS、International Herbicide-Resistant Weed Database、Global Land Analysis and Discovery、Protected Planet、BirdLife International Data Zone、IBAT、Aqueduct、BRF、ENCORE
優先地域における依存・インパクトの特定
③ Assess:リスクと機会の特定
Locate・Evaluateの結果を中心に、食品・農業セクターガイダンスやTCFDの結果も参考にしながら、リスクと機会を整理しました。なお、「生態系サービスの劣化」と「市場原理と非市場原理の一貫性」の2軸で作られたシナリオを活用した分析も実施しました。
自然関連リスク・機会の一覧
④ Prepare:対応策の検討、開示
Assessで特定した「リスクと機会」に紐付けながら、現時点で対応を進めている活動などを中心に具体的な内容とともに対応策を整理しました。
なお、Locate・Evaluateの結果は、これまでトマトに関する長年の取り組みによって得た知見と大きな齟齬がありませんでした。この結果を受け、これまでの活動の重要性を改めて認識し、引き続き活動を推進していきます。また、今後、地域別のリスク・機会の特定と対応策などについて、検討をさらに進めていく予定です。
対応戦略:「日本の生物多様性を脅かす4つの危機(生物多様性低下の要因)」を踏まえ、日本のみでな
く当社グループが関係する各国の周辺地域に対して自然を保全し、回復させる活動を拡大する
アクション:トマトの栽培を通じて関わる菜園・農場及びその周辺地域と、トマトを加工し製品化する工
場及びその周辺地域において自然を保全し、回復する
「カゴメ野菜生活ファーム富士見」が自然共生サイトに認定
5.リスク管理
カゴメグループでは、当社のリスクマネジメントにおいて、リスクとは「当社の事業に対して不利な影響を与える不確実性」と定義しています。
リスク管理の統括機関として、社長を委員長とし、CROを委員会事務局長とする「リスクマネジメント統括委員会」を設置し、リスクの対応方針や課題について、優先度を選別・評価し迅速な意思決定を図っています。また、顕在化したリスクの予防・対応のためのリスクマネジメント活動に対し、経営戦略を踏まえた統合的視点から統括しています。
気候変動リスク、自然関連リスクについても重要課題と認識し全社的なリスクマネジメント体制に統合して管理し、サステナビリティ委員会、経営会議にてリスク管理の進捗確認や、次のステップへの移行判断を行います。
6.指標と目標(目標年度:2030年度)
指標と目標は、下記の環境マネジメント計画(2026年度~2028年度)に基づき設定しています。2025年度のTCFD・TNFD対応の検討結果を反映し策定した本計画は、TCFD・TNFDと連携した一体的な戦略であり、両枠組みの指標・目標は環境マネジメント計画のKPIとして統合されています。進捗は、年2回のサステナビリティ委員会及び年1回の経営会議でレビューし、このプロセスにTCFD・TNFD対応の評価も含めています。カゴメグループは、TCFD・TNFDを活用し、レジリエンスを強化するとともに、気候変動と自然資本への対応を通じ、持続可能な社会と農業の実現に向けた価値創造を推進します。
環境実績の詳細については、ESGデータブックをご覧ください。
https://www.kagome.co.jp/library/pdf/company/sustainability/data/esg_data_book_jp_251031.pdf
環境マネジメント計画(2026年度~2028年度)
(4) 安心・安全・高品質を追求した商品・サービス・情報の提供
「品質第一」の考え方のもと、お客様に対し安心・安全・高品質な商品・サービス・情報を提供します。
1.カゴメ品質マネジメントシステム(KQMS)
当社には、「品質第一・利益第二」という考え方があります。これは、お客様に安心・安全な品質を提供することと、利益の創出をどちらも大事にするという考え方です。国際規格ISO9001に準拠した独自の品質マネジメントシステム(Kagome Quality Management System:KQMS)を構築し、設計開発から調達・生産・物流・販売にわたる品質活動に取り組んでいます。新たな中期経営計画の戦略目標実現へ向けて、事業領域や地域の拡大に対応した品質保証体制を確立していきます。
2.畑から製品までの安全管理
① 生産現場のルールと行動指針
製品の製造にあたっては、自社工場において食品安全に関する国際的な認証スキームであるFSSC22000を取得し、HACCPの手法に基づき品質管理活動を実施しています。
委託先の工場に対しては、カゴメの「工場監査チェックシート」を使用して品質監査を実施し、未然防止視点で課題を洗い出し、それらの改善に共に取り組んでいます。
また、2005年に生産現場での「行動指針」を定め、「品質第一」の徹底を図っています。
② 海外の農産加工原材料の調達に対する取り組み
海外の農産加工メーカーからより良い品質の製品・原材料を調達するために、収穫した農作物を加工する製造工程だけでなく栽培方法も含めて、畑から工場までのプロセス全体の課題についてサプライヤーと共に検討します。また、シーズン終了後にはレビューを実施し、お互いに継続して成長できるような目標の設定を行います。
③ 残留農薬に対する取り組み
使用する原材料は残留農薬を分析し、安全性をモニタリングしています。試験・分析機関としての実力を判定する国際規格ISO17025の認定を取得し、分析精度のさらなる向上に取り組んでいます。
④ 食品安全文化醸成への取り組み/「カゴメ 品質の日」
KQMSで定められたルールに対して、一人ひとりが正しい行動を取れるように、食品安全文化の醸成に取り組んでいます。製造工場では、アセスメントを実施、レビューを行うことで課題形成を進めています。
また、過去の失敗に学び、「品質第一」に対する決意を新たにする日として、9月1日を「カゴメ 品質の日」に制定しています。お客様にカゴメブランドへの信頼を継続してお持ちいただくために、カゴメグループ全従業員で品質に対する想い・重要性を再認識する取り組みを進めています。
3.海外グループ会社の品質管理・品質保証体制
2016年に国際事業本部内に設定されたグローバル品質保証部門(東京)は、海外グループ会社で守るべきグループ共通の品質管理基準(KBMP)を定め、海外グループ会社に展開する活動を継続的に行ってきました。また、品質保証のみならず、各社で取り組んでいる環境課題や原価低減などの技術課題の成果を把握し、横断的に共有・活用することで、グループ全体の品質保証レベルや生産性の向上を推進するとともに、海外事業における温室効果ガス排出量の削減や水資源の保全などへも積極的に取り組んでいます。2025年には「グローバル品質保証部」を、「グローバルKAIZEN部」とし、収益安定化を可能にする生産性向上に向け、海外個社含むグループの総力を結集した連携体制の構築を進めています。
4.海外グループ会社共通の品質管理基準(KBMP)の展開と監査による検証・改善
KBMPの展開では、日本の考え方をただ現地に押し付けるのではなく、グローバル品質保証会議などを通して、海外グループ会社の改善事例などを共有し合い、お互いに品質を高める意識を醸成していくことに主眼を置いています。KBMPの導入初期では、異物混入に関する考え方や技術を海外グループ会社に展開し、品質管理レベルの向上に取り組みました。続いて、商品設計由来の品質事故の未然防止活動や、品質事故が起きた場合を想定した対応マニュアルの共通ルール化を行いました。KBMPの定着によって、設計から販売に至るまでの各プロセスにおけるカゴメグループ全体の品質向上につながっています。
KBMPは既存の製造設備のみならず、新工場や新しく導入する製造設備にも設計段階から反映させています。
海外グループ会社共通の品質管理基準(KBMP)のカバーする範囲
5.グローバル品質保証活動の定着
当社では各グループ会社の成功事例、失敗経験の横展開により、品質保証基盤のさらなる強化を進めています。グループ全体での品質保証会議を2年に一度開催し、各グループ会社の経営陣や品質保証・製造の責任者が集まり、品質、生産、5S、安全、サステナビリティなどの取り組みについて、事例の共有や意見交換を行っています。このワークショップでは、各グループ会社の品質マインドを向上させるだけではなく、製造効率の向上や省エネ・環境保全活動など共通性の高い取り組みについて、会社横断型の課題として進め方を決めています。直近では、2024年11月にHITのあるポルトガルで開催しました。カゴメグループに加わったIngomarも含め、7ヶ国からの参加となりました。品質保証、製造設備、環境保全、商品開発などに関する活発な意見交換を通じ、各社の今後のアクションプランを設定することができました。
グローバル品質保証会議の様子(2024年11月5日~7日、ポルトガル)
(5) 多様な人材の活躍機会創出と戦略的な人的資本の強化
多様な背景や能力・特性を持った従業員一人ひとりが活躍機会を見出し、事業を通じてお客様や社会に貢献することで、精神的・社会的に満たされた状態で就業できる環境を整え、選ばれる企業となります。
1.カゴメの人材戦略と2035年のありたい姿
カゴメは従前から、「人の成長がカゴメの成長につながる」という、人が持つスキルや能力こそが資本、すなわち、人的資本経営を志向し、人を中心とした経営を大切にしてきました。その想いと姿勢は現在もこれからも変わりません。
しかしながら、私たちを取り巻く環境は急激に変化しています。そのような中で、2035ビジョンの達成に向け、私たちも変化を遂げ、人材の活躍を通じた成長を果たしていかねばなりません。カゴメグループとしての「人材戦略」を「経営戦略」と連動させることで、カゴメのバリューズに代表される人材の価値を最大化させるとともに、一人ひとりが互いを尊重し、高め合う風土のもと、自らのキャリアを築き、会社・個人がともに進化し、成長している姿を2035年に向けて実現していきます。
2.戦略
2035年に向けた人材戦略として、私たちは以下の4点に焦点を当てていきます。
① 経営戦略と人材戦略の連動
事業構造の大きな変化に伴い、従来のフォアキャストから長期的な目標を見据えたバックキャストでの人材計画の策定と、経営戦略と連動した人材の採用・配置・育成を実行していきます。
② ワークキャリア開発・ライフキャリア支援
多様なワーク・ライフに対する価値観がある中、成長やキャリアのイメージが描けず不安感を持つ従業員に向けて、各自のキャリア設計・実現のための情報や制度を整備し、自身の強みを活かしながら、キャリアを自律的に築いていく支援を提供します。
イ. 人材開発
人材育成を通じて目指す姿は「一人ひとりが互いを尊重し、高め合う風土のもと、自らのキャリアを築き、ビジョン実現に向けて会社・個人がともに進化し、成長している姿」です。
会社の成長のためには個人の成長が不可欠であり、一人ひとりが自らのキャリアを実現しながら、進化・成長していくことで、カゴメのありたい姿の実現につながっていくと考えています。各人の価値観に対応しながら、自律的なキャリア形成を後押しするべく、3つの観点(「キャリア開発」「能力開発」「組織風土開発」)から人材育成のための施策を用意しています。最近では特に、個人で選択できる研修の仕組みを拡張しており、今後も一人ひとりの意欲・能力・就労観が活かされるキャリア実現の支援を行っていきます。
ロ. DE&Iの取り組み
カゴメグループは、国籍・民族・人種・信条・思想・宗教・性別・性自認・性的指向・障がい・年齢・社会的身分などによって差別されることなく、従業員同士が多様な価値観を認め合い、個々の従業員が持てる能力を最大限発揮できることが大切であると考えています。
その上で、持続的に成長できる強い企業になるための経営戦略の1つとして、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進に取り組んでいます。組織における心理的安全性の確保を重視し、従業員一人ひとりの多様な考えや経験を活かすことで、人材が創出できる価値の最大化を図ります。女性活躍の推進においては、2040年頃までに、「社員から役員まで各職位の女性比率を50%」にすることを長期ビジョンに掲げて取り組んでいます。
採用においては、多岐にわたる採用手法と配置部門の組み合わせにより、多様な人材を確保します。キャリア採用においても広く門戸を開き、人材基盤の強化を図ります。総採用数の2~3割をキャリア採用者とし、中核人材へと育成していきます。
また、多様な経験や知識に応じて、能力を発揮できる機会を創出しています。シニアの活躍の場の創出として、2023年4月に、再雇用制度における契約形態を改定し、最長で70歳まで契約延長を可能としました。65歳以上のシニアの方々も様々な職場で活躍しています。
二.働き方の選択肢の拡大
多様な経験機会を得ることで価値創出につなげていくために、副業制度や越境学習(※)など、所属組織の枠を超えた働く場の提供を進めています。また、自律学習プログラム制度を導入し、能力・キャリア開発を今まで以上に自律的に行っていく体制としました。
引き続き現業にとらわれないキャリア開発接点を拡充していきます。
※ 越境学習:普段勤務している会社や職場を離れ、異なる環境で学び、新たな視点を得ること
③ エンゲージメント取り組みの再構築
エンゲージメント、すなわち、働きがいの向上は、カゴメにとっての重要な指標の1つです。やりがいやキャリア機会の提供など、全社重点取り組み領域を定め、効果的な施策・制度を実行していきます。
イ. 働きがいのモニタリング
2021年から「働きがい」をモニタリングする指標としてエンゲージメントサーベイ(「Wevox」:従業員エンゲージメント測定・支援ツール)を全従業員対象に実施しています。
毎年の調査結果は項目別・部門別に分析し、「働きがい」向上に向けた課題抽出と対応策を進めており、サーベイの開始以降、総合スコアは漸増傾向にあります。今後のさらなるスコア向上・「働きがい」向上に向けて、全社視点での施策にとどまらず、各部門との連携による戦略的な取り組みに発展させていきます。現状では、部門間の総合スコアにばらつきがありますが(最大差異:11ポイント/2025年調査時点)、低スコア部門だけでなく高スコア部門でも、部門特性や実態に沿って、毎年のスコア向上・課題改善のための対応策を展開しています。
ロ. 心理的安全性の浸透
当社ではダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンによるイノベーション創出とリスクマネジメントへの取り組みの観点から、心理的安全性の浸透に注力しています。その活動の一環として、2025年には、心理的安全性を浸透させる施策として、各職場からの有志が集まったボトムアップ型組織であるダイバーシティ委員会により、エクイティをテーマとした外部ゲストを招いての講演とトークセッションが行われました。また、日頃のちょっとした感謝の気持ちを伝えるための「サンクスバッジキャンペーン」、対話を通じたチームビルディングをサポートする「よりよいチームづくりのための対話実践プログラム」、また社長が参加者と率直に意見交換を行う「サークルタイム」などを実施しました。さらに、管理職向けの教育・評価施策を拡充し、各組織における心理的安全性の向上に向けた取り組みを加速させています。
心理的安全性向上策
④ 人事領域のグローバル体制の構築・実働化
これまで、人材に関わる戦略・施策について、各社が個別に立案・遂行しており、グループとしての一体感・統一感に欠ける部分がありました。カゴメグループが一体となって成長を遂げていけるよう、グローバル規模の人的課題の把握を行い、あるべき体制を構築し、グローバル人事機能を通じて、人材戦略と実行のグローバル展開を行っていきます。
※ ①と④は今後新中期経営計画実現に向け、取り組んでいきます。②と③は従前からの重点課題として取り組んでおり、上記にその内容を紹介しております。
3.ガバナンス
4.指標及び目標
※1 心理的安全性に関する社内調査スコア
※2 付記事項及び差異に関する補足説明については、Webサイトをご覧ください。
https://www.kagome.co.jp/company/sustainability/data/
※3 年次有給休暇の取得率は4月~翌年3月の期間で集計。2025年は12月時点の着地見込み
5.労働安全
当社では、職場における従業員の安全と健康を確保し、適切な職場環境の形成を促進することを目的として、2022年に全社レベルで「労働安全衛生委員会」を設置しました。
従来は、安全衛生に関する取り組みに事業所ごとのばらつきがあり、全社的なチェック機能も十分ではありませんでしたが、同委員会の設立により、全社横断で事業所ごとの安全衛生状況を確認し、ばらつきの解消と水準の向上を図っています。
さらに、労働安全衛生マネジメントに関する制度設計を進めるとともに、各事業所の安全衛生委員会の活動に対して専門的なサポートを提供し、全社共通の報告様式の導入やリスクアセスメントに基づく横断的なモニタリングも実施しています。
今後は、これまで取り組んできた「見える化」をさらに進展させ、統一化した指標によるモニタリングと、それに基づく改善を推進していきます。
① 労働安全衛生方針
当社では、職場や従業員の業務などに潜むリスクを抽出・評価し、労働災害や健康障害などが発生する要因をできる限り取り除き、従業員が安全に働ける環境を整えるため、以下の通り労働安全衛生方針を定めています。
ⅰ 安全衛生方針に基づいた目標を定め、その達成状況の把握と見直しを行い、安全衛生活動の継続的な改善・向上に取り組み、労働災害を防止する(方針・目標と継続的改善)
ⅱ 安全と健康確保のため職場の労働安全衛生上のリスクを特定・評価し、その結果に基づき適切に対応することで、快適な職場づくりを推進する(リスク管理)
ⅲ 安全衛生関係諸法令や社内規定および、各事業所において労使が協議の上、決定した事項を遵守する(法令遵守)
ⅳ 労使が協力して、全員参加型の安全衛生活動を推進するとともに、ステークホルダーとも良好なコミュニケーションを図る(労使協力・コミュニケーション)
ⅴ カゴメにおいて従業員が健康であることは、個人の健康のみならず会社の企業価値向上にも繋がるという意味で重要であり、積極的に健康増進に取り組む(健康増進)
② 労働災害発生状況
労働災害の発生状況の推移は、以下の表の通りです。
※ 労働災害件数については、国内は通院(医療機関の受診)を基準とし、海外は休業が認められた事案を基準にカウントしています。
2024年度は、国内外ともに件数が増加しました。これはリスク管理体制の強化により、従来よりも迅速かつ正確な報告が可能となったことが背景にあります。特に海外拠点では、事業拡大や人員増加に伴う増加要因に加え、リスク認識と報告体制の整備が進み、グループ全体での「見える化」が前進しました。当社では、労働災害件数を単なる数字として捉えるのではなく、定期モニタリングを通じて傾向を分析し、予防的な安全管理の高度化に活用しています。こうした取り組みにより、労働災害の低減に向けた改善サイクルを継続的に強化しています。今後も、従業員の安全と健康を守ることを企業価値向上の基盤と位置付け、労働安全衛生マネジメントを推進していきます。
③ 労働災害の低減に向けた取り組み
イ. 国内工場における安全道場
当社では、国内各工場での労働災害の低減に向けた施策の1つとして、「安全道場」と称する従業員向けの安全教育を行っています。安全道場は、過去に実際に当社工場で起こった労働災害事例を振り返り、職場に潜む危険を自ら考えるとともに、労働災害を模擬体験できる体感装置を用いて、安全行動の重要性について、身をもって理解する場としています。工場で勤務する従業員は年1回この安全道場を受講しています。また、安全ルールを記した冊子や教育動画を全工場に配布して、全員参加で労働災害の防止に努めています。
ロ.海外子会社とグループ横断での活動
海外グループ子会社では、日本カゴメに比べて休業災害の発生件数が多く、グループ全体での労働安全衛生活動の強化が求められています。全社レベルの労働安全衛生委員会の設置後、各社の労災発生状況をモニタリングしてきましたが、各社の安全衛生レベルや取り組み状況をより正確に把握するために、2025年より海外グループ子会社へのアンケートや現地調査を開始し、各社の安全衛生活動の実態を確認しています。
今後は、この調査結果を踏まえ、グループ横断での安全衛生活動をさらに推進していきます。
6.カゴメの健康経営 ~私たちの健康がカゴメの事業の説得力につながる~
① 従業員に対する健康維持・増進のための重点施策
当社では、健康経営推進のための基本方針に基づいて身体的健康(ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチ)や精神的健康(メンタルヘルス)などの施策を実施し、従業員の健康維持・増進に取り組んでいます。
② 健康経営優良法人2025(大規模法人部門 ホワイト500)に認定
(6) 持続可能なサプライチェーンの構築
「人権方針」や「品質・環境方針」を基に、サプライチェーンを通じた環境・社会への影響に配慮した調達先の選定や、資源循環による原材料調達の持続性向上に取り組みます。
1.サプライチェーンを途切れさせない、カゴメ特有の物流環境
自然の恵みを原材料とした商品をお届けするカゴメにとって、世界中の畑からの原材料輸送に始まり、お客様の食卓に至るまで、モノの流れを止めないことは、事業継続に必要不可欠です。カゴメのサプライチェーンの特徴をご説明します。
①調達拠点:世界中から農作物を集める
カゴメグループは世界中に調達拠点を持っています。海外の調達拠点から輸出された原材料は、長い道のりを経て日本に到着し、国内工場へ運ばれます。そして、工場で生産された商品は、工場から出荷された後、物流倉庫、卸店、小売店と、たくさんの人の手を経て、お客様に届けられます。このサプライチェーンの長さが大きな特徴となっており、サプライチェーンにおけるコントロールの複雑さが構造的な課題です。
②工場:生産地に近く、消費地から遠い
国内の工場は、加工用トマトの産地の近くに建設されてきました。この立地は「畑は第一の工場」というものづくりの思想を持つ、カゴメの考え方が背景にあります。物流においては高速道路のICや主要幹線道路まで距離があることで、工場から消費地までの輸送距離が、他の食品メーカーに比べて長くなっています。
③物流センター:1,000を超える商品・複数の温度帯
カゴメには1,000を超える商品があり、温度帯は調味料やPETボトル飲料などの常温、ホームパック飲料や乳酸菌飲料などの冷蔵、業務用商品などの冷凍と、3種にわたります。温度帯ごとに保管場所や輸送方法、そこに携わる人員が必要になり、マネジメントも複雑です。幅広い商品を展開することは、カゴメの強みであると同時に、物流においては管理を広範囲にする要因となっています。
④得意先:多様な販売チャネル
多様化した販売チャネルも、大きな特徴の1つです。DtoCと呼ばれる通販においては、卸店や小売店を経由せずに流通させています。お届け先に合わせた最適な物流ルートをSCM本部が企画し、常にアップデートしてF-LINE株式会社(※)を通じて配送しています。
※F-LINE株式会社:2019年4月に食品メーカー5社共同による効率的で安定的な物流体制の実現を目的に設立した共同物流会社です。
食品物流の諸課題の解決に向けて、食品メーカー協働での取り組みを進めています。
2.サプライチェーンの一気通貫コントロール
世界中の原産地から国内の工場、物流センターを通して得意先へ運ぶ当社のビジネスモデルは、サプライチェーンの距離の長さやリードタイムの長さが特徴です。距離や時間軸が長くなると、その間にお客様の需要が変化したり、地政学リスクに起因する海上輸送・国際貿易の障害が発生したりするリスクがあります。そのため、当社はサプライチェーン上の情報を一気通貫でコントロールし、予測できないイベントへの変化対応力を強めていく必要があります。
カゴメサプライチェーンのイメージ
3.直近におけるカゴメのサプライチェーンへの取り組み
① 海外サプライチェーンへの取り組み ~調達SCM改革プロジェクトの推進~
当社の国内加工食品事業において、使用原材料の多くは海外原産地から輸入しています。世界各国の産地から様々な種類の原材料を準備することで、消費者の皆様の多様なニーズへ応えてきたという歴史的な背景があります。
しかし、昨今の情勢変化に伴い、エネルギーコストや人件費といったあらゆるコストが上昇基調にあり、当社の強みだった「世界中からの原材料調達ネットワーク」、「多様な原材料配合」の維持は困難な環境になってきています。
この環境変化に対し、2024年春から「調達SCM改革プロジェクト」を開始し、現在に至るまで段階的なオペレーションや情報システムの見直しを行ってきました。
また現在、この改革ノウハウをもとに、海外関連会社のグローバルサプライチェーンの見直しを進めています。
② 国内サプライチェーンへの取り組み ~物流環境の悪化へ立ち向かうための施策推進~
(7) 人権の尊重
カゴメグループは、人権に関する国際規範に基づいた、「カゴメグループ人権方針」を策定し、その考え方や活動の社内浸透に努めるとともに、事業における人権リスクへの対応を進めています。
1.戦略
当社は、企業理念において「感謝:私たちは、自然の恵みと多くの人々との出会いに感謝し、自然生態系と人間性を尊重します」を掲げており、カゴメグループの成長と持続可能な社会の実現に向けて、「人権の尊重」を重要な課題と位置付けています。
人権への負の影響を防止・軽減するための取り組み
① 方針によるコミットメント(グループ人権方針の策定)
事業活動に関わる人々や、事業を展開する国や地域の人々の基本的人権を尊重することは、企業理念を実践するカゴメグループの責務と考えます。当社では、人権尊重の責任を果たしていくための指針として「カゴメグループ人権方針」を策定し、人権の尊重をサステナビリティへの取り組みにおける重点課題として位置付けました。
本方針は、カゴメグループ全ての役員及び従業員に適用され、カゴメグループの製品・サービスに関係する全てのビジネスパートナーに対しても本方針を理解・支持していただくとともに、人権を尊重するように働きかけ、協働して人権尊重を推進しています。
「カゴメグループ人権方針」の詳細については、Webサイトをご覧ください。
https://www.kagome.co.jp/company/sustainability/humancapital/06/
② 人権デューデリジェンスの実施(重要人権リスクの特定)
当社グループのバリューチェーンにおける潜在的な人権への負の影響を把握するため、2024年4月に部門横断型のワークショップ形式で人権リスクアセスメントを実施し、リスクを絞り込みました。その結果、下記記載の2つの重要人権リスク(優先テーマ)を特定し、重点的に対応を進めています。
人権リスクアセスメントのプロセスは「2.リスク管理」の項に記載しています。
対応の進捗・実績
③ 救済措置(苦情処理メカニズムの整備)
当社では、当社グループ及び当社グループ従業員の法令または諸規則の違反、不正行為、反倫理的な行為やそのおそれのある行為を発見した場合にそれらを速やかに是正または未然防止するために、連絡・通報することができる内部通報窓口を設置しています。本窓口は当社グループ及び取引先の従業員、役員、派遣社員、並びにそれらのご家族が利用可能です。本窓口の運用により、人権に対する負の影響の早期発見及び未然防止に努めています。本仕組みは実効性のある救済措置として、情報の機密性や匿名性を担保した上で、通報者が不利益な取り扱いを受けないことを約束しています。自らの事業活動が人権に対する負の影響を直接的に引き起こした、あるいはそれを助長したことが明らかとなった場合は、適切な手続きを通じてその救済・是正に取り組みます。
2.リスク管理
① 人権リスクを識別・評価・管理するプロセス
当社グループのバリューチェーンにおける顕在化している、または潜在的な人権への負の影響を把握するため、人権リスクアセスメントを実施しています。外部環境の変化に対応し、国際人権団体の報告等や、社内各部門とのディスカッションを通じて収集した情報をもとに、新たなリスクの特定や優先順位の決定を行っています。直近では2024年4月にアセスメントを実施し、サステナビリティ委員会での議論を経て、同年6月に重要人権リスク(優先テーマ)を特定しました。特定した重要人権リスク(優先テーマ)は経営会議や取締役会にも報告されています。今後、人権リスクアセスメントは中期経営計画の策定タイミング(3年に一度)を目安に実施する計画です。
リスクアセスメントの手法
以下のプロセスを経て自社が取り組むべき重要人権リスク(優先テーマ)を決定しました。
イ デスクトップ調査:グローバル人権リスクデータベースや国際人権団体の報告などを参照し、当社グ
ループの事業展開国や主要な原材料原産国、特に農業セクターにおける国別の人
権リスクを分析
ロ 部門参加型ワークショップ:社外有識者によるビジネスと人権のグローバル動向に関する講義の後、
各部門担当者(計21名)にて事業活動に関わる人権リスクの議論を行
い、バリューチェーン上の潜在的な人権リスクを抽出
ハ 重要人権リスク(優先テーマ)の決定:抽出した潜在的な人権リスクに基づき、デスクトップ調査
結果とワークショップ結果、並びに関連部門への事後ヒアリ
ングを総合的に検討し、社外有識者、及びサステナビリティ
委員会での議論を通じて決定
② 総合的リスク管理への統合状況
2021年に再構築したリスクマネジメント体制のもと、特定された重要人権リスクもリスクマネジメント統括委員会に共有され、全社グループ視点で経営戦略への反映や優先度に応じた対応策の実行が図られています。