リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。当社グループでは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、以下に記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1) 食品の安全性について
当社グループは、製品の安全性を確保するため、仕入先より原材料・商品等の安全性を保証する書類の入手や当社が仕入先の工場等への立会検査を実施すること、必要に応じて外部検査を依頼すること等によりリスク回避に努めております。また、当社製造工場で認証取得しております「食品安全マネジメントシステムFSSC22000」による自主検査体制や原材料調達から製造工程に至る履歴確認等を行い、今後とも品質管理・衛生管理については万全の体制で臨んでゆく方針です。しかしながら、当社固有の問題のみならず、かかる取引先において、予見不可能な品質的、衛生的な問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 法的規制について
当社は、各種食品向け調味料、天然エキス等の製造販売を主力の業務としているため、「食品衛生法」、「製造物責任法」、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(以下、「容器包装リサイクル法」という。)」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」等の規制を受けております。
「食品衛生法」におきましては、食品・食品添加物の規格基準(表示・使用基準)の中で、食品一般の製造・加工及び調理基準、保存基準が定められており、また、容器包装の原材料の一般規格、材質別規格、用途別規格、製造基準が定められております。さらに、食品製造の営業許可の取得、製造工場の届出が必要となっております。
「製造物責任法」におきましては、消費者保護の観点より、製造物の欠陥による被害者保護が定められております。
「容器包装リサイクル法」におきましては、容器包装廃棄物の分別収集及び再商品化の促進を目的に、回収及び再商品化ルートの選択、経費の負担を定めております。
「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」におきましては、食品製造過程において発生する食品廃棄物の発生抑制、減量化を推進することにより最終処分される量を減少させるとともに、飼料や肥料等の原材料として再生利用するため、食品関連事業者による食品循環資源の再利用等を促進することを目的に、取組みが不十分な場合には、企業名の公表が定められております。
「エネルギーの使用の合理化に関する法律」におきましては、エネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、エネルギーの使用の合理化に関する所要の措置等を講じることを目的に、措置が不十分の場合には、企業に対し必要な勧告や指示、公表が定められております。
これらの法的規制が今後さらに強化された場合には、新たな費用が発生することにより業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、従業員に対するコンプライアンス教育での周知徹底、関係官庁及び取引先からの情報収集等により対処しております。
(3) 原材料価格及び物流費等の高騰について
原油相場や食糧資源価格が高騰し、燃料価格の高騰、原材料の仕入価格の高騰に加え、食料資源の需給切迫による数量確保が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。そのため、複数の仕入先からの原材料購入により、原材料の安定的な確保と最適な価格での調達に努めております。また、生産性向上による原価低減及び可能な限りの製品価格の改定により対処しております。
(4) 減損会計について
固定資産の減損に係る会計基準が適用されており、保有する固定資産の時価が著しく下落した場合や事業資産の収益性が著しく悪化し、回復の可能性が見込めない場合等により減損処理が必要になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替の変動について
海外のグループ会社の現地通貨建ての資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されます。したがって、為替相場の変動により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 訴訟等について
当社グループは、業務の遂行にあたりコンプライアンスの徹底、第三者の権利尊重などの遵法経営を推進しております。現在係争中の訴訟はありませんが、国内外の事業活動の遂行にあたり訴訟を提起されるリスクを負っており、その結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。そのため、これらのリスクに対しては、顧問弁護士等との連携を図ることにより対処しております。
(7) 人材確保、育成について
当社グループは、事業の継続的発展のために、多様性ある人材が個性を発揮して活躍できる環境の整備や、次世代リーダーや専門技術に精通した人材やグローバル人材の育成、多様かつ優秀な人材確保を計画的に進めることに努めておりますが、それらが人材採用・確保等の雇用環境の悪化により計画どおりに進まなかった場合、中長期的に見て、当社グループの事業展開、業績及び成長の見通しに影響を与える可能性があります。
(8) 自然災害について
将来発生が懸念されている首都直下地震や南海トラフ地震のほか、近年の世界的な気候変動により発生頻度が高まっている台風や豪雨、更には疫病の蔓延といった自然災害により、当社グループが事業拠点を有する地域も影響を受けることが懸念されます。このような自然災害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。そのため、当社グループは、大規模な自然災害発生時における業務中断に伴うリスクを最低限に抑えるために、事業継続計画(BCP)を策定して社内で共有しております。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、企業価値の拡大を通して、株主へ長期的かつ適正な利益還元を行う事が会社の責務であると考えております。
このため配当に関しましては、中長期的な企業価値向上のための成長投資及び健全な財務基盤の維持を図りつつ、業績も勘案した安定的な株主還元を行うことを基本的な方針としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針とし、「会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に特段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる」旨を定款で定めており、これらの剰余金の配当の決定機関は、取締役会としております。
当事業年度の配当につきましては、上記の方針に基づき1株当たり66円の配当を実施することを決定いたしました。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上に価格対応力を高め、技術革新に対応する研究開発活動等に有効活用し、さらには、今後の事業戦略の展開のために有効投資してまいりたいと考えております。
なお、当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
(注)2023年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。