2025年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識し、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクや不確実性は、次のとおりとなります。

 当社は、当社を取り巻くリスクや不確実性に関して、リスク管理委員会において定期的に議論し、これらのリスクや不確実性を機会として活かす、あるいは、回避・低減するための対応を検討しています。その検討結果は、随時、取締役会へ報告されており、以下に記載するリスクや不確実性の内容は、取締役会における議論も反映しています。

 なお、これらのリスクや不確実性は、有価証券報告書提出日現在において入手し得る情報に基づいて判断したものであり、当社に係る全てのリスクや不確実性を網羅したものではありません。そのため、現時点において予見できない、あるいは、重要とみなされていない他の要因の影響を将来的に受ける可能性があり、また、文中の将来に関する事項はその発生あるいは達成を保証するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 景気動向の影響について(顕在化の可能性:大、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、日本国内において良質なブランドバッグのシェアリング事業を展開しており、一般消費者に対し、上質なブランドバッグを楽しむ機会を提供することで生活をより豊かにすることを目指しております。

 ファッションは、日本国内におけるライフスタイルの中で重要なポジションを占めていますが、一般消費者を対象とした嗜好性の高い領域であり、いわゆる生活必需品という位置づけではありません。

 そのため、予測し得ない景気変動が生じ、雇用環境の悪化や個人消費の低迷が生じた場合等には、支出抑制の対象となる可能性があります。

 当社は、前払手段の提供やマーケティング施策の展開又は会員に有益な各種情報の提供などを通じて、長期的かつ安定的に当社サービスを利用する会員の増強に努めておりますが、支出抑制のリスクは完全に排除できません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 一般消費者の意識・嗜好の変化について(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:長期、影響度:大)

 当社が提供するサービスは、憧れのブランドバッグを楽しむという一般消費者の潜在的な欲求を喚起するサブスクリプションサービスであり、時代のニーズやファッション・トレンドは、当社の成長を左右する極めて重要な要因となります。

 当社は、常にマーケットの最新状況をリサーチし、消費者のニーズ、嗜好をリードしていくようなサービス開発に努めておりますが、世代の移り変わり等を背景として、消費者の意識・嗜好が著しく変化する可能性は完全に排除できません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合優位性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)

 当社の商材であるブランドバッグは、その商品特性上、高額な仕入単価となります。相当数の消費者のニーズを満たしたサービス展開を実現するためには、多額の初期投資を必要とし、参入障壁は高いものと考えております。

 また、当社はレンタル・販売を通じて良質なブランドバッグを「使いたいときいつでも使える」機会を提供しており、これまでのサービス提供を通じてブランドバッグのシェアリングに関する消費者(消費行動)情報を蓄積・活用しております。シェアリングに関する顧客ニーズ・嗜好は、購入行動に係るものとは異なっており、当社は、当該情報を積極的に活用することで消費者の潜在的な需要を喚起していく提案、商品開発又は効率的な仕入れを実現しております。そのため、仮に大資本を背景とした商品購買力を備える企業等の新規参入があった場合においても、当社は、十分に競合優位性を保てるものと考えております。

 上記の理由により、当社は、これまでブランドバッグのシェアリング事業という領域において業界をリードすることができたと自負しております。

 しかしながら、消費者の価値観の著しい変化による当社情報の陳腐化の可能性又は各ブランド自身がレンタル機会を創出することにより当社の価値が相対的に低下する可能性は完全に排除できません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 知的財産権について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)

 当社は、特許権及び商標権を取得しており、また、第三者の知的財産権に対する侵害予防に努めておりますが、これら知的財産権に対する当社の認識又は見解相違は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、事業の優位性を確保するためにブランド、コンテンツ、ノウハウ、技術等を保護することが継続的に事業運営する上で重要事項であると考えております。そのため、特許権、商標権、ドメインネーム等を取得し、また、今後も新たな事業展開に合わせて関連する知的財産権を取得していく方針としております。

 しかしながら、想定どおりに知的財産権を取得できないことで当社が使用するブランド、コンテンツ、技術等を保護できずに事業の優位性を確保できない、又は、第三者より知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されることで、紛争解決のための費用やライセンス取得等のための費用が発生する可能性は排除できません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 自然災害、事故等について(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社は、国内に物流拠点を構え、通信ネットワークシステムを利用して受注し、国内物流システムを利用することでサービスを提供しており、物流拠点の損壊、物流の停止、又はネットワーク障害は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社の事業は、会員数の増加に合わせてブランドバッグの在庫数を確保し、サービスを提供するアプリを通じて会員に対して豊富な選択肢を提供するとともに、効率的な物流オペレーションを確立することで、会員が「借りたいときに借りられる」サービスを提供することであります。

 そのため、当社は、様々な仕入チャネルの開拓・確保に加え、利便性の高いアプリの開発に努めるとともに、商品の十分な保管・作業スペースを備えた物流拠点を設置し、在庫管理、発送、メンテナンス等の作業を集約・効率化を図ることで、タイムリーにユーザーが望む商品を発送する体制を構築しております。

 しかしながら、地震、水害等の自然災害や火災等の事故により、通信ネットワーク障害が発生する、又は、物流拠点が被害を受けるなど、在庫の毀損、滅失又は商品発送の停止等が発生する可能性を排除することはできません。

 当社は、かかるリスクに備えて損害保険の付保、ネットワークの信頼性向上、複数の物流パートナーの確保等に取り組んでおりますが、大規模な自然災害発生や火災等の予測不能な事象が発生した場合、物流拠点で保管する資産の消失や通信、交通インフラの停止等に伴う営業停止等が生じる可能性は完全に排除できません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 感染症の大規模流行について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、外出時に使用するブランドバッグのシェアリングサービスを提供しており、感染症の拡大は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社が提供するブランドバッグのシェアリングサービスは、ユーザーが外出時に利用するものであり、感染症の大規模流行等により、興行・イベントの中止や政府の外出自粛要請等が生じた場合は、当社サービスの利用機会の減少、ひいては会員数の減少につながることが予想されます。

 当社は、サービス利用料金をあらかじめ払い込むラクサスキャッシュ(前払い式支払い手段)の提供などを通じて、長期的かつ安定的に当社サービスを利用する会員の確保に努めておりますが、外出自粛の可能性は排除できるものではありません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 事業に関する法的規制について(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社が仕入れるレンタル用バッグは、古物営業法に定める「古物」に該当するため、当社は広島県公安委員会より同法による許可を受けております。有価証券報告書提出日現在の当社の主要な事業活動の前提となる許可・届出状況については、以下のとおりであります。

 

許認可等の名称

所轄官庁等

許認可の内容

取消事由

古物商許可

広島県公安委員会

許可番号

第731021400021号

許可年月日

平成26年7月25日

古物営業法第6条及び第24条に定める事由

 

当社は、コンプライアンスを企業の重要な責務と位置づけ、古物営業法の定めを遵守した業務フローを構築することで法令違反等の未然防止に努めており、有価証券報告書提出日まで許可の取消事由が発生したことはありません。

しかしながら、同法に定める許可取消し又は営業停止事由については、当社のみならず、当社役員、従業員個人又は取引先等に起因して発生する不測の事態の可能性は完全に排除することはできません。

このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社が提供するブランドバッグのシェアリング事業「ラクサス」は、「古物営業法」に加え、「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」、「消費者契約法」、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」「資金決済に関する法律(資金決済法)」、「下請法」等の法的規制の適用を受けております。

これらの関係法令の改正や新たなガイドラインの制定又は改定等は、事業活動を制限し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、法令等の改正、政策決定等の動向を注視し、必要な情報を早期収集するともに、必要に応じて顧問弁護士等をはじめとする外部専門家と協議することで、しかるべき対応策を検討することに努めておりますが、リスクが現実化する時期を予測、又は、リスクを完全に回避することは困難であり不測の費用が生じる可能性があります。

これらのリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業運営に関するリスク

① 会員数について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社の成長は、一般消費者に対して魅力的なサービスを提供し、持続的に会員数を増加させることにより実現されますが、本項に掲げるリスク又は現時点において予見できないリスクが顕在化した場合又はその他不測の事態が発生した場合は、著しい会員の減少を招く可能性があります。

 当社は、かかるリスクに備えて、常に社内外の情報を収集し、リスクを回避又は最小化するよう努めておりますが、全ての可能性を完全に排除することはできません。

 これらのリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② ブランドバッグの仕入れについて

イ.安定確保について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)

 当社は、一般消費者のニーズ・嗜好を満たした良質なブランドバッグの中古品を調達し、会員へ提供するサブスクリプションサービスを行っており、当社が持続的に成長するためには、トレンドを捉えたバッグを質量ともに安定的に調達することが不可欠であります。

 一方で、中古品は、新品と異なり市場での流通量が一定せず、また、近年、中古ブランドバッグの市場価格は、円安や物価高を背景として継続的に上昇し、必要とするブランドバッグの確保が難しくなっております。

 当社は、中古品取扱事業者の新規開拓・オークションへの参加など仕入チャネルの多様化により、お客様のニーズに応えるブランドバッグの確保体制の拡充に努めておりますが、将来の景気動向の変化、競合の増加、著しい価格変動等により安定した中古品の確保が困難となり、お客様の求める品揃えが実現できない可能性を完全に排除することはできません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

ロ.仕入担当者(バイヤー)について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、一般消費者のニーズ・嗜好を満たした良質なブランドバッグを仕入れておりますが、中古品の仕入価格については、ブランドの人気の移り変わり等にも左右され、あらかじめ流通価格が決まっているものではありません。そのため、商品の真贋チェック、商品の程度の確認、適正な買取価格を提示できる仕入れ担当者(バイヤー)の存在が欠かせません。

 当社は、継続して仕入れ担当者(バイヤー)の育成を強化しておりますが、経験豊富な仕入れ担当者(バイヤー)の退職・引き抜きなどが短期間に発生し、買取ノウハウの失われることで、お客様の求める品揃えが実現できない可能性を完全に排除することはできません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

ハ.コピー商品の買取リスクについて(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社のサービスは、良質なブランドバッグを毎月定額で使用できるという一般消費者の信頼の下に成立しており、正規品を仕入れるため優秀な仕入れ担当者(バイヤー)を配置し、真贋鑑定を徹底するなど「コピー商品」の排除に努めております。

 一方で、当社が取り扱うブランドバッグの市場では、「コピー商品」の流通が広範囲にわたっており、社会的な問題となっております。当社は、販売前に入念な真贋チェックを実施しておりますが、ブランド直営店以外のチャネルを通じて中古品を仕入れるという特性上「コピー商品」を完全に排除するということは困難であり、「コピー商品」の買取、貸出に伴う信頼低下という一定のリスクを抱えております。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 人材確保について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)

 当社は、人材が競争力の源泉と考え、優秀な人材を継続して採用、育成し、強固な組織を構築していくことに注力しております。

 一方で、少子高齢化による労働人口の減少を背景に、人材の採用・獲得競争は激化しており、当社の成長を支える人材の確保と質の向上は重要な課題となっております。

 また、当社は、人材を「資本」と捉え、その価値を最大化するべく多様な人材が活躍できる制度及び職場環境の整備や活躍の場を創出することで、継続的に人材育成に注力しております。

 しかしながら、競合他社との人材獲得競争の激化により採用が計画どおりに進まなかった場合並びに人材の育成又は就業環境の整備が順調に進まなかった場合には、在職する人材の流失が生じることで、生産性が低下する可能性を完全に排除することはできません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ システムについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社のサービスは、スマートフォンアプリやインターネットサイトを一般消費者との主たる接点としており、事業の安定的な運営のためシステムの利便性の向上やセキュリティ強化に継続的に取り組むことは、重要な経営課題であると認識しております。

 しかしながら、自然災害や火災等の事故など予期せぬ事象により、当社設備又は通信ネットワーク等に障害が発生した場合やプログラムの不具合又は外部からのサイバー攻撃が発生した場合は、顧客や会計等に係る重要なデータの消失やサービス提供が停止するなどの可能性があります。

 当社は、外部のクラウドサーバーの利用等による設備の分散や適切な開発手順の構築又は監視ツールの導入等で対策を講じておりますが、全てのリスクを排除できるものではありません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 特定の業務委託、外注に対する依存について(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、大手宅配業者に委託して一般消費者宅に商品を届けておりますが、天災、国内の騒乱、不慮の事故等何らかの理由により宅配業者が操業停止になった場合、代替する事業者を選定するまでの間、商品の配送が困難になる可能性があります。また、物流コストの上昇傾向が続く状況下で、オペレーションの合理化や利用価格への転嫁等でコスト上昇を吸収できない可能性があります。

 かかるリスクに備えて、当社は、2社の物流業者と取引を行うなど、操業停止や価格上昇に備えた対策を実施しておりますが、予測できない大規模な天災・事故等を理由とする操業停止や、需給バランスやエネルギー価格の上昇等を背景とする価格上昇等の可能性は、完全に排除することが困難であります。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)コーポレート・ガバナンスに関するリスク

① 個人情報保護について(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社サービスは、一般消費者を対象としており、住所、氏名等の会員個人を特定できる個人情報を取得しております。これらの個人情報につきましては、個人情報保護方針に基づき適切に管理するとともに、個人情報保護規程等の社内規程を定め、適切な管理体制の構築と社内教育の徹底を図っております。

 しかしながら、現時点において予見できない理由による個人情報の流失や外部からの不正アクセス等による情報漏洩の可能性は、完全に排除できるものではありません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の社会的信用が失墜し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② コンプライアンスについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、法令遵守を企業の重要な責務と位置づけ、コンプライアンスに関する規程・マニュアル類の整備、定期的な教育の実施等を通じて、すべての役職員のコンプライアンス意識の醸成、向上を図ることで法令違反等の未然防止の対策を講じております。また、当社は、内部監査等によりその遵守状況のモニタリングを実施し、その実効性の確保に努めております。

 しかしながら、コンプライアンスに関するリスクは、当社のみならず取引先に起因して発生する可能性もあり、完全に排除できるものではありません。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 内部管理体制について(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社は、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能する内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しており、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムを構築・運用しております。具体的には、意思決定プロセスにおける潜脱行為等が生じることがないよう関連する規程を定める又は一定数の独立社外役員を選任し経営の意思決定及び業務執行の監督を強化する等を通じて不正や誤謬の予防に努めるほか、代表取締役直属の内部監査担当を選任し、監査役と協働して適法かつ適正な業務執行が実施されるようモニタリングを徹底しております。

 しかしながら、このようなガバナンス機能が想定どおりに機能しない場合又は事業の急速な拡大等により十分な内部管理体制の整備が追い付かない状況が生じる可能性があります。

 このようなリスクに対処できない場合は、ステークホルダーの信頼を失い、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ サステナビリティへの対応について(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:中期、影響度:中)

 地球温暖化や海洋汚染、サプライチェーン上の人権問題等、当社を取り巻く環境の不確実性が高まる中、サステナビリティ対応への要請は重要度が増しております。株主をはじめとするステークホルダーは、当社が持続可能な社会の実現に貢献する企業として活動することに期待しており、これに応える取り組みなしには当社の持続的な成長は望めないと考えております。

 当社は、サービス開始より「サステナブルな循環型社会」の実現を目指し、オペレーションの細部までこだわって新たな価値提案を行ってきましたが、今後より一層の社会的責任を果たす行動が求められます。

 当社が、このような期待に応えられない場合は、ステークホルダーの離反を招き、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)その他のリスク

① 保有資産価値の変動について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:大)

 当社の固定資産は、そのほとんどがレンタル資産(ブランドバッグ)であります。当社は、四半期ごとに保有する固定資産(レンタル資産)の陳腐化に伴う収益性の低下又は状態(毀損等)を考慮し、固定資産の減損損失に係る会計基準に従い、減損損失の認識・計上を行っております。

 将来、市場トレンドの著しい変化に伴う収益状況の悪化又は災害等による大規模な資産の毀損等により、固定資産の減損損失の計上が必要になる可能性があります。

 

② レピュテーションリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:大)

 当社は、当社のブランドイメージや社会的信用を維持・向上させることが、顧客(会員)の獲得において重要であると考えています。しかしながら、マスコミ報道やソーシャルメディアの書き込み等において、当社又は当社役職員に対する否定的な風評が発生し流布した場合等には、当社のブランドイメージや社会的信用が低下する可能性があります。

 また、当社は、法令遵守を企業の重要な責務と位置づけ、事業活動を行っておりますが、職務内外を問わず役職員による不祥事が発生した場合、レピュテーションが著しく低下する可能性があります。

 このようなリスクに対処できない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、当該リスクの対応策として、レピュテーションに影響を及ぼす問題が発生した場合の適切なメディア対応や不適切な投稿に対する対応に備え、日常より弁護士等の外部専門家と連携するとともに、対応プロセスや職責をあらかじめ明確化しております。

 

③ 株式の希薄化について(顕在化の可能性:大、顕在化の時期:中期、影響度:小)

 当社は、当社の役員及び従業員等に対するインセンティブを目的として普通株式のストック・オプションを付与しております。

 2025年3月31日現在におけるストック・オプションによる潜在株式は、1,031,700株であり、発行済株式総数25,654,383株に対する潜在株式数の割合は、4.0%に相当しております。当社の株価が行使価額を上回りかつ権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、既存の株主が有する1株当たりの株式価値及び議決権割合が希薄化することになります。

 

④ 税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:中期、影響度:中)

 当社は、事業拡大のための積極的な投資等を行ってきたことから、前事業年度末日現在において税務上の繰越欠損金が存在しております。当社の事業が順調に推移する場合、繰越欠損金は、将来の課税所得と相殺され法人税等を減額する効果がありますが、今後の税制改正の内容によっては、納税負担額を軽減できない可能性もあります。

 また、繰越欠損金の利用期限を迎えた場合又は繰越欠損金が解消された場合は、通常の税率に基づく法人税等が課税されるため、当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

⑤ 株主構成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:小)

 2025年3月31日現在において、当社発行済株式総数25,654,383株のうち、10,662,934株は株式会社ワールド、6,398,249株は児玉昇司氏が所有しております。両株主が所有する当社株式の全部又は一部を市場にて売却する場合には、当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 配当政策について(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:短期、影響度:小)

 当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の一つであると認識し、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した剰余金の配当を実施していくことを基本方針としております。

 一方で、当社は、未だ成長局面にあるため、内部留保の充実を優先し、事業規模の拡大、収益の向上を図り、企業価値の最大化をさせることが、より適切な株主還元になり得るものと考えており、創業以来配当を実施しておりません。

 将来的には、各事業年度の経営成績、財政状態及び事業・投資計画を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討してく方針としておりますが、その実施時期は未定であります。

 また、当社の事業が計画どおりに進展しない場合、当社の業績が悪化した場合には、配当の実施を行うことができない可能性があります。

 

⑦ 有利子負債について(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:中期、影響度:小)

 当社は、金融機関より事業資金を調達しており、2025年3月31日現在における総資産に対する借入金の割合は、27.8%となっております。

 当社は、当面は事業拡大に合わせて借入を実施する可能性がありますが、金融情勢の変化等により計画どおり資金調達ができない場合には、事業展開等に影響を受ける可能性があります。

 また、当社の借入は、変動金利により行われているため、金融機関の融資情勢や市場金利の上昇による調達金利の変動は、当社の調達コストに影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、今後事業を推進していく中で中長期的に借入金等への依存を低減していくように努めてまいりますが、借入金削減が進行しない場合、借入金及び金融費用・支払利息の計上により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 当社株式の流動性について(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)

 2025年3月31日現在、株式会社ワールドは、当社の議決権の41.6%、児玉昇司氏は24.9%を所有しております。当社は、新規上場時の公募増資によって株式の流動性向上を図りましたが、東京証券取引所の定める流通株式比率は2025年3月31日現在において33%程度となっております。当社は、今後も流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により、新規上場時よりも流動性が低下する場合には、売買が停滞する可能性があり、当社株式の需給関係に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、今後、株式会社ワールド及び児玉昇司氏への一部売出しの要請やストック・オプションや株式を活用したインセンティブプラン、事業規模、売上収益及び利益額の成長を通じた株主層の拡大等の組み合わせにより、必要に応じて流動性の向上を図っていく方針です。

 また、今後、株式会社ワールド及び児玉昇司氏が当社株式を市場内外で売却する場合又はその懸念が市場において認識される場合、当社株式の需給の悪化又はそのおそれにより、当社株式の市場価格に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の一つであると認識し、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した剰余金の配当を実施していくことを基本方針としております。

 しかしながら、当社は、未だ成長局面にあるため、内部留保の充実を優先し、事業規模の拡大及び収益の向上を図り、企業価値の最大化をさせることが、より適切な株主還元になり得るものと考え、創業以来配当を実施しておりません。

 将来的には、各事業年度の経営成績、財政状態及び事業・投資計画を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討してく方針としておりますが、その実施時期は未定であります。

 内部留保資金につきましては、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化と事業の継続的な拡大発展を実現する投資資金として、有効に活用していく方針であります。

 なお、剰余金の配当を実施する場合は、年1回の配当を期末に行うことを基本としておりますが、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。剰余金の配当に関する決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会として定めております。