2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業の継続性に重要な疑義を生じさせるような状況について

当社グループは、当連結会計年度まで11期連続して親会社株主に帰属する当期純損失を計上していること、またこの結果、当連結会計年度の純資産残高が73,206千円の債務超過となっていることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

当社グループとしては、当該状況を早期に改善・解消すべく対処を行っております。

2024年5月30日開催の当社取締役会において、第三者割当の方法によって新株式の発行を行うことを決議いたしました。これにより債務超過は解消される見込みです。

食品事業においては、ビーフジャーキーについて中国国内市場向けの販売が本格的に業績に寄与し中国生産子会社が黒字化し、値上げの浸透等により日本市場向け販売も採算が改善しており、加えて茶飲料についてもファブレス化と価格改定の効果が寄与して事業採算が改善したことから、当連結会計年度は黒字化を達成しており、引き続き利益の拡大を図ってまいります。

化粧品事業をはじめとする新規事業は、当連結会計年度において在庫等に対して棚卸資産評価損等を計上する結果となっており、あらためてその事業採算について検討を行い、黒字に向けた再構築を行うか、それが困難であると見込まれる場合には、撤退や縮小を図ることで、利益の確保を図ってまいります。

 

(2)特定国での生産への依存について

当連結会計年度における連結売上高のうち、中国生産子会社ウェイハン石垣食品有限公司で生産した商品の売上が11.7%を占めております。当社グループとしましてはこの生産、対日輸入を伴う国内販売、及び中国国内販売について、安定した生産及び商品供給に努め、この販売を維持する方針であります。しかし、米中間の貿易摩擦の様に日中の政策や貿易環境等が変化した場合には中国生産子会社製品が100%を占めるビーフジャーキーの日本国内販売が行えなくなる恐れがあることや、新型コロナウイルス感染拡大環境下における中国のゼロコロナ政策により販売先店舗が休業し中国国内販売が行えなくなる事態の再発の恐れがあることは、中国生産子会社の事業の存続に大きな影響を与えることを意味し、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

当社グループとしましては現時点で、日本と中国の2国間において直ちに業績に大きな影響を与えるような事象が生じる状況にはなく、また、ゼロコロナ政策の再来の様な中国国内における販売停止があるとは考えておりませんが、従来取引のなかった中国現地法人との提携等を行うことで、商品の供給先を多様化を図り、中国子会社の生産を継続できる様にするといった施策を行うべく、検討等を行っております。

 

(3)麦茶市場について

麦茶市場は、嗜好品に対する消費者の節約傾向が続く中、少子化に伴う主要顧客の減少による市場縮小も続いており、今後ますます競争が激化する可能性があります。当社グループとしましては、商品のリニューアルや積極的な販売促進により売上の維持を目指していく方針であります。しかし、単価下落や顧客の減少、販売促進費の大幅な増加が今後発生した場合には、当社グループは売上に影響を受ける可能性が高くなります。

当社グループとしては現時点でそのようなリスクが段階的に生じていることを認識してはいるものの、直ちに大幅な売上減少に至る状況にあるとは考えておりません。

 

(4)株式の希薄化及び需給への影響について

当社は、第三者割当による増資として普通株式発行を2021年3月11日および2022年1月18日開催の取締役会において決議し、また簡易株式交換のための普通株式発行を2024年1月17日開催の取締役会で発行を決議し2024年2月16日開催の取締役会で日程変更を決議しております。

これら株式の数の合計は8,227,400株であり、2024年3月末日現在の当社普通株式の発行済株式総数15,295,700株(総議決権152,924個)に対する割合は53.8%(総議決権数に対する割合は53.8%)となっております。上記割当先が、本株式を売却する場合には、当社の株式の需給に影響を与える可能性があります。これらの場合、当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3 【配当政策】

 当社は、創業以来一貫して株主への利益還元を重要な課題のひとつと考えて事業の経営にあたっており、当期利益の額に応じた一定水準の配当を行っていく方針でございます。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。

これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

今期は、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことから、遺憾ながら無配とすることといたしました。

また次期につきましては、現時点では黒字転換し親会社株主に帰属する当期純利益を計上したとしても、繰越欠損金が残る状況であると見込まれることから無配を予定しております。